第8プチ 〜憲法とはナニカ?〜
こんにちわ。僕はといえば、ボーカルレコーディングの為に歌詞を書いてる最近。
さてさて、これまで色々身の回りの法律的な事柄を綴って来た。今回は少し毛色を変え、ちょっとしたお勉強になるようなテーマにしようかと思う。2018年やし。
さあ、今回はついに大きなテーマ"憲法とはナニカ?"について軽く語ろうか。
。。。と、この文章を喫茶店で書いてる。最近になってやっと「喫茶店ってええやん?」って状態だ。コーヒーもイマイチ美味しいと感じないし、そもそも喫茶店でPCいじったり、勉強したりしてる人を見るたび「家でやれよ。」と思ってきた。
でも今ならちょっとだけわかるぞ。喫茶店だとはかどる気がする。コーヒーもブラックならば少し美味しいと感じ始めてきた。いつも人より気づくのが遅いんだ僕は。
憲法について様々語られる時、そこには何かしらの思想信条が反映されてしまう事が多い。つまり、憲法を語るのはリスキー。しかし僕はそもそも多くを語るつもりは毛頭ないので大丈夫だろう。twitterやfacebook でもそのような話題は一切しない(笑)。大きなテーマだけれどわかりやすくフワワっと語れればいい。それで興味が沸けば、定番の基本書『芦部憲法』を読んでみてもいい。日本国憲法の成り立ちもまぁまぁわかりやすいし。「はぁ!?」って部分はあるけど。「“八月革命説”?マジで言ってんの!?」って思ったりもするけど。まぁいいや(笑)
大原則として、憲法とは国民が国を縛るものなのね。そして、憲法は一番偉い存在。つまり、様々ある法律より上にある存在なわけ。僕がこの連載で語って来た『法律』というのは、僕らが選挙により選んだ国会議員が作るものなのね。国会議員の仕事は”法律を作ること”やからね。国会議員たちは、一番偉い『憲法』に違反しないような『法律』を作ってるわけ。
今までにそんなに数は多く無いけど、「この法律は憲法に違反してるぞオイ!」と最高裁からダメ出しされた事がある。その場合はその法律を変えるわけね。だって憲法が一番偉いわけやから、憲法に違反してる法律は存続出来ないって感じ。
まとめると、
憲法とは、国民が国に守ってもらいたいルールを決めたもの。
法律とは、国が国民に守ってもらいたいルールを決めたもの。
荒っぽく簡単に言えば、憲法が一番偉くて日本を支配している。しかし、その憲法を支配しているのは日本国民である。つまり、日本国民が結局は一番偉いと言える。それを国民主権と言う。我が国日本はそんな感じで国民が主人公の国である。って感じ。ちょっとわかっただろうか?
さて、憲法改正云々が結構話題になったりしてるよねこの数年。
思想とか一切関係無く、憲法は時代に合わせて変えるべきものと言える。というかそれが普通。だって、国民が国に守って欲しいことは時代によって変わるでしょ?
世界各国は時代に合わせて変えてる。一方、日本は日本国憲法が1947年に施行されてからず〜っとそのまんま。かなり特殊で珍しい国なのね現状。他の国がみんなそうしてるから日本も同じようにすべき、とも一概には言えないと思うけど。日本だけが素晴らしく、他国はみんなアホ、って状態もあり得るかもしれないからね。日本は世界で一番歴史が長い国だから、もしかしたら一番優れているのかもしれない。ただ事実として、日本は極めて特殊な状態って事は言えるよね。
ここまでざっくり書いてきた"憲法とはナニカ?"がある程度わかっていれば、様々な議論が出来るようになるだろう。その上で、「どこを変えるか」「どこは変えないか」を考えるのが自然やろうね。
少しだけ踏み込めば、たまに「一番偉い憲法を変えるなんて絶対あってはならない!憲法守れ!」と言ってる声が聞こえるが、それはちと違う。
日本国憲法第96条
この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別
の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
こんな風に日本国憲法自体に”憲法を変えることが出来る条件”が書いてある。
つまり、もともと憲法って言うのは、時と場合によって変えていく事が最初から想定されてるものってことね。憲法を守れ!と言うのならば、この部分も守らないといけない。法律なんてしょっちゅう変わってる。もっとも憲法と法律は格が違うので、憲法は頻繁にコロコロ変えるようなものじゃないけれど。日本国憲法は"硬性(硬い)憲法"と言われ、そもそも変える条件が厳しく設定されている。
さて、さきほど日本国憲法は1947年に施行されてからずっとそのまんまと書いた。
何故70年間もの間、日本は憲法を全く変えずにやってこれたのだろうか?
「今まで変えずにやってこれたから、今更変えなくていいじゃん」と感じるのも真っ当だと思う。でも、”無茶して無理矢理やってきた”って言葉に尽きる面がある。
例を挙げよう。やはり昨今話題になりやすいのが憲法9条。
日本国憲法第9条2項
陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
これに関する個人的見解はここではどうでもいいとして、「陸海空軍その他の戦力は保持しない。。。?あれ?自衛隊は??」と普通思うよね?自衛隊って明らかに戦力じゃないの?かなり立派な陸海空揃ってるぞ?ってことは憲法違反??
実際この事が争われた事があった。”砂川事件”と呼ばれるものね。
そこでの最高裁の判決について様々な見解があるので一概には言えないのが難しいところなんやけど、簡単に言っちゃえば「自衛隊の存在は憲法違反だ!」と判断されなかった。そもそも最高裁は判断をあえてしなかったという色合いが強い。あまりに政治的な問題なので最高裁に判断しろって方が無茶かなって感じ。
これこそ、いろんな人がいろんな事言う事案なのでビシッと語ることは不可能なんだが、とにかく「憲法に書いてることと実際にやってる事違うくない?」って事。
“無茶して無理矢理やってきた”と書いたのはそんな理由。他にも無理矢理な解釈(解釈改憲と言われる)で乗り切って来てる部分はあるんよね。「憲法は変えずに、憲法のこの部分を無理矢理こんな風に”解釈”しよう」ってのをやって来た。
兎にも角にも、日本は国民が主役の国なので僕らが考えてどうするか決めればいい。日本国憲法第96条に書いてる通り、“承認には、国民の過半数の賛成を必要とする”。別に憲法に詳しくなくていい。僕だって憲法学者でもなければ憲法をガリ勉したわけでもない。憲法に関してはホントに思想が入り混じって無茶苦茶な事言ってる憲法学者もいるんやから(笑)
そう、決めるのは僕らミュージシャン、、、じゃなくて、決めるのは僕ら普通の国民なんだから。
■プロフィール
ロックを基調にシンプルかつ印象的なメロディーを紡ぐシンガーソングライター。ふてぶてしくも古き良きロック魂を漂わせる佇まいがライブハウスシーンやレーベル等業界の重鎮達からも注目を集める中で西原誠(ex.GRAPEVINE)に見初められ、2016年7月にGt.西川弘剛(GRAPEVINE)参加曲含む、初の公式音源となる1stalbum
『forthemorningafter』をリリース。
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