音楽メディア・フリーマガジン

コンテンポラリーな生活

心に溜まったヘドを珠玉のポピュラリティへと昇華する新世代のロックアンセム

compora_main強力な個性と実力を持った若手アーティストを多数輩出している大阪の音楽シーンから、次代の音楽シーンを牽引していく一翼を担うであろうバンドが今羽ばたこうとしている。高校の軽音部にて結成されたという3ピースバンド、コンテンポラリーな生活。“SUMMER SONIC 2012”にオーディション枠から出演を果たし、翌年には東京での初ワンマンライブを即日SOLD OUTさせるなど、耳の早いリスナーの間では既に話題を呼んでいた存在だ。初の全国流通盤となったミニアルバム『ポップソングと23歳』を今年5月に発売し、その名をさらに広めた彼らが満を持して1stフルアルバムをリリースする。前作に引き続き中尾憲太郎(ex.ナンバーガール/現Crypt City)をプロデュースに迎え、より強化されたサウンドとアレンジ。そして日常や社会への皮肉を込めたユーモラスな歌詞世界は切れ味と深みを増し、ポップかつセンチメンタルなメロディと共にどこまでも届いていくかのようだ。熱いパッションと鋭いユーモアを兼ね備えた、新世代のロックアンセムがここに誕生した。

Vo./G.朝日 廉・SPECIAL LONG INTERVIEW #1

「反響があろうがなかろうが、お客さんが1人だろうが100人だろうが“本気でやらないと、俺たちは死んじゃうんだ”と思いながらやっていますね」

●今回のアーティスト写真はすごく躍動感のある感じで、以前とイメージが変わった気がしました。

朝日:最初はスカした感じで立っている構図だったんですけど、俺がそれを見て「何か違いますね。もっと無骨な感じが良い」と言い出したんです。それで色々と撮っているうちに「ジャンプしてみようか?」という話になって。ちょうどライブの方向性を変えようとしていたところで、「もっと暑苦しいライブにしよう」みたいなことをメンバー間ですごく話している時期だったんです。だったらアー写ももっと無骨で勢いのある写真にしようということで、今回のものになりました。ライブもそういう方向へどんどん変えていこうっていう気持ちの現われですね。

●ライブの方向性が変わってきたんですね。

朝日:こっちが意識してライブの勢いを変えるとお客さんも「こういうバンドなんだ!」とわかって、それに応えてくれることに気付いたんですよ。そこで「俺らがもっと盛り上がったら、ライブも盛り上がるんだ」っていう、すごく当たり前のことに気付いたというか。そうやって意識的にライブを変えようと頑張ったところはありますね。

●暑苦しいライブにしようと思ったキッカケは何だったんですか?

朝日:サンボマスターのライブ映像を見た時に、Vo./G.山口隆さんが会場を盛り上げるためにすごく叫んでいたんですよ。サンボマスターって実はとてもメロディアスな曲が多いのに、ライブでは無骨さや荒々しさを前面に出しているのがすごくカッコ良いなと思って。そのスタイルは、自分がやりたいことにも近い気がしたんです。せっかくライブをするならみんなに盛り上がって欲しいけど、音源はちまちま作り込みたいっていう自分の性分にも合っているなと思って、そこから変えていきました。

●音源とライブは別物として捉えている?

朝日:3ピースという編成の時点で、同期音源を使わない限りは出せる音に限界があるじゃないですか。CDではギターを何本も重ねたり、シンセやピアノを入れたりするのがすごく好きなんですよ。ライブとCDでアレンジが違うっていうのも好きなので、「じゃあ、ライブは別物にしよう」っていう。だから、全く別のベクトルで考えています。

●ライブは好きなんですか?

朝日:メンバーは好きですね。

●というと、朝日くん自身は…?

朝日:俺はいまだに「失敗したらどうしよう…」みたいな感じで、すごく緊張するんですよ(笑)。どっちかと言えば、レコーディングのほうが好きではありますね。でもそれは俺の根本的な性格上の問題なので、ライブ自体はやりがいのあるものだと思っています。実際にライブがいざ始まったら、やっぱりアドレナリンが出てくるから。そもそもカッコ良いライブに憧れて音楽を始めたので、自分の理想を追いかけるためにも「やらなきゃ!」という感じにはなってきています。

●前作のミニアルバム『ポップソングと23歳』(2014年5月)への反響も受けて、そこに後押しされた部分もあるのでは?

