今でも、色褪せないバンド・アーティスト達のデビュー年!! 井上陽水が『人生が二度あれば』で再デビューをはたし、谷村新司のアリス、パンタの頭脳警察、RCサクセション・仲井戸麗市の前身バンドである古井戸、矢沢永吉の伝説のバンド、キャロルがデビューを果たしている。海外では、イーグルスが『テイク・イット・イージー』で鮮烈デビュー。ニール・ヤングの『ハーベスト』、ジョン・レノンの『サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ』、ローリング・ストーンズの『メイン・ストリートのならず者』、T・レックスの『スライダー』、デヴィッド・ボウイの『ジギー・スターダスト』、イエスの『危機』など、名作と謳われるロックアルバムが数多く輩出された記念すべき年でもある。日本のヒットチャートも演歌、歌謡曲、アイドル、フォーク、ポップスが入り乱れ、音楽の玉手箱状態。基本となるジャンル構成が出来上がってきた時代だとも言える。また、TOKIOのベーシスト山口達也、平井堅、UA、小島麻由美、SMAPの木村拓哉、中居正広なども誕生した年でもある。インターネットの無い時代、好きなバンド、アーティストの情報源は、主にラジオ、雑誌、テレビが少し。当時、大阪梅田には、ビデオ喫茶キューピットがあって、ビデオ映像をリクエスト出来るシステムなのだが、順番待ちが3時間は当たり前、お目当てのビデオを見るには、半日仕事。しかも、長くいると追加注文をしないといけない。お金の無い子供には、高額なアトラクションだった。その分、好きなアーティストの映像を目に焼き付けてお店を後にしたのを鮮明に憶えている。こんな便利な時代になったからこそ、積極的に過去の音楽シーンに触れてみて、感じてほしいと思う。きっと、リアルな“今”、音楽のルーツが見えてきますよ!!
編集者:野口健作