阪神淡路大震災を経験しているラジオDJの僕と仲間たちは、まるで条件反射のように動きだしました。テレビで伝えられる被災地の現状を見た瞬間に、「ラジオ、ライト、電池を集めて、1日でも早く持って行かなあかん!」それが“ラジオバトン・プロジェクト~あなたのラジオとココロを被災地に届けよう!~”のスタートでした。
「We are シンセキ!」が合言葉の、ラジオDJの山本シュウです! このプロジェクトは、全国の「We are シンセキ!」と呼ばせてもらっている仲間と、被災地で新たに繋がった「We are シンセキ!」の方々のご協力のもと、今も継続中です。僕たちのブログで、その記録は大体知ることができますので、よかったら覗いてみてくださいね。そもそもこのプロジェクトが震災後すぐにスタートできたのも、僕と仲間たちに阪神淡路大震災の経験があったことと、前からやっていた“RED RIBBON LIVE”や“LOVE in Action”という啓発プロジェクトなどで、日頃からプロジェクトリーダーとして全国を行脚し、ラジオ局で働くDJさんや、ラジオマン、そしてリスナーさんたちとの“絆”があったからこそ。ホンマに感謝です!
それに、僕自身が大阪の長屋育ちで、近所の大人たちのお節介で育てられてきたから、気が付けば、周りから「男の顔をした、ただのお節介なオバチャン」などと言われる超お節介人間になっていたということだけです。そのお節介をする理由も、「今こそ命の恩返しを!」ということでした。それは、“僕らの命は自分だけのものじゃない”ということです。自分の命は、お父ちゃん、お母ちゃんが生きてたから生まれた命。そのお父ちゃんとお母ちゃんの命も、お爺ちゃん、お婆ちゃんが生きてたから生まれた命。だから戦時中も、命がけで守られた命なんですよね。そう考えると、命のバトンをしてこられた先人たちは、自分たちの命やその次の命を守り抜くために、間違いなく、色んな人に支えられてきたわけですよね。
だから、今回の被災地である三陸沖で獲れた美味しいホヤや、サンマ、松島のカキなどの魚介類、福島のおいしいお米や、野菜、お酒などをいただき、東北の美しい風景や温泉、何よりそこにいる人の温かさに触れて、心を癒されたはずですよね? そういう顔も知らない、会ったこともない、名前も、住所も、電話番号も知らない人たちやけど、確実に僕たちの命を支えてくださっている人たちのことを、昔から“お陰様”って言うんよね。だから、条件反射的に“今こそ、先人たちの分も含めて今までの命のご恩返しをしないと!”と自然と思えたわけです。そういう意味で、このお節介は、長く長くカタチを変えて続いていくものだと思っています。
「We are シンセキ!」
左から、被災地に届けるラジオ、積み込んだラジオ・ライト・電池、避難所のみなさんと、NGOと打ち合わせ
(クリックで拡大)
続けること。次の世代のために、今自分たちが伝えていかなければいけないことはたくさんあるんだって、改めて気づいたんです。
その時はまだ津波のニュースを知る由もなく、メチャクチャになった事務所の中の倒壊した家具に埋もれた真っ暗な部屋で一晩を過ごしました。状況を知ったのは翌日のこと。当たり前だったことが、何ひとつ当たり前ではなくなったあの時期があったからこそ、自分のやるべきことが明確になったのかもしれません。
ちょうど時期は卒業シーズン。地元仙台で若手バンドシーンを底上げしていくイベントを企画制作している自分にとっては、3月には15本のイベントが控えており、約100組の出演バンドがいる中での震災。バンドとの連絡手段もなく、安否の確認もとれない悶々とした日々が続いていました。電気が復旧し、各出演者と連絡がとれたのはその1週間後。もちろんイベントは全て中止となり、その年の卒業ライブや、毎年制作していたオムニバスCDのレコ発も、開催の目処がたたないまま4月を迎え、新しい生活の場へ散り散りになってしまいました。
ニュースで繰り返し流れる沿岸部の津波の映像に比べれば、仙台中心部の被害は微々たるものかもしれません。幸い、自分の関わっている音楽仲間も無事で、携帯のツールで情報を交換し合い、水道・ガス・食料など協力し合いながら、ライブが再開できる日を待っていました。しかしその一方、住む場所も家族をも失ってしまった方々が大勢いる状況で、音楽の担う役割についても悩んだ時期でした。
そういった悩みを振り払うことができたのは、仙台CLUB JUNK BOXが営業再開できると決まってから1週間後の4月24日。直前まで会場が使用できるかわからず、ギリギリまでできるかどうかわからない中、開催することができたイベントの存在です。各地から様々なバンドを呼んでいて、開催可能の連絡をできたのがたった1週間前。それにも関わらず、全11バンドが即決で「行くよ」の返事。そしてまだ震災から1ヶ月半のあの日、交通機関が復旧していない中でフロアを埋め尽くすほどのお客さんが足を運んでくれた、あの日の光景が、「大丈夫、それでいいんだよ」って背中を押してくれたんだと思っています。
音楽をやりたくてもできない人が大勢いる中、幸運にも自分はやることができる。世の中では自粛が叫ばれているけど、やっぱり音楽が好きで、ライブハウスという空間が好きで、その瞬間にしか出会えない感動があるから、そういう場を望んでいる人だって大勢いるはず。結局のところ、自分が信じたことを精一杯続けていく事で、きっと何年か後に、“ああ、やってよかったな”と思える日が来るんだろうなって、そう思いました。
