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8/23に開催される大型野外無料音楽フェス“FREEDOM NAGOYA 2014”。それに先駆け、FM AICHIで放送中の番組“RADROCKRADIO”とJUNGLE☆LIFEが連動した公開トークショーを行った。番組のナビゲーターを務める04 Limited SazabysのGENとTHREE LIGHTS DOWN KINGSのGlielmo Ko-ichiに加え、地元の出演バンドの代表者、実行委員長を迎えて行われた今回のトークショー。3つのテーマを切り口に、名古屋のバンドシーンについ て、去年浮かび上がった問題に感じたこと、出演への意気込みなど、大須RAD HALLを舞台にバンド達が熱く語る!
Glielmo Ko-ichi(以下Ko-ichi):今日はFM AICHIで僕とGENがやっているラジオ番組“RAD ROCK RADIO”と“FREEDOM NAGOYA 2014”(以下“FREEDOM”)、そしてJUNGLE☆LIFEが連動する公開トークショーということでやっていきます!!
GEN:音楽を使わずにトークでライブするっていう。「今日は喋るよ!」と思っていっぱい水持ってきたから俺。意気込みが違うから。
Ko-ichi:あと、あれでしょ? 今日はいろんな人も来ているみたいだし。
GEN:来てるよ。女子高生が半分以上らしい。
Ko-ichi:そっちじゃなくて(笑)。今日は8/23に開催される“FREEDOM”に向けて、名古屋の出演バンド大集合!! ということで「名古屋の音楽シーン」、「“FREEDOM”(自由)とは」そして「“FREEDOM”への意気込み」 等のテーマについてお話していただくので最後までお付き合い下さい! ということで、THREE LIGHTS DOWN KINGS(以下3L)のGlielmo Ko-ichi(以下Ko-ichi)です。よろしくお願いしまーす!
GEN:今日はKo-ichiと04 Limited Sazabys(以下04LS)のGENが司会進行ってことで。第一のテーマは「名古屋のバンドシーンについて」なんですけど。今日は全員それぞれシーンやジャンルが違ったり、仲良しだったり初めましてだったりしますね。
Ko-ichi:ライブハウスの繋がりで仲が良い人もいますよね。BACK LIFTとENTH、EVERLONGはwataさんが主催するTRUST RECORDSのレーベルメイトだし。
GEN:ミソッカスと04LSは最近レーベルメイトになりましたね。
Ko-ichi:3Lとヒステリックパニックはだいたい同い年でG./Vo.Tack朗くんは昔からの付き合いだったり。だからそういうリアルな話もできたらと。
GEN:そうそう、紐解いていこう。結成で言うとnothingmanは結成何年ですか?
太田 幸伸(以下 太田):気付いたら8年ですね。
小林'KICHIKU'辰也(以下KICHIKU):3Lもバンド歴長くない?
Ko-ichi:うちは7年。19歳の時に今のメンバーで始めたんだけど、その頃にdaiponとも出会ってる。まだdaiponがモヒカンだった頃。
GEN:daiponはロン毛になってからイケメンみたいなポジションになってきているけど、昔はモヒカンで「オレ、daiponッス」みたいにガンガン来て「怖えよ!」って(笑)。その頃はBACK LIFTと3Lがめっちゃ仲が悪かったよね。
KICHIKU:めっちゃ仲悪かったな(笑)。
GEN:たいがいバンドマンって初対面の人に対してナメられたくないっていうのがあるから「アイツ何だよ…?」みたいになるんだけど、2回目くらいから仲良くなるんだよね。
Ko-ichi:そうだね。今回初めて会う人もいると思うし、“FREEDOM”を通して、これからより広がればなっていうね。
GEN:名古屋の音楽シーンは良い状況になっていると思うんですけど、daiponは今のシーンをどう思う?
daipon:僕は10年前くらいから“名古屋大合唱”(THE BOOGIE JACK、中部TRACK、OXYDOLが中心になって企画したイベント)とかを観て育って、それがきっかけでバンドを始めたんですよ。今も“名古屋ど真ん中計画”とか「全国に名古屋を見せたるぞ! 」 的にやっているから、すごくイケてると思います。
Ko-ichi:実際僕らも名古屋のシーンで活動していて、自分のバンドを通してお客さんとの距離感だったりライブの熱量はものすごく感じるよね。Twitterを見ていてもありがたいし、本当に地元名古屋を誇りに思えるようになってきた。状況が変わってきているのもライブに来てくれているみんなのおかげなので、いつも感謝しています。
GEN:そもそも、なんでwataさんは無料のフェス(“FREEDOM”)を始めようと思ったんですか?
