5色のサングラスがトレードマークのトリプルボーカルバンド、ザ・チャレンジ。2015年4月にはミニアルバム『スター誕生』で念願のメジャーデビューを果たし、6月には赤坂BLITZでのワンマンライブも大成功に収めた。8月にはお笑い芸人の“とにかく明るい安村”とコラボしたMVが話題となった1stシングル『すっぽんぽん』も発売し、ロックシーンからお茶の間までをザワつかせてきた彼らが遂に1stフルアルバムをリリースする。リリースを前にした12/13には、1万人の観客を集めることを目標に代々木公園野外ステージでフリーライブ「ザ・チャレンジランド プレオープン・フリーライブ in 代々木公園」も敢行。常にチャレンジしながら快進撃を続けてきた5人が生み出した新作『ザ・チャレンジランド』は、「アミューズメントパーク」をテーマにしたコンセプトアルバムだ。世代を問わず誰もが楽しめるアトラクションのような楽曲たちを揃えた今作について、中心人物の沢田チャレンジ(Vocal/Center)に迫る巻頭ロングインタビュー。
●先日(2015/12/13)は1万人の観客を集めることを目標に代々木公園野外ステージでフリーライブ「ザ・チャレンジランド プレオープン・フリーライブ in 代々木公園」を開催したわけですが、これも1つの“チャレンジ”だったわけですよね?
沢田:チャレンジでした。2015年はメジャーデビューイヤーだったんですけど、僕らは当初メジャーデビューを1つの目標としていたんですよ。あとは赤坂BLITZでやりたいっていうのも、昔からずっと思っていたことで。それが今年2つとも叶ってしまったことで、ちょっと“目標ロス”みたいになっていたところがあったんですよね。
●目標ロス(笑)。
沢田:いったん目標がなくなって、「これじゃマズい…攻めなくちゃ」と思ったんです。そこでずっと応援してくれているみんなへの感謝の気持ちと、自分たちの姿勢をもう一度見せるっていうところで、思い切ったチャレンジとして代々木公園でのフリーライブをやることにして。でも普通は、もうちょっと売れてからするものなんですよね。ロックシーンからマスに行くために、勝負をかけるタイミングだったりとか…。あとは新作のリリースタイミングとかにやるんでしょうけど、僕たちはリリースの1ヶ月前にやったんですよ。
●色んなタイミング的にちょっと早い上に、当日は真冬で雨も降っていたという…。
沢田:かなりチャレンジングなタイミングでやりましたね。でもそうじゃないと面白くないし、ある程度の人数が集まることを見込んでやるよりは「集めるぞ!」っていう気持ちでやるのがザ・チャレンジっぽいのかなと思って。ファンが一緒にわかりやすくチャレンジできることっていうのは、これからも考えていかなきゃなと思っています。
●自分たちのファンと、一緒にチャレンジすることを大事にしている。
沢田:ザ・チャレンジというバンド名もそうですし、ファンのみんなに提示してから「一緒にチャレンジしようぜ」っていうのがウチのバンドだと思うんです。その1つが2015年末のフリーライブだったし、そこでチャレンジすることの面白さをわかってもらいたいなという気持ちもありましたね。
●1万人の観客を集めるという目標を掲げることで、お客さんも一緒に挑戦している感覚になれるわけですよね。
沢田:「1万人なんて無理でしょ!」って思いながらも「じゃあ、友だちを連れて行こう」と思ってくれたり、「こんな無謀なチャレンジをしているなら、ちょっと見届けに行ってやろうかな」みたいな人も来てくれるんですよね。そういうのが僕たちのやりたいことかなと思っていますね。
●ザ・チャレンジのことを知らなくても“なんか面白そうなことをやっているヤツがいるぞ”っていうところで、従来のファン以外も巻き込んでいける。
沢田:そこが大事なんですよね。僕たちはやることがいちいちインパクトがあるというか、いつも変わったことをやっているんですよ。それは(リスナーに)気になってもらうためなんですけど、“諸刃の剣”になるところもあって。気になってくれる人もいれば、ビジュアルを見た瞬間に「私には関係ない」って判断する人もいて、そこはすごく難しいところなんです。でも嫌悪感を抱く人が10人中7人いたとして、残りの3人がすごく興味を持ってくれたらそれで良いのかなっていう。興味も嫌悪も抱かれないよりは、興味を持ってくれる人が1人でもいるようなことをやっていくのが良いのかなと…なかなか茨の道ですけどね。
