“GOOD LUCK vol.33”2015/4/26@なんばHatch
ACT:ラックライフ / 真空ホロウ / sumika / ザ・マスミサイル / ココロオークション / ircle / SHE’S / GIMMICK_SCULT / HEADLAMP / LOCAL CONNECT / PURPLE HUMPTY / Self-Portrait / waybee / スムルース / ウラニーノ
2nd Single『アイトユウ』Release & 7th Anniversary Partyとして開催されたラックライフの自主企画、“GOOD LUCK vol.33”。昼13時の開演から繰り広げられた出演アーティストたちによる充実のパフォーマンスで熱気に満ちた空間にSEが流れ始めると、会場内の空気はさらに爆発的にヒートアップしていく。そして「大阪高槻のラックライフです、よろしく!」というVo./G.PONの一声で、いよいよライブの幕を開けた!
1曲目は「君のこと」。G.イコマによるキラキラしたギター、クリーントーンが心地良いDr.LOVE大石のドラムやBa.たくのベースサウンド。清涼感の強い楽曲でありながら、不思議とステージからは泥臭いまでの熱量を感じる。
MCでは「この日の為にコンタクトにしました!」とPONが茶目っ気たっぷりに発言したり、トークをビシッと決める為に「やり直すので照明を落としてくださーい!」とリテイクをお願いしたりと、大阪人らしいノリで笑いを誘い会場の雰囲気も和やかに。演奏中にメンバーが楽しげに跳ねると、音までも一緒に踊っているようだ。
中盤戦に披露されたのは、ニューシングルに収録されている「ラングレット」。“わかってんだって 変わんないんだって事ぐらいはさあ”“繰り返してるよ何回も僕は”“こんなん僕じゃない”など、歌詞は胸が苦しくなるほどに切実な感情が込められた言葉が続く。だがこの曲から感じるのは決して後ろ向きなイメージではなく、未来へと突き進む前向きなエネルギーだ。後悔してきた過去にとらわれるのではなく、かといって無かったことにするわけでもない。“あの涙も、後悔も全部全部 ここにいる僕だ”と歌うのは、それらをすべて握りしめて進んでいく決意表明に他ならない。
そして、いよいよシングルのタイトル曲である「アイトユウ」も披露される。これは8年の交際を経て結婚することになったという高校の同級生の結婚式で歌うためにPONが書いたラブソングだという。曲中の“しわくちゃな笑顔並べて座って いつか今日の話をしよう”という歌詞に、私は心を鷲掴みにされた。一寸先は闇の現代、明日のことだってわからないし、絶対の未来予知なんて出来はしない。例えば友達に遊びに誘われたところで、1週間先の予定が見えずOKを出せないこともザラだ(社会人あるある)。ましてや何十年も先のことなんで誰にもわからない。それでも、いや、だからこそ“何十年経っても一緒にいよう”という誓いが、未来を照らす希望のヒカリになりうるのだ。こんな言葉をかけあえる関係性に対する感情を、感動と言わずして何と言うのだろう。
「40年後、またここでライブをしたら“2015年の4月26日にこんな話をしたな”って話そう」と語ったPON。その頃にはメンバーも還暦を過ぎていることから「イスに座ってやります(笑)」と冗談っぽく語っていたが、それはとても素敵な話だと思う。40年後、今日の日を思い出しながら再び彼らのライブを楽しめる瞬間を心待ちにしたい。
TEXT:森下恭子