昨年6月にミニアルバム『バッカーゲッター』をリリースし、主催フェス“MASTER COLISEUM'13”を両日ソールドアウト。リリースツアー“ドッターバッター2013”ファイナルのワンマンライブを大成功させるなど、一瞬も立ち止まることなく突き進むPAN。年明けにBa.ダイスケが緊急入院してヒヤリとさせたのもつかの間、自主企画イベント“春のPAN祭り~遊びたい都・市・頃~’”で見事に復活を果たし、PAN史上稀に見るペースでニューアルバムを完成させた。来年の20周年に向けてバンドとして、そして人間としても心身共に充実度を高めているPANは、結成当初のピュアな衝動を持ち続けてこれからも突っ走る。
●4/16にアルバム『ヒズム ハズム リズム』がリリースされるということですが、昨年6月のミニアルバム『バッカーゲッター』からすると、今回はいつになくリリースペースが早いですよね。どんなアルバムにしようと思っていたんですか?
ダイスケ:前作のツアーをやっているときにイメージが出来てきた感じで、「次はこういうアルバムにしよう」みたいなことも初めて言ったし。みんなで意思統一して作ろうという感じで進んだんです。そういうこともあって、みんなが作ってくる曲とか歌詞も、そのイメージに向かっていく感じだった。
●なるほど。具体的にはどういうイメージにしようと話したんですか?
川さん:それはちょっと…。
●え?
川さん:ごめんなさい、それはちょっと…。
●今それ言うところですよ!
ゴッチ:ハハハ(笑)。
川さん:逆にどう感じました?
ゴッチ:あ、逆に訊いてみたいね。
川さん:CD何回聴いたんでしたっけ?
●えっと、1回か2回です。
川さん:なんでやねん。
ダイスケ:それでインタビューしてるんですか?
●今作で感じたのは、瞬発力。音楽的にはバラエティに富んでいると思うんですよ。でも、何よりも聴いたときの瞬発力みたいなもの。MUSIC VIDEOは全曲録るらしいですけど、それもうなずけるというか。パンチのある曲が揃ってと思います。バンドの哲学とか熱いメッセージは表面的には出さずに…もちろん根底にはあるんですけど…それよりも「どれだけ突き刺さるか」という勝負をしているアルバムだと思います。
川さん:お、これはけっこう聴いているな。
●M-5「金なんていらない」の次にM-6「金くれ!!」と歌っているように、相変わらずバカバカしい感じもあるけど。
川さん:「金いらん」だけだったらおもしろく無いもんな。
●それだけだと熱すぎると思うんです。その直後に「金くれ!!」と歌っているのがいい。前作はもうちょっと湿度というか、気持ちが現われている度合いが強かったんですけど、今回はもうちょっとカラッとしている。
川さん:いちいち言いたくないし、「分かって!」みたいな。そんな感じ。
●説明過多にしたくなかったということ?
川さん:そうそうそう。「感じてや!」「汲み取ってや!」って。
よこしん:言葉だけで、みたいな。
川さん:“気持ち”というよりは“気分”って感じ。「金いらんわ!!」って思う瞬間もあるし「金欲しいわ!!」と思う瞬間もある。その瞬間の気持を気分として曲にしていった感じかな。
ダイスケ:“PANは何を求められてるのかな?”と考えたとき、“踊れる”とか“騒げる”とか、そういうポジティブなものかなと。どのバンドもそうかもしれんけど、でもそれに思いっきり応えようとなったんです。だから楽しい曲、一発で聴いて“楽しい”と思えるような曲を作ろうと。メロディも「ちょっと暗いからそれはやめよう」とか選んでいって。
●そういう取捨選択もあったんですね。
ダイスケ:「いいアルバムよりおもしろいアルバムを作ろう」っていうノリ。歌詞はもちろんそうだと思うけど、曲もそういう言葉が乗るような曲をいっぱい作ろうと。
川さん:これだけやっているといろんな曲がある方がおもしろいし。更に、いろんな作り手が居た方がバラエティに富んでるし、作詞の面でもいろんなアプローチがある方が違う発想が出てきやすいんです。
●曲はみんなが作ってますもんね。
川さん:例えば全部ゴッチの曲だったら、同じようなことを感じてしまうような気がする。だから今はすごくおもしろいんです。
●クリエイティブな刺激にもなるしライブでも武器になる。
川さん:“俺はこんな発想なかったな”とか思うし、“コイツっぽいな〜”とか思う。作詞をする面ではすごくありがたいですね。
●さっき“踊れる”という話がありましたが、リズムもバラエティに富んでいますよね。Hip-Hopみたいな曲もある。
ゴッチ:今回の新しいところですね。
●それも、楽しかったらいいという。
ダイスケ:そう。身体を揺らせられたらいいなっていう。
●そのHip-HopみたいなM-4「ニッポンジャポン」は、どういうきっかけでできたんですか?
