(株)グリーンズコーポレーション
Producer 力竹総明 -りきたけそうめい
「RUSH BALLの出演をきっかけに、全てのアーティストの大阪城ホール単独公演を実現させたい!! これが夢であり目標です。」
●“RUSH BALL”は、去年が15周年ということで、2日間開催。かなりのバリューがありましたね。
力竹:去年初めて来た人は、“RUSH BALLって2daysやるんだ”って思ったかもしれないですけど、本当は毎年1日なんですよ。2daysは体が保ちません(笑)。
●いきなりそこ?
力竹:やっぱりアーティスト側からオーガナイザーの顔が見えないと“誰がやってるイベントなの?”ってなりますから。出演者数が増えると顔が見えにくくなるのがいやなんです。なんてったって広大な野外イベントで。去年は周年ということで気合いを入れてやりましたが、今年はしんどいので通常通り1日開催で(笑)。
●イベントまでにしっかり話を詰めて、アーティストと一緒に作り込んでいるのが“RUSH BALL”の最大の特徴?
力竹:そうですね。“RUSH BALL”自体がアーティストにとって目的になるのではなく、あくまで次のワンマンライブに繋がるような通過点であると考えてます。
●“RUSH BALL”は、リッキー(力竹)の中ではどういう位置付けですか?
力竹:ライブハウスでやっているイベントと一緒です。そこに来る自分たちを知らないお客さんを感動させて勝ち取っていく。それが次のライブに繋がっていくという形です。
●そういう意味では、毎年印象に残るドラマがあるんじゃない?
力竹:そうですね。聞くところによると、サカナクションやストレイテナー、ACIDMANが野外イベントで初めてトリを取ったのが“RUSH BALL”だったらしいんですよ。そういうアーティストが結構多いみたいです。
●旬のアーティストを起用するという点からも、一歩先を行っている感があるね。大阪やからできる、というのもありますか。
力竹:大阪独特の盛り上がりは絶対にあるので“どうぶつけても大丈夫やろう”っていう気持ちもあります。
●リッキー的に、今年のメンツはどうですか。
力竹:今年は色んな流れがあって[Champagne]改め[Alexandros](以下 [A])がトリをとるんですよ。彼らの挑戦であり、僕らも挑戦なんです。バンド自身も気合い入っているだろうし、満を持しての登場ですよ!
●タイムテーブルを決める時って、結構悩むものなんですか?
力竹:もともと去年の後半くらいに[A]にはトリをやってもらおうと思っていたんですよ。当日はバンドも緊張するとは思うんですけど、僕も緊張していると思います。“大丈夫かな、やれるかな”みたいな。サカナに初めてトリを取ってもらった年もそうでしたよ。もっとも、大丈夫だとは思っているんですけどね。
●今年は大きいステージに出る人たちが、結構入れ変わったイメージがあります。
力竹:そうですね。でも毎年ジャンルにカテゴライズしているつもりはなく、ロックの芯は残すブッキングを考えました。
●ある意味、“RUSH BALL”って博覧会みたいで面白いね。
力竹:でも、SiMも彼らがやっている音楽を好きなお客さんばかりのフィールドじゃなくて、ちょっとアラカルト的なところがある環境なんですよ。SiMのステージはサカナのひとつ前なんですけど、たぶんサカナをよく知っているお客さんはSiMを知らない人も多いやろうし、逆もそうやし。
●SiMは意外とこのメンツに入っていても違和感はなかったけど、まさかテナーとサカナの間に挟むとは思わなかった。
力竹:僕らも“挑戦してほしい”っていう気持ちがあって。テナーもいまや他の若いバンドからしたら兄さん的存在ですから、彼らにしか出せない音を見せつけるでしょうね。
●さて、注目のグッドモーニングアメリカはすごく勢いがあって、まさに脂が乗り始めた筆頭だと思いますが。
力竹:グドモのよさって、ボーカルの声だと僕は思うんですよね。彼の歌声ってすごく突き刺さるんで、声がよくて詞が刺さっているというまっとうなバンドスタンスだから、ノリで売れている感じがしない。たなしんが派手な見栄えで目を惹きつける部分はあると思うんですけど、これだけお客さんが増えているのはグドモ自身にあるし、ボーカル力じゃないかな。彼らもここ数年でいろんなフェスに出ているけど、今がそういうタイミングじゃないかなと思います。
●今名前が挙がったような“この人は出るだろうな”と思われる人もいれば、“え!? この人たちも?”と思うアーティストもいて。それがちょうど半々くらい。
力竹:半分は定番のメンツなんですけど、もう半分の“まさかこのアーティストが!?”っていう部分は、実際に現場に行って確かめてほしい。もちろん全アーティストを見てほしいんですけど、意図としてはその半分をしっかり見てほしいんですよね。
●チケットの売れ行きからすると、お客さんにもその意図が汲まれているんでしょうね。ATMCステージで言うと、MO'SOME TONEBENDER(以下モーサム)が久々に関西のイベントに出て来た感じがします。
力竹:モーサムはもともと大きいステージに出ていましたからね。改めて大阪の若いシーンに突き刺さってほしいという願いです。彼らはいろんな音楽性を取り込んだり、メンバーが違う楽器をやってみたりと、様々な挑戦をやってたんですよ。
●ジャングルライフでも創刊当時に連載をしてもらっていたけど、意志がブレていないバンドだよね。
力竹:なんせボーカルの百々さんがすごいですから。ATMCも今は全体的に賑わっていて、SHISHAMOなんか『OSAKAN HOT 100』(FM802で放送しているオリジナルチャートをカウントダウンするラジオ番組)でランキング1位をとったんですよ。すごいっす!!
