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矢沢洋子×ロリータ18号

矢沢洋子の「ニャンだこのやろう」 対談シリーズ連載・第7回ゲスト:ロリータ18号

PH_C新作ミニアルバム『Lady No.5』を今年7月にリリースし、その底知れぬ可能性を感じさせた矢沢洋子。この対談シリーズ連載では、日本から海外にまで至る精力的なライブ活動を繰り広げる彼女の幅広い交友関係からその魅力に迫っていく。第7回のゲストは、ロリータ18号の石坂マサヨ(Vo.)。昨年には結成25周年を迎えた大先輩と共に、いつまでも楽しいバンド生活の秘訣に迫る…。

 

 

 

 

●kemeさん以来、久々の女性ゲストとなりますが…。

洋子:今日はこの後、女子会なんですよ。

マサヨ:参加させてもらいます(笑)。女子バンドとも会えば話すんですけど、「一緒に飲みに行こうぜ」ということはほとんどないので嬉しいですね。

洋子:女でバンドをやっている人同士で、キャッキャすることってあんまりないですよね(笑)。

マサヨ:だいたい男子チームに混ざっているから、今日もこういう感じで誘ってもらえて嬉しいです。

●対バンもよくされているんでしょうか?

洋子:ロリータ18号とは、今年に入ってからもう3回も対バンさせて頂いていて。

マサヨ:今年から急接近なの。しかも10月は2回も対バンがあるんだよね。でも一番最初に会ったのは打ち上げだったかな?

洋子:そうです。渋谷CHELSEA HOTELでのイベントの打ち上げでした。

マサヨ:私は出演していないんだけど、打ち上げに参加して。kemeちゃんから紹介してもらったんだよね。

●初対面で仲良くなったんですか?

洋子:その時はご挨拶とちょっとお話をしたくらいで。今年の1月初めに新宿LOFTでイベントがあって、その打ち上げで久しぶりにお会いしたんです。

マサヨ:その時にちょうど3月からロリータ18号がツアーをまわることが決まっていて、「洋子ちゃんにゲストで出てもらえないかな?」とオファーしたんです。

洋子:私は「良いんですか!?」という感じで。

マサヨ:「じゃあ、お願いします」と。…このオファーの仕方はニューロティカから学んだんですけど、“楽しいイベントは打ち上げからできる”っていう(笑)。

洋子:全くそのとおりですね。

マサヨ:最初は東京だけの予定が、名古屋にも出てくれて。ツアーではお世話になりましたね。

●以前からお互いのことを知ってはいた?

洋子:もちろんロリータ18号のことは前から知っていて。前のマネージャーと「こういう大先輩たちと対バンができたらいいね」というリストを作っていたんですよ。ニューロティカをキッカケに色んなイベントに呼んで頂けるようになって順調に対バンが実現していったんですけど、ロリータ18号だけが最後の砦で…。今年に入って実現したので、“ようやく!”という感じでした。

マサヨ:私も洋子ちゃんのことは知っていて、“いつか絶対一緒にやるだろうな”と思っていたので、時が来るのをずっと待っていました(笑)。それがたまたま今年だったという感じですね。

●たまたま縁がなかっただけだったと。

洋子:あと、私自身もパンクシーンの先輩方と頻繁に対バンさせて頂くようになったのが去年くらいからだったから。でも本当はそれくらいかかって当然だよなという思いはありますね。やっぱり大先輩なので…。女性でバンドのピンボーカルをやっている先輩って、他にはなかなかいないんですよね。

マサヨ:ピンボーカルは楽でいいよね。手ぶらでスタジオに行けるし(笑)。

洋子:移動の時は本当に楽ですよね(笑)。

マサヨ:実はバンドを始める前はギタリストになりたくて。でも一緒にやろうとした子もギターがやりたかったのでジャンケンしたら負けて、しょうがなくボーカルになったんです。本意ではなく始めたんですけど、結局はボーカルで良かったなって…楽だし(笑)。

●結局そこなんですね(笑)。昨年に結成25周年を迎えられたわけですが、バンドを始めた当初はそこまで続くとイメージしていましたか?

マサヨ:全くイメージしていないですよ! こんなに長くやると思っていたら、“ロリータ18号”なんて名前を付けないです。もう42歳になるのに、ロリータって!

一同:ハハハ(笑)。

洋子:まさか25年以上もやることになるとは…(笑)。

マサヨ:恐ろしい…(笑)。やっぱり女子の場合はどうしても途中でお嫁に行ったり子どもができちゃったりして、解散するバンドを今までもいっぱい見てきているから。それはそれでいいんですけど、我々の場合は楽しいことがありすぎて。バンドを続けていると“楽しいな”という瞬間が周期的に来るんですよね。やめる理由もないまま、気が付いたら25年経っていたという。

洋子:やめようかなと思ったことはないんですか?

マサヨ:ありますよ。メジャー時代にメンバー2人が脱退するとなった時に「みんながやめるんだったら、もうここで終わりだな」ということで新しいバンドを組もうと思ったんですよ。でもよくよく考えたら、せっかく曲もたくさんあるし、みんなも名前を知ってくれているから、このままやってみようかなと思って。

●でももしその時にロリータ18号をやめていたとしても、新しいバンドをしていたわけですよね…?

洋子:音楽をやめるという発想は最初からない(笑)。

マサヨ:確かに! それは気が付かなかったな(笑)。

洋子:私も今のところ、やめたいと思うことはないんですよ。そもそもちゃんとツアーをまわるようになってからは、まだ5年くらいしか経っていないので。

マサヨ:5年はだいぶ長いほうだと思うけどね。

洋子:でも皆さんは25年とか30年なので…。

マサヨ:それは周りの先輩がおかしいんだよ!

一同:ハハハ(笑)。

●洋子さんの周りは偉大な先輩方が多いから…。

マサヨ:でも長く続けるよりは、たとえ短い活動期間でも何をやったか、どんな面白い音楽をやっていたかということのほうが自分の中では重要なんですよね。だから「長いですね」と言われても、いまいちピンとこなくて。結果的に振り返ってみたら、続いていたという感じで。

洋子:たぶん長く続けているバンドって、みんなそんな感じでピンときていないんでしょうね(笑)。

マサヨ:そもそも自分には音楽をやめるっていう発想がなかったということに今日気付けたので…来て良かったです(笑)。

Interview:IMAI

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