ダイスケ:川さんがこういう感じの曲を歌ったらおもしろいなと前から思っていたんです。でも、川さんがそういう曲をちょっと嫌っていた部分があったんですよ。昔、一度こういう雰囲気の曲を作っていったらボツになったことがあって。
●当時はNOだったんですか?
ダイスケ:そう。「ラップはちょっと…」みたいな雰囲気が出てた。
川さん:あの時はちっちゃかったな〜。俺、成長したわ〜(笑)。
ゴッチ:人間すごいもので。
●ハハハ(笑)。
ダイスケ:音楽の好き嫌いってやっぱりあるじゃないですか。例えばM-7「WA WA WA」も裏打ちなんですけど、当時の川さんは裏打ちもあまり好きじゃなくて。
●昔はHip-Hopも裏打ちも苦手だったと。
よこしん:小さい川さんはね。
川さん:成長したわ〜。
ゴッチ:もういいっちゅうねん!
ダイスケ:そういうことがあったから、今回持ってきたときも“実際どうやろうな?”と内心思っていたんですけど、何も言ってこなかったんです。“あれ? このまま行っていいの?”みたいな。
●川さん的にはどうだったんですか?
川さん:う〜ん、昔どう思っていたかはよく覚えてないんですけど、おもしろい感じがするかしないか、だけで判断したんです。
●直感で決めたと。直感ベイベーだと。
ゴッチ:あっ、上手いこと言った。
川さん:「こんな言葉がはまったらおもしろそう」とか「自分がやってる姿が想像できるな」となったらいけるかな。改めて考えたら、何年も経って今は想像できることが増えたのかもしれない。
●当時は見えなかったと。
川さん:昔は“この曲をステージでやるとどうなるか見えない”だったものが、今だったら“こうやってこうやるとおもしろくなる”と思えるようになった。それは増えたかもしれない。
ダイスケ:それに最初は歌詞が全然違ってたよな。
●ニッポンの事を歌ってなかったんですか?
川さん:全然違うこと歌っていて、「何かもっとおもしろいのが欲しいな」って言われたから「じゃあ書き直すわ!」って。それで“ニッポンジャポン”という言葉が出てきて。
●言葉にリズムがありますもんね。
川さん:そう。そういう言葉を思い付いたから形になったんです。
ダイスケ:いいこと言ったな。「言葉にリズムがある」って。
●僕が言ったんですけどね。
川さん:リズムのある言葉を入れたいなと思って、歌詞を書き直したんです。
●あ、パクった。
一同:ハハハハ(笑)。
●リード曲はM-1「天国ミュージック」ですが、めちゃくちゃインパクトのある曲ですよね。
川さん:やっぱBメロとかインパクトがあって、俺らがやってるようなサウンドや音量でも1回聴いたら分かるみたいな曲。そういうインパクトを持たせたくて、Bメロに行く前に掛け声を入れて「みんなで一緒になれるぞ!」という感じにしたかった。
●PANのライブのイメージに近いと思う。
川さん:でも実はマイナー調のコードとか弾いてたりするんですけど、それが明るく聴こえるという。そこに“ヒズム ハズム リズム”という、リズムのある言葉が出てきた。
ゴッチ:あれ? なんか聞いたことある…。
●あとクレジットを見て驚いたんですけど、「金なんていらない」の作曲はゴッチで、「金くれ!!」の作曲はよこしんなんですね。別々の人が作ってきた曲がペアになるという。
川さん:ペアになるとはたぶん誰も思ってなかったでしょうね。
よこしん&ゴッチ:まったく思ってなかったです。
川さん:最後に歌詞をつけてない曲が2曲残ったんです。ポワンとした曲と攻めてるような感じの曲が残ってる。「これどうしよう?」って…。
●残り物か!
ゴッチ:他のバンドマン見てるか? これが等身大のインタビューや!