●SHISHAMOは去年の“RUSH BALL☆R”に出ていたよね。当時はまだ18歳で。
力竹:歳も僕らと20歳以上離れていますからね。歌詞の内容も捉え方が全然違って分かんない。言ってみれば現代版JITTERIN'JINNみたいなもんですよ。大人たちは分かんないんだけど、若者にすごく届いているっていう現象。あとはゲスの極み乙女。も今ヤバいです。
●どのようにヤバい?
力竹:ボーカルの絵音くんがすごくキャラが立っているんですよね。声もいいし、マスクも甘いし、歌っている内容もすごく面白いし。“ここまで響くのか”っていうくらい響いてますから。今年はクロージングアクトをやってもらうんですけど、ここって伝説が生まれる場所で。過去にもthe telephonesや世界の終わり、サカナ、KANA-BOONが出ていたところなんです。
●大出世ステージなんや。
力竹:セカオワはまだ表記が漢字でしたからね。去年の2日目はKANA-BOONがやってましたけど、今年は“RUSH BALL”どころかこの会場の前日にはワンマンイベントをやりますから、えげつないですよ(笑)。まさにクロージングアクトは、伝説の枠です。
●歴史があるんやね。ATMCステージ恐るべしやね。
力竹:すごい流れでしょ。もちろん[A]もATMCを通ってきています。でも昔はこのステージって小さいテントから始まっているんですよ。簡単なバンドセットしかないところで、闇市みたいな雰囲気でした(笑)。
●それを許容する“RUSH BALL”も懐が深いな。ところでドラマチックアラスカ(以下ドアラ)はどうですか。
力竹:関西のバンドとしてどんどん大きくなってほしいなと思っています。アーティストってたいていみんな東京に行っちゃいますけど“行かなくてもイケるんだぜ”っていうのを見せてほしい。特にドアラは、今はまだ大学生なんで東京に行けないですから。Kidori Kidoriやtricotも関西ですし、ここから広まっていってくれたらと思います。
●そうですね。
力竹:あと、“もっと広がってもいいのにな”と思うのはQUATTROですね。芯が通っているし、日本人にはない面白いことをやり続けているバンドなんですよ。なんとかして彼らの認知度を上げたいなという気持ちがあります。また、みんなそれぞれに勢いはありますが、今Czecho No Republicはすごく調子がいいですよ。去年はオープニングアクトやったんですけど、今年は晴れて本編出演です。観ていてもキラキラしているし、曲を聴いていても明るくなれますね。
●そして、言わずと知れたthe band apart(以下バンアパ)兄さん。
力竹:本当に肩肘張らず気負わずステージに立ってもらえるバンドですよね。何も考えずにお願いします! って言えるバンアパ(笑)。
●テレフォンズも“RUSH BALL”では定番ですね。
力竹:はい、連続出演です。彼らが出た瞬間面白いくらいに2万人が踊り出すんで、それを観ると“大阪城ホールでもできるでしょう”って思うんですよね。
●城ホール予備軍ですね。TOTALFATも常連ですが。
力竹:ただのお祭り騒ぎバンドっていうわけではないんですよ。MCもすごく真摯で、今の時代とか仲間とかについて真面目に語ってる。聴かせる曲もパーティーチューンもバラエティに富んでいるので、1曲目から最後の曲までじっくり聴いてほしいですね。
●ええこというね。また、テナーも、“RUSH BALLといえばテナー”っていうイメージがありますけど。
力竹:最終発表で、[A]、テナー、THE ORAL CIGARETTES(以下オーラル)を発表したんですけど、いろんな発表の中でいちばん反応があったんですよね。「キターーー!」ってリツイートがあったり、“あ、待ってたんや”って感じ。
●オーラルはオープニングアクトなんですよね。
力竹:最近だと7月にFM802のヘビーローテーションに選ばれていたし、勢いがある。華があって歌も上手いし、とにかくMCが面白いんです。
●で、この中になぜか神聖かまってちゃんがいる(笑)。
