ブラックミュージックからの影響を色濃く出しながらも、そのバイタリティで独自の活動を続ける肉食アーバン系エンタメソウルバンド、ゴマアブラ。2010年7月に1stアルバム『海老BODY』、2011年7月にアルバム『炒める』をリリースし、毎週のように路上ライブを重ねつつ、2011年11月には渋谷CLUB QUATTROワンマンを大成功させた彼ら。高い上昇志向を持ちつつも、活動そのものを楽しもうという姿勢の彼らが、3/29に赤坂BLITZで過去最大キャパのワンマンライブを開催する。1年以上前から緻密に構想を練ってきた同プロジェクトは、年明け以降グングンと加速していく。1/16にはミニアルバム『ゴマギフト』をリリースし、メンバー1人1人がそれぞれ使命を持って3/29まで突っ走るという彼らに、新作について、そして赤坂BLITZまでの道のりについて詳しく訊いた。
●バンドとしてのインタビューは初めてなので、新譜だけじゃなくてバンドの成り立ちも含めて話を訊きたいと思っております。
Nulu Pong:よろしくお願いしますPong。
●それ、誌面でも“Pong”を付けた方がいいんですか?
Nulu Pong:はいPong。お願いしますPong。
●そうですか。普通に発言してもらっていいですよ。編集の段階で、発言の最後に全部“Pong”付けときますから。
Nulu Pong:いや、そこはちゃんとやりますPong。生のPongを極力出していきたいPong。
●めんどくさいな…。ゴマアブラは2007年結成ですから、結成5年になりますよね。どういうきっかけで組んだんですか?
ダディー:俺はベースプレイヤーとしてバンドに参加したりもしていたんです。でも歌も好きで、どうせなら歌もベースも一緒にやりたいなと思って、当時はブラックミュージックにどっぷりハマっていたのでそういうバンドを組もうと。
●ゴマアブラのように、ソウルやファンクからの影響を強く出しているバンドって実際少ないと思うんですよ。組むときからそれは承知の上だったんですか?
ダディー:いや、全然考えてなかったです。俺はもともとソウルやファンクのセッションが好きで、よくそういうところに参加していたんです。で、バンドを組もうと思って、ニュートンは高校の同級生なので最初に声を掛けて。
●なるほど。
ダディー:で、おにぎり(仮)は知人の紹介で知り合って、「俺ファンクとか好きなんだけど」という話をしたら「僕も好きです」と。最初の半年くらいは初期の鍵盤が居たんですけどそいつは脱退して。
おにぎり(仮):で、僕の小学校の同級生だったNulu Pongを誘ったんです。僕とNulu Pongの地元は福岡なんですけど、こいつは大学で上京してて、僕はバンドをやりたくて上京していて。
ダディー:おにぎり(仮)が「いい鍵盤が居る」と言うのでまずスタジオに入ってみたんです。そしたら本当にすごく良かったんです。Nulu Pongは大学でジャズ研に入っていたみたいで、アドリブ力というか柔軟性があったんです。その場で「一緒にやろうよ!」と言ったら「あ、いいPong」と。
●あっ! 加入前から発言に“Pong”が付いてる!
ダディー:最初は今みたいな格好をしてなかったんですよ。最初の1〜2回は私服で、振りとかもなく単に好きな音楽を演奏していたんですけど、その後に「やっぱり衣装を着よう」と。ブラック・ミュージックが好きだったので、全員がタイトな白シャツにタイトな黒パンツ、みたいな。60sというかオーティス・レディングみたいな感じ。
●ああ、なるほど。
ダディー:それで半年くらいやっていたんですけど、お客さんに「葬式か!」と言われまして。俺たち的にはかっこいいと思っていたんですけど、そういう意見を聞いて、じゃあもっと振り切れようということで今のような出で立ちになりました。
●サウンド的には、ソウルやファンクの色が強くてアレンジはキラキラしていて、腰にくるグルーヴで。一方で、歌詞はすごく遊びが多いですよね。それはダディーさんの性格というか、本音をズバッと歌詞で表現するわけじゃなくて、メタファーやギミックで気持ちをオブラートに包む傾向を感じていまして。
ダディー:そうですね(笑)。
●そういうサウンドと歌詞のマッチ感はゴマアブラの大きな個性だと思うんです。結成当初から今のような音楽性だったんですか?