朝日:反響がすごくあったという自覚はなくて。ただ「今やらなきゃ、どうにもならなくなる」ということは最近、25歳を目前にして思っているんですよ。1つのターニングポイントになる歳だと、自分では思っているんです。だから反響があろうがなかろうが、お客さんが1人だろうが100人だろうが「本気でやらないと、俺たちは死んじゃうんだ」と思いながらやっていますね。

●とはいえ、ライブでお客さんが盛り上がっていればテンションも上がるわけですよね?

朝日:もちろんお客さんが多ければテンションも上がるんですけど、そういうライブは放っておいても良いものになるじゃないですか。逆にすごくお客さんが少ない時に良いライブができたら、「ちょっとだけ前に進めたかな」っていう気になるんですよ。そういう意味では逆境の時のほうが、結果的に良い内容のライブができているように思います。

●逆境の時の方が燃えるというか。対バンがすごく良いライブをしたら、「負けていられないぞ」という感覚で燃えてきたりもする?

朝日:すごくやる気を出しますね。でも緊張には拍車がかかります(笑)。

●KANA-BOONやキュウソネコカミ、ジラフポットといった大阪の同世代のバンドたちの勢いにも刺激されたりする?

朝日:そういうところもありますね。元々はそういう身近なバンドをライバルだと思っていたんですけど、大げさな話をするなら「ビートルズだって同じ楽器を使っているのになぜここまで違うんだ?」っていうことを最近はよく考えていて。

●確かにギターとベースとドラムを使っているという意味では同じですけど、かなり大きいところに行きましたね…(笑)。

朝日:編成や使っている楽器が近くて世界的に活躍しているバンドがいるのに、自分たちはそれと同じことができていないなと。最近もストロークスの『Comedown Machine』というアルバムを聴いて、「この人たちは何てバケモノなんだ!」と思ったんですよ。同じ楽器を使っているのに、「もはや異次元か?」っていうくらい良いアルバムだったんです。

●最近の人気バンドからも刺激は受けていると。

朝日:ビートルズの時代はまだ誰もやっていないことが多かっただろうし、やれることがいっぱいあったと思うんです。でもストロークスやヴァンパイア・ウィークエンドみたいな同時代に活動している人たちもこんなに面白い音楽を作っているんだと知って、自分たちも「ここを目指さなきゃいけないんだ!」と思ったんですよね。次元が違いすぎて最初は目指すことすら諦めていたんですけど、「この人たちと同じ楽器を使っているんだから」と考えたら逆にちょっとワクワクしてきて。「自分たちも頑張れば、こういうすごいアルバムが作れるかもしれない」と思えたので、今は早く新しい曲を作りたくなっています(笑)。

●新作を出したばかりにもかかわらず、次が早く作りたくなっている。

朝日:今回のアルバムを録ってくれたエンジニアさんが、サウンドチェックの時にストロークスの『Comedown Machine』を掛けていたんです。ストロークスって自分の中ではもっとストレートなバンドというイメージだったんですけど、そのアルバムでは雰囲気が変わっていて「すごい!」と思ったんですよ。それによってアルバム制作途中に、俺の中で革命が起きて。「ダメだ! 俺はもっと良い曲を作らないと!」ってなりました(笑)。

●制作中に、自分内革命が起きたと(笑)。

朝日:もうちょっと早く革命を起こせていたら、もっと良いアルバムにできたと思うんですよ。でもその革命が起きたからこそ、今回のアルバムは今までよりも少し理想に近付けた気がするんです。だから今回は、特に楽しかったですね。

●レコーディング中に新しい曲を作ったりもした?

朝日:レコーディング開始の1週間前にプロデューサーの中尾憲太郎さん(ex.ナンバーガール/現Crypt City)と一緒にスタジオに入った時に、「今の収録曲だけだとアルバムにパンチが足りないから、もう1曲作りたい」という話になって。そこからリズム隊のパートだけは何とか完成させた状態で、ギターフレーズは決まらないままレコーディングに突入したんですよ。その時に中尾さんと「こういうのはどうだろう?」とか、色んな話をしながら作ったのがすごく楽しかったです。

●それはどの曲?