●まず興味を持ってもらわないと、音楽も聴いてもらえないわけですからね。
沢田:そもそもフリーライブをやろうと思ったのも、CDのプロモーションって本当に難しいなと思っていたところからで。聴いてもらわないと良さがわからないけど、聴いてもらうにはCDを買ってもらわなくちゃいけないじゃないですか。だったら買った人を集めてフリーライブを発売後にやるよりも、発売の1ヶ月前くらいにフリーライブをやることで少しでも興味がある人に来てもらって、良いと思ったらアルバムを買ってもらうという流れのほうが良いんじゃないかなと。だから『ザ・チャレンジランド』のプレオープンイベントということにして、アルバムを一足先に楽しめるイベントにしたんですよね。僕たちなりのプロモーションの、一番の目玉が今回のフリーライブだったんです。
●そのフリーライブを経て、いよいよ『ザ・チャレンジランド』の発売を迎えるわけですが、今作は「アミューズメントパーク」をテーマにしているそうですね。
沢田:とにかく楽しそうなものが色々あって、聴いてみたらまさに遊園地に行ったような気持ちが味わえるものというか。アミューズメントパークをテーマにしたアルバムなんですけど、ロックオペラがやりたいとかいうことでは全然なくて、ロックの多様性を見せたかったんです。ザ・チャレンジは色んなことを提供できるバンドだからこそ、色んなロックの側面を提供したいなという気持ちで作ったアルバムですね。ミニアルバムやシングルだとなかなか色んな側面を見せられなかったんですけど、今回は今までできなかったこともやってみたので、ファンのみなさんには「こんなことができるんだ!」とか「こんな曲も好きだな」と思ってもらえるようなものになったんじゃないかと思います。
●今まで見せていない面や新しい部分を出すことができた。
沢田:やっとそれができた気がしますね。今って(フェス等の)30分のステージでどう勝負していくかというところに、バンドがどんどん特化してきていると思うんですよ。僕たちは『スター誕生』っていうメジャーデビューミニアルバムを出したんですけど、それはまさにそういう感じの作品で。ザ・チャレンジがライブを通じて戦ってきたやり方をミニアルバムの中に落とし込んだので、ザ・チャレンジのライブの楽しさが詰まった作品だったんですよね。でも僕たちはそれだけじゃないから。バラードやアコースティックな曲もやりたかったりするので、今回はそういうことをやってみました。
●アルバムの制作はいつ頃にやっていたんですか?
沢田:リリースは1月なんですけど、制作は8月には終わっていましたね。
●早いですね!
沢田:8月は超大変でしたよ。自分たちの色んなライブがある中で2週間後にレコーディングなのに曲がまだないっていうような状況下で、本当にみんなで一丸となって作ったアルバムですね。テーマは決まっていたので、そこに向けてみんなで作っていく感じで。アルバム1枚を1ヶ月で作るって普通のバンドだと難しいかもしれないけど、ザ・チャレンジは5人ともソングライティングができるバンドなので分担すれば曲はできてしまうんですよ。メンバーそれぞれにアトラクションを振り分けるというやり方で、今回は作っていきました。
●アトラクションを振り分けるというのは?
沢田:「お前はジェットコースター担当ね」みたいに割り振って、アトラクションをそれぞれが作曲してくるという作り方でした。そこで上がってきた曲に対して沢田チャレンジが歌詞を書く、みたいな感じで作っていきましたね。
●どの曲がどういうアトラクションだったりするんでしょうか?
沢田:たとえばM-4「愛のロケット」はジェットコースターで、M-13「大きな世界」は観覧車をイメージしていたりして。M-12「オレオマエフェスティバル」は、「パレードみたいな曲も欲しいよね」っていうところから作った曲ですね。
●M-2「すっぽんぽん」やM-6「LOVEってる」のような既発曲にも、アトラクションを割り振っていった?
