音楽メディア・フリーマガジン

CULTURES’ BackPacker vol.10「音楽稼業七変化〜大会指導編〜」

 前回ディレクション業についての紹介の中で、人と何かをやることにものすごく喜びややり甲斐を感じるタイプだということを書きましたが、今回はそれと似たようなところで、指導業について触れていきます。やはりこちらも、誰かと共に達成するという点では同じなのです。

 

 先月末、滋賀県で行われた津軽三味線・津軽民謡全国大会inびわ湖が開催され、出場する弟子たちの引率に行ってきました。

◆大会HP:https://npo-japan-traditional-art.com/?page_id=461

 そもそも津軽三味線の世界には地区大会というものが存在せず全国各地からその大会に出場するということで、誰もがいきなり”全国大会”に出場することになります。ただしプロアマ様々な方が出場するので、レベルや性別、年齢などで部門が区分されています。

 

 今回うちの門弟は、

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初級の部:初めて、あるいはまだ出場回数が少ない方におすすめの部門。年齢性別問わず、師事年数なども問いません。とにかく”大会”というものにあまり出たことがない人向けの部門になります。課題曲は津軽じょんから節曲弾き(または津軽五大民謡の中から得意なもの)で2分以内。

★野田涼平/準優勝(各地大会含む※以下同じ 出場2度目)、有賀大晃/入賞(初出場)

 

一般男子の部:高校生以上の男性なら誰でも出場できる部門。大会出場自体が初めての場合でも、初級の部を飛び級して出場も可能です。出場者はアマチュアからプロまでと経歴も幅広いです。課題曲は津軽じょんから節曲弾き(または津軽五大民謡の中から得意なもの)で2分30秒以内。

★榎本空也/第3位(出場5度目)、日吉泰佑/12位入賞(出場3度目、夏の名古屋全国大会初級部門で優勝)

 

津軽三味線甲子園:現在学生である方は年齢性別問わず誰でも出場できる部門。少年少女(=小中学生)の部や一般の部との併願も可能です。年齢による体格差などを均等にする狙いか、高年者はハンデ減点ありで審査スタートとなります。課題曲は津軽じょんから節曲弾き(または津軽五大民謡の中から得意なもの)で2分30秒以内。

 

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 このように様々な部門に出場するにあたって、全員もちろん優勝〜10位以内を狙っていきたいという気持ちは、あたしも弟子たちも同じ方向を向いているのですが、いくらスパルタとはいえ(笑)、短期間で改善していくにはなかなか難しい部分もあります。

 

 やはり弟子たちの多くは社会人であり学生であり、プロでない限り三味線に全ての時間を捧げることは難しいのです。だからこそ的確に苦手なポイントを押さえつつ、得意なところをより伸ばし、だらだらと丸々1曲を弾くばかりにならないように、効率重視で指導をしています。

 

 それは今の各位のレベルで、出場部門の中でより印象に残るためには満遍なく上手いのは大前提として、苦手を減らし自分らしさや得意な部分をより伸ばしていくことで、曲全体にメリハリを出していくのが素敵だと思うからです。

 

 それにどんな音楽ジャンルでもそうですが、やはり毎日同じ曲ばかりを一生懸命練習するだけでは飽きてしまうのは仕方のないことですよね。(あたしもそう…笑)

 

 うちではフル尺で稽古するのは1、2度だけにキメ撃ちして、このように指導しています。

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・苦手あるいは得意なセクションやフレーズは練習を何度も音を出して精度を上げていく

 

・課題曲以外の曲を弾いたり唄ったりして知識経験を増やし、自分の肥やしにしていくことで課題曲に昇華していく(津軽民謡以外ももちろんやります!)

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 これは謂わば、ファンクギターにおけるカッティングを反復練習して体にグルーヴを染み込ませてより精度、そして柔軟さを上げていくのと似ています。そして課題曲で沼にハマることなんてしょっちゅうですから、他の曲で楽しく肥やしをつけていくのは、あたしとしては最も大事なポイントとも思います。

 

 やはり優勝クラスの方の演奏を見ると、「あ、おそらく唄付けが得意なんだろうな。曲弾きだけの知識量ではないぞ」と、曲を聴いただけでその為人がよく見えるのです。今回優勝者を出せなかったのは、そこが大きいことを全員で反省しました。

 

 効率重視は体力面も考慮しています。

 メリハリがしっかり存在する丸々一曲を全力で心をこめて演奏練習するともなると、案の定体力を消耗してしまいます。肩の力を抜いてショートフレーズの反復練習をする方が長く三味線と向き合う時間が取れるとも思うのです。

 

 そうして門弟がライバル、そして自分自身との闘いで結果を出してきたのは、指導者としてとても誇らしいのです。

 

 どこかでお話ししたかもしれませんが、競技音楽とパフォーマンス音楽は全く異なります。今回は競技音楽です。されどもどちらも音楽なのです。

 

 弟子たちが自分らしく演奏するための指導でありディレクションは、よりかっこいい魅力的な音楽を作るのと同義です。これからもこのお仕事も心を込めて務め上げていくつもりです。

 

 弟子たちが勝つためには指導者もなんらかで勝ち続けて、弟子より先の世界を知り指導をする必要があると思います。なのであたしは、弟子の先導を常に走り続けるために自分自身と闘い続けているのです。

 

 大学2年で大会出場を引退し、プロ奏者として振り切ることにしました。それは先にも言った競技音楽とパフォーマンス音楽とを両立するのでは、津軽三味線の域を超えてミクストしていく自分らしい音楽づくりには合わないと思ったからです。とはいえ自己紹介していくのに胸を張れるだけの経歴は、師匠である宗家佐々木光儀の指導ありきです。

 

 弟子たちの未来や展望を広げていくためのキャリアを間違いなく掴むために、あたし自身も変わらず精進して、「光櫻会は優勝入賞常連!」という会としての実績も間違いないものにしていきたいのです。

 

 あたしたちの、それぞれの夢に向かって。

 

◆BIG NEWS◆

12月15日にデジタルニューリリース「strawberry chocolate night feat. MPC GIRL USAGI」

 

12月16〜17日シンガポールセントーサ島ジャズフェス「JAZZ BY THE COVE」CHiLi GiRL feat. MPC GIRL USAGI出演決定!日本からはソエジマトシキ&nahokimama、TokyoGrooveJyoshiも出演!

2023.12.10

Shinobu Kawashima著

 

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LIVE INFOMATION

・2023年12月8日〜12月11日 桜花浪漫堂主催/株式会社ブシロード協力「朗読劇 人間失格・紅」全公演生演奏劇伴

 

・2023年12月5日〜12月25日 新作歌舞伎 #流白浪燦星 津軽三味線収録/一部編曲

 

CHiLi GiRL pre. LOVE SPiCEシリーズ番外編

2024年1月13日(土)「川嶋志乃舞新春民謡コンサート」

10/9~10/10 先行予約受付  10/12~一般予約受付開始

https://clg-tokyo.bitfan.id/schedules/29846

 

 

 

 



CULTURES’ BackPacker vol.9「音楽稼業七変化〜ディレクション編〜」

 前回のプロローグに続いて、さらに細かく各稼業を紹介していきます。今回はディレクション業。三味線弾きとしての人生で全く伝統芸能に関係ない、なんなら三味線も現場に持っていかない、脳みそと明るさで支えていくお仕事です

 

 さてまずはどんな内容か。

・アーティストディレクション

・作品制作ディレクション

現在は主にこの二つです。

写真)よく一緒に制作をする友重悠(はるか)くん。編曲はもちろん、レコーディング、ミックス、マスタリングも素晴らしいハイスペックな頼りになる友人。ほんとうにほんとうにいつもありがとう!

 

 アーティストディレクションは、そのアーティストのやりたい音楽や活動を叶えるために指揮をとっていくお仕事。たとえば、過去に服部奈緒やBoobie Goonなどをディレクションしましたが、彼女たちがシンガーソングライターとして歩んでいくために必要な仲間を集めたり、相性の良いライブハウスを紹介したり、リリース作品の方向性を整えてスケジュールを決めて舵取りをし、そのリリースキャンペーン(イベント企画制作を含む)などを支えていきます。

 それっていわゆるプロデューサーってことじゃないの?と疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。プロデューサーとディレクターとは業務が異なります。

 

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プロデューサーはディレクターの上司といったポジションで、企画全ての責任を負う立場にあり、企画の立案やスケジュールなどを行います。 一方、ディレクターはプロデューサーの部下というポジションで、プロジェクトの詳細な管理やクライアントとの直接交渉、そして現場の総指揮を行うといった現場の責任者です。(出典:https://www.geekly.co.jp/column/cat-position/1906_023/)

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 なので、「こんなアーティストになりたい!こんな歌を歌いたい!」をそもそも立案している彼女たちはセルフプロデュースであり、そのために必要なことを揃えて進めていく舵取りをするのがディレクターの勤めということです。よく聞く”アイドルプロデューサー”というのは、アイドルたちの多くは「どんな歌でも衣装でも構わないから、とにかくアイドルになって舞台に上がりたい」という気持ちでオーディションに参加し、プロデューサーの思い描くアイドルコンセプトの元で活動していきます。あたしが面倒を見ているアーティストの多くは、歌やステージパフォーマンス像、衣装やキャラクター性など、自分らしく活動したい子達が多いです。しかし、本人自身でも分からないことがあります。そこで、客観意見でその子の魅力を引き出し、さらにフィットするものを提案しながら、スケジュールを組んで足を止めないように扇動していくのです。

 

◆服部奈緒「部屋着はグレー」ほか

M1,2作曲、M2編曲、トータルディレクション

https://music.apple.com/jp/album/%E9%83%A8%E5%B1%8B%E7%9D%80%E3%81%AF%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%BC-single/1599013959

 

