CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第83回
今回ご紹介するのは「ACスタビライザー」です。
一見するところ電源ケーブル?高級な延長ケーブル?のようですが、実はかなりハイパーな代物なのです。
代表的な製品にはAcoustic ReviveのRAS-14 Triple C(写真)などが挙げられます。
通常のACケーブルにスタビライザーを接続し、壁のコンセントにつなぐのが一般的な使い方です。
ACスタビライザーを接続することにより、グラウンドループを断ち切ることが出来、いわゆるアースノイズをはじめとした大抵の電源ノイズを除去した、ピュアでワイドレンジな音像が体験出来ます。普通のご家庭の電源で作業している方には、効果絶大といえましょう。
【大学生バンドのセルフREC】
スローバラード系のRECもいよいよ最終段階。
残っているハモりは「2B下ハモ」「1B、2B下ハモダブリング」のみとなった。
モニターバランスは前回と同じ。
練習テイクで2B下ハモを歌ってみる。モニターバランスはすでに出来上がっているが、1Bの時と同様につられてしまう。ガイドメロディーを確認し再チャレンジするも、やはりつられる。
1B収録時に使った作戦「主メロ、上ハモ、上ハモダブリングをミュート」して歌ってみる。つられてはいないがリズムが甘い。再々チャレンジで雰囲気含め良くなった。
2B後半はパーフェクトなので、前半のみパンチインし、ほんの少しリズムを修正してOKとした。
次回はいよいよ1B2B下ハモダブリングだ。
【今月のちょいレア】 KS Digital
同軸のハイエンドパワードモニタースピーカー。手っ取り早くリッチなサウンドスケープが体験できる実力機だ。低音がやや強めなので、リアパネルのスイッチで音域を調整しながら使用すると、良いバランスになりやすいかも。
【今月のMV】 Slingshot Million2「アスミライ」
結成当時から「ハッピーパンク」というキーワードを掲げ続けている彼らの最新MV。楽曲バリエーションの幅広さ、ツインボーカルの絡みのセンスなど、どこを取ってもレベルアップしている作品。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!
Radiolady 「Sweet Soul」
Novembers、People In The Boxなどに代表されるJオルタナバンドの系譜ともいえる「Radiolady」のデジタルシングル。随所に欧州シューゲイザーバンドのエッセンスも感じられ、好印象だ。
脳ジャズfeaturing Michel Kaneko 「Heaven」
70年代から現在に至るまでのソウル、ファンクの「原点と発展形」の要素を感じられる名曲。一般受けと玄人受けの丁度中間になるような音楽性が素晴らしい。
nikiie 「Lazy day」
ゲス極のBa.休日課長も在籍するバンドDADALAYや、音楽クリエイティブユニット (K)Now_NAMEのメンバーとしても活動するnikiieのデジタルシングル。気だるさとエキセントリックさが醸し出す快適な雰囲気がたまらなく伝わってくる秀作。
モノクロミライ 「カラフル」
彩りのバリエーションがリッチな気分にさせる、小洒落たギターロックバンドのミニアルバム。色合い豊かなこの作品は、どの曲から聴いてもストーリー性を感じさせる。
Alice Tea Party 「リズミック・プリズム」
アリス・ティー・パーティーの総結集ともいえるフルアルバム。ギターロックがベースにありつつ、オルタナ、ディスコパンク、NewWave、ポストロックチューンが満載の作品。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第82回
1~3万円クラスのパワーケーブルとは一線を画するクオリティーを誇るOKUTSU DENKOの製品を、今回もご紹介します。
<写真は前回ご紹介したUniverse AIR4-UV-1.5>
その1つがOKUTSU DENKO Prestage Customというケーブル。
下の写真はそのPrestage Customの上位にあたる、メーカーの中では最上位のフラッグシップケーブル、Extremeです。
他社のフラッグシップケーブルと比較しても一段階ワイドレンジで、芳醇な立体感がたやすく演出出来る実力を持ちます。ウイークポイントが見当たらず、ストロングポイントのみ目立ちます。
定価で20万超のこの製品、現在は生産完了らしいのですが、ごくたまに中古市場で10万前後で見かけることがあります。
ケーブル一本に10万円となると本職の方でも勇気のいる価格だと思いますが、ハイエンドなコンデンサーマイクやアウトボードの中古よりは安いと思います。システム全体のグレードアップ、と捉えれば決して高い買い物ではないと、個人的には思います。
【大学生バンドのセルフREC】
Bメロ下ハモからの予定だったが、上ハモの感覚が残っているうちに「Bメロ上ハモダブリング」を録ることにした。
上ハモOKテイクをガイド代わりに使えるので非常にやりやすく、1B、2B共にほぼ一発で決まった。
ピッチ、リズムの微調整後、1B、2Bの上ハモ下ハモダブリングはOK。
次はBメロ下ハモ。
多少モニターバランスを変えてみる。
<マイクBlue Dragonfly>
ガイドメロディーで下ハモのコーラスラインを再確認。
試しに一回チャレンジすると、3声になる下ハモがやはりハードルが高く、2声の時よりもすぐつられてしまう。再度ガイドメロディーを確認、Cueboxのバランスを調整しながら歌ってみた。モニターバランスは徐々に良くなってきたが、3声のハードルは高く、やはりつられてしまう。
強行策として、「主メロ、上ハモ、上ハモダブリング」の3パートをミュートして、下ハモのみにして録ってみた。つられなくはなったが、リズム含めまだ甘い。数回チャレンジし、ピッチ、リズムの修正をした。次回は2Bだ。
【今月のちょいレア】 PMC TWO TWO6
英国を代表するハイエンドスピーカーブランドの傑作。どこの周波帯を見ても全くいびつな成分がなく、音楽的に見てもスーパーフラットと呼べる逸品だ。
【今月のMV】 前田和花「DREss」
https://www.youtube.com/watch?v=3wGkwtYO9Hc
初期の椎名林檎と大森靖子を足して2で割ったような、パンチ力と疾走感がストロングポイントの一曲。メジャーデビューを果たした記念碑的作品。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!