川さん:本当に最後、素面になった時に俺がそのとき思っていたことを書いたんです。その前にM-2「今日だけ祭り」の歌詞を夜中に書いてて、「いやや! もうビール飲みたい!!」みたいになって。「今日だけはもうええやん。もう飲もうかな」と思ったときに「お、これを歌詞に…」と思って書いたのが「今日だけ祭り」の歌詞。
●そのままだ!
川さん:それで最後にこの2曲が残って「これ、どうしたらええんやろ?」みたいになって。そこで「もう本当に何もいらんからいい歌詞だけ書きたいわ」と思って。「本当に金とかじゃなくていいわ。いい歌詞が欲しい」…「金いらんわ」って。
●そういうことか(笑)。
川さん:でもその後、仕事をしながら歌詞を考えていて「でもお金もいるやん! 金も欲しいわ!」とも思って。…この2つの純粋な想いがアルバム最後の2つのピースとなったんです。
ゴッチ:上手いこと言った!
●ライブはどうするんですか?
ダイスケ:セットでやろうって思ってますけど。
川さん:どっちかだけめっちゃウケるようになって1曲しかやらなくなったら「あいつキレイなことばかり言ってる奴やな」となるし。逆に「金くれ! ばっかり言うてる奴やな」と思われるし。
ゴッチ:ハハハ(笑)。
●矛盾していることだけど、2曲だからこそPANらしいですよね。
川さん:これはいいと思うけどな。
ゴッチ:うん。これはおもしろいアイデアだと思った。「金なんていらない」が終わって次に「金くれ!!」って言い出したら「こいつらヤバいな!」となると思う。この2曲は今作の手応えの1つです。
●ところで、アルバムタイトル“ヒズム ハズム リズム”は「天国ミュージック」の歌詞からきているんですよね?
川さん:そうです。ダイスケが「このタイトルでいいんちゃう?」って言ったから「あ、ええな」みたいな。
●軽いな。
川さん:タイトルはいつも最後に付けるんです。言葉としては気に入ってるし。
ゴッチ:他の候補は何だったっけ?
●あ、そういうの聞きたい。
ダイスケ:ACD(ええしーでぃー)や。“いいCD”みたいな。
●ダジャレか!
ゴッチ:あと“ECD”とか。たしか“CD”にかけたダジャレを散々考えたけど、結局これに一発で負けたっていう。
●言葉の力ってありますよね。一見よく分からないけど、このアルバムタイトルは1回見たら忘れられない。よく考えたらちゃんと意味あるし。
川さん:そこに意味を持たせてあるのが好きやねんな〜。
●ただの記号とかおもしろい言葉だけで終わるのではなく。
川さん:そうそうそう。結果的に「それおもしろい!」みたいになって欲しい。ちゃんと意味あるよっていう。
●僕は『バッカーゲッター』の次の作品となると、もっと熱くなると思っていたんです。今作はもちろんメッセージはありますけど、それよりも“おもしろさ”や感覚的な部分がクローズアップされた作品だと思うんですよね。
川さん:気分でやっていくっていう。そっちの方がバンド的には合っていると思うし、例えばバラードっぽい曲では気持ちを表す、みたいなイメージがあるんです。今作で多い掛け声とかも気分だし、そういうノリでライブをやってるのも楽しいし、思っていることはその瞬間に出てきた言葉をMCで言うからこそのライブだとも思うし。CDは1人で聴いても盛り上がって欲しい、それを持ってライブに来てくれるといろんなものが見れまっせ、っていうライブをしているから。
●なるほど。ただ、そんな中で1曲気になったのがM-10「夏の日のロッケンロール」なんです。この曲は気持ちの部分というか、湿度が今作の中でいちばん高いですよね。15年前のことを歌っていますけど、PANというバンドの等身大の想いが滲み出ている。
川さん:さっき言ってた“熱さ”とか“湿度”は、この曲がいちばんありますよね。
●うん。
川さん:俺ら、あの時のまま今も勢い止めることなくバンドやっているけど、19歳とか20歳の頃によくむちゃくちゃして遊んでいたんです。高校を卒業して就職したけど、すぐ辞めてバイトもせずにむちゃくちゃしてる時期があって。
●要するに人としてダメだったと。
ゴッチ:ちょっとヤンチャしていたくらいです。
ダイスケ:ヤンキーじゃなくて、ただのダメな人。
●それが「夏の日のロッケンロール」で歌っている15年前のこと?