沢田:「LOVEってる」は『ザ・チャレンジランド』に持ってきたら、「メリーゴーラウンドっぽいね」とかそれぞれ解釈をして。「すっぽんぽん」は、すっぽんぽん(裸)だからたぶんプールなんだろうなっていう(笑)。
●ハハハ(笑)。
沢田:そんな感じで、それぞれにアトラクションとしての役割を与えていって。面白いことに、遊園地を作るっていうことを考えながら曲を並べていくと、アルバムとしてのバランスも良くなるんですよね。
●そもそも遊園地というものが、色んなものがバランス良く配置されているからでしょうね。
沢田:だから、曲順も悩まなかったというか。どんな曲順でもいけるんですよ。なぜかっていうと、遊園地って人によって楽しむ順番が違うから。たとえば「私はジェットコースターが好きじゃなくて、ゆったり乗れるアトラクションが好き」っていう人は、このアルバムの中でそういう曲だけを愛し続けてもらっても良いのかなっていう。気分に合わせて乗り物を選べるような楽しみ方もしてもらえるのかなと思っています。
●M-9「パイレーツ・オブ・シモキタザワ」も某ランドのアトラクションをイメージさせつつ(笑)、ザ・チャレンジが下北沢から出てきたバンドだということを象徴する曲なのかなと。
沢田:今は下北沢を背負っているのはKEYTALKになっていますけど、「俺も下北沢にいた長さなら負けねぇぞ」みたいなところがありまして(笑)。下北沢を愛しているので、そこはアティテュードとして入れておきたいなっていう。あと「下北沢には海がないじゃん!」っていうツッコミ待ちなんですけど(笑)。
●あくまでも、たとえだと(笑)。
沢田:でも下北沢の王将とかで朝まで飲んでウダウダしているあの人たちって、現代の海賊だなと思う時があって。あの感じがすごく好きで落ち着くというか、“やっぱりバンドマンなんだな”って思う瞬間だったりするんですよね。どうでもいいことをずっと朝まで話しているんですよ。「夢しかねぇけど」っていう感じで…、この曲は自分で聴いていてもたまに涙が出てくるんです。
●本当に自分たちの気持ちを歌っているというか。
沢田:それを物語化した曲ですね。ザ・チャレンジを聴いてくれている人たちに向けてラブソングや応援歌を歌っていることはすごく多いんですけど、「パイレーツ・オブ・シモキタザワ」は完全に自分たちや下北沢で夢を持ってチャレンジしているヤツらのことを歌いたいなと思って書いた曲だったりして。こういう曲もあることで、アルバムとしての幅も広がるというか。
●しかも別に下北沢やバンドマンじゃなくても、気持ちを重ねられる内容ですよね。
沢田:新橋で飲んでいるサラリーマンの方でもいける歌ですよね。
●M-10「週末ロック」の歌詞も同じように、日常を生きている人が自分を重ねられる歌詞になっているかなと。
沢田:ザ・チャレンジのライブって、小学生が親子連れで来ていたり、学生も多い中で、社会人の男性も来てくれるんですよ。僕たちは色んなことを経てザ・チャレンジをやっているので人生のわびさびが多少なりともわかるところはあるし、そういう働いている人たちを応援するような曲も作りたいなと思って。これまでも「花金ダンス」(『スター誕生』収録)や「恋のサービス残業」(『みんなのチャレンジ』収録)みたいな働く人を応援する曲を書いてきたんですけど、これもその1つですね。
●働きながらでもロックはできるというか。
沢田:誰しもバンドTが似合わなくなる瞬間ってあると思うんですよ。だけど見た目じゃなくて、「ロックしたいっていう気持ちがあれば良いんだぜ」っていうことを歌いたかった。ロックを“卒業”しちゃう人が多いんですけど、本当は卒業なんてなくて。たとえ前は週5日ライブハウスに行っていたのが年1回になっちゃった人も、それはロックを嫌いになったわけでも卒業したわけでもなくて、自分に合うスタイルのロックとの付き合い方をしているだけだから。ロックって本当はもっと自由だし、「卒業しないでいつまでもロックしていこうよ」と自分の中ではずっと思っているんです。こういう曲を聴いて、ロックを一度離れちゃった大人がまた戻ってきてくれたら嬉しいなと思って書きましたね。
