音楽業界の第一線で活躍されている方々を講師にお迎えして、貴重なお話を伺う「音楽プロデュースセミナー」を今年も開催することになりました。今年の講師はSUMMER SONIC、ラウドパーク、パンクスプリング、electroxなどの大型音楽イベントの仕掛け人である(株)クリエイティブマンプロダクション 宣伝部部長の平山善成氏。私、樫村も加わり、平山氏とともに日本を代表する数々のフェスを作り上げる側からの視点、本音の話を深く探っていけたらと考えています。参加費は無料。音楽業界に興味のある方、大型フェスに出演したい!と思う方、音楽についての見聞を広めたい方、ご参加をお待ちしております!
音楽プロデュースセミナー
講師:(株)クリエイティブマンプロダクション宣伝部部長 平山善成氏
聞き手:スタジオチャプターハウス代表 樫村治延
日時:2016年11月13日(日)13時~15時
会場:茨城音楽専門学校 http://www.i-music.ac.jp/
〒310-0844 茨城県水戸市住吉町269-3
参加費:無料(要予約)
予約は茨城音楽専門学校までお願いします。029-248-0521
今までのセミナーについては、チャプターハウスHPをご覧ください。
http://www.chapter-trax.com/
クリエイティブマンプロダクションHP
https://www.creativeman.co.jp/
大学生バンドのセルフRECは、ベーシック録りが予想以上に早く終わり、歌録りへと進行中。
【変拍子ポストロック風:4/4拍子と5/4拍子が交互にくる:BPM=183:C→GonB→Am7→G7sus4】
歌録り3テイクのうち、1stテイクを採用。録音に費やせる時間は実質約100分ほど。最低あと1曲、出来れば2曲歌入れしたいところである。
今回のRECに際し、全員が進行を一目で把握するために細かい曲構成表を作成した。
(注:この構成表は、実際当スタジオにRECにいらしたバンドさんが作成したものを、許可を得て例として使用しています。文中の曲とは関係ありません。)
次の歌入れは【4つ打ちダンスロック:BPM=170:F→Dm7→Gm7→C7sus4:同期あり】
同期パートは16ビートアルペジオシーケンス、ストリングス、シンセブラスの3パート。
周囲からはKANABOON、Telephones、ラプチャー風と言われている。
キューボックスのモニター設定は下図の通り。
前回紹介した「歌をマイク2本で録る手法」をこの曲にも採用。
最近の音源(特に洋楽)は、ジャンルを問わず薄くダブリングされているものが多い。一般的な手法として「同じ歌を2回歌う」か、「すでに録ってあるトラックをコピーして少しずらす」ことが定番とされているが、実はそのどちらでもない質感のものが結構存在している。マイクを2本セッティングし、10~20cmほど距離をずらし、2本目のマイクにコーラスやフランジャー、ビブラート、フェイザーなどを隠し味程度にかけ、アーリーリフレクションやショートディレイもさりげなく加えると「2000年代以降の音像」に近づくこともある。
当然2本のマイクは2トラックに独立させてRecし、後でツブシがきくようにしておく。必要がなければ2本目のマイクは使用しない。
モニターバランスを確認しながら1stテイクを録ってみる。先程の変拍子の曲とはタイプが違いすぎるため、曲の前半はモニターのつまみをグリグリいじり、後半からやっと少しずつ歌えるようになった。モニターバランスが取れ、歌っていくがまだ仕上がりが粗くテイク数を重ねていき、最終的に「前半部分は5テイク目、後半は4テイク目」とすることで終了した。
録音に使える時間は残り50分程度。
【アジカン風ギターロック:BPM=158:Dm7→G7】キューボックスのバランスは次の通り。
得意な曲なのですぐ録り終わるだろうと予想し、モニターを少々いじりながら1stテイクを録る。ピッチもリズムも率なくいい感じだが声のツヤ感がなくなってきたので10分休憩を入れる。
休憩後2回3回とテイクを重ね、とりあえずOKが出たので撤収。
次回のセルフRECはバッキングギターの本録りと歌録りの予定。一週間後の日程で、8時間分のスタジオ予約を取った。
【今月のMV】 Kosmic 「Life in Cambodia」
カンボジアの今をリアルに描写するドキュメンタリー風PV。洋楽マエストロKosmicが、欧米と東南アジアをリンクさせる。
【今月のちょいレア】 JOEMEEK threeQ
少しアナログライクでブリティッシュな音が印象的なチャンネルストリップ。見た目は宅録仕様だが、レコスタでも十分使用できるなかなかのツワモノ。最初に買うべき一台としておすすめです。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
the twenties 「3-4-22」
LargeHouseSatisfactionとスプリット・ツアーを敢行、ソールドアウトを連発させている、人力サイバーディスコ・パンクバンドのシングル。最近では西日本の大型フェス「MINAMI WHEEL」「KOUBE CALLING」にも出演、ますます勢いづいている。
Pinkmoon Babies 「BOP ! STEP ! JUMP !」
ヨーロッパからのツアーオファーも相変わらず多い、ガールズR&Rロカビリーバンドの3rdフルアルバム。名曲「監獄ロック」のカバーを含む最高傑作と言える本作は、歌謡曲フレーバーのメロディーラインをさらに掘り下げ、ジャンルにとらわれない深味がある。2016年10月全国発売。
川嶋志乃舞「ファンタスティック七変化」
津軽三味線で日本一を4度獲得している現役東京芸大生が奏でる、古典芸能とハイソなポップミュージックの高次元な融合が素晴らしい。ヨーロッパをはじめ海外での演奏も多数経験し、際限なく溢れる才能から生まれるマスターピースアルバム、ついに完成。声質も最高です。
Sunday is Wednesday「8分間」
西日本出身、神奈川在住のギターロックバンドのシングル。ポップから平凡に終わらない、新感覚なメロディーラインがGood。曲調も、特別なことをしている訳ではないのに、各楽器の音色やリズムパターンなどと相まって、最後まで一気に聴ける。不思議な魅力が心地よい。
Sonic Blew「Rock Your Brain」
ハードロックテイストをまとった、クロスオーバーなインストバンドのシングル。SAXが主旋律を奏でながらも決してBGMにはならないワイルドな存在感が、攻めのインストロックを創り上げているのがユニークだ。