◆Boobie Goon「Many Men, Many Minds」

M1編曲、M2共作曲、編曲、トータルディレクション

https://music.apple.com/jp/album/many-men-many-minds-single/1708864008

◆Cheek Eee「Doragonista」

リリースまでのトータルディレクション

https://music.apple.com/jp/album/doragonista-single/1700373438

◆M78「M78」

M1,2 共作曲、トータルディレクション

https://music.apple.com/jp/album/m78-single/1609030307

もちろんこれは長期的なものもあれば、1年ディレクションをしてみて巣立っていくもの、1作品だけのものもあります。

 

 1作品だけの場合は、例の二つ目に挙げた作品制作ディレクションのケース。この場合、あたしが関わるのは作曲や作詞で携わっている延長線上でディレクションする運びがほとんどです。歌入れ、コーラスワークのアドバイス、より深みのある作品にするために必要な音素材を引き出すために、レコーディングスタジオやエンジニアを紹介するところからディレクションしていくことが多いです。その紹介までするのは、心許せる慣れたエンジニアとの制作によって現場を和ませ、少ない言葉でスムーズに進行する連携が取れるのもメリットだからですね。こちら側の意図を汲んでくれ易いので相談も持ち掛け易いですし、チャレンジングなレコーディングにも積極的にトライしてくれることもあります。

写真)友重くんのほか、お世話になっている二大信頼エンジニアの三軒茶屋クロスロードスタジオ井上勇司さん。CHiLi GiRLのRecはもちろん、いろんな作品でよくお願いしている父のようなひと!と、母のような奥様♡(ママと呼んでいます)

 

◆和楽器プロジェクト「千響万来」

サウンドディレクション、レコーディングディレクション

https://youtu.be/u9bdozQ3XZU?si=zCl_7TLM6VKYWMRD

 

ーーーではなぜディレクション業をするようになったのか。

 

各回できっかけは様々ありましたが、先ほども言ったように作詞作曲、時に編曲で提供する機会があって、そこの延長線で携わらせていただくのが多かったです。それは三味線は関係なく、作家としての川嶋志乃舞/Shinobu Kawashimaを求めてくれた皆さんのお陰でもあります。しかしそもそも三味線に関係ないジャンルに踏み込めるようになった大元を振り返ってみると、伝統的ではない作品を自分自身が作り続けていたことに限ります。そこで気に入ってくださったから音楽的信頼感が芽生えてのことだと思います。

 

 さらに振り返ってみると、CLG BANDでも一緒にやってくれているような頼もしい仲間たちがそばにたくさんいることや、その仲間たちともっと何かを作りたいと思う気持ち、そして作っていく音楽に誰が最もマッチするかをセレクトしていく”愛とドライさ”が自分の中にあるからでしょう。その人に何が必要で、誰が最もその完成を祝ってくれるまで関わってくれるのか、我ながらその分析も得意だと自負しています。

 

 それにあたしは、自分が指揮をとって良い作品づくりを導くことも、その結果人がたくさん関わって完成をみんなで喜び合えることも大好きだから。これが間違いなく一番のきっかけかもしれません。

 

 CHiLi GiRLはそれらの集大成みたいなもので、セルフプロデュース&ディレクションはあたしがやっていますが、自分の音楽でみんなと笑い合いたいしメラメラ燃えたいという気持ちでメキメキと成長しています。

 

 これを読んでくれているCHiLi KiDSのみんなはもちろんですが、演奏家や作家だけではなくディレクターにもチャレンジしてみたい皆さんへ。自分の可能性を信じて、相手にその可能性を持ちかけてみるのが第一歩です。待つより動く。楽しい、美しい、素晴らしい音楽や才能ある人のそばにいたいと思うのは当たり前のことで、服部奈緒もBoobie Goonもあたしから「一緒にやろう」と声をかけました。

 

 自分の実績のスタートは自分自身なのです。

 

2023.11.10

Shinobu Kawashima著

 

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LIVE INFOMATION

・2023年12月3日(日)日立シビックセンター主催「CIVIC CROSSOVER LIVE」※バンド出演

 

 

・CHiLi GiRL pre. LOVE SPiCEシリーズ番外編

2024年1月13日(土)「川嶋志乃舞新春民謡コンサート」

10/9~10/10 先行予約受付  10/12~一般予約受付開始

https://clg-tokyo.bitfan.id/schedules/29846

 

 

 

 

 

CULTURES’ BackPacker vol.8「音楽稼業七変化〜プロローグ・稼業分類紹介〜」

 三味線を持っている日、持っていない日。着物を着る日、キツネをかぶって好きな服を着る日。表に出る日、裏でせっせと準備をする日、誰かの手助けをする日。伝統を紡ぐ日、未来を創る日、誰かを彩る日。あたしの生業である音楽稼業は日々、人よりも様々な形に変化(へんげ)しています。それ故にこの頃は、CHiLi GiRLを演りながら毎日いろんなことをしているけど詳しくは何をしているの?と聞かれることが多いので、改めて自分でも振り返ってみようと思います。

 前置きとして、あたしが責任を持ってやる仕事のルールである

・出来るもの/見極められるものならなんでもやりたい

・アーティストブランドを守るために名義を分ける必要性がある

を貫いています。今回はやっている音楽稼業の区分だけの紹介ですが、一つ一つこだわりや信念を持って取り組んでいることは間違い無いので、詳しくは折を見てシリーズで紹介していこうと考えています。

 

◆伝統芸能家/津軽三味線演奏家の川嶋志乃舞として

・津軽三味線の演奏(主に民謡演奏および伴奏、川嶋志乃舞作品の演奏)

・アーティスト活動(~2020年にCHiLi GiRLへポップス制作の主軸を移行。)

・佐々木光儀流師範佐々木光櫻として光櫻会への育成指導(2015年〜。全国コンクール入賞者多数輩出)

・レコーディング参加

・制作ディレクションや和楽器監修(和楽器をよくわからないけど楽曲に入れてみたい製作陣に対して、楽曲の方向性を考慮しながらその楽器の出来ることや魅力的に映えるようにアシスト/ディレクションを行うなど。それに伴うメンバー選定。)

詳しくは川嶋志乃舞HP▶︎https://shinobu-shamisen.bitfan.id

 

◆CHiLi GiRLとして

・アーティスト活動(音源制作、ライブ活動など)

・feat.参加

・制作ディレクション(三味線に関係なくポップスシーンを軸とするものに限定)

・コラム執筆(当コラム)

 

feat.作品参考▶︎Beautiful in Tokyo - Toshiki Soejima & Shinobu Kawashima (Guitar × Shamisen)(kimama session)

https://youtu.be/rH58m2BJIpQ?si=oxVt1JXjlhBN4QZc

 

ディレクション作品参考▶︎Boobie Goon 1st single「Many Men, Many Minds」

https://boobie-goon.lnk.to/Many-Men-Many-Minds

アーティストディレクション、編曲、一部作曲などに携わっています。

◆総じて”川嶋志乃舞”として

・大学での特別講義やワークショップ(東京藝術大学、静岡文芸大学、名城大学ほか)

・楽曲提供

・楽器開発サポート(Ainoco撥)

・水戸市みとの魅力宣伝部長(2015年〜)

・笠間市笠間特別観光大使(2016年〜)

 …と、自分で見ても色々手広くやってるなあと思います。笑 が、CHiLi GiRLを始める前はこれを全部川嶋志乃舞名義で行っていたため、よりごちゃごちゃしていたのです。同じ名義でアーティスト活動も、三味線教室の会主も、楽曲提供やディレクションもやっていると、しかもそれらが多岐に渡ると、たとえ一つ一つは質の良いとしてもボヤけて見えてしまうことは気づいていました。その頃、自分はアーティストのはずなのに”色々頑張っている優秀な女の子”だったし、それを地元が大きく応援してくれていたので、音楽家というよりスポーツ選手のようだなと自分を俯瞰していました。プロフェッショナルは自分の存在の輪郭がぼやけずくっきりしていないとならないようです。

 

 それに、地元や伝統芸能界、ましては日本を背負ってるような気さえしてきて、自分らしい音楽が書けなくなってきてしまったのです。期待に応え続けて結果を出していく、そう、いよいよスポーツ選手から抜け出せなくなってしまったのです。結果を残して次の期待を背負うのは、職業作家ならそれでも良かったかもしれないし、自分の表現したいものが”誰かに求められるものを作ること”であればそれでも良かったかもしれません。でもあたしには、好きな音楽だけじゃなく、自分に似合うものを知り、その先にあるまだ身に纏ったことのないそれを着こなしてみせると意気込むほどのこだわりがたくさんあったので、お利口にしてられなかったのです。

 

 時期の相性が幸か不幸か、2020年にCHiLi GiRLを発足して再スタートを切ったことはあたしにとって大正解でした。不謹慎と承知で、幸でした。正直、人生のほとんどの時間を津軽三味線に捧げてきたあたしにとって、期待に応え続けてきた自分に”もう好きにしていいんだよ”と赦してあげるような、ある種リハビリのような、心のリフレッシュ期間は必ず必要だったからです。

 

 名義を分けたことでより好きで得意な活動に恵まれたと感じています。萬屋はこの世に必要だけど、自分は萬屋でありながらブランドを全く変えることでバランスを取りやすくなりました。その分HPやSNSの更新も全く内容が分かれるので、まさに二足の草鞋ではありますが、マルチタスクが心地よい自分の性格にとっては、このくらい毎日、毎時間、変化していくのが楽しいし、スッキリ取り組めます。「そんなにやって大変じゃないの?」と労っていただくことも多いのですが、逆に一つの仕事を長時間やるのは他のことが気になって気が散ってしまう性分なので、むしろこのくらいぐるぐるしてたいのです。

 

 幸いにも、走り回ってあれこれ仕事はしていません。笑顔を忘れない程度にはセーブしています。

 

 今回はまず、自己紹介として経緯を踏まえてまとめてみましたが、三味線奏者なのにどうやって他の音楽での信頼を得られるようになったかや、三味線要らずで仕事をするようになったきっかけ、詳しい稼業内容をご紹介していくつもりです。皆さんからの質問もお待ちしています。

 

 ご質問は下記メールまたはファンクラブ会員が使えるグループチャットなどから受け付けます!