川さん:そう。ちょうど19歳くらいの時で、今34歳だから15年前。その時は兄弟で住んでいて親もいないし、俺んちがたまり場みたいになっていたんです。あの時からバンドをやって、今でも続いてるけど、その時の友達とは今は全然遊ばない。そういう思い出というか経験は誰にでもあるんだろうなって。10年前でも3年前でもいいけど、学校を卒業したらなかなかその時の学校の友達と遊ばなくなったりとかするじゃないですか。そういうところ。
●この曲のそういう雰囲気、いいですよね。
川さん:ちょっと湿り気があるところは最後に出したいかなって。“このアルバムにはどうかな?”って悩んだりもしたけど、やっぱりちょっとやりたいなと。
●川さんとゴッチとダイスケ3人の15年前の思い出が形になったと。
ゴッチ:その時は金が全然なくて。
●今でも「金くれ!!」と言ってますけどね。
川さん:その辺は変わってない。当時はクーラーも無かったけど、それでも人が集まってくる。何も目的はないけどみんなで外に出てみたり、とりあえずしゃべってるとか。
ゴッチ:けっこう人が集まっているのに全部足して¥500くらいしか無いとか。でも車はあるからガソリン入れてどこかに行く。そんな時期ですね。
●あるある。
川さん:その頃はまだ地元でしかライブやってなかったし、もちろんCD出したりとかレコーディングとかしたこともない。でもバンドやりたいっていう気持ちはあったから、高校卒業して就職していたけど、それを理由にして会社も辞めて。
●チャランポランだ。
川さん:全然何も考えてなかったし、でも「そういう風に生きたいねん」みたいな。あれはすごい勢いだったと思う。その勢いでやっていたバンドが今も続いていて。それで東京に来たりとか、いろんな人と知り合ったりとか、そこでいろんな価値観を見たりとかして「こんなおもしろい奴いるのか」とか「こんな場所があるのか」とか感じながら15年経ってもまだやっている。
●バンドをやるモチベーションは当時と変わったんですか?
ダイスケ:うーん、あまり変わってないかな。やっぱりドキドキするし、ドキドキしたいことをしたいから、結局辞められない。
ゴッチ:うん。根底は結局一緒なのかも。たぶん器用にはなっているんだけど、実際のところ根底はブレてないというか。
川さん:その頃は失うものなんて何もない。全然何があってもどうなってもいいし、本当に恐れを知らなかった。今もそういう気持ちはやっぱり持ってるかな。最終的にはどうなってもいいっていう。それは変わってないかな。
●投げっぱなしですね。
川さん:思い付く発想とかも相変わらず同じというか。34歳って相当な大人だと思っていたけど、しょうもないこととかを相変わらずおもしろいと思っているし、あまり変わってないかもしれない。
●特に音楽シーンだと“若い方がいい”という価値観があるじゃないですか。年を取ることが怖いとか。そういう感覚は無いんですか?
川さん:無い。
ゴッチ:それに対しては全然。
ダイスケ:「恐れはゼロか?」って言ったら俺はそうでもないかな。身体の衰えもあるし、年を取ったらできないこともいっぱいあるんだろうなって思う。でも考え方は経験でだんだん増えていくっていうか、それをカバーして、おもしろいものに繋げていけばいいんじゃないかって思ってますね。
川さん:普段だったらアホみたいなこととかしてたら「何だあの人」って思われるかもしれんけど、これがステージになると許されるんですよ。作曲とか作詞とかもそう。
●確かに。誰にも怒られないし。
川さん:そう。それがおもしろいし、俺はそういうのが好きだから。そういうしょうもないものが出てくるから、あまり変わってないのかなって。本当に変わっていたら、たぶんもっと真面目なことを歌っていると思いますよ。“そっと僕を包んで”みたいな歌詞。
ゴッチ:例えがひどい(笑)。
●ベタすぎる(笑)。
川さん:でも歌詞を書こうとしたら今作みたいなものばかり出てくるから。ここにこの言葉が入ったらおもしろいな、とかばかり考えてる。
●よこしんは6歳年下ですけど、どう思います?
