毎日ゲロが出そうなぐらい何かに追われている松原の出張コラムが今月も始まったにゃ。何かに忙殺されている日々の中、先日大阪心斎橋で打ち上げが3時すぎに終わり、三々五々的なお開きに。急にひとりで始発の5時まで2時間ぶらぶらする事になった。一体2時間をどうやって過ごせばいいのか? 神戸に根っこを這って生きている松原にとって大阪はジャングル。不安と緊張で酔いが少し冷めつつ、当てもない旅路へと向かう。
そんな孤独な松原は深夜というのに賑やかな心斎橋に異変を感じた…。いつもの心斎橋では無い。なにごと…。なんとさっきから松原の横を通りすがるのは異常な生物たちではないか!? なんとなんと! 孫悟空や魔女やドラキュラや血みどろのナースやセーラー服やドラえもんなど和洋どころか非現実が入り混じったキャラクターが信じられない数で心斎橋の町中を盛り上げているではないか!? そうか! 世間は完全に10月末のイベント・ハロウィン真っ最中なのである。激しくコスプレ祭りでこんな時間までフィーバーしているのだ! な、なんとけしからん町! 全員注意してやる事に決めた松原は心斎橋をパトロール。しかしそんな彼らはとても笑顔で楽しそうに仲間と騒ぎ、ちょっとぶつかったら「あ、すみません!」と謝る事も出来る素晴らしいコスプレイヤー達では無いか! そしてオープンテラスの様な席が道に出されている飲み屋さんの前を通った瞬間、5人組の仮装した男女グループと目が合った! その瞬間! 目が合った若者たちが仮装もしていない浮いた松原に向かって「いえーーーーい!」と乾杯のポーズをしてきたのだ! さすがの松原も酔っぱらっているとは言え、こればっかりは我慢ならない! 鼻息荒く意気込んで、若者たちに近づき、大声で「いえーーーーい!」と応答!
そこからは6人で楽しい宴が始まったのだ。始発まであと2時間もあり、盛り上がった心斎橋でコスプレしていないのは松原ぐらい。完全に天涯孤独状態からの脱出。人のぬくもりを感じながら見ず知らずの男女と宴会。5人は松原を受け入れ、ビールを御馳走してくれ、松原を中心にたわいもない話に花を咲かせる。これはなんか楽しいぞ。心斎橋最高!ハロウィン最高!元々酔っぱらってた松原はどんどん楽しくなっていく。そして…小一時間ほど経った頃。彼らは5人だけの共通の話しで盛り上がっていた。そう。もう松原には飽きたのだ。ものの2、30 分で全然相手にされなくなり、辛くなった松原は「もう電車の時間やし行くねー」と、そのラストチャンスの呼びかけにも彼らは薄めのリアクションで「またねー」のみ…。始発まであと1 時間ぐらいある。またこんな出会いを期待して歩く夜道。結局何もないまま駅に到着。居場所も無く、駅前に座り込むが寒さもましてきて何か泣きそうになる。そしてその寒さに比例してどんどんとあのコスプレをして楽しんでいた若者たちへ怒りが湧いてくる。なに調子乗って仮装パーティーなんかしとんねん。今度あったらぼこぼこにして、こうやって、こうやったんねん。怒りに任せて今から始発までの1 時間、松原は一人でそんな仮想パーティーを繰り広げる。