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オズ

“みんなでつくる”、オズのミュージック・テーマパーク。ワクワク感溢れる最新作が完成!!

OZ2014オズがガルル・レコードに移籍後、第1弾となる新作ミニアルバム『WE ARE!!!』をリリースする。バンド結成のキッカケを生んだG.いっせーの“卒業”という大きな転機を経て完成させた、前作の2ndフルアルバム『NOTiCE』から10ヶ月。前作リリース後のツアーで得られた多くの“気付き”が、今回の作品には昇華されているという。“みんなでつくる”というコンセプトの下に生み出された楽曲たちはバラエティに富みながら、オズというバンドの魅力を多面的に表している。まるでテーマパークのようなワクワク感に満ちた新作を手に3人は、大きな夢に向かって再び歩き始めた。

 

「相反するものが共存しているのが、私なんだと思って。オズとしても“ロック”だけじゃなくて、“ファンタジー”と“ファッション”という3つの力を信じてやっているから」

●前作の2ndフルアルバム『NOTiCE』では卒業したG.いっせーさんが曲提供したりもしていましたが、今回の『WE ARE!!!』にはもう参加していないんですね。

NARUMI:そうなんですよ。3人での再出発の1枚になっています。今回は今までで一番コンセプチュアルな作品になっていて、“みんなでつくる”っていうテーマがあったんです。いっせーさんが卒業した後、“気付く”という意味の『NOTiCE』と名付けたアルバムを持って、色んなことに挑戦するツアーをまわった中で実際に気付くことがたくさんあって。ツアーファイナルのワンマンライブ(2013/8/30@渋谷Star Lounge)は初めて東京でソールドアウトしたんですけど、その時に「やっぱりみんなでつくっていきたい」と改めて思ったんです。

●そこがまず最初のキッカケになった。

NARUMI:その後に、台湾で1万人規模のフェスにも参加して。そこでは言葉も通じないし、もちろん誰もオズのことを知らない。でも「いつもどおりやろう」と言って挑んでみたら、初めてスタンディングオベーションが起ったんです。言葉はわからないけど、この感情を会場のみんなにどうにか伝えたくって超エモく「謝謝!!」って叫びました(笑)。

●ハハハ(笑)。

NARUMI:そこで「どんなに動員が増えていっても、みんなでつくりたい気持ちはきっと変わらないんだな」っていう確信が生まれて。だったら「色々経験した今だからこそ、バンドの原点に帰ろうよ」と話し合ったんです。この作品は“みんなでつくる”がコンセプトだから、サポートギタリストさんやスタッフさんとも一緒になって、みんなでつくろうということになりました。

●だから作曲にメンバー以外の方も関わっていると。

NARUMI:楽曲を健太さん(片岡健太 from sumika)に提供して頂いたり、サポートギタリストのミツさん(藤田光浩)とソウさん(Soichi Ohyama from BRADIO)とは1曲ずつ一緒につくってみたりしました。今回は制作段階からみんなでつくることを考えていたので、『WE ARE!!!』というタイトルにしたんですよ。だからライブで「WE ARE〜?」って私が呼びかけたら、お客さんに「オズ〜!!」って応えて欲しい。私たちだけじゃなくて、お客さんも含めて、みんなでオズだから。

●1曲1曲をつくっている段階でも、明確なコンセプトがあったんでしょうか?

NARUMI:コンセプトが明確にありました。今回は聴きながら歌詞カードを見たら、ライブをどう楽しんでいいか分かるようなものにしたかったんです。それぞれにジャンプする曲、タオルをまわす曲、ダンスロックチューン、みんなで歌う曲、ラフに乗れる曲、バラード…っていう感じで作曲していきましたね。

●それぞれのコンセプトに合わせて作っていった。

NARUMI:サポートギタリストの方々もそれぞれ色が違うので、たとえばソウさんとはバラードを一緒につくってみたりして。全体のバランスを取りながらつくっていったおかげで、バラエティに富んだ作品になりましたね。でもテーマからはどれもブレることなく、6曲並べた時にちゃんと完結するように気を付けてつくっていきました。トータルのバランスは今回、SHINがジャッジしたんですよ。

●SHINくんが全体の調整役になったんですね。

NARUMI:そこもすごく新鮮だったし、アイデアもたくさん生まれて。私たちって、考え方が3人ともバラバラなんですよ。だから言い合いもあったんですけど、それぞれの意見をちゃんと聞いた上で本音で話し合って、みんなで決めた。そういうふうにつくっていけたから、レコーディングしていてもすごく楽しかったんです。

●歌詞のテーマやコンセプトも統一されていたんでしょうか?

NARUMI:歌詞に関しても、今回は“等身大で書く”っていうことを最初に決めていて。“みんなでつくる”っていうテーマを掲げたから、「オズってこういうものです」って伝えたかったんですよ。6曲通してのコンセプトを持っていたので、あまり作詞に苦労はしなかったですね。最後のM-6「ゆめりか」を泣きながら書いたくらいです(笑)。

●泣きながら書いたんですね(笑)。

NARUMI:ショッキングな出来事があって…。ポジティブな私がここまで弱い部分をさらけ出した曲っていうのは、たぶん初めてだと思います。普段はあまり見せない部分をさらけ出してみようということで、殻を1枚破った曲ですね。デモ音源を聴いている時にその出来事を思い出して、ポロポロ泣きながら歌ったものをそのまま歌詞に書いていきました。

●パーソナルな想いを吐露した歌詞になっている。

NARUMI:M-5「charmy」も実は、ある人に宛てた手紙なんですよ。私にとってお姉ちゃん的な存在の人がいて、いつも笑って励ましてくれるんです。とても信頼している人なんですけど、心配させるんじゃないかと思うと悩みや苦しい気持ちを話せなくて…そういう気持ちを手紙っぽく書いてみた曲ですね。でもレコーディングで歌い始めたら、お客さんや家族や友だちの顔がどんどん浮かんできて。たった1人に向けて書いた手紙のはずが、不思議とみんなに宛てて歌っている気持ちになっていったので最後は絶対シンガロングにしようって決めていました。

●前半の3曲はロック色が強いですが、特にM-3「バーチャライダー」はSHINくんのスラップが強烈で…。

NARUMI:「バーチャライダー」が今回のリード曲なんですけど、この曲はベースがどんどん攻めてくるんですよ。SHINがしっかり前に出ているので、“3人でオズなんだ”っていうことが伝わる曲というか。そういう意味でも、リード曲だなと思います。

●「バーチャライダー」という言葉は造語?