力竹:昔はいろんなフェスに軒並み出ていたんですけど、だからこそこのタイミングで出るのは面白いんですよね。THREE LIGHTS DOWN KINGSは名古屋出身の踊れるパーティーバンドで、通称3LDKです(笑)。the chef cooks meは昔から知ってるバンドなんですけど、去年から再活動を始めました。Northern19では客席がぐちゃぐちゃになるんじゃないでしょうか。曲がメロディアスで速くて、キッズはたまらんと思いますよ。
●今年も見どころ聴きどころ満載ですが、大きな野外イベントに来たことがない人にも、このラインナップは体感してほしいですね。
力竹:そうですね。今年はいつも通り1日開催なんですが、その中に実はいろんな想いが詰め込まれていて、バンド自身にもドラマがあって、歴史もあって。出演者自身が新たなスタートを勝ち取る瞬間を、ぜひ見届けてほしい。そして、その次は出演者たちのライブに、1回でも多く足を運んでほしいですね。
●それが最大の目的だもんね。
力竹:出演者は全員燃え尽きると思うんで、観に来ているお客さんも、燃え尽きて帰ってほしいなと。まぁ、次の日から会社が始まる人や始業式の人も多いと思うけど、そこは申し訳ないです(笑)。
●“RUSH BALL”も16年目ですから、お客さんも変わっているでしょうし。
力竹:当時から来ているお客さんはほぼいないでしょうね。皆勤賞なんて絶対いないでしょう(笑)。
●もし読者で“全部行きました”っていう人がいたら、なんかプレゼントをください(笑)。
力竹:じゃあ、行った証拠を提出してくれたらumbroと“RUSH BALL”のコラボTシャツを進呈ということで。
●100人くらいおったらどうする?
力竹:100枚あげるしかないんじゃないですか(笑)? さすがにそれはないと思いますけどね。
Interview:PJ
Edit:森下恭子
Czecho No Republic
泉大津の海風に揺られながらシンガロング&ダンシング♪ できるチェコのステージに注目! 5人が奏でるカラフルな音世界は、あの広大な泉大津フェニックスに一点の曇りもない多幸感を与えてくれると思います。
MO'SOME TONEBENDER
僕が一番注目、てか個人的に敬意を表するバンドはモーサム! いつ見ても「抜群の演奏力」「変貌と革新」“ロックバンドがなんたるものか?”が全てここにあるのだぁ♪
the telephones
エネルギッシュでダンサブルなエレクトロサウンドで、巨大な野外ステージも狂乱のクラブに変身させる、仲良し魔法使い4人組。奴ら抜きで、今の「RUSH BALL」は語れない。つべこべ言わず聴け! そして踊るのだ!
[Alexandros]
今年[Champagne]から改名。出演毎に「もっと遅い時間にお会いしましょう!」と攻めの姿勢を示し続け、満を持してトリで登場! 最高の夜に期待! (するけど、絶対に期待を裏切る程のトリを見せつけてくれますよ!)
SiM
湘南発、レゲエパンクバンドSiM! 結成10周年を迎えるSiMは、昨年のトップバッターに続き、2年連続出場! 今年は大先輩に挟まれる順番で、どんなアグレッシブなパフォーマンスを見せるか要注目です!!
ゲスの極み乙女。
ハイセンスなサウンド、4人それぞれの個性派キャラ、不敵に現れるラップ、サビで爆発するポップでキャッチーなライブパフォーマンス。いつも期待以上のことをやってくれる、ゲスのCLOSING ACTで、踊り狂いましょう!!
TICKET ¥6,500 KIDS TICKET(小学生)¥3,500
【act】[Alexandros] / Czecho No Republic / QUATTRO / SiM / the band apart / the telephones / TOTALFAT / グッドモーニングアメリカ / サカナクション/ストレイテナー【opening act】THE ORAL CIGARETTES
【ATMC】:go!go!vanillas /Kidori Kidori / MO'SOME TONEBENDER / Northern19/ SHISHAMO / the chef cooks me / THREE LIGHTS DOWN KINGS /tricot / ゲスの極み乙女。 / 神聖かまってちゃん / ドラマチックアラスカ