【特集アーティスト】
エマージェンザ・ジャパン2022の優勝バンド「パノラマとラボラトリー」がニューリリース
*プロフィール
坪井洋(drs.)がキースジャレットの影響を受け、北欧でジャズの勉強をしたいと思い海外修行を決意。
カナダ・スウェーデン・ドイツと渡り、ジャズフェス・ラジオ出演・ヨーロッパツアー等、音楽修行・活動を続けるうちに、ヨーロッパでは若者音楽と発展をしており、ジャズで培った能力を様々な音楽活動に繋げていることに感銘を受け、ジャンルを超えた音楽活動を目指したいと思うようになる。
帰国後、ジャンルを飛び越えた音楽活動の実現をするためメンバーを探し、同じくヨーロッパ音楽に影響を受け作編曲家としても活動していた森田珠美(key.)と出会い、ボーカルを加え、現在のパノラマとラボラトリーの基礎ができる。
その後、コロナ禍中にボーカルが体調を崩し無期休業となり、ボーカルを新しく探すことになる。
ジャンルを飛び越えた音楽のコンセプトは変わらず、電子サウンドを軸によりポップな音楽性に発展させ、2021年パノラマとラボラトリーとなる。
エマージェンザ・ジャパン優勝など躍進を続けるも、1年半でボーカル脱退。
そして1000人以上のボーカルを聴き、探し続けた中からaya (vo.)という若き才能を見つけ出し、2023年に新生パノラマとラボラトリーが誕生する。
ドイツ・台湾・ミャンマー・メキシコ等海外演奏、日本でも騎馬武者ロックフェス・アースガーデン等大型フェス出演。
ユーハイム・JILLSTUARTなどCM音楽、ラジオ音楽プロデュースなど制作・提供多数。
現在狛江エフエムでレギュラー番組を持ち、音楽解説もしているYoutube登録者数3000人以上と躍進中。
1.音楽活動を始めたきっかけ
aya(vo.)
小さい頃から歌うことが大好きで、ずっと密かに歌を仕事にしたいと思っていました。
しかし、恥ずかしい気持ちが勝ってしまいなかなか行動に移せず、気づいたら大学生に。
大学に入ったもののコロナで家から出られない期間が続き、何か始めなくては!!と思ってアコースティックギターを購入。毎日練習に明け暮れました。
それがきっかけで、作詞作曲やギター弾き語りでのSNS活動・ライブ活動を行うようになり、本格的に音楽活動を始めました。
森田珠美(key.)
小さい頃からピアノを習っていたものの音楽活動をしたいという発想には至らず、高校生になり流行っていたメロコアを聴いて、バンドしたい!と初めて思うようになりました。ベースがやりたくて購入、でも恥ずかしくてバンドしたいと言い出せずそのまま大学生に。
大学時代、鍵盤としてようやくバンドに入ることができて人と合わせる楽しさを知り、色んなライブに参加するようになりました。
坪井洋(drs.)
中学生の時に先輩たちのバンド演奏を見てバンドをやりたいと思い、前に出過ぎたくなという理由でベースかドラムで迷い、兄がスティックを持っていたことを思い出し、ドラムを選ぶ。
中高時代ほとんど音楽活動はできなかったがプロへの夢は持ち続け、特にTOTOに傾倒。
大学入学後ようやくドラムをできると思い、上手くなるためにはジャズだ!という偏見でジャズ研に入り、今まで聞いていたジャズはフュージョンであることを知るとともに、メロディアスなアプローチのドラムに感銘を受け、ジャズからドラムを本格的に始めました。
2.エマージェンザ・ジャパンの優勝バンドとしてドイツの野外フェスに出演されましたが、日本とドイツのライブシーンの違いについてどう感じましたか
シーンではないかもですが、1番感じたことは演奏に対する反応です。
全く知らないバンドで、しかも日本語で歌う僕らの演奏を受け入れ大絶賛してくれました。
ノリノリになってくれたことはもちろん、最終的には音楽に合わせて手を振ってくれました。
実はこちらから促そうと考えていたのですが、その前にウェーブが起きびっくりしました。
終わった後、他のミュージシャンたちが大勢待っていて「最高だった」とハグの嵐がすごかったです。
会場でも観客が何人も「演奏してた人だよね」と言って、感想を伝えてくれました。
言葉がわからない知らないなど関係なく”良いものは良い”と認めてそれを表現する力は、日本と大きく違うと感じました。
観客の年齢層もバラバラで、カップルや親子など若い人たちはもちろん年配の方も多く、日本の大きな祭りのようにいろんな人たちがそれぞれ楽しんでました。
おじいちゃんらしき人たちが踊りまくっていたのとか、本当にびっくりしました。
あとは、クオリティの高さです。一見適当にやってるような雰囲気を感じるのですが、ミュージシャンもPAもその他スタッフも実際になると完璧。しっかり作り込まれている背景も感じられ、そのギャップに驚かされました。
目指す型があるというより、そのものの良さや楽しみを引き出すことを実現するために行っているという自由さを感じ、僕らの引き出しを新たに見つけさせてくれたように感じます。
どっちが良いということでなく、日本ではなかなか感じない自由さであり厳しさだと思いました。
3.今回のミニアルバムの聴きどころ
なんといっても新ボーカルのayaの歌声です。
22歳ってこんなにできるの?という技術力も驚きですが、歌声がストレートに心に届く力を持っているんです。
そして海外での経験で得た”J-POPは世界で通用する”という自信のもと、よりPOPの可能性に挑戦する音楽を目指して作った楽曲が揃いました。
それが合わさったらこんな世界になるんだ、というところを聴いていただきたいです。
4.これからの国内外の音楽シーンはどうなっていくと思いますか
海外は「国や文化・親しんできた音楽を活かし昇華させている」ものが、さらに多様に評価されていると感じます。例えばBTSさんやAURORAさんのような方々です。