Sayonara Tokyo 「the sun and the moon」
エモーショナルとクール、洋楽と邦楽、といった相反しそうな世界観を全体から感じることが出来る。一貫していえるのは、ロックとかポップとかいうカテゴライズを超越した、圧倒的ワン&オンリーな作品であるということである。
woebegone 「GOLD」
仙台在住モダンポップバンドのミニアルバム。70~80年代のファンクと、現在進行形のシティーポップをナチュラルに融合させ、定番リフを多少変化させてアレンジしている点にオリジナリティーを感じる。当スタジオではマスタリングを担当。
ホロトニア 「ひと-ごと」
新潟在住ギターロックバンドのフルアルバム。一聴してU2のようなヨーロピアンテイストと、ロキノン系がバランスよく融合された作品。掘り下げて聴くと、細かいリフや音色に深いこだわりを感じる。2021年11月メジャーリリース。当スタジオではマスタリングを担当。
SlingshotMillion2 「アスミライ」
メロコアというジャンル枠に収まりそうで収まらない、男女ツインボーカルロックバンドのマキシシングル。定番を押さえつつ、真正面ではなく少々斜めからのアプローチがユニーク。
COLLAPSE 「GARDEN」
ミドルテンポのメロディアスなシューゲイザーチューン。個人的にはPale Saintsの「Kinky Love」が轟音になったような印象を受けた。Slowdive好きにもおすすめの一曲。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第81回
今回も、OKUTSU DENKOUのプレミアムな電源ケーブルをご紹介します。
OKUTSU DENKOUの開発したAir Cableシリーズ。
下の写真は前回ご紹介したエントリーモデル、strike AIR3-ST-1.5です。
AIR3には、この他に2つの上位機種Alchemy AIR3-AL-1.5とDestiny AIR3-DS-1.5があります。
そしてAIR3シリーズよりもう一段階以上の高級な音像を楽しめる、Universe AIR4-UV-1.5をご紹介します。
ワイドレンジで非常に位相が良く、きらびやかなフラットさが魅力で、どのような機材と組み合わせても全く死角がありません。
発売当時、定価で10万円ちょっとでしたが、ごくまれに中古市場で4~5万円で出ていることもあります。
既に1~3万円くらいのエントリーから中堅クラスのケーブルを所有していて、もっとステップアップを狙っている方には打ってつけの逸品と言えそうです。
【大学生バンドのセルフREC】
前回に続き、バラード曲のコーラス録り
Bメロ上ハモ、下ハモ、上ハモ下ハモのダブリングにチャレンジ。
Bメロの主メロは比較的中低域寄りなので、上ハモから録る。
その前に主メロのピッチ、リズムを直す。
Bメロは、Aメロと比べ楽器のアレンジが大きく変わる。
そこを見据えて、マイクはBLUE Dragonflyをチョイスした。
練習とバランスチェックを兼ねて数回試し録りをし、本番へ。
3rdテイクをOKとして、一部ピッチとリズムを修正。
2Bは主メロが少し変わる。1Bのつもりで歌ってみるとずれが出たので、ガイドメロディーを確認して数回テイクを重ねる。ようやくOKテイク、ピッチとリズムを修正した。
次はBメロの下ハモだ。
【今月のちょいレア】 TASCAM VL-X5
TASCAM VL-5シリーズ3種類のうちの一つ。大きさ、形、サウンドキャラクターはVL-A5に近いが、VL-X5はそれよりややシックでよりフラット。10年以上前の製品だが、中古市場で2万円台で見かけることも。3~5倍くらい価格が高い、欧米のスピーカーともいい勝負の実力を持つ名機なので、小型スピーカーから卒業したい方に是非おすすめしたい。
【今月のMV】 two pack milk 「わかりやすい癖」
https://www.youtube.com/watch?v=Q4QeIE9vAKE
例えるなら「オルタナ系メロディアスロック」とでも言うべきだろうか。独自の路線をまい進するtwo pack milkの意欲作。シューゲイザー系ギターサウンドとクールな映像とのコントラストが新鮮だ。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!