朝日:M-7「PIXEL MONSTER」ですね。最初に思い付いたギターのフレーズは、今どきの流行りっぽい感じだったんですよ。「これは違うな…」と思っていたのでギリギリまで粘りに粘った結果、やっと完成して。イントロのサーフミュージックっぽいフレーズなんですけど、そこの部分でずっと悩んでいたんです。でも今のフレーズが浮かんでからは自分も中尾さんもテンションが上がって、どんどん発展していったんですよね。もうちょっと粘る時間があれば、あれをサビにしていたかもしれない(笑)。でも改めて聴くと今の形もこれはこれで正解だと思えるし、本当に曲作りは楽しいなっていう。

●Twitterでも「コンテンポラリーの新しいアルバム、すごい流行からかけ離れていてカッコ良い」とつぶやいていましたが、そこは意識していたんですか?

朝日:流行り自体は別に悪いものではなくて、良いからこそみんなに聴かれているんだと思うんです。でもこのアルバムに対して「どういう音が一番良いんだろうか?」と考えながら作っていったら結果的に流行からかけ離れていって、すごく泥臭い感じになったんですよ。意図してやったわけじゃなくて、必然的にそうなったというか。

●たとえばどういう曲のこと?

朝日:M-8「ハッピーライン」は、流行から一番かけ離れている曲だと思います(笑)。高校生の頃に自分がすごく憧れた音楽はこういうものだったなと考えながら、作っていました。自分よりもっと若い世代の子たちに「こういう音楽も聴いてみると、すごく楽しいんだよ」っていうのを伝えられたらとは思っていて。そういう意図も含めて、今回のアルバムは作っていきましたね。

Vo./G.朝日 廉・SPECIAL LONG INTERVIEW #2

「音楽をやっている人は誰しもどこか、“ハミ出し者”じゃないですか。だから、歌詞に関しては“やってやろう!”っていう熱さみたいなものが絶対に出ている。そこに関してはジャンルを問わず、世界共通の部分だと思います」

●色んな音楽を聴いてきたことがバックボーンになっているんでしょうか?

朝日:高校生の時に「曲を作りたいなら、色んな音楽をたくさん聴いているほうが有利だ」みたいなことを知り合いから言われたんですよ。だから当時は良さもわからずオールディーズを聴いていたり、若い時にありがちな「人の知らない音楽を聴いていたら勝ち」みたいな感じで色々と聴いていました(笑)。でも今になって、それをやっておいて良かったなとすごく思っていて。当時はすごく無理して聴いていた音楽も、今になって聴くと本当に「良いな」って感じられる。それはその時に頑張って色々と聴いたから、今スッと受け入れられるんだなと思うんですよね。

●その時もわからないなりに、何とか理解しようとして聴いていたからこそでしょうね。

朝日:「頑張って理解しよう!」みたいなところはありましたね(笑)。

●そういうものが今作っている音楽にも活かされているのでは?

朝日:ガチャガチャしている曲を作っている時が、自分は一番楽しいんですよ。MV曲のM-2「嫌々々々」はすごくうるさい曲なんですけど、一番楽しかったですね。

●“ガチャガチャしている”というのは?

朝日:サウンド面というよりは、コード進行がすごくガチャガチャしているというか。普通の“ジャーン”って鳴る素直なコード進行とは別に、変な装飾音や不協和音っぽいのを使っていたりするんですよ。「普通は次にそのコードは来ないでしょう?」って思われるようなコード進行になっていたり、そういうゴチャゴチャしているのがすごく好きなんです。

●良い意味での違和感を感じさせるというか。

朝日:スピッツの「ローテク・ロマンティカ」(アルバム『三日月ロック』収録)っていう曲が好きなんです。変なコードをたくさん使っているのに、曲としてはすごく完成しているんですよね。それを聴いた時に、右手と左手で全然違うものを持って綱渡りをしながら最後までちゃんと渡りきってみせるようなイメージが浮かんで「すごいバランス感覚だ!」と思って。あと、the pillowsも謎のコード進行を使っていたりするんですけど、楽曲としてはポップに完成させるのですごく参考にしています。そういう感じで、コード進行がガチャガチャしている曲をポップにするのがすごく好きなんです。