ダディー:結成当初はもうちょっと普通の歌詞も多かったと思います。ライブでは定番になっているんですけど、「海老BODY」(1stアルバム『海老BODY』収録)が最初の頃にできて、メンバーも気に入ったしライブでやっても反応がすごく良かったんです。そこで“じゃあこんな感じで作っていこうかな”と方向性が定まったような気がします。
●「海老BODY」がパイロットソングというか、バンドの指標になったと。
ダディー:当時はもっとお洒落な曲も多かったんです。ボビー・コールドウェルみたいな感じの、ミディアムな曲というか、雰囲気で持って行きまっせ! みたいな。
●今からはちょっと考えられないですね。現在はすごくポップというか、ベタというか(笑)。
ダディー:基本ベタベタです。
●ダディーさんが歌詞も曲も作ることが多いんですよね?
ダディー:そうですね。曲は車に乗っているときに作るんです。8割方そうですね。
●8割もですか。
ダディー:車って大声出せるじゃないですか。歌えるし。家で書こうと思ってもなかなか集中できなくて。だから車に乗って鼻歌から作ることが多いんです。楽器を演奏しながら作ることももちろんあるんですけど、なんかいいのができないんですよ。メロディが入ってこないというか。だから鼻歌でメロディから作った方が、自分には向いているんです。
●今回リリースされるミニアルバム『ゴマギフト』ですが、今作は単に新作をリリースする、ということではなくて、“3/29に赤坂BLITZワンマン開催”という一大プロジェクトの一環としてのリリースなんですよね?
ダディー:そうです。BLITZに向けての決意表明的なアルバムですね。
●そもそも、なぜ赤坂BLITZワンマンに向けてのプロジェクトをしようと思ったんですか?
ダディー:『ゴマギフト』のリリースを決める前に、BLITZを決めたんです。もう1年くらい前、2011年の11/6に渋谷CLUB QUATTROでワンマン(600人動員)をやったんですけど、終わった後に「じゃあ次はどこでワンマンをやろう?」という話になって、赤坂BLITZに決めて。
おにぎり(仮):だから今回のリリースも、すべてそこからの逆算ですね。
●1年半くらいかけた壮大なプロジェクトだと。
ダディー:曲を貯めて、その中から厳選したものを『ゴマギフト』に入れたという。
●『ゴマギフト』収録の7曲はライブ有りきというか。
ダディー:それもありつつ、俺らが入れたいと思った曲を選んだんです。M-7「海老BODY」とM-6「ゴマアブラのテーマ」は過去2作にも収録していたんですけど、ライブでは絶対にやる曲だし、『ゴマギフト』から俺らのことを知ってくれた人に対しても「ゴマアブラにはこんな曲もあるんですよ」ということを伝えたくて。で、残りの5曲は今作のために書き下ろしたんです。
●今作はグルーヴィーなサウンドとキャッチーなメロディ、そして遊び心満載の歌詞というゴマアブラ節が全開の曲が多いですよね。M-1「フライ揚げる」M-2「遭遇」M-4「うかれて X'mas shakin'」などはまさにそうですけど、M-3「あの街から この街から」という曲だけはちょっと趣が違っていて。届けたいという気持ちが強かったからこそ、想いをストレートに綴ったこういう曲ができたんでしょうか?
ダディー:そうですね。ゴマアブラは歌詞で遊んでいる曲が多いですけど、俺は本来ストレートな歌も大好きなんですよ。だから“どストレート”な曲をやってもいいんじゃないかと思っていて。
●はい。
ダディー:「あの街から この街から」は震災がきっかけになった曲なんです。俺らは毎週路上ライブをやっているんですけど、震災直後はちょっと自粛ムードみたいな感じがあったじゃないですか。俺らもしばらくはやらなかったんですけど、結構早めに再開したんです。「もしかしたら怒られるかもしれないけど、みんなを明るくした方がきっといいから、とりあえずやってみようぜ」って。
●ふむふむ。
ダディー:そしたらすごく反応が良かったんです。だから路上ライブを続けてやっていたんですけど、その路上で宮城から来て募金をやっている人たちと知り合い、意気投合して仲良くなったんです。その繋がりで、2011年の9月くらいに宮城に呼んでもらったんですけど、俺たちはそのときに初めて被災地に行ったんですよ。名取市というところなんですけど。
●名取市は閖上という地区が大変だったみたいですね。
ダディー:あ、そうです。俺らはまさしく閖上に行ったんです。そこで感じたことや景色が鮮明に残っていて、「あの街から この街から」を書いたんです。閖上の人たちに届けることができたらいいなという想いと、いつまでも忘れちゃいけないことだなと思って。
●そういう経緯があったんですね。
ダディー:この曲を聴いて、もしかしたら嫌なことを思い出しちゃう人も居るかもわからないけど、残しておきたかったんですよね。
●路上ライブというのはゴマアブラにとってかなり重要な活動の1つだと思うんですが、なぜ路上でライブをするようになったんですか?
