Vo.yoko(矢沢洋子)、G.keme(ソロシンガー/トーキョーキラー)、Ba.akko(トーキョーキラー/ex.GO!GO!7188)という3人によるガールズバンド、PIGGY BANKSが初のフルアルバムをリリースする。2014年に結成して以降、様々なライブやイベントへ神出鬼没に出演を果たしてきた彼女たち。本格始動した2015年からは自主企画やツアーも行うなど、ライブを通じてバンドとしての結束と強度を高める中で今回のアルバムを完成させた。今作にはオリジナル楽曲の他にも、上原子友康(怒髪天)や百々和宏(MO’SOME TONEBENDER)、古城康行から提供を受けた楽曲も収録。Blondieの名曲をカバーした「One Way Or Another」も含め、バラエティ豊かな全10曲にこのバンドの振り幅の広さを感じずにはいられない。それぞれに強烈な個性を持ったメンバー3人が外部の才能とも交わりながら引き起こす化学反応、その可能性はまさしく無限大だ。実は彼女たちが本格始動するタイミングの2015年初頭にも取材しているJUNGLE☆LIFEでは、今回のフルアルバム発売に際して表紙&巻頭インタビューで大特集! 進化を続ける彼女たちの“今”に迫った。
「ゴリゴリのロックンロール・バンドというよりは、自分たちは“もうちょっとポップなことや色んなことができるバンドじゃない?”というふうに去年1年間を通して考えが変わっていったんだと思います」
●今回のインタビューではakkoさんに鹿児島の自宅からSkypeで参加して頂いているわけですが、これまでも毎月上京してスタジオに入ったりしていたそうですね。
yoko:元々は月1回くらいだったんですけど、今となっては月4回くらい来ていたりします(笑)。
●そんなに!?
yoko:特にリリースが決まってからはレコーディングやミックスの作業があったし、そこに合わせてライブをやったりもしていたので、本当にもう行ったり来たりで…。だから、あまり離れている感覚はないですね。
akko:実は今も隣の部屋にいたりして…(笑)。
●ハハハ(笑)。毎月会う中で、バンドの方向性について話し合ったりもしていたんでしょうか?
yoko:最初の1年はライブも3本しかやっていなくて、まだまだ全然…という感じだったんです。でも去年(2015年)の1年間はライブの本数も増えて、東北へツアーに行ったりもして。制作も並行してやっていたのでスタジオでも会っていたし、その後に居酒屋でお酒を呑みながらのミーティングもしていましたね。
●ミーティングも重ねていたと。
yoko:それぞれに音楽活動をやってきたとはいえ、PIGGY BANKSとしては初めてのことが多かったから。たとえばakkoちゃんは元々3ピースバンド(※GO!GO!7188)で活動してきたし、kemeもピンボーカルのバックで演奏する機会は今まであまりなかったと思うので、そういうところでも「いつもとは違うな」という感覚はあって。だから自分たちで曲作りをしている時もそうだし、楽曲提供してもらった曲をやる時もわりとスムーズにはいかずに試行錯誤していたんです。ライブで1回やってみたら「全然違ったよね」となってアレンジをやり直したりとか、そういう作業はかなりありましたね。
●今までとは勝手が違った?
keme:そうですね。私は楽器の音が3つしかないっていうバンドを今までやったことがなかったので、最初はかなり大変でした。
akko:それぞれの経験がモノを言う時もあるんですけど、このバンドはこのバンドのやり方やスタイルを探していかないといけないから。自分が「良い」と思うものをガンガン取り入れていく中で、このバンドには合わないものというのも当然あって。今もそういうことをやりながら、スタイルを作っている感じですね。
●徐々にこのバンドのスタイルができつつある?
