前回は80年代中期~90年頃までの、シューゲイザー音像の代表例を記しました。
今回は90年~第一次シューゲイザーブームの終わる96年頃の音像に触れます。
90年代に入り、グランジ、オルタナ、ミクスチャー、ポストロック、デジロック、エレクトロニカ、ブラックメタル、ネオハードコアなどといった新しいジャンルが乱立し、シューゲイザーにも様々な影響が及びます。
個人的な記憶によれば「シューゲイザー」という名前が付け始められたのは、93~94年頃だったと思います。
80年代後半の音像と異なる点は、ギターを重ねる本数が格段に増え、ボーカルもリバーブ、ディレイをはじめ、フランジャー、フェイザー、オーバードライブ、ディストーションといったエフェクターをガンガンかけるようになったこと。
そのことにより、音域ごとの歪んだギターの壁と、ボーカルも歌詞がわかるかわからないかといった感じで「楽器の一部」と化していき、現在のシューゲイザーの源流になっていきます。
ボーカル、コーラス(たまにシンセなど)にはホールリバーブ2.5m sec~3.0m secをマストでかける
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さらにコーラス、フェイザー、フランジャーなどをインサートでかける
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ディレイ、オーバードライブ、ディストーションなどをセンド&リターンでかける
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ギターには前回同様、下地にアーリーリフレクションをかけてから、必要に応じてホールリバーブをセンド&リターンでかけて、深くしていくのがポイント。
【今月のMV】髙岩大輝「台風前夜」
https://youtu.be/COXjkDWLhaY?si=FleMvYOsLpuTWHIN
ロック系をルーツに持つアコースティックギターの弾き語り、髙岩大輝氏の意欲作。聴き手が自然に引き込まれる魅力にあふれている。
【今月のちょいレア】ACOUSTIC REVIVE RPC-1KM
これは一体何?と思ってしまう独特のルックスだが、このRPC-1KMを部屋の壁コンセントに挿すだけで、部屋全体の電源事情が向上するインパクトのある製品。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表
レコーディングエンジニア・サウンドクリエーター
Whirlpool Records/brittford主宰
専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動
ラジオ川越 第2・4水曜 23:30 ~ 24:00 「Music Translation」放送中
11月分の放送は11月8日(水)22日(水)
出演 樫村治延 サイエンスライター荒舩良孝氏 フリーアナウンサー荒舩裕子氏
番組は「Listen Now(JCBAインターネットサイマルラジオ配信)」でリアルタイム聴取できます
https://www.jcbasimul.com/radiokawagoe
(コミュニティFMなのでRadikoでは聞けません、ご了承ください)
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください
当スタジオで制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します
おどるアナグマ「I Don’t Need A Lover」
ギターロックを基盤に、少々チルでオルタナ、かつハイアーなサウンド。自然に耳に入ってくる心地よさと彼女たちの個性が両立した作品。
NOODLES 「NOODLES」
スタンダードロックを中心に、メロコア、パワーポップ、ノーマルパンク的要素が縦横無尽に交差する作品。等身大の間口の広さが好印象。
Markintosh 「Evil Street Fushidara – opp – feat . March On The Real (Ready or not remix)」
オールドスクールHipHopに、現在進行形のネタが心地よく垣間見られる小粋な作品。ミドルクラス~ハイクラスリスナーに刺さるであろう。当スタジオではマスタリングを担当。
メキシコサラマンデル 「旅マンデル」
「何も足さず、何も引かず」という言葉がもろに当てはまるMix CD 。サンプル盤なのに完成度が高いだけでなく、ユニークなアイデアも乱発している点に注目。当スタジオではマスタリングを担当。
SLINGRIM 「飛行船」
静と動を巧みに使い分ける、繊細なセンスとアイデアに満ちているオルタナティブサウンド。ポップ過ぎずマニアック過ぎず、なサジ加減が好印象。