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Hello Sleepwalkers

PHOTO_HSW4Cキャッチーなメロディと独特な世界観を持つ楽曲で強烈なインパクトを与えてきたロックバンド、Hello Sleepwalkers。そんな彼らの2013年は、ライブと制作に明け暮れた日々だった。「ライブで衝撃を与えたい」「今までの自分を超えたい」という叫びにも近い想いは彼らを大きく成長させ、エネルギーに溢れた楽曲は更に鋭さを増し、そして豊かな表現力で紡がれる世界は更に深遠さを増した。2/19にリリースされる1stアルバム『Masked Monkey Awakening』は、そんな彼らの本性が剥き出しになった、強い生命力を感じさせるアルバム。今月号では、リリースを控えたシュンタロウに話を訊いた。

 

 

 

 

 

INTERVIEW #1
「ライブに対する気持ちの変化も含めて、仮面を被っていた僕らの野蛮なところをやっと覚醒させる事ができる」

●2013年の春に上京しましたけど、もう落ち着きました?

シュンタロウ:だいぶ落ち着きましたね。生活も、だいたいこんな感じかなっていうのも分かってきたので。

●今までインタビューさせてもらってるから分かるんですけど、Hello Sleepwalkersのメンバーはみなさんマイペースじゃないですか。ガツガツもしてないし、ちょっと人見知りなところもある(笑)。沖縄を離れる事に抵抗はなかったんですか?

シュンタロウ:個人的には、どこでもやっていける雑草みたいな感じだと思ってるので大丈夫でした。他のメンバーはあるかもしれないですね。

●特に東京は毎日誰かしらがライブをやっているじゃないですか。東京で暮らす事で、より音楽が身近になったんじゃないですか?

シュンタロウ:それは特に感じますね。というのも、僕らが沖縄にいた時は、友達のバンドが出る時に観るくらいで、ほとんど自分たちが出る時以外はライブハウスに行かなくて。でも東京に来て、ライブを観る機会はけっこう増えたし、刺激も増えましたね。

●そんな2013年を過ごし、2/19にアルバム『Masked Monkey Awakening』をリリースするですが、今作はいつから作り始めてたんですか?

シュンタロウ:曲によるんですけど、けっこう前から作り始めたんです。『円盤飛来』(2012年6月リリース)が出た直後くらいから作っていた曲もありますね。

●ということは、1年くらいかけて少しずつ作っていった?

シュンタロウ:そうですね。その中で、次に出すものに相応しい曲を選んで録っていった感じでした。

●このタイトル『Masked Monkey Awakening』は1曲目の「猿は木から何処へ落ちる」からきてるんですか?

シュンタロウ:そうです。1曲目の“猿”というワードがいい意味で引っかかって、アルバム全体に使うのも良いな、と思って決めました。

●“猿”という言葉にインパクトがあった。

シュンタロウ:あと“Awakening”というのも、リリースが1年半も空いたので今回はリスタート的なアルバムにしようと思っていて。ライブ感がある曲がこんなに入っている事は今までになかったし、そういうライブに対する気持ちの変化も含めて、仮面を被っていた僕らの野蛮なところをやっと覚醒させる事ができるなって。

●この1年間はライブがどんどんアグレッシブになってきているし、今のバンドを表してる部分なんでしょうね。まだまだ野蛮な部分をいっぱい持ってるぞと。

シュンタロウ:そうですね。猿じゃない部分もありますけど(笑)。

●このアルバムはどの曲もシングルになり得る曲というか、いろんな種類のキャッチーさを曲の中に込めていると感じたんです。ひとつの要素だけを表現するんじゃなくて、原色の風景を連続で見せ続けるというか。自分なりの“キャッチーさ”みたいなものが、必ず曲を作る上での基準になっていると想像するんですが。

シュンタロウ:確かに。僕はどこにでも意味を持たせたいタイプだと思うんですよ。

●サビだけに意味を持たせるんじゃなくて、細かいパートやフレーズにも意味を持たせたいということ?