▶︎chiligirl.house@gmail.com

▶︎https://clg-tokyo.bitfan.id/contents/73744

 

 ところで、ダイエットでよく「20:00以降は食べないこと。夜22:00までには就寝しないとお肌は生まれ変わらない。」などの世の中の定番的規則に準ずるダイエット法ばかりが取り上げられて、自分は付き合いが多く食事に出かけるし、就寝時間もまちまちな自分は一体どうやったら痩せられるんだと悩み続けていたことがあります。

 おそらくこれは誰しもが自分にあったダイエットメニューを日々探しているものだと思いますが、自分の生活リズムや体のこと、しいては得意なこと、性格のこと、自分に合った環境を理解して選択するのには人一倍かかったからこそ、輝けるものを手に入れていけるのだと信じています。仕事も同じかもしれません。

 

 知識は血となり肉となり、人を結び愛となる。

 

 次回以降の記事のヒントとして、三味線要らずで音楽を生業にできている最大の武器が「好奇心」であることは、先にお伝えしたいと思います。

 

★昨日10/9で29歳になりました!今後ともよろしくご愛顧下さいませ。

 

2023.10.10

執筆:Shinobu Kawashima

 

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LIVE INFOMATION

・CHiLi GiRL pre. LOVE SPiCEシリーズ番外編

2024年1月13日(土)「川嶋志乃舞新春民謡コンサート」

10/9~10/10 先行予約受付  10/12~一般予約受付開始

https://clg-tokyo.bitfan.id/schedules/29846



CULTURES’ BackPacker vol.7「歌は感情なのです。」

歌手ってなんだろう、と考えます。

あたしは三味線奏者である人生が圧倒的に長い、というか人生のほとんどを三味線や民謡と共に過ごしていて、そこでの賞賛や葛藤があって評価を頂くことが多かったためか、歌手として褒められることが未だに、ちっとも慣れません。慣れないけれど、いろんなところで確かに、自分はもう立派に歌手の一人として思って頂いていることを噛み締めて演奏しています。

自分自身の感覚はともかく、良い歌かそうでない歌かは、自分が声を吹き込んだ曲であろうと他人の曲であろうと分かるし、なぜ素晴らしいのか、なぜメロディが良いのに心に刺さらないのか、ジャンルを問わずに概ね自分の中に答えがあります。

 

歌は感情なのです。楽器とは違う感情表現機関。楽器を扱うからこそ分かるところがあります。楽器は、歌では伝わりにくい音のニュアンス、たとえばハーモニーやアタック感、伸び感や華やかさをそれぞれの楽器の特性を活かして奏でることはもちろん、声ではない音の成分を奏でて雰囲気や土地柄、歴史背景までも伝えることが出来るのです。耳で聴いているだけなのに、瞼の奥には景色が広がり、フィルムやセピアになったり、ピンクが強くなったりもするのです。とても面白くて、表現は世界中にある、まだ知らないものもたくさん。

 

だけど歌にしか出来ないこともあります。楽器で背景や情景は伝えられたとしても、直接的に"言葉"を訴えかけることができません。歌は感情そのもので、歌手はストーリーテラーであり、役者なのです。演じるのは架空の誰かでもいいし、自分自身でもいい。それは自由そのものなのですが、楽器がそれを訴えかけられない時があったり、聴き手に委ねることしか出来ない生々しい部分であったり、ロマンを具体的でも抽象的でも表現できる。それは、歌だからこその魅力だと思います。

 

楽器はその時の自分の年齢や感情、テンションによっても演じる役は変わります。仲間が違えば、また変わるのです。

 

歌はその時の自分の年齢や感情が在ったとしても、ある時にタイムワープしたり、特定の誰かになったり、それこそ過去の自分に戻れたり、そんな時間の旅を出来たりもする。変身だって出来るのです。

 

さて、ここのところ歌の上手い人が増えてきた理由の一つとして、ピッチ修正精度が上がってお手本となる楽曲の完成度が上がり、一般リスナーはそれを真似ようとするので、必然的に歌唱力の高い人が増えてきたと考えます。

 

もちろん過去の名曲が完成度が低いわけでは決してありません。ただ、過去の曲はより人間らしい状態で歌が遺されているので、歌手の人間像や生まれ持った声質の細かなところまではコピーできない、というのが現実でしょう。

 

仲間がこんなことを言っていました。

ーーー

篠原涼子の「愛しさと せつなさと 心強さと」が去年末にリニューアルリリースされて、確かに歌唱力も良くなっただろうけど、オリジナルには、ピッチの当たらないところにグッと来ていた人も多かったはず。

ーーー

それを聴いてなるほどなと感心する他ありませんでした。聴き直してみましたが、確かに良くなっています。ただあたしはこの曲に強い思い入れが無かったため、そんな風に思う余地もなく、この曲を好きだった人は若き篠原涼子に恋焦がれていたからこその感情だと思います。

 

歌は感情なのです。感情が見えず、ただ高得点や良いレコーディング録れ高を狙う人も多い。とはいえ、感情を込めているつもりでも技術に偏った努力をしてしまうと、本質が埋もれてしまうのではないでしょうか。ただし、得点がついてこその競技は存在し、競い合った事で生まれるキャリアもあり、それで仕事を獲得している仲間が何人もいます。

 

たとえばそれを思い切り楽しむには、歌い手の後ろに得点が変動するのが見てわかるパネルや、審査員の表情が分かるワイプで映し出されたらフル尺分を聴くのに退屈しませんし、むしろ盛り上がります。パーティーの余興でソロプレーで歌った時、感情が動かないものを1コーラスも聴けば、たとえば残り約3分、何を期待して何を楽しめば良いか分からなくなる。これが感情が動かないものの欠点です。

 

得点化される音楽とフィギュアスケートのショートプログラムは似て非なるもの、といつも考えています。

 

フィギュアスケートはあくまでスポーツの側面が大きく、テレビではアイスショーよりも試合の方を観る機会が多いのではないでしょうか。観る機会が増えればその試合のファンも増え、国民的認知度も上がる。そうすると、どんなものが難しい技で、それを成功させるにはきっと血の滲む努力をしているはずだと想像し、成功する瞬間を見逃すわけにはいかない、と多くの人は感情が動かされていきます。

 

歌唱の得点は、原曲が分からなければどこで難しいポイントがやってくるかも分からないし、難しいと感じる部分は人それぞれかもしれません。どのくらい練習したのかよりも、天性の才能に期待をするひとが多いはずです。それはあくまでオリジナルではなく、誰かが既に感情でもってヒットを出してきた歌のおけるメロディラインを、電子的に得点化きれる小技を随所に置きながら、変に感情を出してミス減点されるよりも、練習通りに"まっすぐに"歌い上げるから。

 

それら競技歌唱と、パフォーマンス歌唱の違いを区分しないと本当の良い歌を届けることはできないと思うのです。

 

あたしは三味線弾きとして、得点や技術の世界に長らくいました。自分のキャリアが上がれば上がるほど、違う畑の高得点技術者に出会う事も増えます。

 

テレビで放映されるカラオケ選手権で優勝した子は、感情の源に気がついた頃には、オリジナルを出すよりも"誰に似てる"ということでモノマネ歌手として価値を見出され、そのプロの道を歩んでいくことになりました。

 

「歌うま」だとあたし自身が言葉をかけられたら、悔しくなる気がします。「君の歌が好きだ」。これがいちばんの褒め言葉です。

そんなあたしは時々、スーパーアイドル松浦亜弥のミュージックビデオやライブ映像を見て、画面越しながら心を震わせています。

 

2023.9.10掲載

執筆:Shinobu Kawashima

 

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PICK UP LIVE INFORMATION

9月27日(水)下北沢rpm CHiLi GiRL pre. ジャムセッション

10月9日(月祝)CHiLi GiRL&川嶋志乃舞 mixed one-man show「LOVE SPiCE BIRTHDAY」

 

YouTube INFORMATION

7月22日開催CHiLi GiRL&川嶋志乃舞 mixed one-man show「LOVE SPiCE HARVOR」上演曲を続々フルムービー公開中!チャンネル登録お願いします。約12本アップ予定。

CHiLi GiRL - サマーロマンス計画 Summer Romance Plan 【LIVE MOVIE】

川嶋志乃舞(CHiLi GiRL) - 花千鳥 Hana-Chidori【LIVE MOVIE】

 

CULTURES’ BackPacker vol.6「CHiLi GiRL×宮野弦士対談〜川嶋志乃舞時代から知る親友同士のサマーロマンス計画制作秘話〜」

 あたしには二つの顔があります。川嶋志乃舞とCHiLi GiRL、それぞれあたしのアイデンティティを保つのに必要不可欠な顔であり、そして表現の場です。元々は川嶋志乃舞として 2014年「紅梅センセーション」をきっかけにアーティストデビューし、ポップスの表現の場を2020年にCHiLi GiRLに切り替えました。

 

 川嶋志乃舞時代にほとんどの編曲をお願いしていたのが、若き才溢れる作編曲家・宮野弦士くん。そして2019年に最後のアルバム「SUKEROKU GIRL」をリリースしてから約4年ぶりに編曲をお願いしたのが最新シングル「サマーロマンス計画」です。

2023.7.19リリース。アートワークは亀井桃ちゃん。

リンク:https://clg-tokyo.bitfan.id/contents/109279

 

 今月は、そんな思い入れある作品について対談を特集しているCHiLi GiRL公式ファンブック「What's LOVE SPiCE?2023.summer」の中から一部、ご紹介いたします。

 

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◆最新シングル「サマーロマンス計画」について、作曲家目線と編曲家目線でそれぞれこの曲どんな曲でしょう?

 

S:サマーロマンス計画はこの夏に向けて、ハウスとかサンバとか、何かちょっとトロピカルな風が吹く曲を作ろう!ってことをきっかけに、作曲自体は春前から長らく 準備してた曲です!詞先だった川嶋志乃舞曲と違って CHiLi GiRL曲は、”これをみんなでやりたいからそこに合う歌詞をつけよう”ってい曲先制作になってるものもあるんですよ。だから夏らしく、元気で、みんなで楽しく、っていう三拍子揃った曲を作りました。ただ、それだけ!