PEI 「夢を見る島 / 瓦礫の上に立つ女」
福島県いわき市在住ギターロックバンドのシングル。王道サウンドの中にも、多少の亜流的要素が見受けられる点が個性になっている。声質と歌詞の絡み、楽器陣とのクロスオーバーも好印象。
前田和花 「月はおもしろいほど輝く」
高知出身18歳シンガーソングライターのメジャーデビューアルバム。椎名林檎や大森靖子に通ずるハスキーな声質や独特な世界観に、中毒性を感じる人が続出する予感。2021年10月全国発売。当スタジオではマスタリングを担当。
Talk Never Talk 「Flow」
カナダ、オーストラリア、日本の多国籍グローバル3ピースロックバンドのシングル。最新ビルボードチャート的な要素と、ヨーロッパインディーサウンドがハイクラスに混合しているのが聴きどころ。当スタジオではRECを担当。
Weather Forecast 「SLOUCY」
福島県会津若松市在住ロックバンドのシングル。80~90’sのJ-POP、J-ROCKド直球サウンドだが、20数年前に制作した楽曲を、少しずつアレンジを変えながら完成させたプロセスに、いわゆるオマージュではないものを感じ取ることが出来る。すべての世代におすすめ。
Risky Melody 「ESPERANZA」
Vo.アリスを中心とするガールズロックバンドのフルアルバム。各曲ごとのコンセプトの違いが音楽性の幅を広げつつも、根底では全曲通して一本の連続したストーリー性が完成している。スキャンダラスな雰囲気が見え隠れする楽曲にも着目したい。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第80回
今回からOKUTSU DENKO(奥津電工)の電源ケーブルをご紹介します。
OKUTSU DENKOは2008年に、絶縁体に独自の「空気絶縁構造」を採用したOFC導体を使用し、プラグ部には独自の固定機構を備えた電源ケーブルAir Cableを開発し、高い評価を得ているメーカーです。
【Strike AIR3-ST-1.5】
エントリーモデルであるこの電源ケーブルの一番の長所は、デジタルハードウエアとの相性です。
例えばオーディオインターフェース、マスターレコーダー、デジタルシンセ、ワードクロックジェネレーター、PCなどに使用すると、デジタルのギスギスした質感が和らぎ、ナチュラルかつプレーンな雰囲気を楽しむことが出来ます。
デジタル系に強いだけでなく、アナログ系機材でもディスクリート式のマイクプリ、EQ、コンプなどと相性ばっちりです。
発売当時4万円前後でしたが、現在中古市場で2万円前後で見かけることもあります。興味ある方はチェックしてみてください。
【大学生バンドのセルフREC】
【Aメロ上ハモコーラス録り】
Aメロは基本「上ハモと上ハモダブリングのみ」だが、楽器の音数が少なく1つ1つのパートが目立つので、全くごまかしが効かない。
コーラス録りの前に、メインVo.のピッチ、リズムをより丁寧かつ音楽的に直すことにした。
メインVo.のAメロ、2Aメロのピッチを、全直しに近いくらいに修正、リズムも多少修正。不自然にならないように修正することを心掛ける。
Aメロ上ハモコーラスの練習を開始、モニターバランスを下図のように調整。
マイクは前回と同じくCAD E300S
モニターバランスをリアルタイムで調整しながら数回録り、3回目がドンピシャにはまってOK。
2A上ハモコーラス録りは、1回目は惜しくも歌詞の間違いがあり2回目でOK。
Aメロ上ハモのダブリングを軽く録ってみたが、一聴して暑苦しいとの感想が多く、無しになった。
次はBメロ上ハモから。
【今月のちょいレア】 TASCAM VL-S5
前回紹介したVL-A5よりサイズは一回り小さいものの、パワー感はほぼ変わりない。全音域がバランス良く前に張り出し、加えて奥行きもよく見える真の実力機。ハイエンドブランドの同程度スピーカーを比較しても、勝るとも劣らないクオリティーはさすがである。生産完了品。
【今月のMV】 武田 愛 「So many stars - Japanese version」
ノラ・ジョーンズやシャーデーに代表される、セピア色のような空気感が漂う楽曲。映像と合わさると、オーセンティックでソフィスティケーションされた、肩の力を抜いた作品にブラッシュアップされている。当スタジオではミックス、マスタリングを担当。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!
