前回にも書きましたが、震災から半年。これが「もう」なのか「まだ」なのかは人それぞれの感覚でしょうが、僕の感覚は「もう」半年だが「まだ」事態の改善は進んでいないといった感想。そんな状況下でも東北や北関東の沿岸部では徐々に被災された方々の日々の営みを伝えるニュースが増えてきて、それを見るたびに感情が揺さぶられる。心が暖かくなったり、震撼したり、呆然としたり、ね。きっとこの感情の機微はもうしばらく続くことでしょう。
半年を迎えたその日、その時間、僕は部屋の片付けをする手を休めて改めてこの半年のことを考えてみた。つくづく思うことは、人間なんてちっぽけだなあ、ということ。巨大な自然災害の前にはこれまで培ったノウハウなんて吹っ飛ぶんだな。これまで前例が無い、想定外、なんて言葉を震災直後によく聞いたけれど、人知なんてちっぽけなんだから想定外なんて当たり前。そしてちっぽけだからきっと今後も同じようなことを繰り返す。多くの知識人や技術者が必死になって考えて行動して、でもこれなんだ。いや、もちろんだから諦めろということじゃなくて、今まで想定しなかったことまで想定しなきゃダメなんだろうよ、といいたいわけだけども。今回起こった様々な事例の中には想定外とは到底言えない、単なる手抜き、というものも多いよね。そこはみんな忘れずキッチリと総括しないとね。ちっぽけな人間の中でズルして騙してのうのうと過ごすやつもいる。まあそんな人はちっぽけを通り越して「チンケ」なやつなんだけどね。
老いも若きも、男も女も、様々な職業の人たちみんなちっぽけなんだなあ。もちろん僕もちっぽけな人間です。でもさ、そんなちっぽけな人間同士が寄り集まって生きてきたし、これからも生きていくんだからね、様々な意見はあるだろうけどせめて最低限の相手を尊重する気遣いを持ちたいものだなあ、と思ったりもしています。原発事故に由来する放射性物質の問題でそれを痛感する。原発を残すも無くすも様々な意見があって喧々諤々の議論が起こって全く構わないと思うんだけど、それぞれの意見の中にはあまりに被災者である福島の人々に対して失礼な言動が混じっていて辟易することが多いね。個人的にはもはや原発の無い生活の模索を今後していくべきだとは思うんだけど(その前に除染作業だが)、同じ意見の人の中にもあまりに強行で承服できない言動をしている人が見受けられてがっかりしたり怒りを覚えたりするね。言動で聞く耳が持てなくなったりして。そんな人はきっと、言ってることが正しくても人間的にはダメな人なんでしょう。稚拙な表現しか思い浮かばないのでしょう。もう被災した人たちの姿が思い浮かばなくなっている人なんでしょう。でも同じちっぽけな人間同士なんだもの、目くじら立てずに温かい目で見てあげようっと、とか考えるようにしております。
僕には福島に住む友達がいて、彼や彼女は伝えられない情報や流されてくる真偽不明の情報に不安になりながら日々現地で生活をしております。最も大きな不安はもちろん放射性物質のこと。よくネット上で「逃げろ」、という意見を見たりしますが、長い間住みなれた一軒家、仕事も現地、そんな生活環境を続けてきた彼らに対し、逃げることに越したことは無い、とは思いますがそれを僕は強行に勧めることは出来ない。離れることができる人は離れたほうがいい、小さい子供のいる家庭は避難も考慮にいれて、ということが精一杯だった。友達なら強硬に言ってあげろよ! という意見もわかるのですが、それが言える人は自分の生活が自由度の高い環境にある人でしょう。もしくは被災地からずっと離れた場所に住んでいる人か。終の棲家、という感覚がわからない人にはなかなかこのジレンマはわからないかもしれない。こんな時にも僕は自分がちっぽけだな、と思ったりするのです。今はただただ早急に除染作業をお願いしたい。政争でグダグダしている場合では全く無いのだが。
さて、ここで話はガラリと変わります。突然ですがこの夏から僕はスポーツジムっつーところに通っておりまして。いや、本当にガラっと変わったな…、まあいいや、とにかくスポーツジムですよ。僕を知る人皆から、「絶対続かない」「無理ですって!」「やめとけ」とか言われたんですけどね、でも1ヶ月経った今も行ってます、スポーツジム。