 

ーーーコンセプトや曲のイメージが先とはいえ、歌詞もすごく印象的だよね!

 

S:後発とはいえ、相変わらずこだわってます!自分がふんふん口ずさんだり、みんなが飲み会とかで何となく口ずさめるようなパワーのあるワードがいいなと思ったら、「サマーローマンス!計画!」になっていました。

 

ーーー曲の背景や主人公のキャライメージみたいなのはある?

 

S:等身大アラサーの自分にとって、何がロマンスだろう、逆にティーンエイジャーなウキウキ感になりすぎないで済むには?など考えて、スパイシーでチャーミングな要素を残しながら整えていきました。

 ーーー宮野くんはどうでした?

 

宮:元のライブのイメージとかもあるから、こんなにがっつりクラブっぽくなると想像してなかったし、むしろいいのかな?って当初は思ってたんですけど、とはいえ生演奏想定を無理にしない方がいいだろうなとも思いましたね。ライブとか関係なく編曲をやってみてもいいかなと。

 

ーーーdemoを聴いて編曲イメージはすぐに湧いてきましたか?

 

宮:そうですね、もうなんか頭ん中でBirdなどリファレンスはいくつかすぐ出てきて。単純に俺がハウスめっちゃ好きだからってのもあるんですけど。あとはインコグニートなどのACIDJazzっぽさも。今までちょうどやってなかったラインかなって思いました。

ーーーイントロが印象的ですが、それには何かリファレンスがありましたか?

 

宮:いや、特に何か意識してしてたわけじゃないですね。イントロアイデアは、demoの段階からすげえ不安だってことを電話で川嶋が言っていて、

 

S:なんか、なんか長いしぬるいしどうしよう~~って相談はしてました…

 

宮:だったらもうアカペラから始まったら!ってことで提案しました。ラテン系音楽の中ではこんな始まり方も珍しくないにしろ、冒頭で楽器の抜くのってもしかしたら今は斬新かもね、と。

 

S:だからこの曲に関しては方向性だけ決まってて、本当に自由にあれこれ試しながら作れたので、ちょっと難しいパートも、メンバーもお客さんも多分燃える楽しさが備わった曲になったんじゃないかなと思います。

 

ーーー生で聴くのが楽しみな一曲ですね!

 

◆約6年の川嶋志乃舞による伝統芸能ポップの制作が一旦終わって、新生CHiLi GiRLができましたが、宮野くんは CHiLi GiRLをどんなアーティストだと思いますか?

S:おお、聞きたーい

 

宮:そうだねえ、より”歌の人”になったと思いますね。

 

S:おおお!嬉

 

宮:本人もすげえ言うんですよ、「あたし歌うまくなったかなあ」みたいな。笑 歌声は本質的に芯も抜け感もあるし。あとはいわゆる、キャッチコピーみたいなものを自分でブランディングとしてプロモーションしていくムーブは元々彼女に備わってるセンスもあるんだけど、自分で決めずとも後からそういう肩書きやキャッチコピーがついてきそうだなっていうというか、そういう自由さやオープンマインドさもありますね、今の CHiLi GiRLには。

 

S:(沁みてる)

 

 宮:全然作り込まなくていいと思う。とはいえ伝統芸能ポップっていうのは、そういう意味では必要なワードだったと思うんだけど、自由になった結果、更に奥行きが出てたんじゃないかな。それに今は自分で、「 CHiLi GiRLってこういうものなんです~」言って回らなくても見ればすぐに魅力がわかる。

 

ーーーちなみに、 CHiLi GiRL曲だと宮野くんはどれが好きですか?

 

宮:あ~~、そうだなあ。でもやっぱ俺は分かりやすいものが好きだから「Make You, Make Me」ですかね!

S:そう言ってくれると思った。いい曲だよね!

 

ーーーこれには三味線が入ってないよね?

 

S:そう!でも三味線が無くても、みんなが良い!って言ってくれた曲。だし、メディアとかの反応も著しくて、”あたしちゃんとアーティストになった!三味線弾きのついでじゃなくてちゃんと CHiLi GiRLになれた~!”って思えた曲。だけど、三味線弾きなんです実は~、っていうとみんな三味線を聴きたそうにしてくれるから、この曲以降はだんだんScrolling GirlもOne Qも、今回のサマロマも、三味線はちょこちょこ入れるようにはしてるかな。ライブもあくまでライブだから、最近Scrolling Girlは三味線を置いて、エッセンスとしてマニピュレーションから三味線の音素材が流れるようにしてます!ハンドマイクパフォーマンスもそのおかげで幅も出てきたし、Bedroom Meeting やMake Youは良いきっかけだったのかも。

 

宮:あとねー、mogittaが好きだなあ。あれをライブで見た時に俺すげえべた褒めした気がする。

 

S:「お前マジですげえ!」って楽屋に乗り込んできたもんね!笑

宮:ライブで聞いてる印象もあるからさ、音源も良いけど油布くんのドラムの感じとかでよりグルーヴィーなノリになるじゃん。ライブ感があるのも良かったんだよな。

 

S:mogittaこそね、何にも考えないで作ってみた曲ナンバーワンかも。自分の思い出の一部をヒントに題材が出てきたけどそのほかには、チューリップに陽が射したらいいなと思って、ジャズスタンダード「SUNNY」のコード入れてみたりとかしてみたけど、とにかく何も考えないで作ってみた。それもあってこの曲が実はメンバーと一緒にやるのが一番楽しい曲かもしれない。

 

ーーーシンプルな曲だからこそメンバーの個性も出てくる曲?

 

S:出ますね!たとえばギターだとピッキングの個性とか。おファン(小林ファンキ風格)は当初テーマフレーズをほとんどダウンで弾いてたけど、作曲も一緒にいてくれたカワコウはアップやゴーストを味わい持って混ぜていたり。それをギタリスト同士で話してる姿を見るのもなんだか嬉しかったり。同じ曲を同じスタジオ内で、同じ楽器の人が話すってあんまり無いんですよね。スタジオじゃなくても、飲み会で、同じ曲を経験したドラマーやベース同士がそういうので和気藹々としてたり、CHiLi GiRL現場はそういう意味ではかなりアカデミックだしハッピー。

 

宮:確かに。一つの曲をいろんな人が演奏してるのって面白くて、例えばそれこそBank Bandとか。年によっては山木秀夫さんだったり、河村“カースケ”智康さんだったり、原曲は佐野康夫さんなんだけどこのときは…とか、そういうのって結構面白いし。

 

S:だからそれこそね、民謡的なのかも。津軽じょんがら節って一口に言っても全然違くて、”この人のじょんがら節が好き”とか、

 

宮:ジャズスタンダードもそうだし落語もそうだよね、”この人の芝浜は~”とか

 

S:そうそう!だからこの人じゃなきゃこのバンドじゃない!っていうことはないのよね、 CHiLi GiRLは。逆にそういう伝統芸能に触れてきてたからこそ、同じ曲をみんなが練習して、”俺の芝浜”みたいに、”俺のmogitta”っていうのができるのは、うちの魅力かも知れないなって思いました、今。

 

宮:メンバーの組み合わせ違いで同じ曲何回でも録っても良いかもね笑 RECを4、5回やってさ。

 

S:いいねwおそらくメンバーによってあたしの歌のフェイクとか三味線フレーズも変わってくる。 

 

宮:コストカットでせーのの一発録りでも良いしね笑

 

S:あれ、その時は何で参加する???

 

宮:別に何でもいいけど、ギターかキーボードか。でもベース弾きたいな!そういや俺、川嶋サポートでベースだった時あるんすよ!笑 

 

ーーーえええ!

 

S:ほんと、サポートをお願いし出した2016、7年あたりまでずっとベースだったよね笑 良いベーシストが見つからなくて、「悪いんだけどベース弾いて」って言って、半年か1年ぐらいお願いしていて。

 

宮:別に俺、本職ベーシストでもないしベースでライブしたことなかったのになぜかベースで呼ばれるっていうw

 

S:そのあとしばらくしてはるくんと出逢って、宮野はギターに戻りました笑

 

宮:ちなみにさ、俺さ、サマーロマンスですげえいいベース弾いてるよね!?

 

S:弾いてる弾いてる!笑

 

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ファンブックvol.3は、川嶋志乃舞〜CHiLi GiRLまでのリリース作品+限定発表曲の全曲レビューに加えて、「サマーロマンス計画」編曲を担当したShinobuの親友でもある宮野弦士氏をお迎えしての大ボリューム特集!趣味が高じてクオリティが本格的になっていくShinobu総編集の渾身の一冊。

 

◆限定発表曲およびボイスコンテンツQRコード

・LUCKY IN THE HOUSE

・Bedroom Meeting(web store限定ver)

・うん、慣性。

他、宮野弦士氏との対談中の一部など。

 

◆なぜあの作品は生まれた?天国へ行った父とのエピソードや、東京芸大時代の葛藤の中で生まれた曲など、その時のShinobuの環境下も踏まえて本人が本気レビュー!ファン必見の1冊です。

 

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亀井桃ちゃんによるファンブックへのファンアート。嬉しい!