GLOCK406 「白いカーテン」
楽曲、音色、リズムパターンなどオーソドックスなギターロックに、Vo.が加わったとたん世界観ががらりと変わる点を大いに評価したい「GLOCK406」の配信シングル。細かいニュアンス、ディテールにとことんこだわったVo.を味わってほしい。
LeoLoop 「明日を描いて」
Vo.wataru、 Rap.ku-taによる男性ボーカルユニットのシングル。真っ向からJ-POPの王道を貫く楽曲に、独自の声質が絡むことにより彼らの個性がより前面に打ち出されている。
TALK NEVER TALK 「TALK NEVER TALK」
オーストラリア、カナダ、日本、とそれぞれ国籍の違う3人からなるボーダレスロックバンドのデジタルシングル。ポストロックと、最近のトラップが融合したニューエイジロックとでもいうべき特徴をそなえたサウンド。どこからどう聴いても洋楽ど真ん中です。
ZERo 「Missing Paradise」
明るさと暗さが同居する、独自の個性が発揮された楽曲を創り出すZERoのデジタルシングル。モダンポップサウンドに乗せて、癒しを与える歌声がより輝きを増している。
BErgamot velmail sole 「BErgamot velmail sole」
「民族音楽とブリットポップの結合」という点ではクーラシェイカーのようでもあり、「斜めからえぐるようなエスニック要素」という点ではバンド独自の個性を大いに感じる。視点を変えれば様々な音楽の融合が見えてくる作品。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第79回
今回もACOUSTIC REVIVE のパワーケーブルを取り上げます。
【POWER SENSUAL MD】
最近まで、ACOUSTIC REVIVE社国内販売用パワーケーブルのフラッグシップモデルだった製品です。(現在のトップモデルはPOWER SENSUAL MD K)
一際目を引く鉄の筒のようなパーツは「出川式MDユニット」と呼ばれ、電源ケーブルから発生する磁界を打ち消し、電源供給能力の劣化を抑える効果があり、電源ノイズ、グラウンドノイズを強力に消滅させ、S/N比が大幅に向上するそうです。
価格は、これまで紹介してきた同社製品と比較して一桁違いますが、実力は一桁どころか二桁以上違うと思います。
【大学生バンドのセルフREC】
今までに録った上ハモと上ハモダブリングのピッチをプラグインで修正、リズムのずれも少しずつ修正して、違和感がなくなった。
いよいよ下ハモ録り本番に突入。
上ハモ録りのマイクは中高音域がびしっときまるSHUREを使用したが、下ハモ用には中低域がリッチなCAD E300Sを使うことにした。
マイクのキャラクターが変わったので、モニターバランス、音色を念入りにチェック。練習がてら数回試し録音をした。
サビ1下ハモ録り 本番1回目。
全パート再生すると悪くない印象だったが、ボーカル各パートと今録った下ハモを部分的に聴くと、下ハモのピッチ、リズム共にずれており、ニュアンスもイマイチだったので、1回目テイクは没。
2回目を録り、先程と同じようにボーカル各パートと下ハモだけ取り出して聴いてみる。2回目はリズム、ピッチともにギリギリ大丈夫、雰囲気も良かったので修正してOKとする。
サビ2下ハモ録り 本番1回目。
慣れてきたようで全体的に良い感じ。修正してOKになった。
サビ3下ハモ録り 本番1回目。
サビ3の下ハモラインは他と少々違うので、まずハモリラインを単独で鳴らしてチェック。
1回目録ってみたが、先程までの癖が抜けずつられてしまう。
2回目でだいたいOK。ピッチ、リズムを修正。
続けて下ハモダブリングを録る予定だったが、お腹一杯な感じになってしまったので、次はAメロ上ハモを録る予定。
【今月のちょいレア】 TASCAM ニアフィールド・モニタースピーカー VL-A5
価格の1ランク上のクオリティーを保つ音響製品を提供し続ける老舗ブランドTASCAMの、ニアフィールド・モニタースピーカー。「真面目で素直な音」というブランドイメージとは少々異なり、「最近の海外ブランドスピーカーの派手さ」に通じる音像が印象的だ。ただし、色付けがあるというよりは「全体的にきらびやかなフラットさ」がある感じだ。
【今月のMV】 Andare 「希望のうた」
https://www.youtube.com/watch?v=Ms2ohepJmTo
Andare定番のヒーリング系バラードのMV。歌詞、歌声の存在感が、聞き手の感性にストレートに響く。一度聴いたら脳裏に焼き付く名曲。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!