シュンタロウ:そう。それ、よく言われるんですよ。「曲の色んなところに意味を持たせてるよね」って。リスナーとしては、そうじゃない曲を聴いて「めっちゃいいな」って思う事の方が多いんですけど、作る側になったらそうじゃないんですよね。

●例えば人の曲は、Aメロ〜Bメロ〜サビという流れのスタンダードな曲でも“いい!”と思う事が多い?

シュンタロウ:そうですね。その方が楽に聴けるというか。でもプレイヤーとしては、演奏や表現は大変になるけど、めまぐるしくなっている方が楽しいです。目に見えるハッキリしたものではないし数値化もできないので何とも言えないですけど、自分の中での合格ラインみたいなものが漠然とあるんです。そこを越えたら次の部分を作る、という感じで曲作りを進めるんです。

●曲はAメロ〜Bメロという風に、順番に作るんでしたっけ?

シュンタロウ:大体はそういう感じです。今回は1分半だけ作って、メンバーとかスタッフのリアクションを待って続きを作る、という方法で作った曲もあるんです。それはそれで難しかったんですけど、全部のメロディが面白い曲のほうが楽しいかなって僕は思ってるんですよね。

●曲を作る時は、何を意識するんですか?

シュンタロウ:色々なんですけど、今回はライブを意識した曲が多いですね。

●前回のインタビューで「圧倒的なライブをしたい」という話がありましたよね。ここ最近のバンドの経緯も含めて、ライブを意識して曲作りをしたと。

シュンタロウ:そうですね。まだそういう意識が強くなかった時に作った曲は「天地創造」(M-6)くらいです。

●今作の中で初期に作ったのが「天地創造」ということ?

シュンタロウ:そうですね。この中でいちばん古いです。『円盤飛来』とほぼ同じくらいの時期に作った曲です。

 

INTERVIEW #2
「前より地に足がついた実感があって。そうしたら逆に欲が出てきちゃったんです。僕は天邪鬼なので、逆の事をしたがる」

●今作はライブを意識した曲が多いということですが、曲を作るいちばん最初のモチベーションはどういうものなんですか?

シュンタロウ:モチベーションで言えば、曲の作り始めとかはすごく低いんですよ。

●「俺は表現したいんだ!」と、沸々と湧き上がってくるような感じではない?

シュンタロウ:そうではないんですよね。やむを得ず作り始めるっていう(笑)。

●やむを得ずって(笑)。

シュンタロウ:ギアが1速から始まって、いいイントロができたら2速になって。自分で作ったフレーズに酔いしれてようやく、次のモチベーションが足されるんです。そこでさっき言った“合格ライン”を越えたときに、ようやく次に行ける。だんだん曲ができてきて、最後に行くにつれてモチベーションが上がるんです。

●曲が完成するに従ってテンションが高くなると。

シュンタロウ:はい。だから僕の場合、最初から「やるぞ!」という感じではないんですよね。あとはリラックスして、適当に歌いながら作ったりとか。「天地創造」のBメロや転調とかは、車を運転しながら作っていました(笑)。

●楽器を弾かずに作ることもあるんですね。

シュンタロウ:そうですね。家以外で作る。メロディを頭の中で考える事はたまにありますね。でも今回だと「天地創造」くらいかな?

●「天地創造」はファンタジックなイメージで、すごく雰囲気がありますよね。この歌詞はどういう経緯でできたんですか?

シュンタロウ:今作の制作に入る以前に、1つのストーリーを軸にして12曲書いたデモがあったんです。そういう試みで曲を作ってみようかなと。そのうちの2曲が今回採用になったんです。「天地創造」と「Comic Relief」(M-4)という。

●なるほど。そういう経緯で作った曲なので、世界観が独特な歌詞になったんですね。物語を作るという事が好きなんですか?

シュンタロウ:いや、そんな事はなかったんです。でも挑戦してみようと思って、2〜3曲作ってるとリンクしてくる部分が出てきて。それがおもしろくなって世界観が膨らんだというか。

●歌詞はオケができてから書くんですか?