アフリカンの音楽がそうだったように、昔からある流れですがネットによる情報量の拡大が垣根をかなり取っ払い、これからも加速していくのではと思います。
日本は「輸入し自分達の中で生産消費が中心」のシーンで成長をしてきたと思います。
そしてネット時代の流れがきたことにより、質の向上と多様性の芽ができてきている感じがします。
ですので、これから日本の音楽シーンは、例えばアニメのように「独自の背景を持って昇華したもので世界と伍していく」のか「自分達の消費中心のままでいく」のか、また「模倣の時代に戻る」のか、の分かれ目のような気がします。
パノラマとラボラトリーは、昇華したJ-POPとして世界に伍するようなバンドを目指していきたいと思います。
5.今後の展望
ボーカルが新しくなりパワーアップしたばかりなので、日本での地盤を今年一年で作り上げたいと思います。
その最中も海外のチャンス・挑戦にも挑み、世界への流れも作っていきたいです。
世界のフェスにも出ているパノラマとラボラトリーが、武道館を満員にすることが目標です。
HP
https://www.instagram.com/pano_lab/
Youtube
https://www.youtube.com/@pano.laboratory
*最新アルバム
透過性ニュートラル
レコード番号:MZK-0007
発売元:ブリッジ
レーベル:MUZIKO
販売店:TOWER RECORDS・HMV等全国CDショップ他、アマゾンなどで5月31日発売
配信先:iTunes Store、Apple Music、Spotifyなど各種で配信
*ライブ情報
5月31日より西日本レコ発ツアー開始!
5月31日京都MOJO
6月4日和歌山CLUB GATEなど
【深掘り機材】
今回はForcusrite のマスタリング系アウトボード Mixmasterを深掘りします。
2001年に発売され、Forcusrite プラチナムシリーズの最上位モデルとして君臨していた名機です。
新品時の価格は¥188,000で、ライバル機はDBX QuantamやT.C.electronic Finalizerシリーズなど。
ビートルズのプロデューサーである、ジョージ・マーティンも使用していたことでも話題となりました。
Mixmasterは一部を除いてアナログな機材なのが特徴であり、音質もフルデジタルの機種と比較すると「アナログらしいまろやかでタイトな音」で、オールマイティーに使えそうです。
特にマルチバンドコンプのかかり具合が特徴的です。
音量50%くらいから入力
↓
少しずつ増やす
↓
LOW MID HIGHいずれかのリダクションが -3dBあたりで泳ぐくらいに設定
↓
各コンプの音域を上下させ、安定している所に決定
↓
一番右側にあるリミッターボタンを押し、トータルリミッターで音量のピークを整える
↓
EQをいじる
以上のやり方が一番の近道になりそうです。
前面パネルの右側にあるステレオイメージコントローラーはM.S処理用なので、左右には相当広がりますが位相があまり揃わず、おすすめしません。
ADコンバーターは中域~高域がややブライトな感じなので、低音をコントロールするときはEQとセットで追い込むのがベターでしょう。
また、信頼できるワードクロックジェネレーターからワードクロックを送ると、嫌みのない程度にシャキッとします。
最新型のマスタリング系プラグインを駆使しても、Mixmasterの領域にはまだまだ到達できないのでは、と感じてしまいます。
<代表的な接続例>
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表
レコーディングエンジニア・サウンドクリエーター
Whirlpool Records/brittford主宰
専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください
当スタジオで制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します
Deux_Dalpia「Mystical ~ひめとほりー~」
国内屈指のハンマーダルシマー奏者 田辺紀子氏と、ピアニスト三田﨑麻由氏によるユニットDeux_Dalpia(ドゥ・ダルピア)のミニアルバム。ピアノの祖先といわれるペルシャ起源のエキゾチックな弦打楽器ハンマーダルシマーの音色は、エアリーでブライトな存在感に満ち、心地よいひとときが楽しめる。
YAPOOL 「レイトショー」
従来のR&R・初期パンク・ガレージサウンドを、ワイルドかつ緻密に改定したロックバンドのシングル。単なる60~70年代リバイバルに終始せず、現在進行形の旬ネタを手際よく取り込む点に非常に好感が持てる。
安達勇人 「CREWS」
声優・俳優としても活躍するアーティスト安達勇人氏の最新アルバム。色とりどりのポップチューンが炸裂している意欲作。当スタジオでは「黎明DANCE」「サヨナラだけじゃ味気ない」のREC、MIXを担当。
PSYCHO FREAK 「OVER KILL」
90’sオールドメロコア、2000年代パワーポップ、そして最新型パンクロックをほんの少し取り入れたマキシシングル。リアルタイム世代よりツボを心得ていそうな楽曲揃いで、ライブパフォーマンスも圧巻である。
パノラマとラボラトリー「透過性ニュートラル」
世界最大級インディーバンドコンテスト「エマージェンザ」の日本大会で優勝、ドイツの大型フェス「taubertal FESTIVAL」でのエマージェンザ決勝大会に出場した、パノラマとラボラトリーのミニアルバム。インテリジェンスな近未来感が堪能できる、珠玉の一枚。