ダディー:1stアルバム『海老BODY』の前に、完全自主制作のデモ盤を作ったんですけど、作ったからには売らなきゃってなるじゃないですか。ブッキングライブを月に1〜2本やって、そこで何枚か売れて喜んでる場合じゃなかったんです。めっちゃ在庫あるし。だから路上を始めたんです。
●とにかく色んな人に気に入ってもらおうと。
ダディー:そしたら路上ライブがどんどん楽しくなったんです。同時に、お客さんが集まると嬉しいですし。路上をやるようになったからこそ、今のゴマアブラがあると思います。
●なるほど。ところで、1/16リリースのミニアルバム『ゴマギフト』も含め、今現在のゴマアブラは“3/29に赤坂BLITZワンマン開催”という壮大なプロジェクトの渦中にいるわけですよね?
ダディー&おにぎり(仮)&ニュートン:そうです!
Nulu Pong:そうPong!
●というわけで、BLITZに向けてメンバーそれぞれが決意表明したらしいですけど、要するにこれはマニフェストということですよね。
ダディー:はい。
●というわけで、次のページではその決意表明を、1人ずつ詳しく訊いていきたいと思います。
ゴマアブラのマスコット的キャラクターおにぎり(仮)。その明るさを活かし、青春18きっぷを利用して全国都道府県、FM局などを中心に単独プロモーションを決行。家に泊めていただいた際には、おにぎりを握って恩返しする。
●おにぎり(仮)さんは「青春18きっぷでゴー! おにぎりプロモーション全国制覇」ということで。
おにぎり(仮):はい。
●これ、いつからやってるんですか?
おにぎり(仮):青春18きっぷは使用期間があるんですよ。なので12/10〜1/10と、3/1〜3/28の2回に分けてやろうと思っていて、今時刻表を眺めています!
●はあ。
おにぎり(仮):だから、メインのプロモーション活動は3月に入ってからやります。
●既にちょっと挫折しているじゃないか!
一同:ハハハハハ(笑)。
●要するに、BLITZは1400人強のキャパなので、メンバー4人それぞれが死ぬ気でやろうぜ! ということなんですね。
ダディー:そうです。あと、なんかおもしろいじゃないですか。
●メンバー全員ドMですね(笑)。ちなみにおにぎり(仮)さんは、現時点ではどれくらいまわってるんですか?
おにぎり(仮):まったくまわってません。
●ええっ!? 青春18きっぷはもう買った?
おにぎり(仮):まだ買ってないです。
●全然ダメじゃないか!
一同:(爆笑)。
おにぎり(仮):つい何日か前にこの計画を全部立て終わったところなんです。だからこれからがんばります。
19歳の頃、突然思い立って東京から京都まで歩いたダディー。29歳を迎える3/13の誕生日に京都から自らの足で赤坂BLITZを目指します!
●ダディーさんは19歳の頃、東京から京都まで歩いたことがあるんですか?
ダディー:あります!
●ものすごい距離だと思うんですけど、なぜそんなことを?
ダディー:当時は特にすごいことだとも思ってなくて。俺はそもそもお寺とかに興味があって、最初は電車で京都に行って、1〜2週間くらい住み込みさせてもらおうかなと考えていたんです。10代のうちに色んなことをやっておこうと思って。
●はい。
ダディー:そういう計画を立てていたんですけど、ある朝起きたら“もしかしたら歩いて行けるかもしれないな”というアイディアが出て来まして。江戸時代の人とかは普通に歩いていたわけじゃないですか。
●まさに東海道五十三次(東京:日本橋〜京都:三条大橋)ですね。
ダディー:江戸時代から400年くらいしか経ってないから、人間としての体力はそんなに違わないだろうということで、歩きました。
●往復?
ダディー:いや、行きだけです。新幹線で帰ってきました(笑)。
●当時は何日かかったんですか?
ダディー:13日です。
●ひえー!
ダディー:実は結構歩いている人が居るんですよ。会社を定年退職して、1日歩いたら電車で家に帰って、また次の日に昨日歩いたところまで電車で行って続きを歩く、みたいな。そういう人に途中で出会って話したりしていたんですけど、「俺は1日40kmくらいのペースで歩いてます」と言ったら「お前それ江戸か!」と言われました。
●そういう経験があるから3/13を出発し、3/29の赤坂BLITZまで歩くと。
ダディー:歩きます。
●この格好で?
