ここ数回Joemeekについて触れていますが、今回はJoemeekの「プラグイン」についてのお話です。
仕事柄、各種プラグインだけでなく、EQやコンプの実機も数多く持っているので「プラグインと実機」をリアルに比較しながら、日々作業しています。
さっくり言いますと、実機とプラグインは「ほとんどが別物」です。代用品ではないことが多いので、頭を切り替えて使用します。
しかし例外もあり、特にJoemeekのプラグインは実に音楽的な効果が期待できます。
Joemeekのプラグイン(コンプ)
「機材は結構そろっているが、電源を含むモニタースピーカーやケーブルなど周辺機器があまり充実していない状態でパラメーターをもらい、マスタリングのみを依頼される」
「パラデータをもらい、ミックスやマスタリングのみを依頼される」
上記のようなケースの作業時に、JoemeekプラグインのEQやコンプを使用することが多くあります。
プロ、アマ問わず、普通の部屋の家庭用電源を使用して制作されたトラックファイルは、ある一定のかたよりが見られることが多くあります。
↑上図のように「フラットではないところから作業している」場合、中低音域以下が薄く、逆に中高音域がどぎつくシャリシャリとしていて、ギターのエッジやハイハットのオープンなどのシンバル類が耳につき、痛い音になりやすいのです。
この現象をある程度改善することが期待されるプラグインとして、JoemeekプラグインのEQ、コンプが真っ先に挙げられます。操作も実にシンプルで使いやすくなっています。
音が細く、他と混ざりにくいといったファイルに対しても、このプラグインのコンプは大変良い結果をもたらしてくれます。
【大学生バンドのセルフREC】
【アジカン風ギターロック:BPM=158】のリードギターは、歪み系やクランチは全部録り終わり、残すはAメロのクリーンリフのみとなった。
ギター:ストラト
アンプ:Marshall JCM2000 TSL100(モディファイ)
マイク:SHURE BETA52、SM57、LEWITT MTP220
アンプ直なので、エフェクターは挟まない。
準備が整ったところで、モニターチェックと音色チェックを兼ねて1テイク、設定を作り直すがクリーンの音色が抜けてこない。
アンプのトレブルと、マイクプリのEQをいじって狙った音色に近づける
アルペジオのフレーズ、前半がなかなか決まらない。パンチインしてみるとリズムは良くなったがピッチに不満が残る。チューニングをやり直し、録りを重ねる。レガートなリフが多く、ピンポイントな編集がしにくいので、結果何度も演奏することになってしまった。休憩を挟み3回連続で録り、ようやくOK。他のAメロにはこれをコピペし、うまくはまった。
これで2曲分のリードギターは終了した。
【今月のちょいレア】ETEK Dynamagic
2chアナログコンプ。他のどのメーカーにも類似しない独特のキャラクターがウリだ。
ガツンとしながらも、どこかジェントルな質感に魅了される。
【今月のMV】S.H.E 「daub」
ドイツの音楽フェスにも出演経験があり、タイアップも複数あるエモロックバンドの力作。
ジャングルライフWEB連載「S.H.E meets Movies and Music」も是非ご一読を。
https://www.jungle.ne.jp/serial_post/s-h-e-243/
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
digda 「 From behind the moon 」
栃木在住、日×米のツインボーカルと、卓越した演奏力がウリ。ファンク、ソウルを中心にアブストラクト、エレクトロニカ、レゲエ、シューゲイザー、ディスコパンクを柔軟に飲み込んだ自信作。
GREEN EYED MONSTER 「 HELLO 」
神奈川県厚木市発のメロコアバンド新作。これまでも数回の全国流通盤を発売、フェス出演やヨーロッパ遠征も経験ありの実力派。
深川隆成 「 桜の季節 」
JAZZとAORがクロスオーバーした、有機的コンテンポラリーミュージック。少し抒情的な歌詞と、メロウな曲調のマッチングが素晴らしく、様々な音楽ファンを取り込む魅力にあふれている。
HOUSE
少し甘美な雰囲気がたまらない、ギターロックバンドのシングル。16ビートの楽曲と相性が良く、聴いていて自然に身体が動き出す。メンバーはそれぞれ茨城、千葉、新潟と遠距離ながらも、マイペースで展開している。
国吉亜耶子and西川真吾duo 「 PARAGRAPH –節- 」
メッセージ性の強い抒情的な歌詞と、シンプルながら洗練された楽曲とアレンジ、そして卓越した演奏力の彼らの世界観は圧巻だ。聴き手を選ばない懐の深い秀作。全国発売中。
【お知らせ】SOUND DESIGHNER2018年4月号の「宅録の主役 EQを知る」特集内の、P22「EQ処理を分析」、P64~66「パート別オススメEQ設定法(題材曲:中田ヤスタカ)」に執筆させていただきました。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第38回
今回ご紹介するのは、先回取り上げたJOEMEEKのメインエンジニア、Ted Fletcherが2000年初頭に立ち上げたブランド「tfpro」です。
写真は当スタジオのメインアウトボードの1つ「P2」で、極限までモディファイを施しています。15、6年前に発売された当初は定価22万円くらい、マイクプリ→EQ→コンプ×2の2chチャンネルストリップです。
このP2がディスコンになって修理が出来なくなり、それを機にモディファイを施した結果、ブリティッシュなテイストは残したままリッチなワイドレンジになり、あらゆる音楽ソースに対応できるようになりました。