GLOCK406 「20」
「ソフトなエモーショナルギターロック」というキーワードが思い浮かぶ、空想力全開の一曲。歌詞の1ワードごとのニュアンスにこだわっており、街で流れていても耳を捉えるであろう存在感がみなぎっている。
ボトルメール 「なつぞめ」
いわゆるロキノン系枠、といえるスタンダードな一曲。ただ繰り返し聴くと、細部にわたり一筋縄ではない工夫が施されているのがわかる。リスナーを選ばない間口の広さが、次世代につながっていく作品。
ボトルメール 「また、ここで」
前出の曲と少々パターンが違う点は、歌詞、メロディーライン、声質、そして全体のアレンジの一体感が、かなり深いところで混然一体となっていることだ。おそらく5年、10年経っても色あせない魅力にあふれている。
ハレひらく 「赤 / 渡月橋」
ド直球J-POPかと思いきや、楽曲の細部にわずかに変化球的な要素が含まれている。それ故に不思議な世界観が構築されているのが個性であり、魅力となっている。当スタジオではミックスとマスタリングを担当。
THE SKA JUNCTIONS 「Feel the Beat」
スカに加え様々な音楽要素がクロスオーバーし、練りあがった「ハイブリットスカ」をキーワードに掲げる彼ら。この曲もスカ+αが絶妙にブレンドされている。スカに馴染みのないリスナーでも、自然に聴ける要素が十二分に感じられる。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第78回
今回も国内を代表するハイエンドケーブル&オーディオアクセサリーメーカー Acoustic Reviveのケーブルをご紹介します。
【POWER REFFERENCE】
今は生産完了していますが、前回・前々回に紹介した同社パワーケーブルよりレンジが広く、音像がより前にくるフラットさが特徴です。他メーカー 2~3万円クラスのミドルランクケーブルとは次元の違う、しなやかな力強さが堪能できます。メイン機材に使用すれば、システムのパワーアップを容易に感じられることでしょう。中古市場で5~6万円で見かけることがあります、興味のある方は是非探してみてください。
【大学生バンドのセルフREC】
とりあえず、全部のサビの上ハモについてはダブリングまで録り終わった。
次に「全部のサビの下ハモ、下ハモダブリング」を録るか 「AメロBメロの上ハモ」を録るか迷ったが、サビの感覚が頭にしみこんでいるうちに「1サビの下ハモ」からとりかかることにした。
マイクは上ハモと同じくSHURE KSM44/SL
三声目となる今回のハモりは、かなり難易度が高そうだ。
MIDIでガイドメロディーを打ち込み、オーディオファイルに変換してプロトゥールスにインポートして使うことにした。
モニターバランスは以下の通り。
練習で1サビをループしながら、モニターバランスを少しずつ整える。
三声目のハモりは、職人技並みに困難を極めることもあるので、とにかく慎重に。
バランスが決まり1テイク目を録る。
全パート鳴らした状態でプレイバックすると、なんとなく合っているような感じだが 「メインVo、上ハモ、上ハモダブリング」と今録った下ハモだけで聴くと、結構ずれている。
下ハモのずれが一番目立つが、上ハモのダブリングのずれも気になる。
そこで、全部サビの上ハモダブリングをプラグインでピッチ修正して、その後下ハモを録ることにした。
【今月のちょいレア】 SHURE SRH440
ダイナミックマイクで有名なSHUREだが、ヘッドホンでも年々知名度を上げてきている。SRH440は決して上位機種ではないものの、フラットさに定評がありプロ現場でも見かけられるようになってきた。
【今月のMV】 Beadroads「RAINとPAIN」
古くはビートルズ、トッド・ラングレン、XTCあたりの影響がさりげなく感じられる、玄人受け必至のポップソング。New Radicals、Beth Orton、ジェリーフィッシュなどのエッセンスも漂ってくる。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!
脳ジャズ featuring J.Lamotta すずめ 「I Love You Baby」
ソウル、ファンク、アシッドジャズをベースに、ネオR&Bやリアルタイムのクラブジャズなどが高次元に絡む、真にピュアな玄人作品。
THE SKA JUNCTIONS 「CHALLENGER」
スカのオーセンティック要素に、パーティー風J-ROCKが真っ向から入り込んだ意欲作。ブラスセクションのリフはルーツ的要素を小出しに感じさせ、直球で攻める他パートとのせめぎ合いに彼らのオリジナリティーを感じる。
BOOGIE HEADS 「Volume One」
ニューオーリンズサウンドが全ての土台にあり、ブルージーでバレルハウス的な世界観がストレートに包み込まれている現在進行形ルーツミュージック。当スタジオではM-3、M-5のマスタリングを担当。
THE SKA JUNCTIONS 「Summer Dive」
バンドが掲げる「ハイブリッドスカ」というキーワードの母体となるリード曲の一つ。ポップなメロディーと裏打ち、そして千変万化するギターサウンドとのコラボが楽しい。
みならいモンスター 「恋花火」
三姉妹バンドみならいモンスターの渾身の一曲。アレンジのバリエーションが作品を出すごとに広がっており、幅広い進化を十分に感じることができる。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第77回
今回も、国内を代表するハイエンドケーブル&オーディオアクセサリーメーカー Acoustic Reviveの電源ケーブルをご紹介します。
【POWER STANDARD Triple-C FM】
前回取り上げたAC2.0 Tripleの上位モデルにあたり、音楽的なフラットさを醸し出すキャラクターを踏襲しながら、さらにワイドレンジにパワーアップした製品です。