●そういうアーティストから影響を受けて、ちょっと変わった工夫を入れるのが好きになったんでしょうね。

朝日:すごく好きですね。だから曲を作っていて「どこかで聴いた感じだな…」とか「つまんないな」と思ったら、途中でやめてしまうんです。すぐにそういうことを言い出すのでメンバーをいつも困らせているんですけど、「中途半端なものを出すくらいなら…」って思うから。とにかく出せば良いということで出して、それで評価が決まっちゃうのは長い目で見るとすごく不健康だなって。「せっかくこのCDを買ってくれた人も、次は買ってくれないんだろうな」って思うと怖くて、自分がダメだと思うものは絶対に出せないんですよね。だから時間がかかっちゃいます。

●高いハードルを設定して、ちゃんと自分が納得するまで取り組んでいる。

朝日:毎回それをクリアするのはすごく難しいですけどね。でも「まだまだダメだな」っていう感覚はあって。合格ラインがあるとすれば、今までのアルバムがそれより下で、今回でやっと合格ラインに届いたという感覚があります。

●合格ラインには達しているけど、満足はできない?

朝日:やっとここまで来たんですけど、本当に作りたいものはもっと上だから。今までのアルバムは、リリースが怖かったんですよ。頑張って作ってはいても「自分がリスナーだったら、次も買うかはわからないな…」っていう思いがあって、すごく怖がりながらリリースしていて。でも「良い」と言ってくれる人がいたので、どうにか「次もやろう!」と思えていたんです。今回のアルバムはやっと自分が1人のリスナーとして「次も聴いてみようかな」って思えるラインを超えてきたので、初めて自信満々でリリースを迎えています(笑)。

●求めているもののハードルが高いからこそというか。

朝日:求めているものは、ビートルズですからね(笑)。そこに少しでも近付けたらとは思っています。あの人たちのアルバムって、アイデア量の多さがすごいじゃないですか。「そこでこういうことをするんだ!」 っていうアイデアがすごく入っている。改めて「この人たちは本当に良い音楽を作っていたんだな」って思うし、同じ楽器を使っていながらしょうもない作品を作ってしまったら「俺にはもう才能がない」と諦めるしかないなという想いで頑張っています(笑)。

●でもそこで自分を信じられるから頑張れるわけですよね。

朝日:自分の曲を面白いと思えている時点で、まだ頑張れるっていうか。「もう作れない」みたいな気持ちになったらおしまいだなと思うんですけど、「まだまだ色々作りたいな」っていう感じでアイデアが尽きないうちは頑張りたいです。

●内面にはすごく熱いものがあって、それがライブや曲に泥臭い感じとして出てきているのかなと思いました。

朝日:ライブという面では、そういうものに憧れがあったんです。自分は技術的に高度な音楽よりも、“ヘタウマ”みたいなものが好きなんですよね。うちの母親も音楽が好きで、ニール・ヤングとかがすごく好きだったんです。ニール・ヤングのギターってメチャクチャ上手いわけじゃないんですけど、込み上げてくる熱さみたいなものがあって。

●テクニック云々を超えた魅力がある。

朝日:ボブ・ディランやジミ・ヘンドリックスもそういう感じで、技術だけならメタラーの方が上手いかもしれない。昔からそういう音楽を聴かされてきたのもあって、僕はたまたまそういうものに憧れる環境だったんだと思います。

●音楽的にもそうですが、歌詞についても内面の熱さが伝わってくるものになっている気がします。

朝日:そこはみんな共通だと思うんですよ。音楽をやっている人は誰しもどこか、“ハミ出し者”じゃないですか。職業を書く欄に、堂々と“バンドマン”とは書けないというか(笑)。音楽をやっている時点で、社会からハミ出している感じがすごくあると思うんです。だから、歌詞に関しては“やってやろう!”っていう熱さみたいなものが絶対に出ている。そこに関してはジャンルを問わず、世界共通の部分だと思います。

●ハミ出し者だからこそ感じるような日常での違和感や不平不満を楽曲化することで、ただそのままのネガティブなもので終わらせていないところが良さなのかなと。

朝日:それがタイトルの『ヘドが出る前に』っていうことなんですよね。“不平不満”っていうものが、“ヘド”なわけで。不平不満や悪口は吐き出したら独り言だとしても結局、自分に対して重くのしかかってきたりする。誰かに言われたことに対して、そのまま悪口を言い返したらケンカになって、何の生産性もないままで終わっちゃうじゃないですか。そういうヘドをそのまま出してしまう前に、何か別のものにして出せないかという気持ちで今回は作ったんですよ。

●タイトルが先に浮かんでいた?

