夏は暑い。暑は夏い。外になんか出ようものなら一瞬で汗だくに。一日中クーラーの効いた「快適な」部屋の中にこもってじっとしていたい。まあ僕は完全にインドア派なので部屋にいるけど。「快適な」、何をするにもこれが一番大切。全然僕の得意分野じゃないんやけど、またまた働き方シリーズ。読んでる人に参考になるのってこうゆう分野かなって。今回は仕事における「快適な」環境を保証する法律「労働安全衛生法」(以下、長いから安衛法)に関するプチ法律講座。
ちょっと今回は細かいぞ。
あ、そうそう僕は最近になってAppleにハマったんやけどやっぱAppleたまんない。iPhone、macbookで飽き足らず、あのbluetoothイヤフォンのAirpodsも手に入れてる。最初抵抗あって買うの遅かったんやけどこれがマジで便利で、もはや普通のイヤフォンみたいに線があるやつ自体イヤになってくる。もう充電すら無線みたいな時代になって来ててそんな時代の真っ只中に生きてるわけやけども、無線で充電ってのだけはイマイチよくわかんない。どうなってんだ?ギターのシールドやマイクも無線やったり当たり前にしてる時代やからもう全部無線になるのか。。老後にはどうなってるんだろう、、無線すら無くなるのか?無線が無いってなんだ??なんて少し妄想しちゃうな。とりあえずAirpodsはオススメやで。
さて、プチ法律講座。あーややこしい。法律の条文って無機質で、読むのも嫌になるぜクソ!「相まつて」ってなんやねん古いんじゃ!。。。って感じやけど条文を一応載せる。
「この法律は、労働基準法と相まつて、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする。」(安衛法第1条)
つまりは、働いている人が怪我や病気をしないように快適に働ける職場環境を整えてくださいねという法律。昨今話題になっている過労死の話だったりは労基法の問題でもあるんだけど、安衛法の問題でもあるというわけ。
さて、快適な職場環境は誰が作るの?というと、
「事業者は、単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。(略)」(安衛法第3条第1項)
上記の通り事業者(労働者を使用するもの)がやりなさいよっていうことになっている。「怪我をしやすい環境で働いていたんだからその人の自己責任。」…とはならない。そういう危険な環境で働かせていた使用者側に問題ありとされることになる。まあ当然やね。
さてさて、では具体的にどんなルールがあるんだろうか??
まずは「作業環境測定」。読んで字のごとく、作業環境を測定してくださいねって意味。温度や湿度だけじゃなくて空気中の有害物質がどーだとかを総合的に。当然、測定した結果が良くなかったら、改善が義務付けられている。最近だと放射線濃度とかが注目されてたやん?
次は、「安全委員会」と「衛生委員会」。これは、主に現場で働いている人たちで構成されていて、「職場のここ危ないよね」とか「ここ汚いよね」とか「ここ臭いよね」とか「あいつキモイよね」とか、、、いや、最後のは無し。
「誰々さんがこんな怪我をした。同じような怪我をしないためにどうすればいいだろう」とかそんなことを定期的に話し合ってくださいねと決まってる。使用者の一方的なお仕着せじゃなくて、ちゃんと現場の声も吸い上げられる仕組みが整っているというわけ。
あと、こんなものもある。
「事業者は、中高年齢者その他労働災害の防止上その就業に当たつて特に配慮を必要とする者については、これらの者の心身の条件に応じて適正な配置を行なうように努めなければならない。」(安衛法第62条)
いわゆる、「中高年齢者等についての配慮」っ呼ばれているやつなんだけど、例えば、調理場なんかで、おじいさんが「ちょっとこの鍋重たいのお。おい、お前、若いんだから代わりに持ってくれんかのお。」って時に持ってあげてね…ってゆうか、それ以前におじいさんにそんなことさせないでというやつ。「お年寄りを大切に」は常識だけじゃなくてちゃんと法律にも反映されているところが面白い。
最初の回でも書いたと思うけど、法律ってタダのルールなわけ。ルールを厳格な文字で「相まつて」とかわけわからん文章で書きやがるから敷居が高く感じるだけで、一般常識を無機質な文で表現してるだけなのね。
余談やけど、女性に重いものを持たせちゃいけないっていうルールも労基法に定められていて、これなんて重量が具体的に定められてたりするんやで。ね?法律ってものの敷居なんて大したことないでしょ?
話変わって、実は働いている人が毎年受けている健康診断も安衛法条のルールだったりする。普通の健康診断だけじゃなくて、有害物質を扱う仕事をしている人はこういう検査項目を特別に増やしましょうとか、1年おきじゃなくて半年おきに健康診断をしましょうとか。少し変わったところだと、海外に駐在していて帰ってきた人はこういう健康診断を受けてねとかまである。働く環境によって当然健康へのリスクも様々で、そういった色んなリスクに対処していきましょうというわけやね。
健康診断といえば、その関連で「ストレスチェック」っていうのが最近始まっていて、これなんかはミュージシャンの僕なんかより、実際に働いている人のほうが全然詳しいと思うんやけど。近年問題になっている職場での「うつ」とかを未然に防ぐための措置としてこれも安衛法に定められていたりする。医師、保健師等による心理的な負担の程度を把握するための検査のこと。もはや「うつ」は深刻な国民病と言っていいかもね。この制度、実際には職場での愚痴を聞いて欲しくて、わざと嘘の内容を申告したりする労働者がいて問題になっていたり、とまだまだ問題は多いみたいで今後の改善に期待。
…などなど今回はなかなか細かく書いてきたけど、ここで紹介できたのは安衛法のごくごく一部。他にも色々細かなルールで働く環境は守られている。ただ、これもあくまで条文上の話で、実際は形骸化してしまっている仕組みが多いのはいかにも日本的。日本は世界トップクラスの法治国家であるけれどもね。
■プロフィール
吉田健児
ロックを基調にシンプルかつ印象的なメロディーを紡ぐシンガーソングライター。ふてぶてしくも古き良きロック魂を漂わせる佇まいがライブハウスシーンやレーベル等業界の重鎮達からも注目を集める中で西原誠(ex.GRAPEVINE)に見初められ、2016年7月にG.西川弘剛(GRAPEVINE)参加曲含む、初の公式音源となる1st Album『forthemorningafter』をリリース。
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