綿谷:元々2010年に始めた時って、ただ「楽しいことをしようよ!」みたいな。その頃はみんなも若かったし、「みんなで遊ぼうよ!」って始めたからお金のことは全く考えていなかったんだよね。
GEN:ビジネスじゃなくて、一緒に遊ぼうぜっていうスタンスを崩したくないから無料にした?
綿谷:無料でスタートしちゃったというか(笑)。そこから回を重ねるごとに「もっとたくさんの人に来てもらいたい」とか「もっと有名なバンドに来てほしい」ということを思うようになった結果、去年2万人もの人が来てくれたんだよね。みんなから「ここはこうして欲しい」とか「もっと良い環境でやりたい」とか言われるけど、どうしてもお金がなくてできないっていうところもあって。そういうところで板挟みにあって困ったけど、やっぱりこのイベントに関してはお金の問題抜きにしてみんなで作りあげたいなと。後は音楽やライブを知らない人も、無料だったら行こうと思えば行けるしさ。
GEN:それがきっかけでライブハウスに来てくれたら、そんなに良いことはないですよね。
綿谷:“FREEDOM”で「初めてフェスに行きました」っていう人もよく聞くからね。
GEN:本日第2のテーマは「自由とは」。“FREEDOM”=自由なわけですけど、去年の“FREEDOM”を振り返ると違法駐車だったり迷惑行為、いろんな問題がたくさん起きて、今年は開催できるのか? っていうところまで行ったんです。今一度“自由”の解釈を確認しないと、また来年から続けられないんじゃないか? ということでこのテーマについてKICHIKUくんはどう思いますか?
KICHIKU:自由ってことについてよく考えるんですよ。ルールやマナーがあることで自由が存在するわけだし、そういうものが一切なくなったらそれは自由じゃなくてただの無法地帯というか。でも違法駐車や迷惑行為、ゴミの問題だったり、そういうのって主催者側が意識していても直せないというかまとめられない。
Ko-ichi:ルールを守ってこそ自由があると。人と人が作り上げるフェスだと思うから、本当にひとりひとりが理解して自由を守っていかないといけないですね。
森 彩乃(以下 森):自由って人それぞれ違うじゃないですか。自分が自由だと思ってやったことが人の自由を奪っていたらそれは自由じゃないと思うので。だから人の自由を奪ってはいけない、その範囲で自分が自由であるべきだと思いますね。
Ko-ichi:ともは今回初めて出るわけだけど、どうですか?
とも:去年はお客さんとして“FREEDOM”に参加していて、やっぱり違法駐車とか近隣の人に迷惑をかけるところが目についたんです。それで今年開催できるかは正直気になっていたんですよね。本当に続けたいと思うなら、ひとりひとりが気をつけて来年も開催できればいいなと思います。
GEN:あんなに自由なMVを撮っていて、こんなに真面目な奴だとは(笑)。daiponにとっての自由は?
daipon:自由が何かといったら、心が開放的になるというか“魂の開放”的な意味だと思うんですよね。だから例えば満員電車で体が制限されていても、音楽を聴いて心が開放的ならそれは自由だと思うし、それによってみんなが気持ちを共有しているように、誰かの自由を制限したりするっていうのは違うなって。
綿谷:自由については何が正解ってないと思うんですよ。DIRTY OLD MENのノブ(高津戸信幸)がRAD ROCK RADIOに出演した時に言ってくれたんだけど「人間力が試されますね」って。言ってしまえば違法駐車も自由って言ったら自由になっちゃうと思うんですけど、森さんが言ったように「人の自由を奪うことが良いのか」っていうことを自分に問いかけてもらえればと思います。やっぱり音楽が好きでライブが好きな人たちに、そういう人の自由を奪ったり、人に迷惑をかけたりしないでほしいなっていうのがあって、「ひとりひとりの自分のルールの中で自由にしてもらえれば良い」みたいな。その中で好き勝手やってもらいたいなと思います。
Ko-ichi:今回のトークショーの重要なテーマ「自由とは」いろいろ語っていただきましたが。
GEN:“FREEDOM”に対するリスペクトだったり思いやりだったりが試されるっていうことですよね。
Ko-ichi:それでは最後のテーマに行きましょうか。最後のテーマは「“FREEDOM”への意気込み」ということで。
GEN:BACK LIFTは第1回から参加しているけど、今年の意気込みはどうですか?