元々の状態でもNEVEに負けないクオリティーをキープしているこのP2は、中古で10万円を切って販売されていたら即GETすべき逸品だと私は思っています。
完動美品なのは当然の条件、個人売買よりも専門店での購入をお勧めします。
個人売買は確かに安価ですが、専門店販売品は最低限の動作チェック済で保証がつくことも多く、安心です。
tfpro P2(写真上段:赤)と、先回ご紹介したJOEMEEK TWINQCS(写真下段:緑)です。
並べると兄弟機器のように見えますが、中のサーキット回路には結構違いがあり、音質もそれぞれに良さが違います。
P2の方はTWINQCSと比べるとパンチがあり、ラウド系にも対応できる点が長所だと感じます。
この2機種を最大限に活用するためには、ステップアップトランスを間に挟んで使用することをお勧めします。
日本の電圧は100V、欧米の電圧は115から240Vです。
海外製機材を日本の100V電圧で使用しても音は普通に出ます。
しかし、その海外製機材本来の性能が100%引き出されるわけではありません。
欧米の電圧と同じような性能で使用したい時、この電圧差を解決する周辺機器が
「ステップアップトランス」なのです。
日本で使用する電源(100V)と海外製機器との間にステップアップトランスを接続することで、電圧を100Vから海外並みの電圧(115V~)に引き上げることができます。
(但し故障のリスクはあります、あくまでも自己責任でお願いします。)
並行輸入品だけでなく、国内の正規代理店で購入した海外製品でも、電圧は生産国のままになっていることがあるので注意が必要です。「日本国内の店で買ったから、電圧も日本仕様になっているに違いない」と思い込まず、使用の前に電圧表記をチェックしてみましょう。
逆に日本製の機材を欧米で使用する場合には、機材が壊れないようにするために電圧を下げる「ステップダウントランス」を使用します。
【大学生バンドのセルフREC】
コーラス録りは、コーラス自体のアレンジをもう一度見直すことになったので、リードギター録りに突入。一番音作りがしやすそうな【アジカン風Gロック:BPM158】から。
使用ギター:ストラト。
アンプ:Marshall JCM2000 TSL100(モディファイ)
JCM2000 TSL100はクリーン、クランチ、歪みの3chがあるので、エフェクターをあまり使用しなくもいけそうな点がポイントだ。
リードギターは3パート分。クリーン系リフ、クランチ系アルペジオ、サビの歪み系アルペジオ。
マイク:SHURE BETA52、SM57、LUWITT MTP220
サビの歪み系アルペジオから音作り、モニターのチェックを始めた。
モニターバランスを見ながらテイクを重ねて5テイク目でOKを出し、続けてBメロのクランチ系音作り。音色もモニターも一発OKでIBから録り始める。リズムが突っ込みすぎなどの課題をクリアして2B へ。リードギター全般に言えることであるが、1B と2B ではフレーズが違うのでコピペは出来ない。2B は難なくOKを出して、次は一番難しい3Bだ。
前半のリズムが突っ込み気味、チューニングの狂い、などを直して2テイクでOKに。
音色を少々変更してイントロ、間奏、アウトロへ。クランチの音作りはトレブルを上げて、よりソリッドな音にした。
イントロから録り始める。音色はドンピシャだが前半のリズムが突っ込み気味で、前半のみパンチイン。つなぎ目のよれが大きいので、弾きなおしてOK。
アウトロはイントロとほぼ同じフレーズなので難なくOK。
間奏は、リズムがいまいちだった後半だけをパンチインして、クランチ系の音色はすべて録り終わり。
残るはAメロのクリーン系リフのみとなった。
【今月のMV】川嶋志乃舞「遊郭ディスコ」
ライブでも人気の高い曲。川嶋自身が作詞作曲、独特な世界観あふれる秀作だ。
【今月のちょいレア】 MindPrint T-COMP
チューブながらの、ファットなコンプのかかり具合がワン&オンリーな独自性を感じさせる。ロックならオールジャンルに対応できます。
樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
古今三奇人(Kokon-Trio)「 アコースティックマジック 」
Piano-jackやH ZETT Mを彷彿とさせる、ピアノ・オルタナ・インストバンドのアルバム。卓越した演奏力はもちろんだが、歌ものにも通じるアレンジが新鮮だ。2018年4月全国発売。
ブラジル人 「 破裂 」NYハードコアをユニークに変形させたオリジナルなスタイル。今作品は、かぶり有りのほぼ一発録りで、ライブ感はもとより音源としての完成度も高い。2018年1月全国発売。
GEEKS 「 MAGICAL VOX PARANOIA 」
サウスバイサウスウエストにも2回出場経験があり、インキュバスやフーバスタンフのプロデューサー Jim WartともコラボしているUS風パンクバンド。全国発売中。
thatta
ニュージーランドをはじめ海外での活動を精力的に行ってきたthattaのアルバム。欧米のロック要素が土台にあり、無国籍な質感を全体にまとっている。
KAIJIN 「 japacronics 」
サンフランシスコ帰りのYUICHI氏率いるKAIJINのフルアルバム。90年代ヒップホップを根底に、70~80年代のソウル、ファンク、2000年代LAアンダーグラウンドR&Bのエッセンスが深く交じり合っている。硬派なヒップホップ好きにおすすめ。全国発売中。
【お知らせ】
音楽情報サイト TuneGateに、当スタジオの記事を掲載していただきました。
http://tunegate.me/P20180118016
明けましておめでとうございます。
おかげさまで、この連載も4年目を迎えることとなりました。いつもお読みいただき、感想や質問などお寄せ下さる皆様に改めて感謝申し上げます!
