10/4(土)新木場STUDIO COAST
LOW IQ O1 & MASTER LOW / ストレイテナー / 10-FEET
LOW IQ O1のソロデビュー15周年を祝うスペシャルパーティー、“MASTER OF MUSIC”。10-FEETとストレイテナーという、LOW IQ 01が多大なる影響を与えた後輩かつ盟友を招いて開催された同イベントは、音楽ファン垂涎の贅沢な時間だった。LOW IQ 01が紡ぎ出す極上のメロディを身にまとい、MASTER LOWが奏でる最高のグルーヴに包まれ、全員が心ゆくまでライブを楽しんだ。
大きなリスペクトと愛を込めた「WHAT A HELL'S GOING ON?」のカヴァーで観客を大いに沸かせつつ、激キラーチューン「RIVER」でモッシュ&ダイバーを乱発させた10-FEET。「15年前にイチさんが出した『MASTER LOW』何回も聴きました。日本のロックに革命を起こした人だと思います」とLOW IQ 01への想いを告げつつ、新曲「冬の太陽」や「From Noon Till Dawn」で強烈な個性をストイックに見せつけたストレイテナー。2バンドのステージの後、会場の熱がぐんぐんと上昇していることを肌で感じ取る。いよいよLOW IQ O1 & MASTER LOWの登場だ。
オーディエンスによるクラップが雨のように降りしきる中、ステージ後方に大きなバックドロップが上がって「LITTLE GIANT」でライブがスタート。フロアを大合唱とダイブが埋め尽くし、STUDIO COASTが揺れる。LOW IQ 01がテンション高く煽ればフロアにはサークルモッシュ。全員が心の底から楽しそうな顔で暴れまくっている。LOW IQ O1 & MASTER LOWの音楽を待ちわびていたのだ。
「15年やってこれたのはあなたたちのお陰です。今日は無理しないでね」と言いつつ「暴れろ!!」と煽った「T・O・A・S・T」、LOW IQ 01がギターを手にして始まったイントロに待ちきれない観客たちがフライング気味にダイブした「Day to Day」、フロア最前から最後方まで全員が腕を振り上げて大合唱&Oiコールした「SWEAR」、観客のクラップがまるで曲の一部のように一体化していた「DIS IT」、畳み掛けるような激しいテンションでファンの魂をグワングワンと揺さぶって会場がカオス状態になった「A.A.A. (Again And Again)」。メロディで人の感情を温め、グルーヴで人のテンションを上げ、ビートで暴れさせる…LOW IQ 01が目の前で作り出している現状の凄まじさに圧倒される。音楽とは、ここまでも人の心を揺さぶるものだったのか。バンバンと惜しげも無く披露される名曲たち、まるで夢の中で暴れまくっているようなテンションのフロア。STUDIO COASTは多幸感で埋め尽くされていた。
LOW IQ 01がステージからハケて衣装チェンジする最中も、MASTER LOWはアンサンブルを止めずに観客を楽しませ続ける。そしてカジュアルなジャケット姿でステージに戻ってきたLOW IQ O1は「YOUR COLOR」で沸かせつつ、曲の最後にはアコギを披露。同曲だけではなく、彼は曲中に様々な楽器を持ったりステージを走り回ったり伸びやかに歌い切ったりと多彩さを垣間見せる。音楽に魅せられ、音楽から認められた彼ならではの極上なステージにオーディエンスが酔いしれる。
そんな観客が歓喜の声をあげたのは、メンバーのアドリブをきっかけに急遽やる流れになったSUPER STUPIDの「What's Borderless?」。LOW IQ 01がBa.MURATA SHIGEのベースを手に披露した同曲は、この日パーティーに参加した観客たちにとって思いがけない最高のプレゼントとなったに違いない。LOW IQ 01は「今のは無かったことにして」と照れくさそうに笑ったが、彼のサービス精神は我々を心から楽しませてくれた。
そしてライブは佳境に入り、「F.A.Y.(Fight Against Yourself)」「五日はまた雪(More Speed Ver.)」で大きな一体感を作り出す。本編最後の「NEW THINGS」まで突っ走った後、アンコールでは「831」でキラキラと眩いばかりのセッションで魅了し、「MAKIN' MAGIC」で再びフロアのテンションを沸騰状態までシャッフル。更にダブルアンコールではLOW IQ 01が「明日からがんばろうぜ!! 明日からまたいこうぜ!! 今日はどうも、あ! り! が! と!」と叫んで「NO SHAME」「FIREWORKS」「Hangover Weekend」という最後までお祭り騒ぎの大団円。
ステージを去り際にLOW IQ 01は「俺、音楽やっててよかった」と言っていたが、来場したオーディエンスは全員同じことを思っていたはず。音楽の素晴らしさをヒシヒシと痛感した“MASTER OF MUSIC”。最高の音楽とライブを存分に味わい尽くした。
TEXT:Takeshi.Yamanaka / PHOTO:Tetsuya Yamakawa