2011年7月に高知で結成されたメロディック&パワーポップバンド、Cold Retriever。多くのライブバンドと対バンを重ね、ライブバンドとしてのタフなマインドを培ってきた彼らが、待望の1stアルバム『Get your Fragment!!』を完成させた。聴く者を一瞬たりとも退屈させず、その場に居る全員とひとつになって楽しみたいという彼らの想いがぎゅっと詰まった今作。3月からは初の全国ツアーも控えており、高知から全国へ飛躍する彼らから目が離せない。
●Cold Retrieverは今までいろんなバンドと対バンしているらしいですが、今までの活動の中で刺激や影響を受けた先輩は居るんですか?
FUMI:EGG BRAINですね。対バンする前からCDを聴いたり、YouTubeでライブ映像を観ていて。ずっと憧れの存在だったというか。
NAOHIRO:EGG BRAINと実際に対バンして間近で観たとき「こんなに刺激を受けること他にあるか?」っていうくらい刺激を受けたんです。楽曲はもちろん、バンドや音楽に対するモチベーションや、ステージングだったり。言葉で説明するのが難しいんですけど、“バンド”というものを観たというか。「これがバンドか!」って。頭ではわかっていたつもりだったんですけど、バンドというものを実際に体験したのがその日だったんです。
●それで、自分たちもそういうバンドになりたいと?
FUMI:そうですね。
NAOHIRO:あとはやっぱり高知出身のAIR SWELLですね。G./Vo.hamakenさんは高知をすごく大切にしているし、高知での凱旋ライブを観たときに、積み重ねてきたもののすごさを感じたというか。“もっとバンドをがんばりたい”と思いました。
●今回、初の流通音源となる1stアルバム『Get your Fragment!!』がリリースとなりますが、これは今までの活動の集大成的作品ということでしょうか?
NAOHIRO:そうですね。収録曲は、今までやってきたことと、最新の僕たちの両方が入っていて。現時点のベスト盤というか。今までずっとライブでやってきた楽曲もあれば、例えばM-1「Blowin' in the wind」とかは最近作った楽曲なんです。
●今作はメロディックかつパワーポップ的な楽曲が多いですが、日本語がメインということもあって、歌いたいテーマや伝えたいメッセージありきで楽曲が成り立っているような気がしたんですが。
FUMI:そうですね。英語のバンドって多いと思うんですが、日本語の方が伝わると思うんですよね。メッセージもそうだし、描きたい情景だったり。だから僕は日本語にこだわりたいとずっと思っていて。当初は、日本語の曲もあれば英語の曲もあるような感じでやろうと思っていたんですけど、やっぱり英語だけの曲だと伝わりきらないんですよね。
●なるほど。
FUMI:歌詞を書くときは、基本的に自分に置き換えて考えるんです。だから気分が明るいときは明るい歌詞になるし、沈んでいるときは暗い歌詞になる。
3人:ああ〜。
●ということは、今回の8曲を聴く限り、FUMIさんは情緒不安定だということですね。
一同:アハハハハハ(笑)。
FUMI:間違いないです(笑)。
●あとアレンジの面で感じたことなんですけど、シンガロングや掛け声が多いですよね。
FUMI:あ、そうですね。
NAOHIRO:「WOW WOWって何回言ったんだ?」と自分たちでも思うくらいですからね(笑)。「もうちょっと他の方法はないのか?」という意見もあるんですけど。
●でもそれはバンドの意志の現れだと思うんですよね。“ライブでみんなと楽しみたい”という想いがアレンジに出ていると感じたんですが。
FUMI:やっぱりお客さんはチケット代を払って観に来てくれているので、全員で楽しみたいんですよね。そういう想いがモロに出ていると思います。
NAOHIRO:お客さんも歌えるということは、キャッチーだということじゃないですか。何よりこの4人はキャッチーなものが好きなんですよね。
●あ、なるほど。
NAOHIRO:だからどうしてもキャッチーなものを選んでしまうというか。昔「WOW」というタイトルの曲を作ったんですけど、「さすがに無いわ!」ということになって別のタイトルにしたんです(笑)。
●リリース後は初の全国ツアーが控えていますが、アレンジの話にあったように、ライブを大切にしているCold Retrieverとしては、ツアーは楽しみですね。
4人:すごく楽しみです!
●ライブのどういうところが好きですか?
FUMI:僕は歌うことがすごく好きなんです。自分が歌って、それでみんなに楽しんでもらっているところを見ると嬉しくて。だからライブが好きなんですよね。
TOYO:さっきの話にもありましたけど、僕らの楽曲はお客さんが一緒に歌える要素が多いじゃないですか。そういうときに手をあげてくれたり、一緒に歌ってくれたりして、一体感が生まれる瞬間がすごく気持ちよくて。それがいいですね。
SETO:うん。お客さんの笑顔を見ることも嬉しいし、その笑顔を見ることで自分も更に楽しくなったりして。だから僕はライブの光景が好きなんです。
●なるほど。NAOHIROさんは?
NAOHIRO:そもそもなぜ僕らがバンドをやっているかというと、“ライブをする”という工程が楽しいからなんですよね。今までバンドをやってきて思うのは、ライブでは人と人との繋がりを感じざるを得ないというか。
●ああ〜。
NAOHIRO:人が居てライブが成り立っていて、僕らはそれが楽しくてやっていて。ライブに勝る楽しさは、他にはないと思うんですよね。
●彼女と一緒に居るときよりも?
NAOHIRO:うーん、それはまた別の話だと思います。
一同:ハハハ(笑)。
interview:Takeshi.Yamanaka