CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第86回
今回ご紹介する電源ケーブルは、ひさご電材の展開する音響機器用・楽器用ケーブルブランド
「GOURD」のGCP-600です。
GCP-600は非常にプレーン、かつナチュラルというイメージの電源ケーブルです。
例えば、20年前くらいのシンセやデジタルミキサーに使用すると、ギスギスした感じや、いびつな部分が減り、いい感じでマイルドになります。ワイドレンジ感も増してリッチさも体感出来ます。
エントリーモデルにあたる製品ですが、プロの現場でも充分通用する実力があります。
新品定価で\17,600、中古1万円くらいで手に入ります。
【大学生バンドのセルフREC】
「被りまくりVo&アコギ 一発録音」が予想以上の出来だったので、更にインストのバンドバージョンも「同一ブースでドラム、ギター、ベース3パート 被りありの一発録音」を試すことにした。
音の被りは、部屋の広さ、天井の高さ、壁の材質、アンプなどを含む機材の置き場所に左右される。
ただ、ベースはライン録りでもいけるので、実際はドラムとギターの被り調整が一番重要になる。
下の写真↓のように、ついたてを立てるだけでなく、ドラムに対してアンプ類を「背を向ける形で」置いて、マイクをセッティングするのが基本形になる。
とりあえず何度か試し録りしながら被り具合をみて微調整をし、被りがひどい時は距離を離す、使用していないアンプなどで壁を作ってみるなど工夫が必要だ。出来れば12畳以上のブースでチャレンジしたい。
【今月のちょいレア】 HEDD AUDIO TYPE07mk2
リボンツイーターで有名なADAM AUDIOから派生したドイツのハイエンドスピーカーブランド HEDD AUDIOの逸品。個人的にはADAM AUDIOのきらびやかさと、EVE AUDIO(HEDD同様ADAM AUDIOから派生)のナチュラルさの中間に位置するキャラクターだと思った。
【今月のMV】 THE REST 「 コドク無ヒカリ 」
米国モダンヘヴィネス系と日本のエモロックが、バランスよく混在する2020年代の新生ロック。歌に対する各楽器の音作りにも注目。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!
River Baby & TOY 「 LIFE 」
メロウなトラップベースのヒップホップ。ナチュラルなポップチューンで、歌詞とトラック、声色の相性が良い。ヒップホップになじみの薄いリスナーにも心地よく耳に届く作品。
SILVER GOAT CLAN 「 Shining Of Love 」
80’sアメリカンハードロックをベースに、メロディアスなガールズボーカルが心地よく炸裂する。ダウンチューニングの割に中低音域がタイトに引き締まった歪んだギターサウンドと、サックスの絡みも聴きどころ。
candelastar 「 IN THE LIGHT 」
コミュナーズ、ABC、ブロンスキービート、A Flog of Seagullsといった80’sエレポップと、最新型UKエレクトロニカの中間にあるインテリジェンスなサウンドの楽曲。
yarn. 「 toKYO 」
定番J-POPとビルボードTOP40のアイデアが、良い意味でユニークに入り乱れた楽曲。大御所インディーバンドメンバーによるアレンジも聴きどころ。当スタジオではマスタリングを担当。
SILVER GOAT CLAN 「 MAGIC 」
メロディアスなロックをあらゆる角度から探求するロックバンドのデジタルシングル。楽曲の幅広さ、通常の歌詞でもメッセージ性の際立つ点がストロングポイントだ。