先日、三味線奏者 川嶋志乃舞さんのレコーディングを行いました。日本が世界に誇るエスニック楽器の一つである三味線ですが、ボディーの小さな弦楽器(中国の胡弓などもその一つ)をフルレンジで収録するにはプロのエンジニアでも大変苦戦します。
この写真は、先日のレコーディング風景を収めたものです。三味線の周りにマイクを6本立てています。目の前で鳴っている音に近づけようとすると、このような工夫が必要になります。
また、マイクと共に重要なのがマイクプリのチョイスです。
今回はRupert Neve 5024、MANLEY DUAL MONO、TUBE TECH MP1A、AVALON 737、DBX 676の5台のマイクプリ、チャンネルストリップを使用しました。
三味線だけでなくボーカル、作詞作曲もこなす川嶋志乃舞さんは、東京藝大卒で三味線日本一の座を4度獲得、海外での演奏経験も豊富なマルチアーティストです。
この時収録された音源は2017年10月8日発売されます。是非、CDをお手に取って聴いていただければと思います。
タイトル:花とネオンep
価格:¥1,000 + 税
品番:HART-1004
曲目:
1.キツネ倶楽部
2.津軽よされ節
3.秋田大黒舞
4.花千鳥(「大相撲ODAIBA場所2017」テーマソング)
(ライブ会場&通販限定)
モディファイ済みのMUSIC MANシルエットスペシャルを使用して、バッキング録り時のハムバッカーから、シングルコイルにピックアップを変更してリードを録ろう、ということになった。
基本はアンプ直、ギターアンプは前回同様Fender TWIN AMPを使用し、マイクもバッキング時と同じLUWITT DTP640RX(コンデンサー&ダイナミックのデュアル2chマイク)、LUWITT MTP440DMの2本を使って3ch分録ることにした。
様子見で最初から最後まで録ってみた。演奏自体は良いのだが、少しクランチ気味のクリーンの音色がソリッドすぎるのでプレゼンスを押さえて再度チャレンジ。音色と演奏がマッチするまで録り、イントロと静かなサビ部分のリズムが惜しかったので、これはパンチインすることでOKとした。
Dメロにあたる部分はトレモロ(モディファイ済み)をかけたいので、こちらを使用。
イメージ通りで、一発OKとなった。最初に通してクリーンで録ったDメロ部分をデリートし、この別トラで録ったトレモロギターを差し込んでこの曲は全パート終了。
【今月のちょいレア】 T.C.electronic Finalizer 96k
ハードウエアマルチバンドコンプの最高峰。最新のプラグインでも表現しにくい「密度の濃い立体感」が容易に出せる優れモノだ。ADコンバーターとしても秀逸。現在は生産完了。
【今月のMV】 The echodek 「CityLight」
オルタナシティーポップ、サイケAORとも呼べそうな新感覚のキラーチューン。聴き手を選ばない守備範囲の広い秀作。
樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
OSRAIL 「 Rebenant 」
北欧、フランス、カナダ、南米のモダンへヴィネスの系譜をたどる、2017年代のネオ・ラウドネス・スタイル。いかついバンドサウンドと、クリアで重厚なコーラスワークの絡みが聴きどころ。
CHIERI SUZUKI 「 TONE 001 」
SAX、ピアノを中心に、自ら全パートを演奏し完成させた、シックなコンテンポラリージャズをベースとしたインストサウンド。生演奏とは思えない、高度な演奏力と最新のサントラに採用されそうなハイレベルな楽曲群が漂っている。
GENSEKI 「 Naked 」
エモと、ギターロックと、少しのハードロックが融合した、密度の濃いロックバンドのシングル。前面に押し出されているVo.と、せめぎ合う楽器陣との絡みが心地よい。赤坂BLITZなど大バコにも出演し始めている期待のバンド。
サリドマイド
若手ながら、80年代初期パンク、ハードコアを真っ向から取り入れつつ、現在のパンク要素も結合したバンドのソノシート。ディスクユニオンの9/6付週刊パンクチャートで4位を獲得。全国発売中。
【お知らせ】
2017年11月19日(日)13:00~15:00茨城音楽専門学校(茨城県水戸市)にて「音楽プロデュースセミナー」
を開催します。今回のゲストはヤマハミュージックエンタテインメントホールディングスの石田裕一氏です。
【石田氏プロフィール】
矢井田瞳の制作ディレクターとしてアルバムやシングルの制作、ライブツアーや各種TV収録などの現場。手嶌葵の出版コーディネイトとして、スタジオジブリアニメ「コクリコ坂からの」アルバム制作に参加。現在は作家チームを取りまとめ、アーティストへの楽曲提供、アニメなどの劇版制作、CM楽曲制作などを取り仕切るとともに、2016年8月よりヤマハがスタートさせたYamaha Music Auditionにおいて、新人発掘及び育成も担当する。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第32回