ダディー:そう…いや、この格好ではないかな(笑)。今「そうです」と言いそうになりましたけど。
●ハハハ(笑)。
ダディー:実際キツいんですよ。マジでキツいので、冗談でも「そうです」とは言えなかった(苦笑)。
●そんなにキツいのに、敢えてやるんですね。
ダディー:おもしろいかなと思って。
●すごいな。
ダディー:しかもこの計画をみんなで立ててたら盛り上がってしまいまして、そのままBLITZの会場入りをしてすぐライブをしようということになって。
●ハハハ(笑)。
ダディー:俺の中では、ライブの1日前くらいに東京に着いて、ちゃんと身体を休ませてから「やってやるぜ!」みたいな感じを想像していたんですよ。そしたら「いや、そんなんじゃないでしょ! 京都からBLITZまで歩いて、そのままベース担いでライブスタートでしょ!」とみんなに言われ。
●それ最高です。
ダディー:最高なのはわかりますけど。だから俺は当日リハできないんです。リハしたかったな〜。
●19歳のときには13日かかりましたけど、今回は16日もありますよね。だから全然余裕じゃないですか。
ダディー:そんなことはない!
●早めに着いて3日間赤坂で待っててもいいし。
ダディー:無茶苦茶です。
●赤坂BLITZが更に楽しみになってきました!
ダディー:他人事ですからね。
入力したプログラムのソースコードを見てニヤけるほどのPC好き、そして名前通りの科学好き、ゴマアブラのサイバー担当、ニュートン・コウタ。その知識を活かし、ゴマアブラの公式Twitterアカウント「@gomainfo」のフォロワー5万人を目指します。
●ちなみに今現在、ゴマアブラの公式Twitterアカウントのフォロワーは何人くらいなんですか?
ニュートン:2000弱です。
●…なるほど。
一同:(苦笑)。
●2000弱になるまでどれくらいかかりました?
ニュートン:12/1の時点で800人だったんですよ。だから2週間くらいで1000人以上は増えている計算です。
ダディー:3/29までに5万人という目標に対して、全然間に合わないペースなんです。計算したら、1日300人くらい増えないと無理なんです。
●そうですか。ちなみに、フォロワーを5万人にするにはどういう方法があるんですか?
ニュートン:まあ、なんか…。
●「なんか」っておかしいやろ(笑)。
一同:(爆笑)。
ダディー:全然ダメなんですよ。散々「ネットとかで方法を調べればいいじゃん」とか言ってるんですけど。
●webを使ったプロモーションとか、最近のバンドはお盛んですからね。
ダディー:ですよね。4人それぞれの決意はお互い助け合いつつやってるんですけど、ニュートンの決意がいちばんキツいなと思っていて。
●そうですね。明らかに現時点で諦めが入っている感じがする(笑)。
ダディー:他の決意は、気合いや努力で実現できることなんですよ。でもこればっかりは、どんなにがんばっても無理は無理という。
●フォロー数を増やしまくったらどうなんですか?
ニュートン:できないんですよ。フォロー数は2000という上限があって、2000以上にするにはフォロワーも同じくらいの数にならないとダメみたいで。そこから先はバランスが取れていないと無理なんです。
●そうなんだ。
おにぎり(仮):それも後から知ったという(笑)。
ニュートン:フォロー数が2000になったときにやっと知ったんです。
●単純につぶやけばいいという話でもないだろうし。
ダディー:そうなんですよ。
●どうするんですか?
ニュートン:だから最近は衆議院選挙の情報とかをツイートしてます。
●ゴマアブラの公式アカウントで?
ニュートン:はい。天気予報とか時事ニュースとか、ジブリの新作が出る情報とか。
●ゴマアブラ全然関係ないやん。
Nulu Pong:でも便利だPong。
●あっ、しゃべった。
ダディー:ニュースアカウントみたいになってます。でもニュートンは「不可能を可能にする」と言い張ってます。
●実現したら本当にすごいと思いますけどね。
おにぎり(仮):本が書けますよね。
ダディー:最初からみんなに「無理なんじゃないか」と言われ続けてるんですけど、僕から見たらちょっとニュートンはハングリー精神が欠けてると思うんですよ。
ニュートン:そんなことないよ! メンバーには伝わってないと思うけど、実は結構焦ってるからね。
●焦ってるのは別に伝えなくていいわ!