●色んな経験をしてきたからこそ歌える内容だと思います。
沢田:ロックってどんどん自由になっているし、バンドのやり方も楽しみ方も自由になっていると思うから。自分たちを見て、それを感じてくれたら嬉しいなと思いますね。20歳のバンドなら“憧れだけじゃ飯は食えなくて”みたいな歌詞は絶対に書かないと思うんですよ。でも“憧れがなくちゃ生きてけなくて”っていう歌詞は…、本当に沢田さんは良いこと言うな〜っていう(笑)。
●自画自賛した(笑)。バンドやロックにこだわりつつも、「LOVEってる」みたいなアイドルっぽい曲調もあるのが面白さかなと。
沢田:「LOVEってる」は、完全に昭和のアイドルをやろうと思って作った曲だったりしますね。ロックンロールだけをやりたいわけじゃなくて、ロックというフォーマットで色んな音楽にチャレンジするというのをやってみたいんです。
●こういう面もあるから、間口も広がるわけですよね。
沢田:メジャーデビューしたタイミングで、テレビにも色々と出させて頂いたんですよ。「LOVEってる」は『COUNT DOWN TV』のエンディングテーマになったりもしたので、思っていた以上に「テレビを観てファンになりました」っていう人が多いんですよね。普段ロックを聴かない人が何も知らずに僕らの曲を聴いて、後から「あ、これってロックなんだ」と知ってもらうくらいで良いのかなと思っているんです。結果的にロックが好きになってくれたら、すごく良いなと。
●ザ・チャレンジがロックへの入り口になるというか。
沢田:先日のフリーライブをやった後にCDの即売会をさせて頂いたら、そこで行列ができて120枚のCDが売れたんですよ。その中にはもちろん今までのファンの人もいたんですけど、新しい人がすごく増えていて。あんまりライブに来るような感じじゃない、シュッとしたOLみたいな格好のキレイなお姉さんもいたので「普段はロックとか聴かなそうですよね?」って訊くと、テレビで僕らを見てファンになって来てくれたらしいんです。それで僕が「三代目 J Soul Brothersとか聴きそうですよね」って言ったら、「えっ、わかります!?」って驚かれて…。
●見た目のイメージどおりだった(笑)。
沢田:「当てちゃった!」と思って(笑)。でも自分たちもそこと並べられるようになれたんだっていうのがすごく嬉しくて。何のジャンルかは関係なくて、どれも“音楽”でしかないんですよね。僕はロック畑出身ではあるけど、音楽っていうことでそういう人たちと肩を並べていきたいと思っているので、本当に嬉しかったです。お客さんの多様性があるのは、ザ・チャレンジの面白いところだなと思いますね。
●お客さんに多様性があるからこそ、曲も振り幅が大きくできるんじゃないですか?
沢田:そうですね。『スター誕生』はライブ仕様の曲を集めたんで“ライブで楽しい”っていう方向での幅だったんですけど、今回は“日常の中での幅”を見せられたんじゃないかな。僕たちはロックが好きっていうのはもちろん一緒なんですけど、ある特定の音楽が好きで集まった5人じゃないんです。だから「こういう音楽をザ・チャレンジでやろうぜ」っていうのはあんまりないし、わりと自由にやれているんですよね。
●M-3「あいうえお」の歌詞は“あいうえお作文”になっているわけですが、こういう遊び心も面白いなと思いました。
沢田:これは、実は1年前くらいに作っていたものなんですよ。今作用の曲を探し始めた時に、「あいうえお」って遊園地のアトラクションっぽいなと思ったので入れることにしました。子どもでも歌える感じが、遊園地っぽいなと。
●最初から歌詞のイメージも湧いていたんですか?