 

2023.8.10掲載

執筆:Shinobu Kawashima

 

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PICK UP LIVE INFORMATION

8月24日(木)CHiLi GiRL×オノマトペル 2man live「月に願いを」@青山月見ル君思フ

10月9日(月祝)CHiLi GiRL&川嶋志乃舞 mixed one-man show「LOVE SPiCE BIRTHDAY」

YouTube INFORMATION

7月22日開催CHiLi GiRL&川嶋志乃舞 mixed one-man show「LOVE SPiCE HARVOR」上演曲を続々フルムービー公開中!チャンネル登録お願いします。

CHiLi GiRL - サマーロマンス計画 Summer Romance Plan 【LIVE MOVIE】

川嶋志乃舞(CHiLi GiRL) - 花千鳥 Hana-Chidori【LIVE MOVIE】

 

CULTURES’ BackPacker vol.5「文化間バックパッカー紀行~民謡コンサート、大衆演劇編~」

文化間バックパッカーとしておすすめしたい、ぜひ読者の皆さんにも一緒に冒険していただきたいシーズンがやってきました。6月は芸事を始める時期であり、夏が始まった7月に突入してさらに拍車がかかる頃合いです。

 

さて、その中でもここ直近のうち、ライブハウス以外の2文化を紀行を写真と合わせてご紹介します。

 

◆民謡コンサート

▶︎6月18日石川きよ美コンサート@小田原三の丸ホール小ホール、神奈川県

 

役割:

例)一般的な総称→関係者内の呼称や略称

民謡歌手→歌い手

三味線演奏家→三味線弾き、地方(じかた)

舞踊家→踊り手、立ち方(たちかた)

囃子奏者(太鼓など)→鳴り物

 

主な会場:コンサート規模の場合、市民ホールや老舗の小屋。

 

衣装:女性は振袖や留袖。男性は紋付袴、必ず黒である必要はなし。演目によって軽装が相応しい場合は、黒上下インナーに柄羽織や作務衣などを重ねる。

楽屋まわり:コンサートホールだったため楽屋数多め。今回は女子部屋、男子部屋とで分かれていたが、階級別に分けられることもある。民謡の場合は、歌舞伎やミュージカルのように大役一人:一部屋というのはほとんどなく、会主級のお偉い先生でも一番弟子らを同室に居させたり、すぐに何かもてなせるようになのかゲストの先生と同室かなど、複数人で使うことが多い印象。マネージャーが必ずつく世界ではないからこそ、隅々の配慮を自分たちで企画しもてなす世界ならではだからかもしれない。

 

スタッフ:大道具、照明、音響など上演中に操作が困難な役割以外の企画や主催、進行や裏方については出演者で行うことが多い。そのため、弟子や若手がスタッフ兼任で動く。裏方業務を下積みしながら修行していく。

 

演奏曲目:民謡、津軽三味線の独奏や合奏、主催の民謡歌手が演歌デビューしている場合はオリジナル演歌

 

チケット料金:コンサート規模の場合、¥4000~5000

 

来場者ドレスコード:特になし

 

観覧の楽しみ方:演奏中に良いフレーズが来たら拍手で盛り上げる。程よい大向こうもあり!

 

◆大衆演劇

 ▶︎6月24日劇団心6周年記念月間および大川龍介生誕祭スペシャルコラボショー@羅い舞座堺東点、大阪府

 

役割:

例)役職名→主な役割

座長/座頭(ざがしら)→劇団の代表

若座長→副代表

 

主な会場:大衆演劇専用劇場や温泉センター

 

衣装:絢爛な衣装、カツラ、ドーランベースの舞台メイク。衣装はお客様や役者仲間からの贈り物であることが多い。舞踊ショーは毎日昼夜で上演されるため、たくさんあって困ることはないようだ。着物の見た目に反して、早着替えによる「変わるステージ」を続々進めるため、なるべく着替えやすい仕組みになっている。

楽屋まわり:劇団員全員同じ。役者に幼い子供がいる場合、ベビーフェンスを設置して配偶者や劇団員で面倒を見たりすることもある。小屋にもよるが、基本的には舞台脇に楽屋があり、素早い進行に支障のない導線が確保されている。

 

スタッフ:企画や主催、進行などは座長および役者が行うことが多い。進行補助や衣装替えには修行中の役者のほか、専門スタッフ、役者の家族や身内が行う。照明スタッフのみ舞台外で行うため別スタッフがいるが、音響や舞台セット転換などは手隙の出演役者が交代で行う。機材は照明、スモーク、音響全て劇団の持ち込み。

 

演奏曲目:芝居、舞踊ショー(変わるステージ)、グランドショー(中国雑伎、マジック、獅子舞、など大道具を使う場合や、三味線やダンス、和太鼓など、役者の特技を披露する場合もある。)※曲調は演歌、ポップス、流行歌など役者によるのでジャンルレス。

▶︎碧月心哉座長は日頃三味線ショーも演られており、コラボショー開催をきっかけに川嶋志乃舞に師事。バンド×舞踊ショーのほか、津軽三味線共演も上演した。

 

料金:1800円程度

 

来場者ドレスコード:特になし

 

観覧の楽しみ方:舞踊ショーでは、応援している役者の着物におひねりを挟んで応援。またおひねりを渡し易いように、煌びやかなコンコルドピンが会場受付に売っており、衣装や演目に差し支えることなく素早く渡せるようになっている。

ちなみに、大入り(満員御礼)ではない場合も例えば「大入り3つ」と座長が1日の終わりに報告をした場合、おひねり含めて客席満員分のチケット×3倍の売り上げがあったことを指す。常連さんは会場受付で「(大入りまで)あと何人?」と聞いて、自分で補える分だけチケットを買う人もいる。(※ただし、劇団や地方によって解釈が異なる場合もある)

 

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まだまだこれから、夏祭りやCHiLi GiRLのワンマンライブ、ジャムセッション、古民家カフェライブ、楽曲提供したアーティストの舞台へのご招待先での視点など、冒険の紀行をこれからもお楽しみに!

 

2023.7.10掲載

執筆:Shinobu Kawashima

 

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LIVE INFOMATION

7月12日(水)下北沢rpm「Summer Jam Session(川嶋ジャム)」

7月15日(土)北千住rojicoya「ろじこやライブ」12:00民謡ショー/15:00 CHiLi GiRL アコースティックデュオセット

7月20日(木)渋谷eggman「otobacco vol.3」w/一寸先闇バンド、ボタニカルな暮らし。

7月22日(土)CHiLi GiRL&川嶋志乃舞 mixed one-man show「LOVE SPiCE HARVOR」

※来場チケットSOLD OUT/配信チケット発売

7月23日(日)茨城県東海文化センター「佐々木光儀流おさらい会&スペシャルコンサート」(15:00以降CHiLi GiRL with 花柳貴伊那)

8月3日(木)新宿LOFT「LOFT RECCOMEND〜真夏の夜の音楽編〜」

8月6日(日)日立市おんもさ祭り※詳細は後日掲載

チケット詳細はこちら▷https://clg-tokyo.bitfan.id/schedules/menu/34068

 

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CULTURES’ BackPacker vol.4「One Q、和洋折衷、時代を超える恋心」

 【和洋折衷】。よく耳にする言葉ですが、日本と西洋との風習・様式を適当に取り混ぜること、という意味があるのだそうです。あたしが三味線や日本文化を取り入れてポップミュージックを制作していく中で、時折そのような感想を預かることもあります。しかし和洋折衷というのは、あくまでそれは日本文化が前にあった状態を指すのだとも思うのです。日本文化をベースに洋文化を取り入れる。は我が国の文化を大切にしたいというムーブが根底にあるからこそだからか、その様式美を完全にかき消すことなくバランスを保ちながら、新たなスタイルを確立して存在しています。そしてそれは視点を変えてみると、簡単に洋文化から完全に食ってかかられることのない強いパワーを持つ日本文化だからこそ完成するバランスであるとも言えます。

 

 CHiLi GiRLの音楽もとい川嶋志乃舞が持つ三味線の音の置き方は和洋折衷ではなく、あくまで洋文化から強く影響を受け、ろ過され昇華され生まれたジャパニーズ”渋谷系”が根底にある音楽プロジェクトなのですが、5/31にリリースした「One Q feat.倉品翔(GOOD BYE APRIL)」は、これまでの作品のバランス感から原点回帰し、改めて和洋折衷の作品となりました。

 

 歌舞伎でも愛される長唄「二人椀久(ににんわんきゅう)」を題材に制作した今作がなぜそうなったかといえば、実は和洋折衷を重んじつつポップミュージックを表現し続けていた2019年川嶋志乃舞時代の作品だからです。伝統芸能ポップアーティストを名乗る川嶋志乃舞は、何かしら日本に因んだ作品を作り続けていました。例えば長く愛していただいている「遊廓ディスコ」は長唄「吉原雀」を、「トリカブト」は狂言「附子(ぶす)」を、キツネ倶楽部は能楽「殺生石」さらに殺生石から派生して誕生した長唄「那須野」をそれぞれ題材にしています。これらは東京藝術大学に通っていた頃に勉強していた古典邦楽からヒントを得た作品で、そこに恋心や女の生き様を絡めてポップス表現をした曲。今作「One Q」も、CHiLi GiRLが生まれる以前の当時書き下ろしたものになります。

 

◆遊廓ディスコ/川嶋志乃舞

https://youtu.be/CYwql2EUQlk

 

◆トリカブト/川嶋志乃舞

https://music.apple.com/jp/album/%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%83%96%E3%83%88/1437481239?i=1437481392

 

◆キツネ倶楽部/川嶋志乃舞

https://youtu.be/JI10pB7LOTE

 

 さてその頃、あたしは和洋折衷とも長きにわたって闘っていたのも事実です。なぜなら純粋にポップミュージックをしたいのに、日本文化というものはパワーが強すぎるし、さらにはそこに三味線を持って舞台へ出てこようものなら”和”が前に出て当然なのですから。

 

ーーー三味線を持たなくても、日本文化を背負わなくても、あたしはあたしの歌いたいものを歌いたい。

 

 そう強く感じていて、とうとう自分の武器に自分自身が壊されてしまいそうになった頃に「One Q」を作りました。江戸時代の儚い恋心を、時を超えてもきちんと様式美を保ちつつ歌うから、三味線をいよいよ置いてしまおう、と自分を救うために書いたのでした。そのうちにCHiLi GiRLを始めて、この曲を作ることになった苦しみや葛藤をも忘れ自由になったとき、ファンのおひとりが「One Q、また聴きたいな」と言ってくださったのです。

 