今回から「中古機材の隠れた名機」に、よりスポットを当てていきたいと思います。
まずご紹介するのは英国の老舗ブランド JoemeekのTwinQcs(2chチャンネルストリップ)です。
この機材は、名機SC-2mkⅡの後継機種として、2001年頃には20万円弱で販売されていました。
よく比較される機材としてはDRAWMER1960が挙げられます。
↑写真は当スタジオで所有のTwinQcsで、裏面パネルのOUTPUTを通常ならTRSフォーン出力のところ、キャノン出力にモディファイ改良しています。
サウンドキャラクターはブリティッシュで粘り気のある密度の濃い音、ビートルズ→オアシス→アークティック・モンキーなどのブリットロックにはドンピシャではまります。
ラウド系以外のアメリカンロックや、邦楽ギターロックとも相性は良いです。
現行機種であるTwinQと比べると、ややカラッとしており中音域に少しファットさが見受けられます。
このTwinQcsは、今となっては非常にレア物ではありますが、粘り強く探すとたまに中古楽器市場で見かけることもあります。価格は6~10万くらいのようです。
TwinQcsの下位機種であるVC3Qは、中古楽器市場1万円台で見かけます。
VC3Qの現行機種、ThreeQは新品だと4万円前後で販売されています。
VC3QとThreeQの2つに共通することは「どちらも1chチャンネルストリップだが、マイクプリ部分はハイエンドなオーディオインターフェイスに付いているプリアンプといい勝負が出来るクオリティを保っている」という事です。
【大学生バンドのセルフREC】
バッキングGt.とVo.を全曲録り終わり、残るはリードGt.とコーラス、追加のkeyとなった。
とりあえずコーラスを一曲も録っていなかったので、一番簡単そうな【4つ打ちダンスロック:BPM=170】のサビ部分から録ってみることにした。
ライブでこの曲を演奏する時は、リードGt.がコーラスを担当するのだが結構外してしまう。
RECではVo.自らが3度上のハモリを入れることにした。
ケーブル:EvidenceAudio
マイクプリ:Forcusrite VoiceMasterPro
コーラス、特にハモリはモニターバランスが重要。他のどのパートよりも気を使わねばならない。
設定したモニターバランスは下図の通り。
数回バランスチェックのために録音してみる。徐々に良くなってきたので本番へ。
モニターバランスは良い。しかし皆が何かしらの違和感を感じていた。
話し合いの末に行き付いた違和感の正体は「今まで正しいと思っていたコーラスラインそのものが、実はあやふやなのではないか?」という事。
主メロとハモリのラインをキーボードで音出ししながら改めて確認してみた。
すると、ずっと3度だと思い込んでいたハモリのラインが、5度ハモリやオクターブ、ユニゾンなどが正解だったことが判明。
今更ながらの間違いに気づいたメンバー全員がショックを隠し切れなかった。
コーラスラインを再確認し、改めてチャレンジ。しかし今まで歌ってきたラインのくせが抜けず、失敗が続きピッチ修正出来るまでのレベルにすら到達しない。
コーラス録りは一旦あきらめ、残りの曲についてもコーラスラインを再確認。後日録ることにして、ここからはリードGt.録りに切り替えた。
【今月のちょいレア】Forcusrite VoiceMasterPro
先程の「セルフREC」文中にも登場した、NEVE風Vocal専用チャンネルストリップの決定盤。かつてのPlatiumシリーズとは一味も二味も違う。現在は生産完了となっている。
【今月のMV】 The Mash 「最終回」
テレビ東京で水曜深夜放送中の新人アーティスト発掘番組「エンタX」で3週勝ち抜きを果たした、話題の女性Vo.R&Rオルタナバンド。同番組のグランドチャンピオン大会進出も決定している。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
cruyff in the bedroom 「HATE ME (アナログ盤)」
ジャパニーズ・キング・オブ・シューゲイザーと呼ぶにふさわしいクライフインザベッドルームの最新
作が、アナログ盤としても遂にドロップ。国内はもとよりアメリカなど、海外でもリリースされ話題 になっている。
どろだるま 「モンキーダンス」
頭脳警察、村八分といった70年代R&Rを彷彿とさせる2010年代のニューカマーの新作。洋の東西を問わず、ロックの真髄が垣間見える逸品である。
57pictures 「Wonder to Myself」
Subways、Atom For Peace、Sunshine Undergroundにも通じる、UK色が色濃く漂う邦楽ロックバンド。TemplesやMetronomyなどが好きな人にもおすすめ。
うさぎファクトリー 「うさぎファクトリー」
国内外のフォークロックを根底にもつような、エモロックの王道的作品。長い時間を経ても全く色あせない空気感に魅了される。
KONTA BAND 「Mouse Bites Cats」
仙台在住のプロギタリスト、KONTA氏率いるニューエイジプログレッシブインストバンドのアルバム。ドリームシアターやシステム・オブ・ア・ダウンとも違った切り口のアプローチにオリジナリティーを感じる。メンバー全員が音楽専門学校講師陣で固められている。
【お知らせ①】
月刊SOUNDDESIGNER別冊「ミュージシャンの仕事場」に、当スタジオを掲載していただきました。(P94・95)
【お知らせ②】
CRT栃木放送(AMラジオ)の音楽番組「我ら音楽仲間たち」(毎週火曜22:30~)の1/30放送回にCuicksさんと私 樫村がゲスト出演させていただきました。
今回の「ライブで埋もれにくい 同期音源制作法」は、ハイエンドなハードウエア音源を使用する方法です。
どちらの機材もハイエンドな現行モデルで、ソフト音源では表現しにくい「音の密度感」が素晴らしく、ライブ会場でもよりファットかつリッチな音が期待できる可能性があります。
ただ、ソフト音源ではないので内部でのオーディオ化は出来ません。
だからこそ、ゴージャスなオーディオ化が可能なのです。
一番オーソドックスな方法を下図に示します。
ラインケーブルは(出来れば)ベルデン、モンスター以上の物を使用。
作業は大変になりますが、1もしくは2トラック(ステレオ)ずつ丁寧に、アウトボードで音を作りながら録音しましょう。
【補足】ハード音源の中には、内部でのオーディオ化が出来る機種も一部あります。そういったハードウエアでも、内部ではなく外部でオーディオ化したほうが、立体感の出る仕上がりを期待できます。
【大学生バンドのセルフREC】
ミスチル風バラード、バッキング録りも「アウトロ①、②とイントロA、B」を残すのみ。
今回も使用ギターは同じレスポール。ピックアップはハムバッカー。
アウトロ、イントロ共にMidをすっきりさせたいので、Lewitt MTP440DMとソロモンマイクの2chで録ることにした。マイクケーブルはエクストンとKLOTZ M5を使用。
マイクプリはT.C.electronic 2240HC(2ch)。
まずアウトロ①、②を録りながらモニターバランス、音色をチェック。どちらもいまいちだったので調整しながら録り進める。数回録り、モニターバランス、音色、演奏すべてが良いテイクを選びOKとする。
最難関のイントロA、B用にMidを少々増やした音色に作り変える。
Midの量を調整しながらテイクを重ねる。音色と演奏のバランスがなかなかとれない。一気に録るのは難しいのでイントロAだけ、さらにA前半だけ録ってみる。リズムは悪くないが、ピッキングとチューニングが甘い。ギターオンリーの部分なので妥協は出来ない。
