FM OSAKAと清水音泉が、桃の節句にタッグを組んでお送りするロックの祭典! 毎年個性溢れる面々が盛り上げる“爆ひな”だが、今年は一昨年とは一変、女子率の高いメンツで開催された。
トップバッターを務めたのはふくろうず。ドリーミーなサウンドとVo.内田のウィスパーボイスが、オーディエンスを彼らの世界にグイグイ引き込んでいく。2曲目の「テレフォンNo.1」へ入ると、メンバーがヘッドフォンを装着。クセになるキャッチーなメロディーに思わず聴き惚れていた。ときにはブーミーなベース音やエレクトロ・サウンドでアクセントを付けたり、またときにはクリーンのトレモロで幻想的な雰囲気を醸し出たり…音の足し引きが絶妙で、実に気持ちのよい音を鳴らしていた。
お次は“ツンデレ最高”と巷で評判(?)の後藤まりこが、マニピュレーターのKOVAXと2人編成で“17歳お寿司大好き”スタイルと称し登場! 名前にちなんでか、“まぐろ、がり、赤だし”という特徴的な歌詞の「お寿司のテーマ」でスタート。その後も独創的でありながらポップな歌で会場が沸き上がる。京橋グランシャトーや、ハナテン中古車センターのCMソングでのコール&レスポンスが見られるのはきっと彼女のライブだけではないだろうか。「す☆ぴか」では「もっと近くにおらせてよ」と、客席内へ! “考えるな、感じろ!”と言わんばかりのフリーダムなステージを見せる。
3番手はパワフルかつアグレッシブなダンスパフォーマンスが魅力のひめキュンフルーツ缶だ。菊原結里亜が怪我の為に欠席となった為、今回は4人編成。しかし、この日はバックバンドを従えてのバンドセットで臨んだ彼女たち。演奏陣によるヘヴィでゴリゴリなサウンドと、キレの良いパフォーマンスはベストマッチ! 「キミノミライ」「アンダンテ」「ワタシダイイチキボウ」とのっけからガンガン攻めていく。運動量の多いハードな振り付けを踊る中でも、笑顔を絶やさない姿はまさにアイドル。弾けんばかりの眩しいキュートな表情に、思わず頬が緩んでしまうのも致し方ないことなのだ。
本編終了後、熱狂覚めやらぬ会場からのアンコールを受けステージに全出演者&FM大阪DJ陣が再登場。大団円で「うれしいひなまつり〜ROCK VER.〜」を大熱唱!後藤まりこが前に出て煽り、ひめキュンが4人で元気に盛り上げ、ふくろうずが奥ゆかしげに歌う…それぞれのキャラクターが表れた唯一無二の“ひなまつり”に出会った。
全く違うキャラクター性を持つアーティストたちが一堂に会し、それぞれの個性や魅力を全力でぶつけあう。それに呼応するように、オーディエンスもいやが上に盛り上がり騒ぎ出す。“爆ひな”は出演者とお客さんを、そして出演者と出演者を繋ぐとてもインタラクティブな場所なのだろう。
TEXT:森下恭子