 苦しかったことを忘れることで救われていたけれど、その頃作った曲ごと忘れてしまっていたのです。リリースすらしていていなかった幻の曲「One Q」。それを覚えていてくださったその方には本当に感謝しています。ライブで数回しかやったことのなかったこの曲を約3年もの間忘れずにその方の心に刺さっていたこのパワーを信じて制作を決めました。なんなら、もっと良い曲にしようと。そこで頼もしい先輩であり友人の倉品翔くん(GOOD BYE APRIL)にアレンジと共演をお願いして、さらに強く魅力的なパワーを込めて、幻を現実にすることができました。

 

 二人椀久は、遊女の松山太夫に恋をした椀屋の久兵衛が、叶わぬ恋の末ついに気が触れてしまい、夢幻として現れた彼女と桜の木の下で踊るというお話。偶然にも一時的に幻と化していた本曲の経緯とも重なり、自分にとって忘れることのできない一曲となりました。時代によって恋の落ち方、落とし方、そして恋する時間の過ぎ方は変わりますが、恋することそのものはいついかなる時も変わらないのではないでしょうか。和洋折衷に改めて向き合ったことで、そんな大切なことにも気づくことができました。

 

ーーー

 昨年「泣き虫の星」でGOOD BYE APRILとして参加させて頂きましたが、今回は僕個人として、歌唱とアレンジ・ミックスをやらせていただきました。

 最初にこの曲のdemoを聴いた時からすごく素敵な曲だなあと思い、「二人椀久」という日本の伝統芸能が題材やモチーフになっているというのが、すごく面白かったですし、"グラウンドビート"が基軸になって、三味線だったりサックスだったり色んな音が絡み合ったアレンジになっているので繰り返し聴いて新しい発見がたくさんできるとかなと思うので、是非じっくり聴いていただければと思います。

倉品翔(GOOD BYE APRIL)

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One Q feat. 倉品翔(GOOD BYE APRIL)はこちらからチェック!

https://clg-tokyo.bitfan.id/contents/102344

 

川嶋志乃舞が表紙掲載、特集掲載されている各書籍もチェック!

https://amzn.asia/d/bx0p78a

https://tkj.jp/book/?cd=20259301

https://amzn.asia/d/dYnmITG

 

2023.6.10掲載

執筆:Shinobu Kawashima

 

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LIVE INFOMATION

6月23日(日)京都MOJO

7月1日(土)渋谷ストリームホール/オノマトペル主催「TOKYO天の川」客演コラボ

7月12日(水)下北沢rpm「Summer Jam Session(川嶋ジャム)」

7月22日(土)CHiLi GiRL&川嶋志乃舞 mixed one-man show「LOVE SPiCE HARVOR」

※来場チケットSOLD OUT/配信チケット発売中

チケット詳細はこちら▷https://clg-tokyo.bitfan.id/schedules/menu/34068

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CULTURES’ BackPacker vol.3「自分らしく、海を越えるには」

「イケてるひと」は、メイクやファッションのセンスだけではなく、知識や経験をさらりと自分のものにして、あらゆるシーンでも自分らしくいられるひとのことだと思うのです。

 

台湾は台中で行われた大型野外音楽フェス「Spring Wave」に、TOKYO GROOVE JYOSHIの客演として渡航した今回、コロナ禍中で妨げられていた久しぶりの公演となりました。最後に海外へ渡ったのは、こちらもTGJとの2020年2月ニューヨーク。

 

◆「Spring Wave」出演の鍵となった動画「WHAT IS HIP?」NYツアー時の旧メンバー。

https://youtu.be/fiM7ZsneF64

 

◆台湾渡航を叶えたメンバーでのライヴ動画「Rise up/TOKYO GROOVE JYOSHI」

https://youtu.be/UaTBsoxgIj4

 

あたしを含めてTGJメンバーは、日常会話とライヴMCができる範囲で、なかなか込み入った話までは不束では踏み込めないものの、ボディランゲージ+スマイル、そして持ち前の天真爛漫さを全員が兼ね備えていると思います。音楽が確かだからこそ異国の人々にも興味を持ってもらえる入り口が整い、そしてあたしたちも同じく、異国の人々や文化に興味があって歩み寄りたいからこそ、新しい出会いや視点が広がっていくのだと感じます。

特にメンバーの中で英語が達者なのは、あたしと同じく客演のSax.今井晴萌。彼女は10代の頃に単身渡米し、ヴィクター・ウッテンのセッションキャンプに参加。彼の来日にはゲストとして共演を果たしています。彼女は媚び売ることなく、共演者はもちろん、テクニカルやフードを出店している各スタッフ、お客さんとも気さくに話す様子を何度も目の当たりにしました。ピカイチのプレーなのにフレンドリーで、だれもが彼女と仲良くなりたいと、そしてもっと彼女の音楽を知りたいと興味を持っていました。彼女は本当に「イケてる」のです。

 

昨今の音楽家は名門大学の卒業生が多いのは確かですが、世界とコミュニケーションを取る上では、学歴は関係ないようにも思います。あたし自身、東京藝大を卒業しているからこそ、学歴では得られない経験や、その経験を掴みにいく勇気をとてもとても羨ましく感じます。作家として、演奏家として、自分で選んだ道以外にいろんな夢を持つ仲間や仕事になり得る出会いを獲得するのに、大学や専門学校はとても大事な場所です。毎日、きちんと目的を持ってそこに通えば、生活しているだけじゃ知り得ない専門用語や、歳の近い学生との切磋琢磨を間近で体験できるのですから。

 

とはいえ彼女のように、自分の楽器に必要な基礎やルーツ、マインドを会得するには、学校に入らずにその音楽の本場へ向かっていくことも素敵です。出会いのタイミングでその時がいつくるかは分かりません。遅かれ早かれ、本場の音を体験しに一歩踏み出すことは、誰にでもできるのかもしれません。

 

海外では、積み重ねてきたプロフィールやキャリアが日本国内でいくら優遇されようとも、どこでも誰でも、目も耳も惹かれる確かな実力と、その人間性が功を奏すのです。

 

三味線は日本生まれなので、海外留学よりも、国内での修行がほとんどになります。だいぶ少なくはなりましたが、いまだにジャンルによっては、住み込みの内弟子制度もあるくらいです。師範免許を許され、弟子を取り始めて8年目、佐々木光儀流光櫻会(みつさくらかい)を設立して丸3年が経つあたし自身も、まだまだ民謡の唄の勉強をしに月1で東京から小田原まで通っています。民謡の各発祥地に行けば、CDでは分からない独特の節回しや伴奏のノリにも出会うでしょう。日本の音楽も、座学だけでは知り得ないことがいっぱいなのです。

 

とはいえ、CHiLi GiRLもとい川嶋志乃舞はファンクやソウル、サンバにジャズなどワールドミュージックが大好き!三味線を伝統的な演奏法やしきたりに準じて演奏するだけでは、異国の人々に出会い、愛してもらえる頻度は減るかもしれません。古きを温め、新しきを知る。これこそあたしのやるべき音楽なのです。今回の久しぶりの海外公演で色々な気づきがありました。

 

インターネットで手軽に海外のコンテンツや音楽、さまざまな文化をリサーチしやすい時代となりました。また、コロナによって入国する条件を満たすのがなかなか厳しかったアメリカが、5月11日よりワクチン接種証明が不要になるというニュースが出ましたね。あなたの好きな音楽の本場へ、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。きっと素敵な出逢いや歯がゆい思いが、あなたがもっともっと素敵でセンスある「イケてるひと」になれるきっかけになることでしょう。一緒に冒険しましょう!

 

2023.5.10掲載

執筆:Shinobu Kawashima

 

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LIVE INFOMATION

5月30日(火)代々木LODGE

6月4日(日)浜松窓枠

 

7月22日(土)CHiLi GiRL&川嶋志乃舞 mixed one-man show「LOVE SPiCE HARVOR」

※来場チケットSOLD OUT/配信チケット発売中

チケット詳細はこちら▷https://clg-tokyo.bitfan.id/schedules/menu/34068

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CULTURES’ BackPacker vol.2 ソエジマトシキと語る

春めく2023年3月18日より全世界一斉デジタル配信となったToshiki Soejima(ソエジマトシキ)のニューアルバム「True」にて、「Beautiful In Tokyo feat.CHiLi GiRL」がリリースされました。今回はそんなあたしの盟友であり、ギター講師やアーティストとして活躍するソエジマくんとの対談インタビューをお届けします。

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はじめに、ソエジマくんとあたしの出会いは2021年頃に流行っていた「Clubhouse」というトークアプリ。そこでソエジマくんがTwitterで開催する「おしゃれペンタ選手権」を知り、三味線でもぜひ参加してください!と背中を押していただいたことをきっかけに、第4回から参加しました(この時、初参加でアレンジ賞を頂きました)

【日本一のペンタ使いは誰?】第4回おしゃれペンタ選手権のグランプリを発表します!

以降第6回では準グランプリに。ソエジマくんは、友達だからどうこうじゃなく、本当にフラットに審査選定してくれるので、純粋にすごく嬉しかったです。

【グランプリは誰の手に?】第6回おしゃれペンタ選手権の結果を発表します!|伝説級のギターソロが誕生しました。

あたし自身、三味線のコンクールも含めて、オーディションやコンテストと言う競争文化からは卒業していたのですが、不幸中の幸いなのか、コロナ渦でCHiLi GiRLが誕生し、CHiLi GiRLでなら初心に帰ってみることも大事だ!と思っていた矢先に、ソエジマくんと出会ったんです。この出会いはすごくあたしにとってはかけがえないのないものです。

まさに第4回おしゃペンでの提出曲が「Beautiful In Tokyo」。あの時の曲がこうして世界中にリリースされるなんて当時夢にも思いませんでした。ベーシックトラックはソエジマくん、メロディはチャレンジャーShinobuの共作曲。そこから派生するふたりの対談をぜひお楽しみください!