沢田:この曲はタラコチャレンジが作ってきてくれたんですけど、すごく疾走感と清涼感のある良い曲だなと思って。でも良い曲を良い曲のままでやったら全くザ・チャレンジっぽくないし、面白くないなと思って。タラコチャレンジの曲ってすごく良いから、作詞家としてはブチ壊したくなるんですよね(笑)。
●ハハハ(笑)。
沢田:“どうクセのある曲にしてやろうかな”みたいな感じでしたね。この曲は歌詞をあいうえお作文にしたことで、良い意味で変な曲になったかなと思います。「オレオマエフェスティバル」っていうタイトルを決めた時は、メンバーみんなに反対されたんですけど…。
●反対されたんだ(笑)。
沢田:レコーディング前日くらいまで、チャレマック(※チャレンジオノマック)に「歌いたくないです」って言われていて(笑)。でも「本当に良い歌詞なんだよ! 歌えば絶対に馴染むから」と言って、何とか説得しました。それがリード曲になっちゃったという…。
●この曲のMVは、遊園地を舞台にしていましたね。
沢田:1曲だけで遊園地感を出すために、監督に遊園地で録りたいとお願いしました。
●ある意味、今作を象徴している曲なのかなと。あと、M-13「大きな世界」の“これからも一緒にふざけていこう”という歌詞は、バンドの姿勢を象徴している言葉かなと思いました。
沢田:そうですね。このアルバムを特に象徴しているのは「オレオマエフェスティバル」と「大きな世界」だと思っていて。「ザ・チャレンジの音楽は君を楽しい世界に連れて行ってくれるよ」っていうことと「夢のような時間がそこにはあるんだ」っていうことを、「オレオマエフェスティバル」では伝えたかった。でも、楽しい時間ってどうしても終わってしまうし、その時に寂しさを感じちゃうと思うんですけど、それって決して悲しいことではないと思うんですよ。楽しい時間があるから、日常を頑張れたりするわけで。「大きな世界」では、そういうことを伝えたくて。
●楽しい時間を支えにして、日常を生きていく。
沢田:日常を楽しくするのって、すごく難しいと思うんですよ。だからこそ、楽しい瞬間をすごく楽しもうっていう。ロックやファンのみんなのおかげで自分自身はそうさせてもらっているし、僕たちからもメッセージとして返したいから。「今日は終わっちゃうけど、明日から頑張ってまたここで会おうね」っていうことをストレートに伝えたいなと思って。メジャーデビューしたことで、ファンのみんなも「これから先どこまでザ・チャレンジを応援していけばいいんだろう?」っていう気持ちになっていたりもするのかなと思ったんです。ここでしっかり自分たちが思っていることや、「ザ・チャレンジはあなたにとって、こういう存在でありたいんだよ」っていうことをちゃんと伝えたいと思って書いた曲でもありますね。
●全体を通じて、どうやったら伝えられるかということをすごく考えられた作品だというのは感じます。
沢田:本当は届いたはずの人に届いていない可能性があることが一番悔しいんです。ザ・チャレンジを好きになる可能性がある人がそのキッカケに気付かないまま過ごしていたら、すごくもったいないと思うんですよ。好きじゃない人に好きになってもらうよりも、好きになってくれる可能性がある人に届けるほうが全然正しいと思っていて。それもあって、色々と細かくやっちゃうんですよね。
●好きになってくれる可能性のある人にちゃんと届けるために、細かくアプローチしているわけですよね。
沢田:フリーライブの告知のときも、色んなライブ会場に自分で足を運んでビラ配りをしたんですよ。それをやったことですごく手応えがあったというか、ザ・チャレンジの名前だけは知っている人にも聴いてもらえるキッカケが作れたんですよね。やっぱり本人に「聴いてくれよ」って言われたら、聴いてみようかなって思うじゃないですか。自分に何ができるのかって考えた時に、1対1のコミュニケーションが究極的に強いなと思って。
●まさに1人1人に届けていく。
沢田:最初は100人だとしても、それを10回やれば1,000人になりますからね。せっかく“名前だけは聴いたことがある”っていうところまでは来ているので、そういうことをするのはすごく大事だなと思っていて。リリース前後はいろんなライブとかイベントに出没して、直接チラシを配ろうかなと思っているんですよ。
●それは面白い(笑)。
沢田:SNSでいくら告知しても、それって自己満足というか。たくさんの情報の中に埋もれてしまう。今だからこそ逆に、アナログなことをやっていきたいなと思っているんです。そもそも今までずっとそういうふうにやってきたバンドだから、そのやり方を変えちゃダメだなと。やれる限り続けていこうって、すごく思いますね。
Interview:IMAI
Assistant:森下恭子