春の足音と共に松原のコラムがやって参りました。こんにちわ。隔月で連載しているこのコラムも34回目を迎え、COMIN’KOBE12直前のクソ忙しいタイミングで書き綴る文章にはきっと何か殺気立ったものが込められる予感デス。
そんな中、日帰り東京出張が頻発している先日の出来事。ほぼ最終に近い便で新神戸に到着。睡眠不足が手伝って新幹線の中は爆睡で東京から神戸までワープ状態。完全に寝ぼけたまま新神戸駅に降り立ち、頭がボーっとする中でフラフラ歩きながら改札に向かう。いつもの見慣れた新神戸駅。行きの新神戸と違うのは改札の横の喫茶店が今にも消えそうなロウソクの火の如く、スタッフが閉店に向けた準備を忙しそうに行っているぐらい。早く帰って仕事をしなきゃ…そんな事を考えながら改札をくぐろうとした瞬間!目の前に所狭しとカメラを持った報道陣が改札の前に立ちはだかっている。まるでゴール近くのフリーキックに備える相手チームの選手の様に。「こ、これは何事だっ!?!?」そんな疑問の前に寝ぼけたままの松原は今日の一日の行動に何か非社会的な行動が無かったか振り返ってしまう。思わず顔を隠しそうになるが、今日に関しては新聞に載る様な非社会的行動は取っていない!!もしくは「自分は売れてしまったのか?」なんて事も一瞬だけ考えてしまうナルシストさにセルフドン引き。しかし記者は松原が改札をくぐるとほぼ同時にグッと前進して前に歩を進める。「や、やっぱり俺なのか?」自分でも顔が引きつるのを自覚する。少し狼狽えながら、でも「俺の訳がない!」という確証の無い自信が気持ちと体の背中を押す。そして記者の前までくると明らかに手前の松原では無く、その奥の何かをパシャパシャと撮影しだす。
振り返ると手錠をした見たままに悪そうな男が両サイドに私服警官の様な出で立ちの男に連れらて改札からゆっくりと通り抜けてくる。まるで吸い付かれるかの様にカメラを持った報道陣がその男を様々なアングルで撮影しだす。自分の2m以内で体験した光景の中でも最上級に刺激的な光景である。刺激的すぎて松原はその記者の輪の中に入ってi-phoneで撮影に参加。すぐにでも警官に止められると思い、撮れるだけ撮らなければと焦りながらシャッターを連打して被写体を追いかける。しかし横の私服警官が護送用の車の場所が分からなかったみたいで可愛そうにこの犯人は新神戸駅をぐるぐると回遊して、まるでファッションショーの様に我々に絶好のアングルが選べる撮影の隙を与えてくれる。そして思う存分撮影し、護送車に乗り込む彼を見送って職場に戻り、今日撮影した写真を観覧する。そこで気が付く。「あれ?なんで撮影したんだろう?」見てても全然面白くないし、興奮もしない。もっと言うとこの人は何で捕まったのかも分からないし、すぐにインターネットで調べたが出てこない。っていうかどうやって調べたらいいか分からないし…。「新神戸、犯罪者」とかで調べても全然ヒットしないし、仮に出てきてもそれはそれでどぅ思えば正解か分からない。
人間とは適応し順応する。沢山の人間がカメラを撮っていると自分も撮らなくては…と強迫観念が押し寄せる。不思議な生き物である。「みんなそう言ってるよ」と不特定多数の意見かの様に伝えると「そうなのかな?」と思うようになったりする。みなさんも気を付けてくださいね。そしてまもなく下記のCOMIN’KOBEが開催です。「絶対今年も行くよ」ってみんな言ってるので是非ご来場くださいね。ホントにみんな来ますよ!