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ティダパナ

いちゃりばちょうDAY 2014 ティダパナ・こうさく(Vo./G.) SPECIAL INTERVIEW

PH_kosakuORANGE RANGEやMONGOL800といった人気バンドを輩出してきた沖縄の音楽シーンでは、今も新たな可能性を秘めた若手アーティストが続々と登場している。そんな期待の若手に対して東京へ進出するキッカケを作ると同時に、沖縄のシーンを盛り上げを目指すイベント。それが“いちゃりばちょうDAY”だ。主催者のこうさく(ティダパナ)は自身が18歳の時に上京して“満福”というバンドで活動した経験を元に、このイベントを2005年に立ち上げた。5年間の休止を経て復活した昨年の大盛況に続いて、今年は2デイズでの開催が決定! ここで生まれる数多のつながりが、新たなムーブメントを生み出していくかもしれない。

 

 

 

 

 

●こうさくさんがこのイベントを始めたのは2005年ということですが。

こうさく:1回目の“いちゃりばちょうDAY”が2005年ですね。でも実はその1年前くらいに、秋葉原にあったPAGODAというライブハウスでもイベントをやっていて。元々のテーマは“東京でライブしたことがないバンドを沖縄から呼ぼう”ということで、イベント名も“逆めんそーれ”だったんです。その次から新宿Marbleに会場を移して、“いちゃりばちょうDAY”を始めました。

●当時は満福というバンドをやっていたんですよね?

こうさく:僕は2000年に沖縄から上京してきて以来、満福というバンドでずっと活動していて。その当時は上の世代ではIN-HIやノーズウォーターズが東京で活躍していたんですけど、僕らよりも下の世代のバンドはあまりいなかったんですよ。“沖縄で活動していたほうが良いんじゃないか”みたいな空気が流れている時代で…。

●東京に出てくる若いバンドが少なかった。

こうさく:ORANGE RANGEやMONGOL800やHYとか、みんな沖縄で生活しながら東京に進出しているバンドが多かったんですよね。沖縄にいた当時も、僕の周りでは“東京に出る“っていう流れがほとんどなくて。それではもったいないので、せっかく自分たちが東京で活動しているんだから沖縄のバンドを呼ぼうと思ったんです。バーボンズ(現JaaBourBonz)やROACHも、“いちゃりばちょうDAY”がキッカケで初めて東京でライブしたんですよ。

●出演者にジャンル的な縛りはなかった?

こうさく:ジャンルでは特に縛っていなかったですね。当時から弾き語りの人もいれば、ハードな音から普通のポップスまで出ていました。あと、最初は沖縄のバンドだけじゃなかったんですよ。イベントの中で“めんそーれタイム”というのがあって、必ず沖縄以外のバンドも出していたんです。

●そういう感じで2008年まで続けていたと。

こうさく:当時は2〜3ヶ月に1回くらいのペースで新宿のMarbleやMARZでやっていて、年に1回は新宿LOFTでスペシャル版みたいなものもやっていました。僕が満福の活動を休止した2008年に、新宿LOFTで“いちゃりばちょうDAY Vol.10”を開催するまでずっと続けていましたね。その時は約500人近くのお客さんが来て、過去最高の集客だったんです。

●ある意味、絶頂とも言える時に、バンドと共にイベントも止まってしまった。

こうさく:そうなんです(笑)。バンドを休止した時は、もう音楽自体をやめるくらいの気持ちで…。解散して以降は一切、音楽活動をやっていなかったですね。東京で普通の仕事をしていました(笑)。

●音楽をやめても、東京に残っていたのはなぜ?

こうさく:音楽はやめたんですけど、東京で何かしらを形にするまでは沖縄に帰れないという想いがあったんです。昔から自分で何か1つのシーンを作り上げてみたいという気持ちがあったから。あとは普通の仕事を2〜3年くらい続けていると、「やっぱり音楽をやっていた頃のほうが楽しかったな」という気持ちがじわじわと湧いてきたというのもあって。

●再び音楽をやりたくなってきたと。

こうさく:そういう気持ちが湧いてきていた時にちょうど、満福に“ヘッドロックナイト”というイベントで一夜だけ復活して欲しいというお話を頂いて。そこで正式に解散したんですけど、自分の中では音楽に向けた復活ライブみたいな気持ちだったんです。…そのライブが終わった後にまたちょっと脱力しちゃったんですけど(笑)。

●ダメじゃないですか(笑)。

こうさく:一緒にやるメンバーがなかなか見つからなくて“動きたいけど動けない”という状態のまま、1年くらい経ってしまったんです。そういう時に昔からお世話になっている方の誕生日ライブに呼ばれて、歌わせてもらうことになって。ソロでステージに立ったんですけど、そこからの行動は早かったですね。半年くらいでメンバーを見つけて、今のティダパナというバンドを結成したんですよ。2012年6月の下北沢SHELTERでのイベント出演を機に、完全復活しました。

●そこから“いちゃりばちょうDAY”も再開に向けて動き始めた?

こうさく:そうですね。ティダパナで沖縄音階や三線を使っているのは、沖縄の文化を広めたいという気持ちでやっていることなんです。イベントも同じように沖縄のシーンを東京で広めたいという気持ちでやっているので、まだ達成しきれていない感覚があって。“いちゃりばちょうDAY”というイベントを広めたいということで、バンドと一緒に再開しましたね。

●このイベントへの思い入れも深いわけですよね?

こうさく:思い入れは深いですね。“いちゃりばちょーでぇ”って、沖縄の方言で“出逢えば皆兄弟”という意味なんです。沖縄のシーンってちょっと独特で、出身が沖縄というだけでバンド同士の絆が一気に強まるんですよ。みんなで協力し合って、東京で沖縄のシーンを盛り上げていくキッカケになったら良いなと思って始めたというのもあって。

●このイベントをキッカケにバンド同士のつながりも広がっているのでは?