チューニングをやり直し、再度前半を録りとりあえずOK。イントロA後半は後回しにして、イントロBの後半へ。フレーズが変わるのでテイクを重ねる。数回挑戦し、今日一番のテイクが録れた。
最後に、イントロA後半にチャレンジし、一発OK。これでこの曲のバッキングはすべて終わり。
【今月のちょいレア】 Alesis Elevator3
PC用モニタースピーカーとして最適な逸品。小型ながらパワードでアメリカンな音が特徴。現在は生産完了となっている。
【今月のPV】 Pink Moon Babies 「GIVE ME」
ヨーロッパツアーも敢行した、女子3ピースR&Rバンドのキラーチューン。R&Rファン以外にも魅力が伝わるキャッチ―な曲。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
ユメノアリカ 「 ミュージック・シンドローム / 空色.」
女性Vo.ロックバンドのシングル。ストレートな楽曲の中に、エモやポストロックテイストがバランスよく混在しているのが良い。これからの活動に期待。
経血 「scapegoat」
女性Vo.の初期パンク、NW、ハードコアバンドのアルバム。アグレッシブなリフと音色の中に、
耽美的なメロディーと歌詞が真っ向からバトルする攻撃作。2017年12月全国発売。
フトイーズ 「Time」
直球ギターロック&エモロックの融合形。Vo.の声質と歌詞に、独自の世界観が感じられる。普遍的なギターロックを追い求める人にマストな1枚。
MOODY RUDY 「アポプソリ」
日本語、韓国語、英語を使い分ける東京発ネオスカバンドの2ndアルバム。4人のボーカルが入れ替わり立ち替わりするバリエーションが実にユニーク。フジロック出演経験あり。全国発売中。
Heretique Aventure「血の滴る晩餐会」
近未来を感じさせるエレクトロギターサウンド、ストーリー性のある楽曲群。通して全部聴くと、トータルコンセプトが如実にわかる。さりげないアイデアが実に心憎い。
ギタリストのためのレコーディングマガジン SOUND DESIGNER 2018年1月号で、当スタジオを取り上げて頂きました。(P78・79)是非ご覧ください。
前回掲載した「ライブでも埋もれにくい同期音源の制作法」に、予想以上の反響をいただき驚いています。今回はユニットにおける同期音源について考えてみたいと思います。
いわゆるユニットと呼ばれる活動形態は「ドラム奏者がいない」「ドラム奏者もベース奏者もいない」など、そのユニットごとに「どのパートを同期に任せるか」が変わります。
「同期は単なる打ち込み音源」ではなく「同期も重要なメンバーの一人」として、生演奏に溶け込ませ、しかも埋もれない工夫をしたいものです。
どのパートを打ちこむにしても、同期音源の作り方は基本的には前回と一緒です。
【ソフトの内部でオーディオ化せず】
↓
【一度インターフェースのアナログアウトから、ラインケーブルで同期のオーディオ信号を出し】
↓
【DI付きのマイクプリやチャンネルストリップを通して、DAWのオーディオトラックに録音する】
ドラムがいないユニットにとって、打ち込みドラムの音は、同期パートの中でも一番重要視される部分です。そして、こだわりの同期音源を制作するのと同じくらい「アウトプット」にこだわりましょう。PA側のミキサーチャンネル数が許す限りメインOUTに加えて、パラレルOUTを出来れば2~4系統欲しいところです。
OUTPUTの接続方法を2例示します。
MTRを使用する場合は、出来れば24トラック以上の物か、16トラック×2台を同期させて使用したいところ。とりあえずパラアウトが4パート出せれば問題なし。
また、OUTPUT数が少ない機種(オーディオインターフェース、MTRに関わらず)の場合は、以下のような方法で出力します。
もちろんラインケーブルは、ベルデン、モンスタークラス以上のものを使用してください。
【大学生バンドのセルフREC】
6曲目 ミスチル風バラード ♩=75
アンプのTREBLEを少々下げて音色を丸くし、1B、2B、3Bにチャレンジ。
1テイク録ってみると、音色が少し丸すぎたので、ギター本体のトーンを少々上げ再チャレンジ。音色は良くなったのだが演奏がよれる。その後も前半が走り気味だったりで、なかなか通してOKにならず。結果2テイク目後半と5テイク目前半をつなぐことにしてOKとした。
2B、3Bも同じフレーズなのでこれをコピペする。
サビはクランチ気味の音色にしたいので、Diezelのクランチチャンネルにして対応。ギター本体の音色はそのままに、とりあえず録ってみた。音色は良いがまだまだ粗い。テイクを重ねるも前半後半通しての良いテイクが出ない。前半、後半の良いテイクをつないだが、クロスフェードがうまくいかず納得がいかない。ようやく8テイク目をぎりぎりOKとし、2サビ3サビもこれをコピペした。休憩の後、アウトロ録りへ。
【今月のMV】 Cuicks 「The Pastel Song」
ポスト・コーネリアスと呼べそうなフレンチNewWave色漂う、ダンサブルなフューチャーポップ。音楽制作誌SOUND DESIGNER 2015年6月号の特集「音を大きくする 曲の仕上げ方」の課題曲としても取り上げられた。
【今月のちょいレア】 Roland MV8800
名機MV8000をグレードアップさせた後継機種としてリリースされた。音質、操作性に優れ、非常に創作意欲を掻き立てる。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
The Mash 「 ファースト 」
60年代から現在に至るまでのR&Rを広義に解釈したThe Mashを、総結集させた
フルアルバム。リズム&ブルース、アシッド・フォーク、オルタナ、NewWave的エッセンスが
炸裂する攻めの一枚。2017年12月全国発売。
OKAZAKI QUINTET 「 After – glow 」
モダンジャズの新気鋭TERUKO OKAZAKIが率いる、ハイレベルなクインテットの1st
アルバム。全曲オリジナルで演奏のテンションも高く、ライブ感100%で聴きどころが満載
だ。
Heretique Aventure 「 Episode.1~独裁への道 」
Gothic Horrorを中心に、エレクトロ、NewWaveなどが多次元にクロスオーバーする佳
曲ぞろいのアルバム。2人の少年が交差する、未来都市を舞台に繰り広げられるストー
リーがテーマになっている。
ギミックバニージャンクション 「 ロンリークレイジータンバリン 」
ローリングストーンズ、フェイセズ、レイナード・スキナードなどのR&Rを土台にしたロックバ
ンドのアルバム。リズム&ブルースのルーツを探るには最適の一枚。全国発売中。
NUTS 「 Not Urban The Stick 」
カナダ、北欧、オーストラリアのモダンへヴィネス系と、90年代のニューヨークハードコア、ス
クリーモの融合系ともいえる。ラウド系新機軸とも呼べる新たなアイデアが堪能できる。
【お知らせ】
☆SOUND & RECORDING MAGAZINE2017年12月号「音響設備ファイル(P136~)」に当スタジオを取り上げて頂きました、是非ご一読ください。
https://www.rittor-music.co.jp/magazine/detail/3117121007/
☆2017年11月19日(日)13時~15時 茨城県水戸市の茨城音楽専門学校にて、毎年恒例の音楽プロデュースセミナーを開催!参加は無料ですが、電話で予約をお願いします。予約・お問い合わせ 029-248-0521 茨城音楽専門学校まで!