KICHIKU:今まで5回とも出演させてもらっているけど、去年の問題もあって今年開催できるか分からないなと思っていて。それでもwataさんは勇気を出して「今年もやろう!」って言ってくれたので、その挑戦に俺たちは乗っからせてもらっているというか。せっかく名古屋に人が集まってくれるから、いろんなお客さんに来てもらって名古屋を好きになってもらいたいです。
GEN:第1回とか、懐かしいね。
Ko-ichi:懐かしいね。僕はR.A.D(綿谷が経営する名古屋のライブハウス)で働いていて、ずっと前からwataさんにお世話になっていたんですよ。第1回から“FREEDOM”を開催する時に地元のバンドの協力がないと実現しないっていうことでBACK LIFTも04LSも…。
GEN:若手バンドが運営側に回ってね。
Ko-ichi:出演者+運営側としてみんなで作っていこうよっていう話をもらって、“FREEDOM”に出させてもらって。あの時に見た景色がきっかけで「俺、wataさんの下で働きたいな」って思ったんです。だから“FREEDOM”に対する思い入れがすごく強い。第一回は本当にDIYで走り出したばっかりだから、それぞれの温度差は絶対あったと思うんですよね。でも、そういうところも出演者として、ひとつにまとまっていければなっていう気持ちはありますよね。
GEN:初参戦の森さんはどうですか?
森:今回のトークショーの前に座談会をやった時は「“FREEDOM”に誘われた! よっしゃ、やってやるぜ!」っていう自分の気持ちばかりだったんです。でも後で冷静になってみて主催側の人とか最初からやっている人の意見を聞いた上で、今回呼んでいただいて初めて出演するっていうことは「自分も役割を果たさないとな」って。自分たちが出て良かったと思いたいし、出てくれて良かったなって思われたいし、お客さんにもQaijffを観れて良かったって思ってほしい。そして“FREEDOM”が今後も続けば良いなと思っています。
Ko-ichi:「“FREEDOM”を通して、新しい出会い」これもひとつの魅力ですよね。
GEN:そうですね。出会い系フェスということで。
一同:ハハハ(爆笑)。
綿谷:言い方やろ(笑)。
GEN:太田さんはどうでしょう?
太田:“FREEDOM”の出演自体は初めてですけど、僕らはwataくんを昔から知っていて、ライブハウスを経営したり、サーキットイベントを企画したりして「とんでもないことをする人だな」ってすごく尊敬していたんですよね。僕らも去年、無料野外ワンマンやフェスを開催したんですけど、裏方だったり、音響の環境、飲食の準備がすごく大変だったんです。今回“FREEDOM”に参加するにあたって、個人的にはライブはライブで楽しむんだけど、実行委員長だったり、それを支える周りのスタッフが、どういう風に動いているのかなっていうのが気になってます。
Ko-ichi:やっぱり自分たちで作る大変さを知っているバンドマンが見ると違う目線がある。
GEN:野外でイベントをやっているnothingmanならではというか。ENTHのdaiponは?
