今回はドラムのキックやベースの録音で活躍する、少々特殊な低音マイクを2つご紹介します。
【 audio-technica AE2500 】
【 LEWITT DTP640 REX 】
どちらもダイナミックマイクとコンデンサーマイクの一体型仕様となっており、1本のマイクで2ch分収録出来るユニークな作りとなっています。
【 カバーを外したAE2500 】
【 カバーを外した DTP640 REX 】
バスドラ収録用に開発されているようですが、ベース、エレキギター、エスニック楽器全般など、守備範囲はからり広いと思います。
専用の2chマイクケーブルも同梱されています。
【 AE2500の同梱ケーブル 】
【 DTP640 REXの同梱ケーブル 】
次回はこの2本のマイクを使用し、実際にドラム、ベース、エレキギターを録音して比較検討してみたいと思います。
【 大学生バンドのセルフREC:MIX編 】
「レコーディングやミックスで使われる、一番身近なエフェクターは?」と尋ねると、大抵の人が
「EQ、コンプ、リバーブ、ディレイ」と答えるのではないかと思います。
今回は空間系エフェクターの代表格であるリバーブについて、考えていきます。
リバーブは「ディレイ」の集合体です。
リバーブ、といっても「ルームリバーブ」「プレートリバーブ」「ホールリバーブ」「スプリングリバーブ」「ゲートリバーブ」などかなりの種類があるのはご存じのとおりです。
その前に「なぜリバーブをかけるのか」という初歩的な疑問から考えてみましょう。
今まで当連載の中では「マイクの下にタオルや吸音材を敷き、部屋の反射を抑えて」比較的デッドな素材を収録する方法をご紹介しました。
なぜデッドにすることにこだわるのか?
音の反射が多い部屋で録音すると、音の素材がこもったり奥に行きがちになり、ミックス時に前に持ってこられないという状況に陥る可能性が高いからです。(シューゲイザーなど、音楽のジャンル的にわざと狙うこともありますが。)
音素材そのものはなるべくドライに録音し、ミックス時に状況に応じてリバーブをかけて、前後斜めの位置関係をコントロールするのが、昔から行われている常套手段と言えます。
今このコーナーで取り上げている大学生バンドの「4つ打ちダンスロック」は、比較的ドライな音像を狙っているので、リバーブは少なめながらも的確な量をかけていきたいところです。
【 今月のちょいレア: ENSONIQ MR-RACK 】
今や伝説的存在になりつつあるアメリカのシンセ・サンプラーメーカーENSONIQの、フラッグシップ音源モジュール。90年代後半にリリースされ、ファットでタフなサウンドキャラクターは現在でも世界中のトラックメーカーを魅了し続けている。
【今月のMV】S.H.E [ Struggle-Head,Emergence ] / Dear my sun.
ネオアコ調ギターから始まるイントロが特徴的な、オルタナバンドの代表曲。さわやかさと、いかつさがバランスよく同居している。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
magenta 「 全てを許したら 」
Jオルタナから、洋楽寄りのポストロックに転身したキーボード・シューゲイザー・トリオバンドのデジタルシングル。良い意味でサブカル色が強化され、幅広い玄人受けが期待できそうだ。
Rooky Babe’ 「 Smells like ika spirit 」
パロディーを真っ向からアピールする、まじめなエレクトロ・ファンクバンドのミニアルバム。
Zepp東京や新宿BLAZEといった大きな会場でのライブを多数経験し、ライブパフォーマンスもピカイチ。
眠らない兎 「 今宵もランデヴー 」
タイトなリズム隊と豪華絢爛な上モノが有機的に絡む、女性Vo・ギターロックバンドのシングル。独自の世界観を持つ歌声と歌詞との融合が素晴らしい。
合格4号ズ 「 ビューティフルを追いかけろ 」
古くは「RCサクセション、村八分、泉谷しげる」あたりと、最近では「エレカシ、コレクターズ」にも通じるR&Rバンドのシングル。懐かしさの中にも密かなオリジナリティーを感じる。
三日月ゴシップ
青山学院大の軽音部で結成された、セミ渋谷系バンドのシングル。アンニュイさとタイトさが高次元でリンクする、センシティブな雰囲気が感じられる。