「ライブで同期を使うと音がペラペラで生楽器と混ざりにくい」といったお悩み、ありませんか?
「アマチュア、プロ」また「バンド、ソロ、ユニットなどの活動形態」「音楽のジャンル」を問わず「同期」を使った作品が浸透してから久しいこの頃。
それだけに、出来の良いもの、そうではないものの差が明確になってきています。
今回お話する「同期」は、DAWソフトで制作することが前提ですのでご了承ください。
「スマホやタブレットのアプリで制作した同期音源」をライブで使うことについては、正直論外だと思っていますので触れません。
「CubaseやLogic、ガレージバンドなどのDAWソフトを使用し、同ソフトの内部音源で同期音源を制作」という方法が、今、全世界的に見てもスタンダードなやり方だと思います。
そうやって制作した音源を、DAWソフト内部で普通にオーディオ化した分には「悪くないな」という質感になり、それを安価なインターフェースを使い2Mixで出力し、いざライブで使用すると…
「今一歩物足りない」という感じになりませんか?
まず、ソフトの内部音源をソフト内部でオーディオ化すると、音が薄く、存在感のないものになる傾向があります。いくらアレンジや打ち込みのクオリティーが高くても、出てきた音がイマイチになることが多い気がします。
では、どうすれば同期の音がリッチ、かつ生楽器と混ざりやすくなるのか?
この図に示したのは「内部でオーディオ化せずに、一度インターフェースからそれなりのレベルのラインケーブルで外に出し、チャンネルストリップやマイクプリなどのDI部に入力→オーディオトラックに録音」という昔からある手法です。
ポイントは「全トラックを一気にやるのではなく、大変でも1トラックずつオーディオ録音する」ということです。時間や手間が非常にかかりますが、インターフェース、ケーブル、チャンネルストリップなどのアウトボードが平均以上の物であれば効果も絶大になります。
有名プロミュージシャンも、この手法をとっています。一例を挙げるなら、2016年SUMMER SONICのアンダーワールドが非常に素晴らしいライブを展開していました。同期の音も、これまで聴いたことがないくらいリッチで密度が濃く、果てしない立体感を演出していました。
また、ライブで同期を使用する時は、ミキサー卓のチャンネルが許す限り「メインアウト+パラアウト」で出力するようにしましょう。これでも同期の音は相当変わります。
【大学生バンドのセルフREC】
5曲目のテンポチェンジ有オルタナロックは、コーラス、キーボードがないので、ここで録音終了。
6曲目のミスチル風バラードのバッキングギターに取り掛かる。
バッキングギターのみになる箇所が多いので、クリックと仮ギターをガイドとしてモニターすることにした。(ドラムやベースの入っている箇所は仮ギターをほとんど返さない。)
ギターは、2度目の改造から戻ってきたレスポールを使用。
アンプはDiezelクリーンチャンネル。マイクはゼンハイザー609(中音~高音)エレクトロボイスRE20(低音~中音)ソロモンマイク(超低音)の3本で、フルレンジ録音することにした。
マイクプリはNeve5024(4chプリ)を使用。
6曲目ミスチル風バラードの曲構成 テンポ♩=75
イントロAはクリーンギターのみ、イントロBはクリーンギター&キーボードのみで、とにかく粗が目立ちやすい箇所だ。音色とモニターチェックを兼ねて1テイク通しで録る。
リズムも厳しいのだが、低音が思っていたよりも多いのでアンプの低音部を少しカットする。
2テイク目、モニターバランスも音色も満足いくものとなった。
本番の部分録りは難易度の高い箇所(イントロA、イントロB)は後回しにして、イントロCからAメロ1まで、からスタート。勢いの良かった2テイク目を採用し次へ。
1サビ後の間奏と2Aにチャレンジ。こちらは3テイクでOK。
ギターソロ部分とAメロが同じコード進行なので、2サビ後の間奏とギターソロ部分のバッキングを録る。フレーズが完全に同じところがない曲なので、コピペに頼れないのが辛いところである。地道にテイクを重ね、3テイク目を採用。後半ギターソロ部分のバッキングのみパンチイン。
1Bは音色を少し丸くするので音作りをするため、一旦休憩をとる。
【今月のMV】川嶋志乃舞「キツネ倶楽部」
エゴラッピンmeets椎名林檎+三味線とでも言おうか、ありそうでなかなかないワン&オンリーな秀作。
【今月のちょいレア】 Roland MC909
2002年発売の、シンセ、サンプラー、シーケンサーが高次元で融合したハイエンドなグルーヴ・ギア。音の太さやユニークなプリセットパターンが素晴らしく、ソフトシンセでは表現しにくい密度感が堪能できる。
現在は生産完了。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
みならいモンスター 「 きっと明日も 」
地元の観光大使も務める三人姉妹ロックバンドのシングル。80’s色が前面に出ていながらも
2010年代要素もさりげなく際立つ作品。当スタジオでREC、MIXに加え、同期の制作も
担当させていただきました。2017年11月全国発売。
Sjue 「 Sing Like a Symphony 」
一聴するとオルタナポップ系女性Vo.バンドの匂いがするが、何度も聴いていくうちにシューゲイ
ザーやNew Wave、ブルックリン勢的なエッセンスがさりげなく散りばめられていることに気づく。
大御所インディーレーベルからリリースしてきた経験値が貫録を醸し出している。
Coo 「 Friendship 」
数多くのサーキットイベントや、全国誌等での露出度も急上昇のCoo。ギターロックという範疇
の中で、MAXにあらゆる要素を取り入れている挑戦作。
京成百貨店テーマソング
京成電鉄を中核とする京成グループが運営する、水戸京成百貨店のテーマ曲。東京藝大出身の根木マリサが作編曲、同じく東京藝大出身の瀧本真己が軽やかに歌い上げている。
RiNGO Tone ×My Girl (スプリット企画盤)
ビートルズフォロワー+ブリットポップの進化系サウンドが耳に心地よいバンドRiNGO Tone 。KNOCK OUT2017にも出演し、更に勢いが加速している。この作品は関西を中心に活動するMy Girlとのスプリット企画盤。
【お知らせ①】
2017年11月19日(日)13時~15時 茨城県水戸市の茨城音楽専門学校にて、毎年恒例の音楽プロデュ
ースセミナーを開催!参加は無料ですが、電話で予約をお願いします。