daipon:僕も2回目の“FREEDOM”で設営から撤収まで全日程にスタッフで参加させてもらって。それからwataさんの下で働くようになったし、毎年“FREEDOM”に関わって僕たちもオーディションで喰らいついて出演できるようになったりして、“FREEDOM”っていうイベントが僕らにとってもすごく大きい存在というか。お客さんにも愛をもって“FREEDOM”に来てもらえたらなっていう願いがあって。そういうきっかけを僕達も拾えるだけ拾って、活かせていけるような日にできたらなと思います。
GEN:きっかけの場としてね。EVERLONGも毎回オーディションで出ていたけど。
Mituhiro:今年は正式に出れるようになったんですよ! やった! “FREEDOM”が始まった2010年にEVERLONGも活動を始めて、いわば同級生なのでなくなってほしくないなって。だからこそみんなでルールを守って、思いっきり楽しい一日にしたいです。本当にそういう風に思っています。
Ko-ichi:EVERLONGらしい。本当に素直な言葉だな。
GEN:次はヒステリックパニックのともくん。
とも:オファーが来た時はビックリしました。まさか声をかけてもらえるとは思ってなかったので、まず出れて嬉しいですね。僕らも普段ライブハウスでお客さんがウォール・オブ・デスをやっていたりとか、ギターソロ中にお菓子食べて怒られたりして、すごく自由にやってるんですけど(笑)“FREEDOM”なのでいつも以上に自由になりたい。僕らのジャンルで言うと2011年にSiMがえらいことやっていたりとか、去年はHER NAME IN BLOODがすごいサークルピット作っていたりとかして。それもやっぱりフェスならではの景色だと思うんですよ。そこでしか見れない景色があると思うので、お客さんも出演者も楽しんでもらって来年も声をかけてもらえるように好き勝手やれたらなと。
Ko-ichi:地元のラウド勢が増えたので3Lとしてはすごく頼もしいというか。名古屋の中でこういうシーンがしっかり定着してきているんだなっていうのが嬉しいです。
GEN:じゃあ次はミソッカスのデストロイはるきちさん。
デストロイはるきち:“FREEDOM”っていうフェスの中でミソッカスっていうバンドがどれだけパンチを残せるかっていう、自分たちのことしか元々考えてなかったんです。オファーされて出るっていう感覚でいたんですけど、参加するバンドの意見とかwataさんの想いを聞いて、俺も作っている側の人間なのかなと思って。名古屋ってフェスが少ないじゃないですか。だからしっかりミソッカスなりに協力できることをして、数少ないフェスを守っていきたいなと思います。
Ko-ichi:そういう使命感みたいなものはありますよね。
GEN:Ko-ichiくんはどうですか?
Ko-ichi:俺らや裏方の人たちが楽しんでなければ絶対に楽しくないと思うんです。ただ楽しいだけじゃダメっていう厳しさみたいなのもしっかり伝えつつ、当日は本当の意味で笑えたらいいんじゃないのかなって。“FREEDOM”に出たいって思っているバンドマンってけっこういるじゃないですか。だから俺達がステージに立てる喜びを踏みにじりたくない。“FREEDOM”のオーディションに行った人は感じると思うんですけど、この1日のために涙を流す人達がめちゃくちゃいるんですよね。出演できることが当たり前だと思っていないし、来年も出られるとも限らない。当たり前だなと思ったら全部終わるんですよ。バンド活動をしっかりして、来年も出られるようにやっていきたいなと思うし、そういうあたり前みたいな気持ちをなくしていきたいなと俺は思います。
GEN:今回は名古屋のバンドが多いんですよね。地元のイベントっていう風になっているので、名古屋の高校生バンドが「“FREEDOM”に出たい!」って言ってくれたらそんな嬉しいことはないし、憧れの場所としてもっと“FREEDOM”を良いものにしていきたい。フェスが終わった瞬間に「これは来年も絶対あるな」っていう一日にできたらなと思っています。仲間たちとの戦いだし、“FREEDOM”自体も1年目から知っているから、どんどん大きくなる“FREEDOM”に対してライバルみたいな感覚がありますね。負けないように頑張ります。
Ko-ichi:最後は主催者のwataさんにビシッと締めていただきましょうか。
綿谷:みんなの話を聞いて、すごく嬉しいっていうところが正直なところで。俺のワガママみたいなところからのスタートだったのに、みんながそれを想っていてくれているから、“FREEDOM”が望まれている限りやり続けていきたいなと思いました。今回難しいことを言っている風なんですけど、そんな難しく考えないで自分に恥じないことをすれば全然大丈夫なんじゃないかなと。それで良い意味で出会い系フェスみたいな(笑)、良いきっかけが生まれるフェスになれたらいいですね。本当に楽しんでほしいなと思います。
Ko-ichi:これをきっかけにまた距離が縮まったんじゃないかと思うので、“FREEDOM”がより一層楽しみになりました。
GEN:会場に来てくれた人たちにもその気持ちは伝わったと思うので、その仲間たちにも共有してもらいたいですね。
Ko-ichi:是非“FREEDOM”に遊びに来て下さい。みなさんの力、待ってます!
EDIT:馬渡司