シュンタロウ:いや、同時ですね。歌詞を作りながらオケも作る。オケだけ作って、後から歌を入れる人もいるじゃないですか。でもあれは、僕には絶対できないなと思って。

●「天地創造」は車を運転しているときにメロディを考えたとおっしゃいましたけど、そのときに歌詞に出てくる“夜の鯨”というキーワードも出てきた?

シュンタロウ:そうですね。最初に出てきたメロディに言葉を乗せたら“夜の鯨は僕に言う”だったんです。一行目はだいたいそういう感じで感覚的に言葉も乗せて、後はそこから広げていく作業というか。。

●今後の流れとしては、こういうファンタジックな世界感を持っている曲も増えてくる?

シュンタロウ:そうかもしれません。実は今作ってる曲もファンタジックな歌詞のものがあるんです。今回のアルバムを作って、前より地に足がついた実感があって。そうしたら逆に欲が出てきちゃったんです。僕は天邪鬼なので、逆の事をしたがるというか。

●ひねくれていると(笑)。

シュンタロウ:アコギ一本の曲とかも作っています。今作が完成して、今はそういう事への欲が高まっているところなんです。

●一面だけでは済ませたくないと。

シュンタロウ:そうですね。

●逆にNGはあるんですか? 例えば、ラテンのリズムはうちのバンドでは無し、とか。

シュンタロウ:NGはないです。むしろラテンの曲とかもやりたいと思っていますね。Hello Sleepwalkersにはそういう部分が今いちばん必要だと思うんですよ。バンドの広がりを見せたい時に、そういう選択肢を持っていないっていうのが悔しい…あ、でも持っていたらやりたくないんですよね。

●すごくひねくれている(笑)。要するに、自分たちが持っていないからこそ、新しい事に挑戦したいと。可能性を広げたい。

シュンタロウ:自分ができない事をやりたい。そういうところはずっと模索しているかな。

●そういう想いが曲のモチベーションにもなったりしてるんですか?

シュンタロウ:むしろそれしかないかも。やっぱり変わったものが入ってこないと、気持ちが上がらないんです。だからミステイクが良かったりもする。例えば「Comic Relief」とかは、デモの段階で間違ったメロディを録ったものが良かったので、それをそのまま採用したんですよ。今までの自分からしたら違和感を感じるものでも、曲として良ければどんどん挑戦したい。

●なるほど。「午夜の待ち合わせ」(M-2)はシングルにもなってますが、これがいちばん最近に作った曲なんですか?

シュンタロウ:そうですね。今作の中ではいちばん新しい曲です。

●“チクタク”という歌詞がリズムというかサウンドにもリンクしてるような雰囲気もあって、面白い曲だなと思ったんです。

シュンタロウ:これはアニメのタイアップという事もあって、最初に3曲候補を出したんですけど、「もっと疾走感やパンチのある曲がほしい」と言われて。だから締め切りのギリギリまで作っていたんですよね。

●まずタイアップありきだったと。

シュンタロウ:そうです。原作の漫画も全部読んで。でも歌詞は漫画の内容に寄せてはいないんですよ。漫画からイメージだけ受け取って、5時間くらいで1分半くらいのデモを作って。5時間で1分半って僕らの中でかなり早い方なんですけど。

●最初に何かテーマ…この曲の場合はアニメのテーマ曲という縛り…があった上で曲を作るというのは、どうだったんですか?

シュンタロウ:楽しかったです。僕はタイトルから曲を作ったりもするんですよ。さっき「1つのストーリーを軸にして12曲書いた」と言いましたけど、そのときの12曲も、タイトルを決めるところから始まって、そのタイトルからイメージを広げていくみたいな感じで。何か取っ掛かりがあった方がやりやすいタイプなんです。

 

 

INTERVIEW #3
「“こんな自分をありのまま出しても、誰も認めてくれない”って思っちゃうというか。それが自分の中では恥ずかしい事かもしれない」

●今日の話を聞いていて思ったんですけど、シュンタロウは自分の中にないものを獲得したい、自分たちができないことを習得したいという欲がすごく強いんですね。上昇志向というか、成長志向というか。

シュンタロウ:そうなんですよ。だから逆に、自分らしさを出していて、自分がそのときにできる事をやっていて、それがたくさんの人に認められている人は本当にすごいなって思うんです。

●ん? どういうこと?