予約・お問い合わせ 029-248-0521 茨城音楽専門学校まで
【お知らせ②】
先日、当スタジオエンジニア樫村治延がSOUND&RECORDING MAGAZINE誌の取材を受けました。2017年12月号に掲載予定です、是非ご覧ください。
先日、三味線奏者 川嶋志乃舞さんのレコーディングを行いました。日本が世界に誇るエスニック楽器の一つである三味線ですが、ボディーの小さな弦楽器(中国の胡弓などもその一つ)をフルレンジで収録するにはプロのエンジニアでも大変苦戦します。
この写真は、先日のレコーディング風景を収めたものです。三味線の周りにマイクを6本立てています。目の前で鳴っている音に近づけようとすると、このような工夫が必要になります。
また、マイクと共に重要なのがマイクプリのチョイスです。
今回はRupert Neve 5024、MANLEY DUAL MONO、TUBE TECH MP1A、AVALON 737、DBX 676の5台のマイクプリ、チャンネルストリップを使用しました。
三味線だけでなくボーカル、作詞作曲もこなす川嶋志乃舞さんは、東京藝大卒で三味線日本一の座を4度獲得、海外での演奏経験も豊富なマルチアーティストです。
この時収録された音源は2017年10月8日発売されます。是非、CDをお手に取って聴いていただければと思います。
タイトル:花とネオンep
価格:¥1,000 + 税
品番:HART-1004
曲目:
1.キツネ倶楽部
2.津軽よされ節
3.秋田大黒舞
4.花千鳥(「大相撲ODAIBA場所2017」テーマソング)
(ライブ会場&通販限定)
モディファイ済みのMUSIC MANシルエットスペシャルを使用して、バッキング録り時のハムバッカーから、シングルコイルにピックアップを変更してリードを録ろう、ということになった。
基本はアンプ直、ギターアンプは前回同様Fender TWIN AMPを使用し、マイクもバッキング時と同じLUWITT DTP640RX(コンデンサー&ダイナミックのデュアル2chマイク)、LUWITT MTP440DMの2本を使って3ch分録ることにした。
様子見で最初から最後まで録ってみた。演奏自体は良いのだが、少しクランチ気味のクリーンの音色がソリッドすぎるのでプレゼンスを押さえて再度チャレンジ。音色と演奏がマッチするまで録り、イントロと静かなサビ部分のリズムが惜しかったので、これはパンチインすることでOKとした。
Dメロにあたる部分はトレモロ(モディファイ済み)をかけたいので、こちらを使用。
イメージ通りで、一発OKとなった。最初に通してクリーンで録ったDメロ部分をデリートし、この別トラで録ったトレモロギターを差し込んでこの曲は全パート終了。
【今月のちょいレア】 T.C.electronic Finalizer 96k
ハードウエアマルチバンドコンプの最高峰。最新のプラグインでも表現しにくい「密度の濃い立体感」が容易に出せる優れモノだ。ADコンバーターとしても秀逸。現在は生産完了。
【今月のMV】 The echodek 「CityLight」
オルタナシティーポップ、サイケAORとも呼べそうな新感覚のキラーチューン。聴き手を選ばない守備範囲の広い秀作。
樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
OSRAIL 「 Rebenant 」
北欧、フランス、カナダ、南米のモダンへヴィネスの系譜をたどる、2017年代のネオ・ラウドネス・スタイル。いかついバンドサウンドと、クリアで重厚なコーラスワークの絡みが聴きどころ。
CHIERI SUZUKI 「 TONE 001 」
SAX、ピアノを中心に、自ら全パートを演奏し完成させた、シックなコンテンポラリージャズをベースとしたインストサウンド。生演奏とは思えない、高度な演奏力と最新のサントラに採用されそうなハイレベルな楽曲群が漂っている。
GENSEKI 「 Naked 」
エモと、ギターロックと、少しのハードロックが融合した、密度の濃いロックバンドのシングル。前面に押し出されているVo.と、せめぎ合う楽器陣との絡みが心地よい。赤坂BLITZなど大バコにも出演し始めている期待のバンド。
サリドマイド
若手ながら、80年代初期パンク、ハードコアを真っ向から取り入れつつ、現在のパンク要素も結合したバンドのソノシート。ディスクユニオンの9/6付週刊パンクチャートで4位を獲得。全国発売中。
【お知らせ】
2017年11月19日(日)13:00~15:00茨城音楽専門学校(茨城県水戸市)にて「音楽プロデュースセミナー」
を開催します。今回のゲストはヤマハミュージックエンタテインメントホールディングスの石田裕一氏です。
【石田氏プロフィール】
矢井田瞳の制作ディレクターとしてアルバムやシングルの制作、ライブツアーや各種TV収録などの現場。手嶌葵の出版コーディネイトとして、スタジオジブリアニメ「コクリコ坂からの」アルバム制作に参加。現在は作家チームを取りまとめ、アーティストへの楽曲提供、アニメなどの劇版制作、CM楽曲制作などを取り仕切るとともに、2016年8月よりヤマハがスタートさせたYamaha Music Auditionにおいて、新人発掘及び育成も担当する。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第32回
今年も夏フェスの季節がやってきました。個人的に注目しているのは、シューゲイザー・ドリームポップの大御所バンド「Slowdive」「Ride」の来日&新譜です。
そしてシューゲイザーシーンをますます盛り上げていこうと、大手レコード店DiskUnionで8/4よりシューゲイザー特集の小冊子が無料配布されています。
シューゲイザー好きを公言するアーティスト、著名人、ライターなどが執筆に参加、好きな作品を1つ選んで紹介しています。
私もお声をかけていただき参加いたしました。紹介した作品は、当スタジオ名・レーベル名にもなっているCHAPTER HOUSEの「Whirlpool」です。
Slowdiveメンバーのコメントも掲載されているフリーペーパー
「CRAZY FOR YOU ~MY FAVORITE SHOEGAZE DISC~」は、下記のDISKUNION各店舗で無料配布中です。見かけた方は是非手に取ってみてください。
■フリーペーパー配布店舗