レコーディング機器はもとより、ギターアンプ、ベースアンプ、エフェクターやシミュレーターまでオールマイティーに使用することが出来て、全く死角が見当たりません。
販売価格は新品で3万円台前半。システム全体のサウンドクオリティーを上げたいのであれば、メイン機材にこのPOWER STANDARD Triple-C FMを使用することをおすすめします。
【大学生バンドのセルフREC】
前回に引き続きミスチル風バラードのコーラス録り。
【曲の構成】
サビの上ハモ録りは全部終了したのだが、さらに上ハモのダブリングを入れる。
まずサビ1の上ハモダブリングから。
少しキャラクターを変えるため、マイクはSHURE KSM44/SLを使う。
【モニターバランス】
サビ1の上ハモダブリングは、モニターバランスをとった後、各サビごとに3回ずつ歌ってみる。
3回分のいいところ取りをして、ピッチを修正し、予想の半分くらいの時間で終了した。
次回は各サビの下ハモ、下ハモダブリングの予定だ。
【今月のちょいレア】
Avid Protools専用キーボード
Protoolsオペレーションに特化した、Mac用キーボード。カラフルにデザインされた様々なショートカットキーが、創作意欲を掻き立ててくれる。
【今月のMV】
日々かりめろ「蜜源(ライブ動画)」
https://www.youtube.com/watch?v=9HbCSYHc2M8
新作フルアルバムのリーディングトラック「蜜源」のライブ動画。京都LIVE SPOT RAGで収録された。音源と全く変わらない高い演奏力、ライブ感が一体となり曲の魅力を一層引き立てている。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!
日々かりめろ 「115(ヒビゴー)」
結成5年目、5作目となるフルアルバム。単なる節目を飛び越えた濃密な内容で構成されながら、肩ひじ張らずに聴きこめる。ゲストミュージシャンの参加により、絶妙なマジックが堪能できるのもポイント。2021年6月全国発売。
The echo dek ft.LEO and 綱彦 「EVERYBODY IS MY FRIEND.」
ゲストにkroiのLEO、Dreamcastの綱彦を迎えた新世代ダンスミュージック。もはや「ロックとヒップホップの融合」といったキーワードが古く感じてしまう、現在進行形でDeepな挑戦作となった。
sunnyside suicide 「ホワイトスランバー」
ちょっとサイケでオルタード、少しポップなグッドメロディーを捉えたロックバンドのデジタルシングル。アンダーグラウンドとオーバーグラウンドの中間を堂々と表現する頼もしい音楽性に今後も期待する。
RIVER BABY 「it’s up to you」
トラップとトリップホップの要素がふんだんに盛り込まれたヒップホップサウンド。トロピカルハウスのエッセンスも微量ながら感じられ、ラップとの絡みに良い意味での化学反応が起きている作品。
深刻なエラー「車窓の月」
シューゲイザーとギターロックの中間を攻める、オルタナバンドのシングル。一聴するところUKプロジェクト系サウンドとも言えそうだが、最新洋楽テイストがギターフレーズからにじみ出ている。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第76回
今回から取り上げるのは、リクエストの多かった電源ケーブルです。
まずは、ピュアオーディオ、プロオーディオ業界をリードする「Acoustic Revive」の製品をご紹介します。
Acoustic Reviveは電源ケーブル、電源タップはもとより、ラインケーブル、モニタースタンド、インシュレーターなど、どれもハイエンドな製品ばかりを開発している国内屈指のメーカーです。
【AC-2.0Triple C】(写真↑)
エントリーモデルにもかかわらず、他社ブランドのフラッグシップモデルと同等、またはそれ以上の実力があるパワーケーブルです。一万円台後半という価格ながら高品位なフラットさが魅力的で、メイン機材にうってつけの逸品です。
【大学生バンドのセルフREC】
「サビ1上ハモ」のコーラス録りが終わったので、先程までの音程感が脳裏に焼き付いているうちに「サビ2上ハモ」のコーラスにチャレンジする。
【楽曲構成】
【マイク】
【モニターバランス】
「サビ2上ハモ」
*1stテイク
ピッチ、リズムは悪くないが歌詞を間違う
*2ndテイク
特に問題なさそうだが、もう少し精度を上げられそうなので保留
*3rdテイク
最後の部分が非常に良い出来だったので、3rdテイクの最後部分のみ採用
「2ndテイク+最後部分のみ3rdテイク」でOKとする
「サビ3上ハモ」
*1stテイク
音程に慣れてきて、1stテイクながら出来が良い、保留
*2ndテイク
雰囲気は良かったが、粗が目立つ
保留にしていた1stテイクのピッチを一部直してOKとする
サビの上ハモは、これで全部仕上がった。
【今月のちょいレア】 DRAWMER MX PRO 60
DRAWMERのアウトボードといえば「1960」があまりにも有名だ。この「MX PRO 60」は「1960」の1chバージョンかと思いきや少々違う。マイクプリは1960よりドライブ気味で、コンプはパキッとした印象。EQは3バンドながらガッツリ系で使いやすい。値段も手ごろでおすすめ。
【今月のMV】 REM(レム)「ハル」
https://www.youtube.com/watch?v=vL1PhIMeSTQ
USオルタナバンドを彷彿とさせる、邦楽ロックバンドのMV。ギターロックのストロングポイントをふんだんに取り入れることに成功した佳曲。幅広いリスナーから受け入れられそうだ。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表
レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰
専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!