シュンタロウ:背伸びするんじゃなくて、ありのままの自分が評価されるタイプというか。僕もやろうと思えば、そういう曲は作れると思うんです。でも、それが認められないだろうなってまず思ってしまう。

●ありのままの自分を出したいとも思わない?

シュンタロウ:というか、自分で良いと思わないんです。やってみたらまた違うかもしれないけど、でも“こんな自分をありのまま出しても、誰も認めてくれない”って思っちゃうというか。それが自分の中では恥ずかしい事かもしれない。

●現状の100%をありのまま出す事が恥ずかしい?

シュンタロウ:そうですね。自分を少し盛りたいんです(笑)。僕が持っているものは、僕のハードルを超えないんです。

●でも逆に、パーソナルな部分を隠して、エンターテインメントとしての“アーティスト像”を作り上げて表現するタイプのアーティストも居ますよね。シュンタロウはそういうタイプでもないと思うんです。

シュンタロウ:確かに。でもそれを自分と偽って出したい(笑)。

●ハハハ(笑)。例えば「23」(M-7)は、すごくパーソナルな事を書いていますよね。これは「21」(『円盤飛来』収録曲)のリメイクで、歌詞とアレンジを若干変えたものですが。

シュンタロウ:昨年引っ越しもしたし、新しさがひとつアクセントにもなるかなと思ってリメイクしたんです。確かにこの曲だけかなりパーソナルですよね。

●この曲が入る事によって、アルバム全体が豊かになったと思う。

シュンタロウ:そういう役割もあって入れてみようと。でも僕的にはかなり恥ずかしい曲なんです。

●そうだったのか(笑)。この曲の歌詞を見て思ったんですけど、シュンタロウの歌詞は、スタートが“孤独”のような気がするんです。イメージとして夜の場面もよく出てきますし、独りで考える事が多いんですか?

シュンタロウ:ああ〜、それはたぶんメンバーと曲を作っていないからだと思うんです。1人で部屋にこもって曲を作るとそういう歌詞になっちゃうんですよね。スタジオでみんなで作ったらもっと違うかもしれない。

●孤独を感じさせる曲だけじゃなくて、何かを罵るような鋭さを持った歌詞も多いですよね。例えば「猿は木から何処へ落ちる」とかだと、自分を罵ってるような視点が入っていたり。そういうのも、1人の作業で自分と直面するから出てくるのか。

シュンタロウ:そうですね。それは確かに。言われて気づいたことですけど、そういう曲作りの環境が大きく歌詞の内容に影響していると思います。

●歌詞を書く作業はそもそも孤独ですもんね。

シュンタロウ:そうですね…。あっ、でもアイドルソングとか明るい曲もきっと1人で書いてますよね。2人で書かないですよね?

●うん。どんな曲でも、大体の場合は1人で書き始めると思います。

シュンタロウ:すごいな…。

●今の自分からすると想像が付かない?

シュンタロウ:そうですね。でも自分じゃなくて、誰かが歌ってくれるんだったら作れるかもしれないかな。

●例えばナルミが1人で歌う前提だったら?

シュンタロウ:なるほど! やってみます。行ける気がした。

●ハハハ(笑)。

シュンタロウ:でもナルミの場合は、自分で歌詞を作ってもらいたいという気持ちがいちばん強いですね。たぶんナルミも歌いたい事はたくさんあると思うんです。曲は僕が書くとしても、歌詞は自分で書いてほしいな。あ、でも面白そうだな…すごくキャピキャピした感じの歌詞を僕が勝手に作って、ナルミに歌わせる(笑)。

●彼女のイメージにないから面白いかも(笑)。

シュンタロウ:やっちゃおうかな、これ(笑)。

 

 

INTERVIEW #4
「全員がポテンシャルを発揮できるような曲を作る。この5人でやってる以上、それだけやっててもバンドとしては成立すると思うんです」

●今作は、ナルミのヴォーカルの立ち位置とか、男女ツインヴォーカルそれぞれの存在感を今まで以上に感じるんですよね。極論を言えば、彼女が歌うパートが曲の核になってる場合もあったり。

シュンタロウ:ああ〜、確かにそうですね。でも僕はヴォーカルのパート分けは、最初はほとんど考えないんですよ。

●曲を作り始めたときは、どっちが歌うとかは意識しない?