◆アルバムレビュー

https://note.com/musicassetdir/n/n58b4352c241a

◆ソエジマトシキセルフライナーノーツ

https://note.com/toshiki_soejima/n/n93f1ba817ada#d0c985c9-14bc-4b94-8cde-fff2906cb2d3

■プロ音楽家として自分をカテゴライズするとしたら

CHiLi GiRL(下記:C)”音楽家”を職業にするとしたら、演奏家、ミュージシャン、アーティスト、バンドマン、講師の5つにカテゴライズされるとあたしは考えてるの。ソエジマくんは、自分自身はどれだと思う?

ソエジマトシキ(下記:ソ)Shinobuさんの言うカテゴライズの違いってどんな感じ?

C)演奏家は、作曲した人の意図を汲みながらなるべくそのままの完成度を保って後世に伝承する人。ミュージシャンは自分で作曲もするし、誰かが作ったものでも自分の個性も取り入れながらバージョンアップをしていく人。

ちなみにアーティストは、よりゼロから個性を表現をする個人または少数ユニット。バンドマンは、みんなで集まって”アーティスト"になる団体のことかな!ミュージシャンとも違って、上手い下手関係なくその団体に必要不可欠な個性を発揮している人はまさに、揺るぎなくバンドマンだと思う。で、言わずもがな講師は音楽を教える人だね。

このうちであたし自身はアーティスト、ミュージシャン、講師かなって思う。

ソ)演奏家も含まれてると思うよ!

C)あ、たしかに演奏家も入るかも!そしたらバンドマン以外かな!笑

ソ)伝統芸能を今でもしっかり弾いてたりもするもんね

C)師匠に「地域性や歴史や作家の意図を踏襲して、演奏で表現してね」って言われるからそうかも…!じゃあ改めて、ソエジマ君はどう?

ソ)俺はギター講師の他に、アーティストとミュージシャンの二つがあるのかなと思ってる。ゼロイチでの制作はやってるからアーティストかなと思ったんだけど、その意味のアーティストよりかはもっと汎用性がある気がしていて、ミュージシャンの要素もあるのかなって。

なんだけど、演奏家的な活動は今は全くしてないかな。あとバンドマンでもないし。

講師とアーティストの側面が特に強くて、他の人とコラボする時にミュージシャンの側面が出てくるね。

C)なるほどね!それってどんな割合?

ソ)なんとなくイメージとしてあるのは、アーティストと講師が4:4であって、残り2がミュージシャンかな。

C)あー!はいはいはい!(納得)

ソ)セッションしてる時は、やっぱりミュージシャンって感じがするなあ

C)やっぱりミュージシャンって言うのは楽器が上手いこと、更には人の目を惹きつけることができるのが大前提でさ。ソエジマくんの楽器への情熱やソウルが出てきているのは、この間のライブステージに立ち会ってそう感じた!

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◆2023年3月10日 三軒茶屋グレープフルーツムーン公演(ツアーファイナル)

ソ)ひとの音楽にのめり込んでやるというよりかは、圧倒的に自分の音楽をやる方が得意だし心地いいから、ウエイトとしてはアーティストの方が高いかなと思うね。

ーーーどうして人の音楽よりも自分の音楽の方がやりやすいって感じるの?

ソ)単純に性格な気がする。人が開催する飲み会よりも、自分が飲み会を主催した方が楽しいみたいな笑

C)わかりやすい!私もそのタイプかも。しかもうウチら、”一人呑み属性”じゃないですか笑

ソ)うんうん笑

C)みんなでも楽しめるけど、自分主軸の方が動きやすいし、気持ちが楽ってことなのかな。

ソ)そうそう!そうなのよ笑

単純に気持ちの作りやすさというか無理してない感じだね

■暮らしの拠点

C)若い時って、飲み会でもセッションイベントでも「あの先輩がいるから、ちょっと大変でも顔出したい」みたいな貪欲さが少なからずあったと思うんだけど、それがなくなって「人は人、自分は自分」って気持ちになったタイミングっていつ?

ソ)自分がYoutubeとかの発信を始めてからかなあ。

そう考えると、なんだかんだでコロナの頃なのかもしれない。

C)やっぱり大きな変化があった?

ソ)そう。東京に住んで、色んな人と関わる中で前進していることって「ひょっとしたらマヤカシなのかも」って薄々思ってはいたんだけれど…。2020年の緊急事態宣言を機に、初めて家でただただ作業をして、もともと自分のやっていたことだけやり続けて、それでもしっかりと結果が出るということに気づいてしまったんだよね。

そこの人に会ってみようかな…みたいなのも全部無くなった時に、むしろ頭が冴え渡るというか。

C)おお、なるほど!

ソ)さらに今の住まいがある静岡に移ってからは、その勘が正しかったと実感してる。一方でたまには東京のような刺激も必要なんだなって思ったね。笑

Beautiful in Tokyo - Toshiki Soejima & Shinobu Kawashima (Guitar × Shamisen)(kimama session)

◆ソエジマ邸(kimama studio)にお邪魔して収録した「Beautiful In Tokyo」

C)たまには必要だよね笑

ソ)インスタのストーリーとか見てて、今日は誰々がライブしてるとか見ると

やっぱり「行きたい!」って思ったりするのよね。だいたいそれが東京だったりするしさ。

C)東京はライブが本当に多いからね。誰かが毎日何かをやってる。

ソ)今すぐ新幹線乗って行こうかな、みたいな衝動が時々起こるんだ。今後、本当に行くことがあってもいいなと思うけどね!

C)逆にあたしは茨城から出てきて、水戸のバンドマン界隈は勿論、DJ(アニクラや歌謡ポップ)や地下アイドル…いろんなカルチャーに顔出しまくってたら、「あそこの界隈はどういう感じの人が界隈を仕切っている」、「この先輩がこの音楽を布教し始めて界隈が変化していってる」、「その裏で、このカルチャーがもう古くなっている」って変化を目の当たりにしてきたんだけど、やっぱりカルチャーの発信源は東京だよなあと。

ソ)そういう情報の早い人は、頻繁に東京に繰り出してたりするもんね

C)もちろん広々として空気の澄んだ茨城で過ごすのが大好きな反面、仕事したり日々生活したり、フットワーク軽くいられる東京は自分に向いてると思ったんだ。客演出演が多い”川嶋志乃舞”だからこその生き筋で、”自分は都会が向いてる”って感じた!

ソ)それも一つの良さだよね

■現場のあたしと、SNSのソエジマくん

C)あたしの活動の現場は、ライブハウスや楽曲提供のほかに、アーティスト/演奏家として街のイベントや企業さんのパーティーとかなんだけど、活動資金を立てるための収入の場が、コロナのせいで簡単にキャンセルされちゃったりとかあったよ。あたしたちも当日稼働までにリハーサルしたり曲を仕込んだりと、本番当日を迎えるまでに稼働しているから、それを機にキャンセルポリシーをしっかり設けたね。

ソ)なるほど…。キャンセルポリシーはお互いのためにも大切だね

C)そういう意味では、活動現場に変化はあったなあ。

さっきは生活面の話をしたけど、プロ音楽家としてコロナ禍での痛手を食らったことや得したことってあるかな?

ソ)実は得したことと言うか、やっぱりコロナでYouTubeが伸びたんだよね。そこは完全にコロナが追い風になってしまったんだよね。

C)追い風かあ!それは元々やっていた土台があったからこそ、より強い追い風だったんじゃないかな!

ソ)コロナ前から一年以上やってて登録者も10000人くらいは既にいたんだけれど、何十万回も再生される動画っていうのがまさにコロナで緊急事態宣言になった時にたまたま出してた「おうちギターおすすめアイテム5選」とかが立て続けに伸びてポジションが確立できた感じがあったね。オンラインレッスンもすごくも伸びた。

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C)インターネット少年だったソエジマ君のやってきた事が時代に合ったって事だね!

ソ)そう!それはほんとにラッキーで、コロナで損をしたってことは自分にはあまりないんだよね。だからこそ今年になって各地方ツアーで回って、各会場のノリの硬さや当日キャンセルの多さに「あれ?なんだこの感じ?」っていうコロナの残した爪痕や余波を感じたね…。

C)現場を見てきたあたしと、ネットでコツコツやってきたソエジマくんとで、かなり見え方感じ方が違くて面白いね!

■コンテンツづくりと継続

C)初めてやる新しいチャレンジに物怖じしちゃう人も多かったと思うんだけど、続きけていくコツや、ネットをうまく活用するコツがあれば聞きたい!

ソ)とにかく”スモールスタート”が一番大事!

何曜日の何時に動画を投稿する、というルールだけ決めておけばいいと思う。

ーーーコンテンツを作る上で、何かポイントとかあるの?

ソ)それをいつからやるのかだけ決めて、クオリティーがどうであれ投稿して、毎週少しづつクオリティーを上げていけばいいと思っていて。

今更YouTubeを始めるんならクオリティーが高くて専門性のあるジャンルじゃないとってよく言われるんだけど、あまりそんなことはなくって、人柄やキャラクターと相性だと思う。

C)なるほど!せっかく上げるなら最初からハードル上げがちだけど、それよりも「継続する」ことが大事なんだね。

ソ)投稿し始めって、熱し易く冷め易いみたいなことがおこると思う。はじめのうちはたくさん投稿して他のに、そのうちネタが減ってきたりスタミナが無くなってきて頻度が少なくなるみたいな。

それよりも、たとえ沢山動画が撮れても”毎週1回”って決めたならそれを守るのがコツだと思う。

C)自分で課題を増やしすぎないってことね!期待に応えようと薪をくべていって炎を大きくしたけど、結果的に追い付かなくなっちゃって、自分が燃え尽きちゃうんじゃなくて、ちょうどいい塩梅でくべつづけるってことだね。

ソ)そうそう!俺はそっち派だね。

C)10年以上昔からやってる人は毎日投稿してるベテランYouTuberもいるけど、あれはやっていくうちにチームがしっかりして、手分けしてできるようになったからで、まず1人でやるなら無理せず続けることが大事ってことだね。

ソ)勿論やりたければ毎日でもやっていいと思うけれど、何かを始めても挫折してしまう人は、あまり最初から頑張らず無理せずにしっかり自分のペースを守れるといいね。

ーーーちなみに、続けるにしても自宅の環境をあまり見せられないって人もいると思うんだけど、動画を撮影したり投稿をするのに適した環境づくりのこだわりみたいなのってあるの?