SDL 「CALL UP」
初期パンク黄金期を思わせる、硬派なバンドSDLのシングル。伝説のパンク雑誌「DOLL」に掲載されている曲のような雰囲気が漂う。
叶鏡敦士「いつの世にも」
1960~80年代のグループサウンズ、ムード歌謡をベースにしている叶鏡敦士のフルアルバム。「すべてのザ・ベストテン世代に送る」をキャッチフレーズに、邦楽の本質に問いかける極めつけの一枚。当スタジオではボーカルREC、ミックス、マスタリングを担当。
Cuicks 「midi glide」
Cuicksの新局面を見せるネオ・フューチャー・ポップ。ネオアコ、モンド、トロピカルハウス、ディスコパンクなどのバックグラウンドを小出しにしながら、独自のポップ路線を打ち出している。3か月連続配信のラストを飾る秀作。
THE ECHO DEK「EASY」
ここ一年ほどの彼らはHipHop、ネオソウル、トロピカルハウスなどのブラックミュージックに傾倒した作品が多いイメージがあった。しかし今作「EASY」は、原点であるNYパンク、USオルタナ色を前面に出している。5か月連続配信の締めくくりにふさわしい作品となった。
Nikiie 「YOLO」
DADALAYのメンバーとしても活動しているnikiie。この楽曲は最小限の音数のみで構成されたニューエイジ・オルタナポップとでも表現すべきか。作品に漂う澄んだ空気感が北欧を連想させる、ソフィストケイトされたポップスとも解釈できる。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第75回
今回紹介するマスターレコーダーはTASCAM DV-RA1000HDです。
前回取り上げたDV-RA1000と比較すると
加えてDV-RA1000HDはハイレゾ、DSDフォーマットも扱いやすくなっています。
内蔵EQ、コンプ系エフェクターも変わらず優秀で、現在の同系統プラグインと比較しても良い勝負が出来る実力を備えています。
残念ながらディスコンとなってしまった機材ですが、2021年3月現在、中古市場での相場は6~8万円ぐらいです。気になる方はチェックしてみてください。
【大学生バンドのセルフREC】
「ミスチル風バラード」のコーラス録り本番に取り掛かる。
コーラス録りに使用するマイクは、NEUMANN U87AiにKIKUTANIのポップガード、エンハンスド・オーディオ(サスペンション)をセットアップしたもの。
モニターバランスは以下の通り。
サビ1コーラス録り【Cho1:上ハモり】
1stテイク→モニターバランスを調整
2ndテイク→主メロのピッチが怪しい箇所があり、プラグインで直す。
3rdテイク→ずいぶん良くはなったが詰めが甘い。
4,5テイク→5テイク目を採用し、一部直し。
歌詞の1,2,3番がすべて違うので、コーラス録りもコピペが出来ず全て歌っていくしかない。
【今月のちょいレア】MACKIE HDR24/96
約20年前にリリースされた、プロユースの24トラックハードディスクレコーダー。音質がとにかくファット。かつ「本体にマウスとディスプレイを直接接続できる」仕様が、当時としては大変斬新だった。
【今月のMV】Slingshot Million2「じぶんDiscovery」
https://www.youtube.com/watch?v=V_Ke4hyqFnc
最新アルバム「広がれ!HAPPY PUNK」からのMV。スピードとダイナミック感が絡み合う、キレキレなソリッドパンクチューン。YOUTUBE再生数も既に6桁をマークし注目を集めている。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
The Mega Kipple 「Like a Maracas」
ガレージ、グランジ、ハードコア、R&Rなどの男臭いエッセンスが独自の世界観をアウトプットするロックバンドのミニアルバム。曲によってはメロディアスな部分もあったりして、意表を突くポイントが随所に見られ楽しめる。
a little swelling. 「I haven't regret」
エモ、オルタナ要素が多少混じるギターロックバンドのデジタルシングル。予定調和になりそうでならないアイデアがユニークで、好感が持てる。これからの活躍に期待大の自信作。
Cuicks 「Chinese Disko」
シングル3か月連続リリース第2弾。今作は、80~90年代UK NewWaveと現在進行形チルウエーブがオルタナティブに引き寄せられた、ボリューム満点の1曲。音楽ニュースサイトindiegrabにも取り上げられた。
THE ECHO DEK 「Nite Ride Home」
5か月連続シングルリリース第4弾。パリの街中を散策しているようなクロスオーバー的楽曲。前回に引き続きSpotify公式プレイリストEdge!に選曲され、音楽ニュースサイトindiegrabにも取り上げられた。国内在住欧米人からの評価も高い。