シュンタロウ:そうなんです。作っていく過程で、僕の声が出ない高さのメロディになったらナルミに歌ってもらう(笑)。だから僕とナルミのヴォーカルがどんどん2極化してきていると感じていて。今はナルミが低い所を歌うことが少ないから、もったいないと思うんです。あいつはもっとすごいんです。

●ポテンシャルを持っていると。

シュンタロウ:ポテンシャルはすごいんですけど、僕がまだ活かす曲を作ることができていない。それは今後やりたいことというか、どんどん挑戦したいと思っていて。このバンドはツインヴォーカルだと僕は思っているので、もっとナルミが出てきてもいいかなと。

●今後は面白そうですね。

シュンタロウ:そうですね。漠然とですけど、面白そうなイメージは色々とあるんです。1曲中に全員の個性を引き出す曲とか。ライブでやったら絶対かっこいいだろうし。

●ナルミだけじゃなくて、各メンバーのポテンシャルを引き出したいと。

シュンタロウ:そうですね。特にユウキとか。ドラマーは自由に叩くのがいちばんかっこいいと僕は思っているし、ユウキはそれが似合うドラマーなんです。だから彼のポテンシャルを120%表現する曲がまだないかな。そういう曲は今までやった事がないので、これは今後絶対やります。スタジオで、全員がポテンシャルを発揮できるような曲を作る。この5人でやってる以上、それだけやっててもバンドとしては成立すると思うんですよね。

●そういう曲ができたらライブですごいことになるでしょうね。

シュンタロウ:そうですね。ライブでの存在感が絶対変わってくると思う。

●ライブと言えばリリース後はワンマンツアーも控えていますが、さっき「自分のありのままを出すのは恥ずかしい」とおっしゃっていましたよね。ライブに関してはどういう考えなんですか?

シュンタロウ:かっこいい自分でいたいです。ライブは本当に、ありのままやっても…しょぼいので(笑)。

●しょぼくないと思うけど(笑)。

シュンタロウ:だからライブでは盛ります(笑)。かっこいい自分でやるっていう。

●ハハハ(笑)。盛るっていうか、きっと“自分のいちばんかっこいい部分を見せたい”という想いが強いんでしょうね。楽曲に関する「今までなかった面白いものを出したい」という発言も、ライブに関する「ありのままやったらしょぼい」という発言も、そう考えると辻褄が合う。

シュンタロウ:あ、そうですね。そうかもしれない。最近気付いたんですけど、普段からかっこよくないと、ライブでもかっこよくできないんですよね。

●特にヴォーカリストはそうだと思います。かっこいいヴォーカリストって、単に話しているだけでも雰囲気があるというか。

シュンタロウ:言ってる事自体に意味がある。

●たぶん、24時間が全部ステージに繋がってるんだろうなって。

シュンタロウ:絶対そうですね。最近そういうことに気付いたので、服を買いました。これ(と言って着ている新品のアウターを指す)。

●形から入っとるやないか…(笑)。

シュンタロウ:あと寒かったし(笑)。勉強することは多いですね。全然変わる気がしないな…。

●変わると思いますよ。現にこの1年ですごくライブが変わったし、ステージでの表情も豊かになったし。音楽に対する動機は、バンド始めた頃と変わってないんですか?

シュンタロウ:うーん、何も変わってないですね。“楽しい事がしたい”っていうことだけだったんです。それに音楽以外ではやっていけそうな気がしなかったし。

●音楽が唯一の武器だと。

シュンタロウ:そうです。だから盛りたいんです(笑)。

●ハハハ(笑)。「猿は木から何処へ落ちる」の“僕は天才なんだ 自分を騙す天才なんだ”という歌詞なんて、まさにそういう意識の現れですね。

シュンタロウ:自己暗示をかけているんです(笑)。

Interview:Takeshi.Yamanaka
Assistant:馬渡司
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