keme:そこは今回のレコーディングが大きかったです。
yoko:レコーディングに入るまでは、ガムシャラなところがあったんです。ライブの映像をみんなで見直したりもしていたんですけど、自分たちでは客観的に見ているつもりでもちょっと違う部分があったりして…。今回の作品は元々、プロデューサーを立てずに自分たちだけでやってみようかという話もあったんですよ。
●当初はセルフプロデュースの予定だったんですね。
yoko:でもご縁があって、今回のプロデューサーのヤマサキテツヤさんに出会うことができて。テツヤさんが入ってから、良い意味で第三者の意見を加えてもらったおかげで自分たちを見つめ直せたし、新しい発見が各々にあったんですよ。私もボーカルとして曲によっては今までと違うアプローチができるんだということを発見したし、そういうものがkemeやakkoちゃんにもあったと思うんです。
●客観的な目を持ったプロデューサーが加わったことで、見えたものもある。
keme:レコーディングをしてみて、何となく見えてきたところがありますね。直前に作った曲もあるんですけど、そういうものが意外とハマったりもして。だから今回でスタートを切れたというか、まだ“これから”という感じです。
yoko:PIGGY BANKSが始まった当初はたぶんkemeの中で、今までみたいな“keme色”の強いギターを出しちゃいけないと考えていたんじゃないかなと私は思っていて。でもレコーディング直前にできたM-1「CORONA」はkemeだからできた曲だと思うし、それに対して3人とも「これ良いじゃん!」っていう感じでハマれたというか。今後はkeme色をもっとガンガン出しても良いんじゃないかという発見ができたのは、私にとってもすごく嬉しいことですね。
●実際にkemeさんも遠慮している部分があった?
keme:yokoの中にイメージがあったから。たとえばギターだったら、“マーシャルでレスポールを鳴らして…”みたいなイメージがすごく強かったんですよ。自分はそういうギターじゃないけど、そこにどこまで歩み寄るかっていうことばかり最初は考えていて。でも自分のいる意味を考えた時に、自分の色を出さないと他の人でも良くなっちゃうなと気付いたんです。今回のレコーディングをしていて、そういうところがわかったかな。
●今作を聴いても、自然とkemeさんの色は出ているように感じました。
yoko:そうですよね。「CORONA」以外の曲でもすごく出ているなって思います。
keme:色んなことをやってみた結果、自分の音もyokoに合うなと思って。私はいつも、何も決めずにレコーディングに入っちゃうんですよ。その場の感覚で「こうやってみようかな」と思い付いたものをやってみて、ダメだったら捨てるっていう(笑)。
●インスピレーションを大事にしているというか。
keme:そうですね。
yoko:あと、プロデューサーのテツヤさんが、“引き出し”のプロなんですよ。押し付けるわけじゃなくて「これをやってみたら?」みたいな感じで言ってくれるので、普段は弾かないようなフレーズでも「ちょっとやってみようかな」と思えたんじゃないかな。
●プロデューサーのヤマサキテツヤさんの存在が大きかった。
keme:すごく大きいですね。もしいなかったら、とんでもないことになっていたと思います(笑)。
akko:プロデューサーと言っても、色々なやり方があるじゃないですか。テツヤさんはバンドの今の状態を理解して、みんなのモチベーションを下げずに良いところを引き出すようなプロデュースをしてくれる人なんです。
●遊び心的な部分は、その場での思いつきを活かしていたりもする?
yoko:そうですね。テツヤさんから「こういうのどう?」というアイデアをもらったりもしたし、逆に自分たちから「こういうことがやりたいです!」と言ったものもあって。
akko:基本的には自分たちがやりたいことをもっとブラッシュアップするために、テツヤさんから「もっとこういうこともしてみれば?」というアドバイスをもらう感じでした。
●自分たちがやりたいことをブラッシュアップして、具現化してくれたというか。
yoko:今まで私の頭の中には、“優等生”的なボーカルのイメージがあって。ある程度は歌が上手くないといけないと思うし、歌詞についても支離滅裂じゃダメだよなと思っていたんですよね。その一方で「ロックでもっと遊びたい」という憧れみたいなものもあったんですけど、今回のレコーディングを通じて「マジで遊んじゃっても良いんだ!」みたいな感じになって、気持ちがパッと切り替わったんです。
●自分の中の遊び心を解放された。
yoko:だから今回レコーディングした10曲についてはほぼ全て、どこかに遊び心が入っているんです。だから今になって、歌詞を書くのがまた楽しくなってきたんですよね。PIGGY BANKSの歌詞を書くのがすごく面白いし、もっと色んな歌い方をしてみたいなと思うようにもなりました。
●歌い方の幅も広がっている気がします。
yoko:私は地声が元々低めなんですけど、M-7「Funky Monkey Ladies」の歌ではもっと低いところからのアプローチをしているのが自分でもすごく面白いなと思ったんです。メンバー2人もすごく面白いと言ってくれたので、そういう感じの声の世界観というのが今後は増えてくるんじゃないかなと思っています。
●歌でも遊び心が出せている?
