【ペンシル型コンデンサーマイク考】
Joemeek JM27
ボディーカラーはシルバーとグリーンの二色展開、色は違っても中身の音質は全く同じです。
10年くらい前に発売されており、当時は15,000円くらいだったでしょうか。
Joemeekはアウトボードメーカーとしてのイメージが強く、マイクのキャラクターはどうなのか?と疑問はありました。Joemeek JM27をペンシル型コンデンサーマイク定番のAKG451と比較すると、サスティンはやや短く少し荒い音といった印象。AKG451があればあまり必要ないのかな?とも思いましたが、JoemeekのアウトボードTWIN Q2’などとセットで使用すると、音がリッチになり高級感が出ました。
現在は生産完了となったJM27ですが、中古品でごくたまに見かけることもあります。(5~6千円台)
このマイクとの組み合わせとして、Joemeekのハーフラックチャンネルストリップ Three Qや、VC3Qとセットで使用することをおすすめします。(一万円台後半~)
おまけ情報:以前ご紹介したこともあるJM47(Vo.Pf.Ag録りにおすすめ)と、JM37(日本未発売品、オールマイティー)も、ごくたまにですが中古市場に出回っているようです。(一万円前後)興味のある方は是非チェックしてみてください。
【大学生バンドのセルフREC:コンプ編】
今回はベースとギターのコンプについて。
ベースは、コンプをREC時に「ライントラックとマイクトラックの両方に弱く2段がけ」してあるので、ある程度音量が揃っている。
MIX時にダメ押しで、さらにコンプをうっすらとかけて「勢いを残したまま平均化」したかったのだが、ベースの4弦部分の演奏だけ低音がダブついてしまう。
コンプをがっつりかけるとノリがなくなるので、ボリュームカーブで4弦を演奏している部分の大きな波形部分だけ抑えてみた結果、グルーヴを残しつつボリュームが平均化され、かなり良い感じになった。
クリーンギターはフレーズのバリエーションが豊富なので、
*スレッショルド → -2bから-3bぐらい
*レシオ → 2:1もしくは2.5:1ぐらい
*Knee → 中間
*アタック → 35msecから55msecぐらい
*リリース → 80msecから150msecぐらい
と、オーソドックスにかけておく。
歪みギターは、歪ませることにより原理的に音粒がそろうので、コンプはごくうっすらとかけるか、場合によってはかけなくて良いこともある。
【今月のMV】THE FREE MAN 「ピアニッシモのサラリーマン」
R&B、ロックンロールを土台に、サイケフォーク、ブルーアイドソウル、NewYorkパンクなどの世界観が縦横無尽に交差するハイテンションロックバンドの代表作。
【今月のちょいレア】MindPrint EN-VOICE
前回で紹介したEN-VOICE MKⅡの弟分にあたるチャンネルストリップ。この機種も、NEVE、DRAWMERといった上位機種と比較しても全く遜色のない逸品だ。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
THE FREE MAN 「ピアニッシモのサラリーマン」
ローリングストーンズ、レイナード・スキナード、グレイトフルデッドあたりにルーツを感じるロックバンドの新作。Vo.のLITTLE KING TAKUYAが発するリアルなロック感はOne&Onlyで、聴くものをいつの間にか引き込んでしまう。
THE JIVES 「Audrey」
R&Rを奥深くまで掘り下げ、本質を追求したフルアルバム。オールドスクールのロックが好きな人、欧米の若手が奏でるネオヴィンテージロックに興味のある人におすすめの一枚。
OVER RAZE 「Reach The Sky」
90年代から現在に至るまでのメロディックパンクのエッセンスをいいとこどりしたような、ロックバンドの最新作。パワーポップ、グランジ、ヘビーオルタナ好きにも聴いてほしい力作。
maruiro 「バッドエンドは手をつないで」
SILENT SIREN主催「サイサイフェス」でオープニングアクトを務めたバンドHelloMusicが、バンド名を「maruiro」と改名し記念すべき最初の作品をリリース。Vo.ちい太のスウィートボイスがさらに冴えわたる。
GENSEKI 「Polish up change」
様々な要素が音楽的にクロスオーバーし、確立されたComplicated Rockの立役者、GENSEKI。彼らの新作は、複雑とシンプルが心地よく同居し、2020年代ロックの新たな方向性を導きそうだ。