今はすっかり慌ただしい日常に戻り、この春オープンした新しいライブハウス 仙台Milkywayのブッキングマネージャーにも就任しました。当たり前だったことが当たり前ではなかったあの時の気持ちを、これから音楽を始める若い世代にも引き継いでいって、大切な仙台の音楽シーンがこれからもずっと続いていくよう、支えていきたいと思います。
執筆者プロフィール
(33歳・独身・A型)ANTIKNOCKでブッキングマネージャーを10年以上させていただいております。独身です。バンドへの客観的なアドバイス、全国ツアーの紹介や、音源リリースに伴ったレーベル業等、全般にお任せ下さい! 他店で「君達は何をしたいかイマイチわからない…」と言われた経験のある、そんなバンドさんが大好きです(笑)。あと、独身です。
現状
震災直後から僕らが考えているのは常に「こんな時こそANTIKNOCKがいかにANTIKNOCKらしくいられるか」シンプルに言い切ってしまえばこの言葉に尽きます。
キレイゴトに聞こえてしまうかも知れませんが、息を切らし満身創痍で乗り越えた山々や深い谷も、振り返ってみれば、意外と清々しいものです。
とにかく感謝したいのはお客さんとバンドさんが僕らを必要としてくれたことであり、この仕事の本質はやはり「信頼」だと痛感させられました。
スタンスは変わらず、歩みは止めず、皆さんにより喜んで頂く為に精一杯、頑張り続けたいと思います。
メッセージ
いつも本当にありがとうございます。まだ当店を未体験の方は是非、一度ANTIKNOCKを訪れてみて下さい! 星の数ほどある娯楽の中でANTIKNOCKを選んでいただくからには、全力でお出迎えさせていただけたらと思っております。出演希望のバンドさんやイベンターさんともじっくり肩を組んで伝説の夜を共に築き上げられたら最高です。
http://www.babel-rocktower.net
執筆者プロフィール
プロフィール:立川BABELのブッキングを統括する頭脳中枢(独身)。POP×HARD PUNKバンド「WeeWee's」のボーカリスト(独身)。立川をカリフォルニアにする計画を実行中!(独身)。
東日本大震災で被災された皆様に深くお見舞い申し上げます。
震災直後は10日間ほどライブやイベントのキャンセルが相次いだため、地元のバンドを集めたチャリティーイベントを開催し、義援金を被災地に送ることができました。
結果的に計画停電の影響は無かったものの、今度は営業再開のタイミングが難しく、メールや電話で「節電は?」、「営業中に停電になったら?」、「ライブは娯楽だろ!」という声もありました。しかし、「バンドもお客さんもライブを楽しみにしていた筈だ」と、STAFFで話し合い、考え、決断し、営業再開に至りました。解散や活動を停止するバンドも多く、半年くらいは全体的に腰が重かったように思います。現在は、少しずつ落ち着きを取り戻し、被災地域のバンドもツアー等で遊びに来てくれています。
ライブハウスで働く側としては、被災地の仲間達がいつでも遊びに来れる様に、被災地の仲間達がいつでもライブが出来る様に、STAFF一同、多くの人達の力を借りてバンドマンの居場所を守っていこうと思います。
おかげさまで立川BABELは8/31で4周年を迎えます。ジャンルに捕われなく「楽しい空間」をと思っています。音楽で一緒に遊びましょう。
執筆者プロフィール
2005年までバンド活動後、La.mamaに入社。
現在に至る。
弊社も通常営業に戻り、渋谷も日常を取り戻しております。
弊社では震災時からずっと受付に募金箱を設置していたり、東北の日本酒をメニューとして取り入れ、売上を震災の寄付に当てたりという活動を行っております。
復興に向け、各地さまざまな取り組みを行っておりますが、原発の問題等いろいろと考えなければならないことも多く見受けられます。
今弊社の中で"脱原発"という意思を元に、イベントを企画しております。社会に対して、La.mamaとしての一つの意思表示をしたいと考えております。
自分のできることを一つ一つ行動に移してほしいなと思っております。社会の現状に目を向け、自分なりの意思表示をしっかりできれば、今よりもいい世の中になっていくのではないかと思います。
執筆者プロフィール
月見ル君想フ店長 某中華DUBバンド幇長。
東日本大震災で被災された皆様にお見舞いを申し上げます。
昨年の震災当時、お店はリハーサルの準備中でした。地下ということもあり、幸いお店の被害はほとんどなく、ネットで情報を収集するうちに被害の甚大さを認識した次第です。
その後、数日のイベントが延期となってしまいましたが、多くは昨年度の内に再び開催することができました。震災の影響で、アメリカから来る予定だったドラマーのJojo Mayerのツアーも中止になってしまったのですが、今年の6/25に再びツアーで月見ル君想フに来ることになりました。これはやはり当時を思い出しますし、発表時には、昨年来場予定だったお客様から熱い喜びのメッセージをいただけて、私たちスタッフにとっても非常に嬉しい出来事です。
これからもスタッフ一同、心躍る場所を提供していけたらと思います。
月見ル君想フではイベント、出演希望、随時受付しております。会場を生かした演出、パフォーマンスを最高の音環境でサポートいたします。あっと驚くような創造力をお待ちしております。
外苑前から5分、表参道から10分、月があります。