NARUMI:今はネットが普及していて、バーチャルな入り口が多いんですよね。その中でも「しっかり現実を見つめた上でバーチャルを乗りこなそう。そして現実では夢を乗りこなそうね」というメッセージを歌詞に込めて、「バーチャライダー」というタイトルにしました。

●M-1「M.O.N.T.A.S.Y」のタイトルも造語ですよね。

NARUMI:“みんなでつくる”っていうテーマの下でバンドの原点を振り返った時に、ボーカルの私はやっぱり欲張りでいたいと思ったんですよ。ライブでの私ってすごくロックな面もあればシリアスな面もあるし、色んな顔を見せているんです。そういう相反するものが共存しているのが、私なんだと思って。オズとしても“ロック”だけじゃなくて、“ファンタジー”と“ファッション”という3つの力を信じてやっているから。「M.O.N.T.A.S.Y」はその“ロック”と“ファンタジー”を融合させようということで、ドリーミーな展開をアレンジで入れてみたりしました。

●「M.O.N.T.A.S.Y」の歌詞も、オズが伝えたいことを象徴している気がします。

NARUMI:「私たちはこういうものです」っていう1曲目ですね。でも私たち、一応人間なんで(笑)。

●“I'm a Monster!”と歌っているけど、人間だと(笑)。

NARUMI:ただ「歌を歌っていたら魔法使いになれるかな」っていうのは、本気で思います。「何を言っているの?」っていう感じだと思うんですけど(笑)。

●そう思いました(笑)。

NARUMI:アハハ(笑)。台湾のフェスでは1万人のお客さんが総立ちになって、トリ前だったのにまさかのアンコールまでやらせてもらったんですよ。そこで「みんなでやろう! あなたもどうですか?」って語りかけた時にお客さんがニコッと笑ってくれたり、手を上げてくれたりして。そうやって参加してくれた瞬間に私の中ではお客さんに魔法をかけている気分になって、「私、オズで歌っていたら魔法使いになれるんじゃないかな」って思ったんです。すごくワクワクしたし、その気持ちを忘れたくない。そういう意味でも3人での再出発の大事な作品だし、ライブへの招待状にもなっています。だから今回は歌詞カードも、マップみたいになっているんですよね。

●視覚的なイメージを通して、オズの世界観が伝わるものになっている。

NARUMI:今回はアートワークでも、ロックとファンタジーとファッションが初めて分かりやすい形で融合したんですよ。(歌詞カード上で)「M.O.N.T.A.S.Y」は2人の掛け合いみたいになっている部分をチャット形式で描いてみたり、クラップの仕方も載せていたりして。ずっとやりたかったことが今回、こうやって形になった。いつかはオズのテーマパークみたいなものを形にしたステージで、ライブをやりたいと思っているんです。その1つの道として、日本武道館という目標を掲げてみました。

●それが今回の“「みんなでつくる」日本武道館への道 season.1”というツアーのサブタイトルにつながっているわけですね。

NARUMI:ワンマンライブの後、自分でライブを思い出している中で「いつかオズとして日本武道館に行きたい!」って初めて思ったんです。それで2013年末のライブで、初めて「日本武道館に行きたい!」って言ったんですよ。その時に自分でもハッとなって「私、夢は叶えるものだって言ってきたじゃん! オズは武道館に行くぞ!」と思ったので、こういうツアータイトルになりました。

●ブログに書いてありましたが、武道館へアヴリル・ラヴィーンのライブを観に行ったことも実感につながったんじゃないですか?

NARUMI:つながりましたね。たとえば(ステージの)セットについても、“自分だったらこうしたい”っていうものが明確にイメージできたりしたんですよ。私は知らないことがとても多いので、色んなものを吸収しやすいし、何かに影響もされやすい方だと思うんです。でも去年の目標が“深化”だったので「自分はいったいどんな人なんだろう?」と掘り下げたおかげか、「ナンバーワンになりたいんじゃなくて、オンリーワンになりたい。私は私で、私にしかない魅力を持っていたい!」と思えて。そのことに気付かせてもらったかもしれない。

●去年のテーマは“深化”でしたが、今年のテーマは?

NARUMI:今年の目標は“強化”です。去年の“深化”で学んだことをそれぞれプレイヤーとして、バンドとして“強化”していこうと。個人的な目標もそこにかけて、“響化”にしました。

●“響化”?

NARUMI:“深化”で掘り下げたところに、自分なりの響きを加えていくというか。前回のツアーでいっぱい吸収しすぎて、まだ何をどこにしまったのか分からない状況なんですよ。それを自分らしくアウトプットできるように、響かせていきたいなと思っています。ライブと音源で歌の感じも違って聞こえるかもしれないけど、今回は今までの作品の中で一番表情のある歌が録れていると思うんですよ。そういう意味で、歌や歌詞にも自分の持っている響きをもっと加えていきたいですね。

Interview:IMAI
Assistant:馬渡司

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