朝日:『ヘドが出る前に』っていうタイトルが一番最初にできて、「これはテーマになるぞ!」っていう勝手な思い込みから(同名の)曲を作っていきました。「不平不満を不平不満のままで終わらせずに、何か別のベクトルのパワーにできたら」っていうのがこのアルバムのテーマというか、バンドのテーマでもあるなと思って。フルアルバムを作るにあたって、この曲ができて良かったと思っています。

●ネガティブな気持ちから生まれたものを、ポジティブな方向に昇華できるのが音楽の良さというか。

朝日:そうだと思います。昔読んだ本で、中島らもさんが“ロックは殺意だ”みたいなことを書いていて。「“殺意”っていう負の衝動をそのまま出さずにロックにしていたら、それだけで臭い飯を喰わなくても済んだ人がいっぱいいるぞ」って考えたら、すごく生産的だなと思ったんです。学生の頃って(立場の)強いヤツがいるじゃないですか。俺はスポーツも勉強もできなくて顔も良くないし何の取り柄もなくて、誰からも注目されない存在だった。その時に心の中に湧いていたドロドロしたもの…理由のわからない黒い塊も全て音楽に変えられるんだって考えたら、それだけで気持ちが楽になって「ロックをいっぱい作ろう」って思えたんですよね。

●そうやって作った音楽を色んな人に聴いてもらうことで、その人たちの気持ちも昇華できるというか。

朝日:純粋に色んな人たちが聴いてくれたら嬉しいなとは思っていて。たまに40代くらいの人が「懐かしいね」と言ってくれたりするんですよ。自分が洋楽で最初にハマったのはウィーザーやオアシスといった90年代の音楽で、それをドンピシャで聴いてきた世代の人たちに「懐かしい」と言われるというのは上手く歯車が噛み合っている気がして。年上の人たちに「若いヤツらも捨てたもんじゃないぞ」と知ってもらって、聴いて欲しいなってすごく思っているんです。中には俺ら世代特有の若い曲みたいなのもたくさん入っているけど、「それはそれで面白いんじゃないでしょうか?」とも伝えたいから。

●自分たちの音楽を広げていって、いずれはもっと大きな舞台でやりたいという気持ちもあるのでは?

朝日:やりたいです。モノをひたすら作って生きていこうとするのなら、やっぱり売れないとどうにもならないと思うから。たとえば学校で「コンテンポラリーな生活が良い」と言った時に、誰も知っている人がいなかったら悲しいじゃないですか。応援してくれているお客さんとしても、コンテンポラリーな生活がずっと売れずに細々やっていてもあんまり楽しくないだろうなって。そう思うと、やっぱり大きいステージに行きたいですね。あと、俺はいつかマンガか絵本を描きたいっていう変な願望があるんですけど…。

●今回のジャケットのイラストも、朝日くんが描いているんですよね。

朝日:そうなんですよ。マンガやアニメがすごく好きで、子どもの頃から特にジブリ作品をよく見ていたんです。一時期はアニメーターになって、アニメ映画を作りたいと思っていた時期もあったくらいで。細田守さん(『おおかみこどもの雨と雪』『サマーウォーズ』などを手掛けるアニメ監督)の大ファンなんですよ。そういう人たちともいつか一緒に仕事がしたいと思っていて。僕らが頑張って売れたら、そういうチャンスも増えるわけじゃないですか。「もっと面白いことがしたい!」と考えるなら、自分たちが大きくなったほうがそういうこともできるわけだから。

●やりたいことを実現していくために、大きくなっていきたい。

朝日:最近亡くなられたんですけど、アニメ監督の今敏さん(『パプリカ』『東京ゴッドファーザーズ』など。2010年8月逝去)の映画もすごく好きで。すごいワクワク感をくれる人なので、作品をいつも楽しみにしていたんですよ。だから「この人の新作はもう観れないんだ」って思うと、すごく悲しくて。そういう人たちと一緒に、ワクワクできるものを作れたらどんなに楽しいだろうって思うんです。だから、早く肩を並べられるくらいになりたい。そのためには自分たちが大きくならないと実現できないので、これからも頑張っていきたいですね。

Interview:IMAI
Assistant:馬渡司

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