こうさく:沖縄のバンド同士でもなかなか会う機会がなかったりするので、このイベントをキッカケにつながった人たちが後に対バンしたりということもあって。僕らが上京してきた当初も色んな沖縄出身のバンドはいたんですけど、バラバラに活動している感じだったんですよ。何か1つみんなが集まれるイベントがあっても良いんじゃないかと思ったのも、このイベントを始めるキッカケの1つで。お客さん同士をつなげるだけじゃなく、出演するバンド同士をつなげるというコンセプトもありますね。

●こうさくさん自身もこのイベントを通じて、新しいバンドと知り合ったりしている?

こうさく:僕自身は上京してから本格的にバンドを始めたので、沖縄で活動していた時期がほとんどないんですよね。だから逆に僕らが、沖縄から出てくるバンドに地元で活動している他のバンドを紹介してもらったりもしていて。そこから広げている部分もあります。今回もオープニングアクトで出る2組は沖縄で活動している若手のバンドで、BUMBAはロコビッチに紹介してもらったんですよ。

●若手以外にも、キャリアのあるアーティストもたくさん出ますよね。

こうさく:昔からずっと活動している先輩バンドから、初めて東京でライブをするような若手まで、沖縄のシーンが新旧ずらっと並んでいるところも見どころかなと思います。出演者もお客さんの気分で、楽しんでライブを観られるようなイベントなんですよ。僕にとってもIN-HIとかはずっと憧れの目で見ていたような先輩たちなので、すごく楽しみですね。

●IN-HIはこの日のために復活するそうですが。

こうさく:今はほぼ休止している状態なんですけど、去年もこのイベントのために復活してもらいました。最近は1年に1回だけ、このイベントだけで復活するという流れになっています(笑)。2008年に新宿LOFTで一度イベントを終えた時にも、IN-HIは出ていたんですよ。他にもFUNKISTやAll Japan Goithが出ていて。あと、メカルジンのメンバーが前にやっていたEAST WOMANや、ヘンザンタカヒロさんがやっていたノーズウォーターズも出ていたんですよね。

●かつて出演していたアーティストたちが、再び今回も出演する。

こうさく:その当時も出ていた人たちが、今回のイベントにまた出演してもらえるのはすごく嬉しいですね。All Japan Goithもかなり久々の東京でのライブになるんですよ。あと、見どころとしては385のミヤさんとメカルジンのサユリさんは、BLEACHの解散後初の共演だったりもします。

●そういったバンド系の方以外に、民謡歌手の方も出演するんですよね?

こうさく:僕はバンドをやりつつ、ソロとしても沖縄料理屋や色んなところでライブをしていて。ライブを観るためにライブハウスへ行く人と沖縄料理屋へ行く人とで、完全に分かれてしまっているのがもったいないなと思ったんですよ。だから1つのイベントにバンドと民謡歌手の人たちが一緒に出ることでそれぞれのお客さんに来てもらえたら、お互いに今まで観たことがなかったものを知るキッカケになるんじゃないかなと思って。それで今回もそういう人たちを入れました。

●今回が2デイズでの開催になったのは、出したいバンドが多かった結果でしょうか?

こうさく:2日でも収まらないくらい、紹介したいバンドはたくさんいるんです。去年も出演者を絞りに絞った感じだったので、今回はもう2日間でやってしまおうと。4日間でもやれるくらい、出したいバンドはたくさんいますね(笑)。

●このイベントを通して、つながりがどんどん広がっているわけですからね。

こうさく:「あのイベントに出たら、つながりが増えるぞ」とか「関東では大概のファンに知ってもらえるぞ」と言われるようなイベントになったら嬉しいですね。そういう中から東京で有名になるバンドが出てきて、逆輸入的に沖縄でも話題になったりすると一番嬉しいです。

●今後の広がりも楽しみなイベントですね。

こうさく:関東で活動している沖縄出身の人たちが助け合って、みんなで一緒にお客さんを集めていくような“手作り感”もある感じで、1年に1回のお祭り的なイベントにしたいですね。これからも色んな人にイベントの名前を知ってもらって、目標としては最終的に野外フェスみたいな形でやりたいです!

Interview:IMAI

 

■IN-HI  Vo.Shimo-Z
こうさく様
バンドはもうやらないって何度も宣言しているのに、誘いやがってー。
うれしいじゃねーか。
女子の誘いとイチャリバの誘いは断れないチョーデー。
現役バリバリの沖縄バンドとノーフューチャーな私達インハイ。なんくるエイサーで、やってやります。

■FUNKIST  Vo.染谷西郷
沖縄が渋谷にやってくる! 十年来の大親友コーサクが主催する今回のイベント。もう詳細を見るだけで心踊りまくってます! コーサクの人柄と、あいつがひた向きに歩んできた日々が、こんな伝説的なイベントに繋がっていたんだと思うと、それだけで胸が熱くなるのです! そんな素晴らしい1日に呼んでもらって僕たちも沖縄の太陽のように熱く熱く燃えています!
沖縄音楽は「歌心」。感動、笑顔、温もり、優しさ、そんな全てに包まれる1日になることを、一出演者でしかない僕ではありますが、勝手にお約束してしまいましょう!! 自信があるんだ! 初めて会ったあの日、ライブハウスでバイトしながら歌ってたコーサクが、10年かけて仲間と一緒に辿り着いた1日でしょ? 最高に決まってるじゃん!
沖縄より熱い沖縄を、是非みなさん渋谷で体感してください! コーサクおめでとう!

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