yoko:そうですね。私は帰国子女なんですけど、英語に関してネイティブというほどではないんです。でもそういう不自由さがあるくらいのほうが、上手い具合にラフさが出せるというか。いかにもバンドらしい感じが出せているんじゃないかと思うんですよね。「CORONA」は英詞なんですけど、歌というよりも“ガヤ”みたいな感じで遊んじゃったりもしていて。
●楽しそうな雰囲気が出ていますよね。
yoko:ガヤを録っている時はメチャクチャ楽しかったです。kemeが原曲を持ってきた段階からパーティー感がすごくあったので、海外でDJの流す音楽に合わせてみんなが踊り狂っているようなイメージにしたかったんですよ。だから、ガヤもそういうイメージに寄せてみました。
●「Funky Monkey Ladies」も英詞ですが、これはどういうイメージで?
yoko:この曲は最初から、絶対に英語で歌詞を書こうと思っていて。歌詞自体にはあまり意味がないんですけど、とにかく狂った感じを出したかったんです。海外の人たちがサイケな感じのパーティーでノッているような世界観をイメージしましたね。
●ライブで1回やってみるという話もあったように、今回の収録曲はどれもライブでやってきたもの?
yoko:ほとんどやっていますね。新しくできた「CORONA」や「Funky Monkey Ladies」もやっていますし、バラードのM-10「Oct.」以外はどれもライブでやっています。イベント出演とかで持ち時間が少ない時はどうしてもアッパーな曲で攻める形になるので、M-8「キラワレモノ」やM-9「Rock’n’Roll Hearts」は他の曲よりもやる回数が少なくはなるんですけどね。
●ミドルテンポ〜バラード曲は、まだライブであまりやっていないわけですね。ライブで初期からやっていた曲というと?
keme:M-4「One Way Or Another」は初期からやっていますね。
yoko:PIGGY BANKSの曲では、女性コーラスを3人全員でやるというのを大事にしたくて。だから最初にカバー曲を何にしようかと話し合った時も、「One Way Or Another」のみんなで歌う感じが良いねとなったんです。M-3「タイムスリラー」のコーラスもすごく気に入っているし、他の曲でもコーラスをガンガン入れていこうという話はしていました。
●「タイムスリラー」はMO’SOME TONEBENDERの百々(和宏)さんの作曲ですが、アルバム制作にあたって提供してもらったんでしょうか?
yoko:最初は違いますね。「タイムスリラー」やM-5「らんらんらん」は、最初からアルバムに入れようと決めていたわけではなかったんです。「キラワレモノ」なんかはまだPIGGY BANKSという名前も決まっていない時に、楽曲提供の話を頂いたもので。
●「らんらんらん」は百々さんで、「キラワレモノ」は怒髪天の上原子友康さんによる曲ですよね。何かイメージを伝えて、作ってもらったんですか?
akko:ライブは観てもらっていますね。
yoko:「今こういう感じの曲をライブでやっています」という話は事前にしました。でも百々さんも友康さん(※上原子)も、私たちのことを元々知っているから。
●元々知っていることで、ある程度はイメージもあったわけですね。オリジナル曲で一番古いものはどれ?
yoko:「Rock’n’Roll Hearts」ですね。
akko:これは百々さんに楽曲提供してもらったりするよりも前に作った曲ですね。
●この曲はakkoさんの作詞作曲ですが。
akko:私は普段あまり曲を書かないのでまずは歌詞から書こうと思って、このバンドにはどういう歌詞が良いのかなとずっと考えていたんです。そういう時にyokoちゃんが大好きなシーナ&ロケッツのシーナさんが亡くなられて…。ちょうどその時期に作った曲なんですよね。そういう感情って誰でも経験があることだし、誰にでも共通するものじゃないですか。yokoちゃんとの間にそういう共有できる部分を初めて見つけられた気がして、「こういうテーマで書いてみよう」と思いました。
●“そういう感情”というのは大切な人を亡くした時の気持ちということ?