ソ)俺のこだわりとしては、自然光を取り入れることかな!

これを読んでる人にも言えることで言ったら、特別なものを買わずに、今あるものがいいと思うことかな。

C)自然光!

ソ)たとえば録音にしても、インターフェースがまだ安いものしかなくて、良い音で録れないとかの課題はあると思うんだけど。

実はそれくらいのクオリティの方が親しみがあったりとか。カメラも同じで、粗い解像度の方がスマホで聴いた時に親しみがあったりとかするし、必ず買い揃える必要はないと思う。壁を綺麗にしてみたりとかわざわざ変える必要もない!

それをそのままやればいいと思う。

C)取り繕うんじゃなくてありのままの自分を好いてくれる人がいると思うから、親しみやすさやあったかさが重要ポイントなんだね

ソ)そうそう!自分もずっとやってきたからようやく洗練されてきたけれど。最初は後ろに物があったりとか全然したし、全然伸びてから考えればいいと思う!

世界へ進んでいく

ーーーこれからもっとソエジマギターサウンド、メソッドが世界に広まっていくとなったら、どんな楽器や人とやってみたい?

ソ)まずは日本語のボーカルとやってみたいかな。

世界に打って出るには英語でやらなきゃって思ってたんだけど、どうやらそうでもないのかなって。それこそCHiLi GiRLとも日本語の歌で一緒にやってみたいな!

C)嬉しいなあ!今回は三味線のインスト曲だったもんね。

ソ)それからもう一つは、海外のミュージシャンや楽器と一緒にやることだね。

C)あたしはSnarky Puppyでギリシャのアコーディオンシンガーの人の動画で衝撃を受けたんだけど、アコーディオンいいなと思ってやってみたいな。あとはポリネシアンミュージックとかに触れていきたいかな笑

これから、さらに色々な人に見てもらって三味線も含めていろんな楽器とコラボするなかで広がっていくのは面白そうだね!

Snarky Puppy feat. Magda Giannikou - Amour T'es Là (Family Dinner - Volume One)

ソ)そうだね!

それでいうと、三味線と一緒にできたのは、めちゃくちゃ自分のなかでアンテナが広がって、全然いけるんだなって!

C)恐れ入りやす…!

ソ)いろんな楽器や民族音楽とかに精通しているわけではないけど。結局はその人と自分が仲良かったらいい感じのサウンドになるから、むしろ知っていきたいかな。

C)自分の軸はありつつも自分の知りたいことや、やってみたいことっていうのはこれからどんどん出てくるってことだね。楽しみだなあ~

ソ)そうだね。とはいえ、まずはやっぱり今は日本語でやってみることかな。

C)フロムジャパンのソエジマミュージックの中では日本語曲があった方が”東京のソエジマ”って世界から印象がつくよね!

ソ)そうそう!だからCHiLi GiRLと日本語の曲をやりたい!

カ)近々やりたいね!めちゃくちゃコラムの締めがとても良く収まった笑

◆対談:ソエジマトシキ

・Twitter https://twitter.com/toshiki_soejima

・instagram https://www.instagram.com/toshikisoejima/

・オンラインギタースクール「Soul Guitar Lab」

7日間無料体験実施中!https://soulgt.com/sgl

2023.4.10掲載

取材 / 編集:Shinobu Kawashima

編集協力:伴藤陸

   

◆3.10 New Digital Single「Scrolling Girl」リリース!

各サブスクリプションにて好評配信中。

◆4.16 東京渋谷にてリリースイベント開催決定!

https://eplus.jp/sf/detail/3823410001-P0030001

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◆4.23 台湾大型フェス「Spring Wave」にTokyo Groove Jyoshi客演にて出演!

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◆5.2 渋谷サーキットフェス「HUG ROCK FESTIVAL」出演

リリース情報やチケットお買い求めはCHiLi GiRLオフィシャルサイトをチェック▶︎https://clg-tokyo.bitfan.id

CULTURES’ BackPacker vol.1

「三味線は叩く弦楽器である」と言い続けて、ポップカルチャーや世界中の音楽に興味を持ちながら音を鳴らし、耳で探検を続けていたら、いよいよ連載が始まることとなりました。

”CHiLi GiRL(チリガール)”とは、あたしShinobu Kawashimaのソロポッププロジェクトです。でも一人では寂しいのでこれまで出会ってきた仲間、これから出会うであろう仲間と力を合わせて「才能巻き込み型プロジェクト」として、本当に、いや本当に巻き込んでいます。下の動画はかなり過度なものですが、その日ライヴを観にきた親友の宮野弦士くんを楽屋で巻き込み、本番飛び入りさせるという荒業の様子です。笑

https://twitter.com/shinobu_clg/status/1615913017287532545?s=46&t=YHjc0CeviES57x_oviqTUw

Dr.油布郁くん、Ba.カワノアキちゃん。急に宮野入れてごめんね、でも楽しかったね!笑

流石にこれは親友だからこそできることですが、でも基本的には心から信頼し合い、いつでも音楽を一緒に鳴らそう!という仲間に恵まれ、ドラマチックに作り込んである曲もあれば、セッションライクにライヴをするものもあることで演奏力に定評があります。2022年内は、11名もの仲間がCLG  BANDに参加してくれました。メンバーを固定せず、いろんな組み合わせで音楽を調理していくことを、みんなとても楽しみにしています。しばらく呼ばれてないからと言って、クビも無い!そのくらい慎重かつ真剣にメンバーを選ぶのですが、それはもうとても気が張ります。

ワンマンライヴも私には身に余る(でもとても有意義で最高だったので今年もやりたい!)な渋谷WWWで開催でき、1st AL「MEBAE(読:芽生え)」でもfeat.アーティストに東京藝大の後輩である才女・和久井沙良、春にメジャーデビューを控えるGOOD BYE  APRIL、そして盟友でありマルチなSSW・GIVE ME OWが参加してくれました。

https://youtu.be/3pp7yhgqlp8

昨年の参加メンバーはGt.2名、Ba.4名、Dr.3名、Key.1名、Sax.1名。この中からライヴの趣旨やシーズン、新曲の具合に適したメンバーを組み合わせます。時にはトリオ(Mani.導入)で、時にはドラムとギターのアコースティックで、時には超豪華に一緒にやりたいだけメンバーに参加してもらうことも。どうしてもソロの時は、ちょっとだけ旅路が寂しいけど、ピアノで弾き語りして曲の真髄に向き合ったり、Mani.を使って三味線と歌をリリースした作品の形に近い状態で演奏したりします。

では、そんな信頼おける仲間たち”CLG BAND”に、あたしが求めていること。

①キャラクター性

②リズム感

③音楽は最高の趣味だと言う心意気

この3つです。

キャラクター性=スパイス。とっても大事です。だって同じキャラクターで同じ楽器の人がいたってつまらないじゃないですか。ライヴは生き物です。それに、うちのメンバーみんな旨いから、やはりリリースした音源に近い状態で演奏するとあたしが飽きちゃう。それでスパイスを調合して、その日の香りや味わいを自分たちも楽しみたいのです。その方があんまり喧嘩しないし、ジェラシー無く活動できます。つまり、自分を認めて、相手を尊敬できる関係。超理想ですね!みんなそれぞれ、みんないい。それがうちの醍醐味です。

そのキャラクター性がうまく調合され目でも楽しい上に、音楽として純度の高いものを演奏するには間違いなく、リズム感が鍵!リズム感が暴走すると、それじゃあNOT平和。グルーヴしてなきゃ楽しくないです。心が躍るのは、相手への心配や配慮を全部取っ払って、心が丸裸でただただ”楽しい”気持ちが高揚した時に生まれるんじゃないかと思います。だから、純度を上げるには基礎とリズム感。これができてこそキャラクター性が活きるはずです。

最後。これはね、ビジネスビジネスせずにいたい、というあたしからの仲間たちへのお願いに近いかも。もちろんサポート稼働費は支払う大前提!バンドじゃなくソロプロジェクトだから、価値ある演奏家に助けてもらった時の対価を支払うのは当然のこと。だから、お金じゃないところで繋がっていたいんです。友達だもん。

これらは日本国内だけでなく、これからCHiLi GiRLが旅していく様々な国やカルチャーの境界線を越えようとするたびに、大切だなあと常々感じることでしょう。三味線がポップミュージックに馴染んでいるのは、あたしの感性だけじゃない、仲間の受け入れや興味があったからこそです。これから出会う新たなCLG BANDにも、いろんなカルチャーの中心地で待っている人や音楽にも、あたしは果敢に飛び込んでいきたい。新しいものを生み出し、世の中に愛されるためにはいつだって、知識と経験が伴うものです。そしてそれらをちゃんと刻んで、次の何かに出逢ったときに畏れずフレンドリーにふれあいたい。

そうね、あたしにとってのコラム連載、それは誰かに何かを紹介するのではなく、自分の考えやアイデア、その時々その年齢だからこそ感じた気づきの備忘録や見聞録になっていく予感がします。この連載を通して、あたし自身も新たな気づきを得たいし、お読みくださっているみなさんにもちょっとしたものの見方のスパイスになったら、とても美味しそうですよね。そんな美味しい音楽をたくさん食べに出かけるのもまた素敵。一緒に「文化間バックパッカー」になりましょう!

2023.3.10 掲載

Shinobu Kawashima(CHiLi GiRL) 執筆


   

◆3.10 New Digital Single「Scrolling Girl」リリース!

各サブスクリプションにて好評配信中。

◆4.16 東京渋谷にてリリースイベント開催決定!

◆Lucky FM(茨城放送)3月度月間パーソナリティにて毎週水曜日放送中!

radikoで全国からお聞きいただけます。

リリース情報やチケットお買い求めはCHiLi GiRLオフィシャルサイトをチェック▶︎https://clg-tokyo.bitfan.id

 

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