新宿インディ・オルタナティヴロック館 / 新宿ロックレコードストアー/渋谷中古センター / お茶の水駅前店 / 神保町店 / 池袋店 / 下北沢店 / 吉祥寺店 / 町田店 /中野店 / 立川店 / 高田馬場店 / 横浜関内店 / 横浜西口店 / 千葉店 / 柏店 / 北浦和店 / 大宮店 / 大阪店
【チューブマイクの性能を上げるには?】
SE Electronic のチューブマイク Gemini Ⅱの性能をより向上させるため、専用マイクケーブルをモディファイしてパワーアップさせました。Gemini Ⅱは、前回ご紹介したZ5600A-Ⅱの上位モデルです。
チューブマイクのケーブル改造はマイクの性能を上げる一番の手段ではありますが、熟練の技と知識が必要なため、手練れの専門業者に依頼するのが原則です。間違っても自分で改造はなさらぬように。
(メーカー保証が利かなくなるので、覚悟も必要です。)
通常のマイク結線および電源の取り方、と比較してご紹介します。
【大学生バンドのセルフREC】
前回でメインボーカルは全て録り終わったので、今回は5曲目【テンポチェンジ有オルタナロック】のバッキングギターからスタート。セッティングは以下の通り。
【ギター:モディファイ済みMUSIC MAN シルエットスペシャル】
【アンプ:FENDER TWIN AMP】
【マイク:LUWITT DTP640RX(低音~中音)、LUWITT MTP440DM(中音~高音)】
低音~中音用のDTP640RXは、AudioTechnica AE2500と同じくデュアル2ch構成(ダイナミックとコンデンサー)になっているので、2ch分を一本で録ることが出来る。
【通常の仕様】
【キャップを開けて、2chのデュアル構成をチェック】
中音~高音用のMTP440DMはSHURE SM57と近い音域のマイク。ギター・スネア録りに最適。
この2本のマイクで3ch分をフルレンジ録ることになった。
シールドはFREE THE TONEを使用、アンプから直で録る。
音を出してみるとイメージ通り、ブリット・ポップの音が耳に飛び込んできた。
テンポチェンジのある曲だが小細工をせず「勢い一発感」を重視した録り方を心がけることにした。
モニターを調整しながらなので、どうしても演奏が粗くなる。
2テイク目、モニターが良くなったためか少々粗削りながらも、かなりグル―ヴィーで音楽的なテイクが録れた。3テイク目が全く直しを必要としない完璧なものとなり、バッキング録りを終了。
30分休憩を挟み、リード録りへ。
先程のバッキングはハムバッカーで録ったが、リードはピックアップをシングルにした。Dメロのみ、リフにディレイとトレモロをかけたいので、ここは別トラックにして計2本にすることにした。
【今月のPV】 極悪いちご団 「 股旅暮らし 」
ユニーク、かつロックなファンキー演歌歌謡。MVも本格時代劇調で、非常に質が高くおもしろい。
【今月のちょいレア】 Lucid GEN×6-96
各デジタル機材のサンプリングレートを統括する、マスターワードクロックジェネレーター。ハイファイな音像を醸し出す優れモノです。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
The echo dek 「City Lights ep」
Justice、LCD Sound System、Tame Imperaといったフジロック系サウンドを、更にブラッシュアップさせた新作。最高の出来となったRemixとともに、洋楽好きにはたまらない作品。
THE FREE MAN 「 BLUE TRAIN 」
ローリングストーンズ系R&Rバンドの新作。演奏、楽曲、テンションのすべてが前作を上回っている。バンドの一体感もさらにパワーアップした力作。
野晒 「 現代病 」
80’sの初期パンク・ハードコアの流れを全面的に感じる作品。若手とは思えない、渋さと深さを感じさせる。あえてアナログ盤でも聴いてみたい。
Last Things of May
カナダ・トロント系ラウドスタイルを踏襲し、日本人離れした英語の発音やパフォーマンスも圧巻。楽曲も捨て曲なし。
THE CARMIN 「 SPUNKY HIPPY SHAKE 」
真っ赤なスーツがトレードマークのR&Rバンドのフルアルバム。自らのルーツを回帰する意欲的な一枚。全国発売中。
【お知らせ】
2017年8月10日より配布開始のJUNGLE LIFE 237号に、私のインタビュー記事が掲載されます。ぜひご一読ください。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第31回
前回、真空管マイクについて取り上げたところ予想以上の反響をいただきました。
今回も引き続きおすすめのチューブマイクをご紹介します。
SE Electonic Z5600 A-Ⅱ
一見、単一指向性のように見えますが、専用の電源ユニットで無指向性・双指向性に切り替え可能というユニークな製品です。
専用ケーブルは8ピン、かなりしっかりした作りで高級感があります。
専用ケーブル(8ピン)
肝心の音質はワイドレンジで、ウオーム&ブライトと言う言葉がピッタリ。どんな素材ににも対応出来る実力あるマイクです。実勢価格は8~9万円台でありながら、20万円台の上位モデルと比較しても全く遜色ありません。まず1本目に購入するチューブマイクとして、AKG P820と並んでお勧めしたい製品です。
大学生バンドのセルフREC~ミスチル風バラード~
3サビのVo.が予想以上に良くほぼ一発OKだったので、2サビを飛ばし、歌詞やニュアンスに共通項の多い1サビにチャレンジ。
ドラムやベースのリズムが少々粗く、ピッチやニュアンスは良いのだがリズムに乗り切れない。
リズムに乗れた、と思うとピッチが納得いかない。3テイク録ってとりあえずOK。次は2サビ、リズムが良いがピッチが惜しい。2テイク目でOK。ピッチが少々怪しいのはオートチューンで修正する。
2Bに進むが、Bメロはメロディー跳躍が多くピッチがとりづらく、16分音符のシンコペーションもあるのでリズムも難しい。3テイク録って前半のみパンチイン。ピッチも2か所直してOK。
2Aは一発OK。その流れで1Aへ。Aメロは今までとリズムパターンが違うので3テイク録って、ほぼ満足いく出来に。ピッチは少々修正する。
これで6曲分の歌録りがすべて終了した。
次はギターの残りか、コーラス入れの予定だ。
【今月のちょいレア】 YAMAHA CRW-F1
現在はディスコンになっているPlexterと並び称される、PC用CDライターの名機。通常のPC内臓ドライブや外付けドライブでは成し得ない、音の解像度、密度感が体感できる逸品である。