自分で言うのも何なんですけど、僕ね、「運動が大嫌い!」なのです。特に走るのは大嫌い! だから自分でもスポーツジムなんてよく行くよ、と思っていたりして(笑)。数年前までなら「スポーツジムなんて敵だ!」とすら思っていましたからねえ。想像すらしてなかったなあ。でもねえ、今年自分に関わる様々なことが起こったわけですよ。初夏に初めて入院したりとか。入院は歯茎にまつわることだったんですけどね。初入院が歯茎の膿を除去する手術とは想像だにしなかった。口腔外科っていうところにも初めて行ったし。前歯の歯茎に左右膿溜が2つ同時に出来て、それを一度にとってしまおうという手術でした。入院2日。とか書くと、たいしたことねえじゃん! と言われそうだけどねえ。初めてなので不安なんですよね、やっぱり。「手術は1時間くらいで終わります」、とか先生に言われていたんだけど、実際は丸2時間かかったのであります。それだけ実際は梃子摺る手術だったんだなあ。切って削ってハンマーで叩いて、とまあ今思い出してもあれは一体なんだったのか!? と思う2時間だったなあ。しかもこれが痛い!! 途中で麻酔が切れて痛いのなんの! 自分がこれまで体験した痛みの確実にベスト3にランクインする痛さ。泣いたもんな、痛みで。どうでもいい話ですが、手術前に先生から「何かBGMでもかけましょうか?」と言われ、手術室では山下達郎のクリスマスイブのインスト・カヴァーがかかっていたので、このままでいいです、と言って手術が始まったんだけど、そのBGMが途中でCDエラーかなんかで飛びやがるの! 丁度痛みの絶頂あたりでチチッとか言いながら音楽が飛ぶので痛いやら音楽気になるやらで頭の中はグチャグチャでしたわ(笑)。術後も顔が下半分パンパンに腫れ上がって。この腫れと感染症が心配なので入院、だったわけでございますが、あの顔を見たらさもありなんという感じ。
まあそんな手術があったり、あとね、走ったら完全に息が上がってしまって動けなくなったり、献血したらある数値が完全にデブのそれだったり(笑)。そんな様々なことが一度にあって、これはダメだ! と。痩せたい! 健康になりたい! なんて思いまして。でもさっきも言ったとおり運動嫌いじゃないですか。普通に走るとかなら絶対続かないことは自分が一番わかってる! ならば何をしようか? と考えてまずはプールで水中歩行をしようかなあ、と考えたわけです。最初から飛ばしたらアカン、と皆から言われたんでね。いきなり走ったり筋トレとかしたら足と腰によくないよ! とも言われたので、負担をかけないプール歩行でのんびり。プールのある場所をいろいろ調べて意外とお安い場所を発見したので、思った時が行き時じゃ! とばかりにエイヤっと入会。以後現在に至る。
自分には全く縁がなかった場所なので、一体どんな人が来てるんだろうか、と思って恐る恐る行き出したけど、いろんな人が来てるんですなあ。人種も年齢も体格も様々。自分より太っている人も多くて安心した(笑)。心配してたプロテイン飲んで筋肉自慢しているような筋肉プロっぽい人も、いないわけじゃないけどそんなに目立たない。行ってるところが大きい街の気軽な感じの場所っていうのもよかったかも。週に数回行って、25メートルプールを40往復、計毎回2キロ延々プールを歩くんだけど、プール歩行の経験者ほとんどから「飽きるよ」と脅されてましたが、これが意外と楽しい。自分には合うのかもしれないね。まあただ歩くだけとはいうものの、歩き方がちゃんとあって、太ももを上げて大またで手を振ってっていうものなんだけど、これがコツをつかむまで難しくて。最初はあっちへ行ったりこっちへ行ったり本当にヘロヘロしておりました。水中なので判りづらいけれどかなり汗もかく。プールから上がると足が重い。数回行ったらようやく馴れてきてスイスイ歩けるようになったんだけど、そうすると心を無にできるのね。一人でナンも考えないでぼんやり歩くのって楽しい。汗をかいたらそのまま水に沈んだらいいし。で、運動が終わったらジャグジーですよ。さらに風呂。サウナとか入って身体を洗って終了。ああなんというセレブな(笑)。
なんか最近では当初の目的だった「痩せる」「健康」とかよりむしろストレス発散の機会になっております。いいもんです、スポーツジム(笑)。月6000円惜しくねえや! そのうちに機械を使ったジムでの運動とかもやってみたいとは思っているんだけど、まだしばらくはプールでいいや、という気分。4キロ痩せたしさ。まあ、そのうちピタっと止まるみたいだけど、そしたら考えよう。
まあそんなに大それたことではありませんが、歳をとってきて「生きる」ということをちょっぴり以前より考えるようになったかなあ、とも思う。最初に書いたことだけど、人間はちっぽけだけどね、ちっぽけな中でじたばたもしたいのですよ、やっぱり。