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トランヂスター

4年半振りに放たれる、平成傾奇者のROCK'N ROLL!

IMG_3787“平成傾奇者的ジャパニーズ娯楽歌謡音楽風ROCK'N ROLL改(カスタム)”を基本理念に、ライブにCD制作、ラジオDJなどをロックンロールにこなすトランヂスター。そんな彼らが6月に、全国流通盤としては4年半ぶり、2枚目のアルバム『ニューソングパラダイス』をリリースした。今までの蓄積の中で熟成されたおなじみの楽曲たちと、新たな試みを行った新曲が詰め込まれた本作。ボーナストラックではライブ音源と結成当時から演奏されてきた「サンダルをはきながら」が収録され、「これさえ聴けばトランヂスターの原点からナウな活動まで丸わかり」な、ベスト的作品に仕上がった。2001年の結成以来、ブレずにロックし続ける平成の傾奇者。JUNGLE☆LIFEがインタビューで迫る!

●前作『偉大な人間のCD』以来、4年半ぶりの新作『ニューソングパラダイス』を全国リリースしましたが、その間にもライブ音源を12ヶ月連続で会場限定で配布したり、ライブアルバム『Live Best Paradise』を出していたんですよね。ライブ音源にこだわっているんですか?

桜田:「レコーディングをしないで、ライブ音源をそのまま出してもいいんじゃないか」と考えていた時期があったんですよね。

●ライブをそのままパッケージして、音源を出せばいいじゃないかと。

桜田:昔の海外ミュージシャンのCDでもライブテイクが多かったりするじゃないですか。ああいうのが面白いんじゃないかと思って。そういうモードになっていたのもあったし、毎回ライブに来てくれてる人が喜んでくれる企画を1年間通してやってみたいとも考えていたので、12ヶ月連続でシングルを配布してみたんです。中にはシングルを全部コンプリートしてくれるお客さんもいて、音源を全部並べた写真を僕に送ってくれたんですよ。あれは嬉しかったですね。

●そういう活動を経てリリースされた今作にも、配布したシングルが何曲か入っていますよね。

桜田:そうですね。M-2「平成傾奇者の唄 〜OK!Baby!!抱きしめてDarling!!!〜 」と、M-3「魔法の言葉」、M-4「グラビアアイドル」、あとはM-5「イカしてSoLong」を入れました。でも『ニューソングパラダイス』は、その頃配布した曲のレコーディング盤だけにしたくなくて。新曲を3曲収録したんです。

●その新曲の中に標題曲M-6「ニューソングパラダイス」もありますが、これは何を歌ったんですか?

桜田:「ニューソングパラダイス」は今まで出したアルバムや曲のタイトルとか、それにまつわる言葉をつなげて作った曲なんですよ。

●今までのタイトルをつなげて歌詞を作った。面白いですね。桜田さんは歌詞を練って書く方ですか?

桜田:言いたいことが漠然とあったり、歌っていて自然と出てきたフレーズが格好良かったら、そこからストーリーを作っていくんです。例えばM-1「テーマソング」だと、“毎日”と“前に”が似ていると思ったところから始まって、「辛くても、悩んでも、前に行かなきゃしょうがない」という曲になっていったんです。

●「テーマソング」のMVは花団のVo.かず(塚原一繁)さんが監督したそうですが、どういう経緯でやることになったんです?

桜田:2013年に花団の“ウレカケタオトコタチツアー”に参加した時に、M-3「魔法の言葉」をすごく気に入ってくれたんですよ。かずさんは映像関係の仕事をしていて、前から僕らのMVを撮りたいって言ってくれていたんです。でも当時はなかなか時間が合わなくて、結局撮れなかったんですよね。それからしばらくして、今回のアルバムを作ることになった時にかずさんに相談して、「一緒にMVを撮ろう!」っていうことになりました。どうせやるなら新曲が良いと思って、アルバムのために「テーマソング」を書き下ろしたんですよ。

●なるほど。今作はゲストコーラスが印象的ですね。歌ったり騒いだり個性的な喋りが入ったり。いろんなバンドマンが参加しているじゃないですか。聴いていて、そういうバンドの繋がりを大切にしているのかなと思ったんですが。

桜田:ずっとバンドをやっているので、そういう仲間がどんどん増えていくんですよね(笑)。今までは自分たちだけでレコーディングしていたし、ジャケットも僕が作っていたんですが、今回は周りの人たちに協力してもらって作りたいと思ったんです。

●今までとやり方を変えて、仲間の力を借りたと。

桜田:例えばジャケットを友達のデザイナーにお願いしたり、カメラマンも仲間にやってもらったり、コーラスもいろんな人を呼んで。そうやって「みんなの力を借りて、アルバムが1枚作れたら幸せだな」と思ってお願いしてみたら、みんな快く引き受けてくれたんですよ。

●そういった繋がりからも活動14年の蓄積が見えるんですが、それだけバンドが続くっていうことは凄いことだと思うんですよね。

桜田:逆に続けようっていう感覚でやっていないんだと思います。ドラムのメンバーチェンジは何回かありましたけど、それがトランヂスターの活動を止める理由にはならないので。止めることはいつでもできるけど、まだまだやりたいことがありますから。僕は一生“トランヂスター”って呼ばれるために活動しているので、人生の選択肢がある時は音楽を続ける方をずっと選んできたんです。

●それだけ音楽を愛していると。

桜田:そ…そうですね(照)。いつまでもファンの気持ちのままなんだと思います。僕は、まだバンドをやるかやらないかくらいの頃にパンク・ロックバンドSAのスタッフをやっていたことがあって、それ以来ずっと背中を追いかけているんですよ。今の僕らの音楽性は少し違うんですけど、今もパンクが好きなのは先輩たちのおかげです。今でも彼らを大尊敬しています。

●そういう先輩たちの生き様に憧れる?

桜田:偉大なミュージシャンって面白い人ばかりじゃないですか。だから、僕も早くそういう人たちに追いつきたいですね。

●来年で結成15周年になりますが、周年企画は何か考えています?

桜田:そこはあまり気にしていないんですよね(笑)。まだ何も考えていないんですけど、振られたからには何かやりたいです。今までやっていないようなことができればと思っています。

●これから 『ニューソングパラダイス』のリリースツアーが始まりますね。

桜田:そうですね。みんなで一緒に歌えるような曲を沢山作ったので、各地でみんなで大声を出して歌って、どんどん仲間を作っていきたいです。

Interview:馬渡司

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