【今月のMV】 HINOMARI 「ABSTRACT」
既成のオルタナティブロックを新たに組み替えた、ニューエイジロックバンドの最新リード曲。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
Kaleidoscope 「 時空旅行 」
バークリー音大卒のマルチインストゥルメンタリスト松井秋彦と、ミュンヘン国立音大卒のボーカリスト前田祐希によるクロスオーバージャズアルバム。嶋村一徳(Dr.)岡田次郎(Ba.)による鉄壁のリズム隊も聴きどころである。2017年7月全国発売。
RiNGO TONE 「 MUSIC 」
バンド名からも連想できるように、世界中のビートルズフォロワーの影響が根幹にあり、加えて現代のブリットポップを中心にあらゆるポップスフィールドのエッセンスが縦横無尽に感じ取れる、ハイセンスな作品。スプリット作品も期待大。
stink bugs 「 MAVERICK 」
一聴して、カナダのモダンへヴィネス系や北欧のニューメタル系フレーバーが随所に感じられる、ネオラウド系のマキシシングル。西洋人寄りの声質も相まって、どこから聴いても洋楽。楽曲のバリエーションも豊富で飽きが来ない。
Jam en drop 「 Singing in the rain 」
ボン・ジョビやレベッカといった80‘sポップスとハードロックがベースにある、女性Vo,パワーポップバンドのシングル。Saxの、的を得ながら時に意表を突くアプローチがとにかく面白く、一聴の価値あり。
Sunny Sound Leaf 「 明日はきっとイイ日になるさ 」
このバンドの楽曲を聴いていると、ギターロックの範疇がどんどん広くなるような錯覚に陥る。従来のポップフィールドの隅々まで研究しているだけでなく、自らの表現のツボがわかっているからであろう。オリジナリティーが炸裂する内容の濃い作品。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第30回
前回の「5万円以下の、使えるコンデンサーマイク」に引き続き、今回は「10万円以下の、実用的な真空管(チューブ)マイク」を取り上げます。
真空管とは「真空状態のガラスや金属の管の中に電極を取り付けたもの」で、小さい電気信号を大きく増幅させることが出来ます。バンドマンにとって一番なじみ深い真空管と言えば、MarshallのJVMシリーズやFender Twin Reverbシリーズといった真空管式のギターアンプでしょう。
プロオーディオには真空管を採用したコンデンサーマイクが多々存在しますが、高価、かつ扱いに神経を使うという点で導入に至らない方も多いと思います。今回ご紹介するのは、真空管式の中では比較的ロープライス(10万円以下)なチューブマイクです。
【AKG SolidTube(生産完了品)】
回路設計やパーツがしっかりしており、非常にふくよかな音がします。
残念ながら生産は完了してしまいましたが、現行品ではP820がこの製品の流れを継承しています。
SolidTubeの他にも【Lauten Audio LA-320】【SE Electronics Z5600Ⅱ】【RODE K2】などがおすすめです。6/9発売のサウンドデザイナー2017年7月号(P52)に、真空管アンプについての記事を書かせていただきました、そちらも是非ご一読ください。
【大学生バンドのセルフREC:前回までのおさらい】
↑
以上の作業まで終了し、今回は2サビ後半をパンチインした流れで3サビから。アルペジオフレーズが少しずつ違うので、コピペせず通して録り、2テイク目でOK。
この勢いに乗ってDメロ録りへ。16小節通して録り、ついでにアウトロ8小節も続けてみたら意外に良い出来だ。最後のリタルダンドのみ録り直してOK。
いよいよ課題の「頭のイントロA」録りに再チャレンジ。先程の勢いのまま録り進める。前半のリズムとピッチがうまくいかずパンチインしてみたが芳しくない。さすがに集中力が切れたのかもしれない。休憩をはさみ、テイクを重ねなんとか納得のいくものになった。
ここまででこの曲のバッキングギターが全部終了。
歌のセッティングにチェンジ。
使用するマイクはAKG SolidTube(チューブマイク) と Aston Origin(コンデンサーマイク)
この2本は、ファットな歌声を録ることを狙って選択した。
まずは通して歌って様子を見て、パートごとに録り直していく。順序に従わずいきなりDメロからのチャレンジだ。ピッチ直し不要なクオリティーをキープ出来た。
続いて3サビ。つまづいたのは歌詞の間違いくらいで、3テイク目を少々ピッチ直しすれば問題ないとの判断。次は1サビ録りだ。
【今月のちょいレア】YAMAHA RS7000
2002年発売。同社MOTIFクラスのサウンドエンジンとA7000クラスのサンプラー、QY700を超えるシーケンスにアナログシンセの操作性が濃密に溶け合う、ハードウエアの最高峰。
【今月のMV】 Lisle 「DANCER IN THE RAIN」
Vo.AEの深みのあるハスキーな歌声と、G.YUKKEのエモーショナルでテクニカルなギターが辛辣に絡む珠玉の一曲。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
HINOMARI 「 NOFEELINGS 」
約2年をかけて制作された大作。レディオヘッドをはじめとする世界中のオルタナティブロックを
研究しつくし、独自路線の確立に成功した。西日本の大規模音楽フェス「南WHEEL」にも
出場経験あり。2017年7月全国発売。
極悪いちご団 「 股旅暮らし 」
比類なき時代劇江戸前ロックを追求し、3年半の歳月をかけて完成。ファンク、R&Rをここ
まで亜流に変化させる才能には脱帽するしかない。2017年6月全国発売。
The Mash 「 今夜も深夜二時 」
陽気なR&Rと陰りのあるアングラ系ロックとの突発的な融合が心地よい。聞けば聞くほど、
彼らの深い精神性がにじみ出てくるような一枚だ。
いこち 「 造花狂咲 」
オーストラリアツアーも敢行した、ニューハーフVo.ちかこ率いるネオロカビリー&昭和歌謡バン
ドの2nd。国内音楽業界の常識を覆すパワーがひしひしと伝わってくる。全国発売中。
SheSpider 「 Whose This Dream? 」
90年代ブリットポップを彷彿とさせる、いまどきのパワーポップ。洋楽好きにはたまらない楽曲
群が立ち並ぶ。日本人離れした歌声にも注目だ。