よこしん:フレッシュさと今の年齢ということに関しては、どっちも良さがあるということは分かっていて。でも僕としては、経験を重ねている言葉の方が響くし、いい言葉だろうとバカバカしい言葉だろうと、発する人によって重みが違うっていうのはすごく感じるんです。
ダイスケ:年を取ったらラブソングが歌えるかもしれないね。
川さん:うん。ラブソングはやりたい。
ダイスケ:30歳を越えて“ABCDE感じ”とか歌っている方がおもしろいじゃないですか。でもラブソングもそうなのかなと思っていて。
●30歳を越えて歌うラブソングが本物だと。
ダイスケ:売れてるラブソングってだいたい若い子が歌っているじゃないですか。それは共感できる人が多いからっていうことだろうけど、それを10年後に聴けるかというと、たぶん俺は聴けないと思う。でも30歳を越えてる人のラブソングって10年後も聴けるんですよ。ウルフルズとか。
●確かに。
ダイスケ:俺らもそういう曲を今後作れるんじゃないかなって、次回作で思っています。やろうぜ!
●おお!
川さん:やりたい。興味はある。曲を聴いて「あ、これラブソングになったらおもしろい」と思ったら。そういう感覚が素直に出てきたら全然アリだと思うし。
●来年は20周年だし、今後もPANは楽しみですね。
ゴッチ:20周年は色々おもしろいことやろうと思ってます。でも、20周年ですけどベテラン感は全くなくて。まだ若手か中堅くらいの感覚ですね。30周年40周年となってやっとベテランになれるんじゃないかな。
●きっと、ずーっとバンドやってるんでしょうね。
よこしん:やりたいですね。
ゴッチ:全く変わってなかったらおもしろいな。
●あまり変わらなさそうですけどね。
川さん:40周年とかでも「まだラブソング書かれへんねん…」とか言ってて。
●ハハハ(笑)。
●今日は“春のPAN祭り~遊びたい都・市・頃~”ということで、スペシャル企画としてゴッチさんのソロインタビューをライブ前に行いたいと思います。
観客:ええ〜!
ゴッチ:いやいや! ちょっと待って! 「ええ〜!」って何やねん!
●ハハハ(笑)。せっかくの機会なので、ゴッチさんのプライベートなことを訊きたいと思うんです。
ゴッチ:え〜、どうしようかな〜?
●ゴッチさんは今年で34歳?
ゴッチ:今年で35歳になります。
●もういい年ですね。ご結婚は?
ゴッチ:結婚の経験も予定もございません。
●そうですか。彼女は?
ゴッチ:彼女は募集中でございます。
●何年くらい居ないんですか?
ゴッチ:いきなりリアルなところ来ますね。
観客:アハハハハ(笑)。
●他ではなかなか訊けないことを訊こうと思いまして。
ゴッチ:えっと、軽く5年は居ないです。
●あっ、結構な期間ひとりなんですね。
観客:かわいそう〜。
ゴッチ:でも気持ちは豊かですよ。ロンリーですけど気持ちは豊かです。
●例えばどういうタイプの女性が好きなんですか?
ゴッチ:なんでしょうね〜。僕、結構年上の方が好きなんですよ。
●年上?
ゴッチ:でも自分が30歳越えて、今35歳なんで、年上というとなかなかじゃないですか。
●ちょっとお疲れさまな感じですよね。
ゴッチ:そう考えたとき、最近は年下もいけるようになってきたんです。
●生々しい話ですね。
ゴッチ:僕は母性本能が強い方が好きです。
観客:気持ち悪い!
ゴッチ:え? 誰か今「気持ち悪い」って言った?
●甘えられる女性が居ればいいですね。
ゴッチ:そうですね。ライブ後に声をかけてください。
●ちなみに、ゴッチさんは普段プライベートでは何をしているんですか?
ゴッチ:SABOTENというバンドのG./Vo.キヨシという男が居まして、その男がやっているスタジオが心斎橋にあるんです。グリーンスタジオっていうんですけど、アメリカ村にありまして。
●あっ、宣伝だ。
ゴッチ:プライベートはそこの受付に座っていることが多いです。だから常に音楽に関わることを何かしらしてます。バンドに関することか、グリーンスタジオのことか。
●趣味はあるんですか?
ゴッチ:趣味はギターを少々。
●暇なときはギターを触っていると。
ゴッチ:だからプライベートはほぼないです。
●つまらない毎日。
ゴッチ:ちょっと待って! 言い方あるやろ!
観客:ハハハハ(笑)。
●あ、すみません。良く言えば、音楽漬けの毎日を送っていると。
ゴッチ:悪く言うと?
●つまらない毎日を送っている。
ゴッチ:コラー!
Interview:Takeshi.Yamanaka
Assistant:馬渡司