一同:(爆笑)。
ニュートン:がんばってます。がんばってますけど、がんばり方がいまいち見えてない。
●Twitterの本とか読んでないんですか?
ニュートン:本は読んでないです。
●何をがんばってるんですか?
ニュートン:ニュース情報の発信をがんばってます。
今回初めてヴォーカルに挑戦したNulu Pong。作詞/作曲を担当した楽曲「五反田」を引っさげて、2013/1/1~3/29の赤坂BLITZワンマンまで、毎日五反田駅前で1人路上ライブを開催します。
●今作『ゴマギフト』収録のM-5「五反田」はNulu Pongが作詞/作曲を担当し、初めてヴォーカルまで担当したんですよね。今作を聴いていて「五反田」になった途端に“うわ! 急に歌が下手くそになった!”と思ったんですけど。
一同:(爆笑)。
●というか、なぜ五反田をテーマにしたんですか?
Nulu Pong:五反田が好きだからPong。
●なぜ五反田が好きなんですか?
Nulu Pong:夢の街なんですよ。なんでもありますね。夢も希望も絶望も、愛も。金も欲望も。
●なんでもっていうか、要するにエロ関係ですよね?
一同:(爆笑)。
Nulu Pong:まあそういうことですね。『海老BODY』にも僕が作った曲が1曲だけ入ってるんですけど、本当に稀に曲を作るんですよ。今回も作ろうと思ったらできて「ダディー、こういう曲ができたよ」って持っていったんですよ。ゴマアブラの候補曲として。
●はい。
Nulu Pong:そしたら「どんな曲か歌ってみて」となって、みんなの前で歌ってみたら「お前が歌えよ」という流れになって。
●Nulu Pongは五反田に造詣が深いんですか?
Nulu Pong:深いです。五反田は…(※話が書けない内容になったのでカット)。
●で、Nulu Pongは五反田の駅前で1人路上ライブをやると。
Nulu Pong:はい。1/1から3/29まで毎日やります。持ち曲1曲で。
●メンバーは観に行かないですよね?
3人:行かないです! (笑)
Nulu Pong:若干緊張してます。期待と緊張が半々くらいの感じですけど、やるしかないですね。
ダディー:Nulu Pongは本当に口だけなんですよ。
●実際にやってないのに「やった」とか言いそうですね。
ニュートン:ありそうですね~。
●あと、夜中の2時とか3時くらいに誰もいないところでちょっと歌って「やった」とか。
ニュートン:有り得ますね~。
Nulu Pong:いやいや、バシッとやりますよ。五反田から赤坂にお客さんを500人くらい連れて行きます。五反田はゴマアブラが路上をやったことがない場所ということもあるので、そういう意味では新しいお客さんに知ってもらうきっかけになると思いますからね。
●もう全然発言に“Pong”付けてないですけどね。
●こういうプロジェクトをやるというのは、上昇志向が強いからだと思いますし、バンド活動自体を楽しもうという意識が強いからなんでしょうね。
ダディー:そうですね。ステージの上だけではなく、地でエンターテインメントをやったらおもしろいかなと思うんです。昔と比べて、今はミュージシャンとお客さんの距離が近いと思うんですよ。僕はウルフルズさんとか好きなんですけど、ウルフルズがデビューした当時とかは本人とコンタクトなんて絶対に取れなかったじゃないですか。
●そうですね。
ダディー:でも今はTwitterがあったりとか、僕らは路上ライブもやっているので、本当にお客さんの近いところで居させてもらっていて、それがすごく僕らは嬉しいんです。なので、ステージを降りたところでもエンターテインメントをしているということで、お客さんを裏切らないんじゃないかなって。
●うんうん。
ダディー:ステージを降りたらめちゃくちゃ普通の人って、なんかちょっと嫌じゃないですか。音楽以外のところでもエンターテインメントをしていたいし、それを発信するツールが今はいっぱいあるから、こういうことをやったらおもしろいかなと。
●ゴマアブラはステージの上では着飾っているじゃないですか。言ってみれば、非日常的な姿になっている。エンターテインメントの世界で着飾っている人は、どちらかと言うと日常を見せないスタンスの人の方が多いですよね。でもゴマアブラはそうじゃない。
ダディー:そうなんです。
●こういう格好をしているけど実は地のままという(笑)。
ダディー:かなり地のままです。そこなんですよ。僕も含め、みんな嘘を付くのが下手くそなんでしょうね(笑)。だから人生を賭けておもしろいことをやっていきたいなと。
Interview:Takeshi.Yamanaka