8/10(月) 大阪 心斎橋BIGCAT
【メインステージ】 ラックライフ / cinema staff / BAROQUE / SHE'S / Ivy to Fraudulent Game
【アコースティックステージ】ヒグチアイ / 大山藍 / 瀬戸山智之助
【O.A】KU-NEL MYMY 【MC】PJ&木本(SOUND CREATOR)
トップバッターはオーディションにより選ばれたオープニングアクト、KU-NEL MYMY。日常を歌う中にも独自性を感じさせる歌詞が魅力的だ。続いてはシンガーソングライターの瀬戸山智之助。優しくも力強い歌声で、爽やかに歌い上げる姿はオーディエンスの目を釘付けにしていたのでは無いだろうか。アカペラで歌われた「はっぴーえんど」のサビではその真価が発揮され、思わず鳥肌が立った。
3番手はIvy to Fraudulent Gameだ。テクニカルなフレーズをいとも容易く操り、複雑に絡み合うアンサンブルを作り上げる実力にただただ脱帽。「she see sea」のように叙情的で美しい旋律が鳴り響くと、もうそれだけで涙腺の堤防が決壊しそうになる。舞台は再びアコースティックステージに戻り、大山藍が登場。彼女の魅力を特に強く感じたのは「紅い風船の遭難」を聴いた時だ。それは言うなれば、仄暗い水の底を覗いているような感覚。もっと覗いてみたい、けれど踏み込み過ぎると深みにはまって戻って来られないかもしれない、だけどやっぱり覗いてみたい…底知れない存在への好奇心と恐怖心を同時に煽られている私はもう、既に彼女の術中にはまっているのかもしれない。
しばし現実感が薄れていた中でも、SHE’Sのエモーショナルなライブが始まると、意識は覚醒しテンションは急上昇! しかし高い熱量を放ちつつも、その良さは勢いだけにあらず。耳朶を震わせ脳裏に焼き付く洗練されたグッドメロディこそ、彼らの真骨頂ではないだろうか。マネージャーS氏が「初めてライブを観た時、スタジアムバンドとしての画すら想像できた」と語っていたが、「Night Owl」を聴いた瞬間正にその言葉の意味を理解した。
本日はピアノ弾き語りスタイルで現れたヒグチアイ。彼女の歌は一言たりとも一音たりとも聴き逃してはいけないような気持ちになる。いや、聴き逃したくないという方が正しい。きっと初めて観た人でさえもそうだったのではないかと思う。真っ直ぐに真摯に歌う姿勢が、観衆を惹き付けて離さないのだ。アコースティックステージのトリを終えて、残るはバンド3組のみ! ここでBAROQUEが開放感抜群の「PLANETARY LIGHT」を差し込みライブがスタート! 高い技術力&表現力により壮大なサウンドスケープが無限の広がりを見せ、歓喜がオーディエンスに伝播していく…音楽の力をまざまざと感じさせるステージングは圧巻の一言だ。「大阪の端っこから来ました!」と高らかに宣言したラックライフは、親しみやすいMCと共感度数の高い楽曲でフロアに熱狂の渦を作り出す! 彼らはライブのたびに“ラックライフのライブ最高記録”を更新してくれる。そんな4人だからこそ、楽しい時間になるだろう事を無条件に信じられる。彼らはいつだって、笑顔の溢れる空間が、涙の出るくらい素敵な場所だという事を教えてくれるのだ。
そしていよいよオオトリのcinema staff。清爽な疾走感に満ちた「exp」のような曲もあれば「竹下通りクラウドサーフ」のように面妖な歌詞と奇怪な展開が際立つものもあり、随所で一癖も二癖もある個性的な楽曲を繰り出していく。そして何よりも素晴らしかったのは、オーディエンスと共にこの場所を全力で楽しんでいる姿。タイトルどおり音楽をEnjoyしているのが伝わって来る、最高の時間だった!
TEXT:森下 恭子
PHOTO:河上 良
KU-NEL MYMY
瀬戸山智之助
Ivy to Fraudulent Game
大山藍
SHE'S
ヒグチアイ
BAROQUE
ラックライフ
cinema staff
PJ&木本(SOUND CREATOR)