みるきーはぼくの味「缶コーヒーの味のよう」
Indigo la end、ゲスの極み乙女。などに影響を受ける、ギターロックバンドのデジタルシングル。単なるものまねではなく、ストライクゾーンのツボを押さえた「オマージュ」といった方が聴き手に伝わりやすいだろう。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第74回
今回取り上げるマスターレコーダーはTASCAM DV-RA1000です。
DSD [Direct Stream Digital]と呼ばれる、ハイエンドアナログのようなデジタルフォーマット方式を採用、従来のPCMフォーマットも選べる先進的な機種であり、発売当初(2005年ごろ)大変話題になりました。
音質面でも、当時のマスターレコーダー群の中でダントツに良く、現在の同様機種と比較しても十分通用する代物です。
またリアパネルにあるUSBポートとPCを接続すると、PC側がDV-RA1000を「CDドライブとして」認識するので、いとも簡単に高品位なマスターが製作できます。
特筆すべきは、高水準なダイナミック系エフェクターが搭載されている点です。
現行品の同種プラグインと比較しても劣ることはありません。
残念ながらすでにディスコンとなっている機材ですが、中古市場では3万円後半~5、6万くらいで見かけることもあります。興味のある方はぜひチェックしてください。
【大学生バンドのセルフREC】
【アジカン風ギターロック】のコーラス差し替えは、グレードアップさせたキューボックスのおかげで比較的短時間で済ませることができた。
次は【ミスチル風バラード】のコーラス録り。
この曲は音数が少ないので、ごまかしが全く効かない。
コーラスはAメロからアウトロまで、曲全体にわたって入っている。
特にBメロとサビは、上下のコーラスでがっちり固めるだけでなく、ダブリングまで入れるのでかなりの精度が要求される。
使用するマイクは、世界中のレコスタの定番NEUMANN U87Ai。
通常のU87Aiに「エンハンスド・オーディオ」と呼ばれるオーディオアクセサリーを装着した。
(写真の丸い銀色の金属パーツ部分、上部の黒い部品はポップガード)
マイクを固定する金属パーツはサスペンションまたはショックマウントと呼ばれ、REC時の床から伝わる低周波振動などをある程度分散させ、少しでもクリアな音像を録音する役割を担っている。
この「エンハンスド・オーディオ」もサスペンションの一種だが、サスペンションの役割に加え「マイク本体から出る振動そのものを抑えられる」ので、さらにピントのあった音像が期待できる。
まずAメロ1の下ハモからチャレンジすることにした。
【今月のちょいレア】ACOUSTIC REVIVE
Absolute-POWER CORD
POWER SENSUAL MD
ACOUSTIC REVIVE社の頂点に位置する、超ド級電源ケーブル。このケーブル達によってもたらされるスーパーフラットなエネルギー感は、他の追随を全く許さない。
【今月のMV】Cuicks 「indie pop fan club[guitar pop version]」
ヨーロッパのライブハウスの空気感がセンシティブに充満する、洗練されたレトロフューチャーエレポップのMV。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
magenta 「shine」
直球ではなく、少し斜めからみたオルタナピアノロック。UKプロジェクト的サウンドと、現在進行形ブリットポップの融合系ともとれる意欲作。
Cuicks 「indie pop fan club [guitar pop version]」
2021年3か月連続リリース第一弾として、各種サブスクにて配信中。
ツイッター上で、伝説のテクノポップバンド「プラスチックス」のメンバーから直々にコメントをもらったことでも盛り上がっている。
THE ECHO DEK「my friend」
5か月連続リリースの第三弾。70年代のAl Greenや80年代のAl B. Sure!を彷彿とさせながら、2020年代ソウルサウンドもさりげなく細部に散りばめられている。Spotify公式プレイリスト「Edge!」にも選曲された。
COLLAPSE 「VERTIGO」
国内シューゲイザー名門レーベルOnly Feedbacj Recordが放つ、2021年第一弾シングル。轟音に埋もれない、アンニュイなウィスパーボイスも健在だ。彼らの楽曲の幅広さを感じさせる一曲。
V.A.「ULTRA HIGH BEAM 2021」
大手インディーレーベルHIGH BEAM RECORDのコンピレーション盤第二弾。全国より選び抜かれた精鋭15バンドが参加、当スタジオでは11曲目BONNET MONKEYのRECを担当。全国発売中。