音楽メディア・フリーマガジン

Shibuya Milkyway 4th Anniversary

若き才能が集う、4周年の交差点

SPECIAL LIVE REPORT:Shibuya Milkyway 4th Anniversary
Milkyway × JUNGLE LIFE Presents “Children of the Revolution”

2014/7/4@Shibuya Milkyway
森翼 / ariel makes gloomy / マカロニえんぴつ / まぜたらうまい
SPECIAL GUEST:門田匡陽(BURGER NUDS/Poet-type.M)With楢原英介(VOLA & THE ORIENTAL MACHINE/YakYakYak)

PH_Mori_メイン2014年7月で4周年を迎えたShibuya Milkywayが今年もアニバーサリー企画として、JUNGLE☆LIFEとの共催イベントを開催。今回は“Children of the Revolution”というタイトルの通り、新進気鋭の表現者たちが集うイベントだ。

トップバッターは印象的な名前がまず気になる4人組バンド、まぜたらうまい。贅肉を削ぎ落したソリッドな3拍子で始まった彼らのステージは爆発力のある演奏で荒々しく、時にダークな曲調でメランコリックな空気も漂わせる。その混然一体となったサウンドが大きな波のように会場に放たれるので、次の展開が全く予想できない。そんな楽曲が性急に打ち出されていく、ピリリと張り詰めた緊張感溢れるライブだった。

研ぎ澄まされた空気の中、イシタミ(Key./Vo.)、佐々木悠介(Dr.)を中心とした4ピース編成のariel makes gloomyへ続く。冒頭から、ひねりの効いた疾走感のあるナンバーでスタート。シューゲイザー的な匂いも漂わせるサウンドを鳴らすバンド隊は、クセのあるビートを巧みに奏でていく。だが、その上に乗るメロディはJ-POPを思わせるほどにキャッチーだ。淡々としているようで時に熱量を垣間見せるイシタミの歌声は、内に秘めた“何か”を感じさせた。

3組目となるマカロニえんぴつは「幸せやそれに似たもの 」を1音目から全力で熱く演奏し、会場の温度をグングン上げていく。バンドを引っ張るのはオーバーオールにボーダーシャツ、黒縁メガネという特徴的な姿のはっとり(Vo./G.)の力強い歌声だ。コミカルなMCや勢いのあるコール&レスポンスも挟みながら、オーディエンスを大いに和ませる。それはまさに“全年齢対象ポップスロックバンド”を自称する彼ららしい、ライブパフォーマンスだったと言えるだろう。

そして4組目はスペシャルゲスト、門田匡陽。BURGER NUDSの復活ライブも記憶に新しい彼のソロプロジェクト、Poet-type.Mのサポートメンバーでもある楢原英介とのアコースティック編成で2重奏を披露した。門田の儚げな歌声とギターに加えて、曲ごとにギターとヴァイオリンを併用する楢原の繊細でホーリーな音色が風のように会場へ吹き込み、フロアの温度をゆっくりと下げていく。静かに深く息をするように空間の雰囲気は一変し、観る者の心を壮大な風景へと誘っていった。

静寂に包まれた会場はトリを務める、森翼の登場で再び高い熱を帯びていく。ギター1本でステージに上がり、冒頭から疾走感のあるナンバーを演奏。オーディエンスのハンドクラップに合わせて弾き語りをする彼のスタイルは、会場と共に音楽を奏でているかのようだ。ストレートなラブソングや人生のふとした“ほころび”から生まれる暗い影。そんな日常に寄り添ったリアリティ溢れる歌に、永遠に終わらない恋愛小説を読んでいる感覚になった。その触れられそうで触れられない距離感は、最後までオーディエンスの心を惹きつけて離さない。

イベントを終え、思い思いに語り合う出演者たち。この新たな出会いが、これから先につながっていくことを願っている。いずれ劣らぬ個性を発揮した彼らと、4周年を迎えたMilkywayの未来を今後も注目していきたい。

TEXT:馬渡司

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