akko:そうですね。yokoちゃんと「この感覚だったらわかり合える」っていうのを見つけられた一番最初のポイントだったし、曲を書く上でもイメージが広がるテーマだったから。
yoko:私はこの曲が大好きなんですよ。切ないんだけど、シーナさんみたいなキラキラ感もあって。ちゃんと希望も感じられるところがすごく好きな曲です。
●実際、歌詞の世界観も共感できる?
yoko:そうですね。akkoちゃんが前のバンドとかで書いた歌詞を読んで、「この人の歌詞はすごいな!」と思っていたんです。だから自分の中で、akkoちゃんは歌詞の師匠みたいなところがあって。初めは自分の書いた歌詞をakkoちゃんに見てもらうのが恥ずかしいところもあったんですけど、今ではアドバイスをもらったりもしています。でも今回のアルバムを見ると、私の歌詞はどれも“キワモノ”みたいなところがあって…(笑)。
●確かにちょっとブッ飛んだ内容が多い(笑)。
yoko:ゾンビ(※M-6「ゾンビーボーイ」)が出てきたり、謎のエイリアン(※「タイムスリラー」)が出てきたりして…、SF担当みたいになっています(笑)。でも今は歌詞を書くのが楽しいというモードになっているので、こういう“キワモノ”ゾーンの歌詞だったら、いくらでも書けるかもしれないです。
akko:yokoちゃんのそういうSF的な歌詞は、“訳詞”っぽい感じがするなと思っていて。私にはない部分だし、そこがすごくカッコ良いなと思うんです。PIGGY BANKSにもすごく合っていて、私の歌詞とのバランスもすごく良いのかなと。
●akkoさんの切なくてシリアスな歌詞とのギャップが、良いバランスになっているんでしょうね。「らんらんらん」の歌詞もakkoさんによるものですが、そのせいかyokoさんの歌も今までとは違う感じがします。
yoko:この曲には“ヒリヒリ感”というテーマがあって。私にとっては、そこが課題だったんです。ヒリヒリするような切なさもあるんだけれど、決して暗くはないという感じを歌で出すのがどうにも苦手で。「らんらんらん」の歌詞をakkoちゃんが書く時も、そういうところを意識してもらったんじゃないかな。
akko:今まで聴いたことがないようなyokoちゃんの歌を聴いてみたいというのはありましたね。そういう幅を広げられるのもバンドなんじゃないかという気持ちがあったので、本人にも色々と訊いたりしたんです。表現する上でのエネルギーの1つとして、「yokoちゃんの中にドロッとした部分とかはないの?」と訊いたりもして。yokoちゃん自身もアッパーな曲だけじゃなくて、聴かせる歌や誰かに寄り添うような歌もやってみたいということだったので、私なりにそういう部分を入れてみました。
●「らんらんらん」の歌詞は思春期的なイメージでしょうか?
yoko:私も最初にこの歌詞を見た時は、十代や若い子の歌かなと思ったんです。でも歌っていくうちに「これは今の等身大の自分にも当てはまるし、もっと上の世代の人にも通じるものがあるな」と思って。誰が聴いても「わかる!」という部分がちゃんとあって、決して子どもたちだけに響く歌ではないなと今は思っています。あと、単に「(錆びたナイフを)尖らせて行こうよ」というだけじゃなくて、(サビの)“らんらんらん”というところでちゃんとキュート感も出しているのがすごいなと。女性にも男性にも通じるところがある歌詞ですね。
●今回は「タイムスリラー」と「らんらんらん」の2曲が百々さんの提供によるものですが、その振り幅がすごいなと…。
keme:すごいですよね。
akko:でもどっちもハマったんですよ。
yoko:楽曲提供をしてもらう中で「これはちょっと違うな」と思う時もあるんですけど、百々さんの曲はどちらもイメージに合っていたので「天才かな?」って思いました(笑)。
●バンドの方向性という面でも、SF的な「タイムスリラー」とヒリヒリ感のある「らんらんらん」が両輪になっている気がします。
yoko:そうかもしれないですね。長くやっているというのもあって、この2曲は特に自分たちの中でもしっくり来ているんです。
●「タイムスリラー」はアルバムタイトルにもなっているわけですが、今作の軸になっている曲?
yoko:リード曲ではないんですけど、ジャケットにも「タイムスリラー」感がかなり出ているし、全体を通してPIGGY BANKSの軸にはなっている曲ですね。
●ジャケットのイメージもSF的ですが、最初からそういうものにしようと思っていたわけではない?
yoko:結果的にこうなった感じです。アルバムを作る上で曲のイメージを寄せていこうとしたわけでもなくて、「何か面白い歌詞が書きたいな」と思っていただけで。最初に書いたSFシリーズは「タイムスリラー」で、その次に「ゾンビーボーイ」ができたんですよ。でも最初からそういうテーマで書こうと思っていたわけではなくて、気付いたらゾンビの歌になっていたという感じですね(笑)。
●SF的な要素も結果として出てきたわけですが、バンドのイメージも結成当初とは変わってきているのかなと。初期に比べると、ロックンロール・バンド感は薄くなったように感じます。
yoko:最初のアーティスト写真では革ジャンを着ていたりしたんですけど、すぐに脱いでしまって。ゴリゴリのロックンロール・バンドというよりは、自分たちは「もうちょっとポップなことや色んなことができるバンドじゃない?」というふうに去年1年間を通して考えが変わっていったんだと思います。
●ロックンロール・バンドというイメージが前面に出過ぎてしまうと、やれることも狭まってしまうというか。
yoko:そうなんですよね。やっぱり私たちは色んなジャンルの人たちに見てもらいたいし、色んなイベントに出ていきたいから。そういうところで言うと、自分たちの持っている可能性をあえて狭めずにやったほうが良いのかなと思いますね。
akko:この3人で音を鳴らせば、この3人にしかできない音楽になるとは思うんです。ただ、今はまだ色んな実験をしたいと思っていて。何でもやってみないことには、何がこの3人にハマるかはわからないから。そこは恐れずに今回は色々と挑戦してみた感じですね。
●今作を作り終えての満足感はある?
yoko:現段階のPIGGY BANKSとしては最高のものができたと思っていますが、これ以上のものにならないといけないという気持ちはもちろんあって。どんどん変わっていくと思うけど、今の段階ではパーフェクトだと私は思っています。
●これからもバンドとして、進化を遂げていく。
yoko:「PIGGY BANKSって、こういう感じだよね」というものが本当にちょとずつわかってきたという感覚が今はあるので、2作目〜3作目でもっと進化を遂げるんじゃないかなと。
●“PIGGY BANKSらしさ”というものを、自分たちの中でも完全に固めてしまっているわけではない。
yoko:基本的には、カッコ良いものをやりたいという気持ちが一番にあって。カッコ良い音楽やカッコ良いライブがやりたいという気持ちがあるからこそ、あえて決めつけはしないというか。「絶対にPIGGY BANKSはこう!」ではなくて、他の可能性も考えたいから。でも良いとこ取りばかりをしているとイメージがグチャグチャになりそうな気もするので、「おおまかに言うとPIGGY BANKSはこういう音楽」というものは固めていかなきゃなと思っています。今回のアルバムで何となく見えてきた部分があるので、4月から始まるツアーでもっと見えてくるものがあるんじゃないかな。
●ライブをやる中で見えてくるものがあると。
akko:やっぱりライブだなと思いますね。今のPIGGY BANKSは、ライブでストレートなロックンロールをやっている時に一番カッコ良いところが見せられている感じがしていて。そこをツアーやライブでどんどん突き詰めていったら、また「次はこういう曲をやりたいよね」というものも見えてくる気がしているんです。
●今後はkemeさんが作る曲も増えていく?
yoko:期待できそうな感じはしています。
keme:それはどうかな…?
一同:ハハハ(笑)。
●そこも含めて今後をお楽しみにと(笑)。まずはリリース後のツアーが楽しみですね。
akko:今の時点で得られた、この3人の一番カッコ良いところをライブでは見せたいなと思っています。
yoko:曲によってはライブならではのアレンジも入ってくるので、音源とは違う感じになっているものも多いと思います。だから、ぜひライブにも遊びに来て欲しいですね。ツアーでは一皮も二皮も剥けた姿を見せたいです!
Interview:IMAI