今年も夏フェスの季節がやってきました。個人的に注目しているのは、シューゲイザー・ドリームポップの大御所バンド「Slowdive」「Ride」の来日&新譜です。
そしてシューゲイザーシーンをますます盛り上げていこうと、大手レコード店DiskUnionで8/4よりシューゲイザー特集の小冊子が無料配布されています。
シューゲイザー好きを公言するアーティスト、著名人、ライターなどが執筆に参加、好きな作品を1つ選んで紹介しています。
私もお声をかけていただき参加いたしました。紹介した作品は、当スタジオ名・レーベル名にもなっているCHAPTER HOUSEの「Whirlpool」です。
Slowdiveメンバーのコメントも掲載されているフリーペーパー
「CRAZY FOR YOU ~MY FAVORITE SHOEGAZE DISC~」は、下記のDISKUNION各店舗で無料配布中です。見かけた方は是非手に取ってみてください。
■フリーペーパー配布店舗
新宿インディ・オルタナティヴロック館 / 新宿ロックレコードストアー/渋谷中古センター / お茶の水駅前店 / 神保町店 / 池袋店 / 下北沢店 / 吉祥寺店 / 町田店 /中野店 / 立川店 / 高田馬場店 / 横浜関内店 / 横浜西口店 / 千葉店 / 柏店 / 北浦和店 / 大宮店 / 大阪店
【チューブマイクの性能を上げるには?】
SE Electronic のチューブマイク Gemini Ⅱの性能をより向上させるため、専用マイクケーブルをモディファイしてパワーアップさせました。Gemini Ⅱは、前回ご紹介したZ5600A-Ⅱの上位モデルです。
チューブマイクのケーブル改造はマイクの性能を上げる一番の手段ではありますが、熟練の技と知識が必要なため、手練れの専門業者に依頼するのが原則です。間違っても自分で改造はなさらぬように。
(メーカー保証が利かなくなるので、覚悟も必要です。)
通常のマイク結線および電源の取り方、と比較してご紹介します。
【大学生バンドのセルフREC】
前回でメインボーカルは全て録り終わったので、今回は5曲目【テンポチェンジ有オルタナロック】のバッキングギターからスタート。セッティングは以下の通り。
【ギター:モディファイ済みMUSIC MAN シルエットスペシャル】
【アンプ:FENDER TWIN AMP】
【マイク:LUWITT DTP640RX(低音~中音)、LUWITT MTP440DM(中音~高音)】
低音~中音用のDTP640RXは、AudioTechnica AE2500と同じくデュアル2ch構成(ダイナミックとコンデンサー)になっているので、2ch分を一本で録ることが出来る。
【通常の仕様】
【キャップを開けて、2chのデュアル構成をチェック】
中音~高音用のMTP440DMはSHURE SM57と近い音域のマイク。ギター・スネア録りに最適。
この2本のマイクで3ch分をフルレンジ録ることになった。
シールドはFREE THE TONEを使用、アンプから直で録る。
音を出してみるとイメージ通り、ブリット・ポップの音が耳に飛び込んできた。
テンポチェンジのある曲だが小細工をせず「勢い一発感」を重視した録り方を心がけることにした。
モニターを調整しながらなので、どうしても演奏が粗くなる。
2テイク目、モニターが良くなったためか少々粗削りながらも、かなりグル―ヴィーで音楽的なテイクが録れた。3テイク目が全く直しを必要としない完璧なものとなり、バッキング録りを終了。
30分休憩を挟み、リード録りへ。
先程のバッキングはハムバッカーで録ったが、リードはピックアップをシングルにした。Dメロのみ、リフにディレイとトレモロをかけたいので、ここは別トラックにして計2本にすることにした。
【今月のPV】 極悪いちご団 「 股旅暮らし 」
ユニーク、かつロックなファンキー演歌歌謡。MVも本格時代劇調で、非常に質が高くおもしろい。
【今月のちょいレア】 Lucid GEN×6-96
各デジタル機材のサンプリングレートを統括する、マスターワードクロックジェネレーター。ハイファイな音像を醸し出す優れモノです。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
The echo dek 「City Lights ep」
Justice、LCD Sound System、Tame Imperaといったフジロック系サウンドを、更にブラッシュアップさせた新作。最高の出来となったRemixとともに、洋楽好きにはたまらない作品。
THE FREE MAN 「 BLUE TRAIN 」
ローリングストーンズ系R&Rバンドの新作。演奏、楽曲、テンションのすべてが前作を上回っている。バンドの一体感もさらにパワーアップした力作。
野晒 「 現代病 」
80’sの初期パンク・ハードコアの流れを全面的に感じる作品。若手とは思えない、渋さと深さを感じさせる。あえてアナログ盤でも聴いてみたい。
Last Things of May
カナダ・トロント系ラウドスタイルを踏襲し、日本人離れした英語の発音やパフォーマンスも圧巻。楽曲も捨て曲なし。
THE CARMIN 「 SPUNKY HIPPY SHAKE 」
真っ赤なスーツがトレードマークのR&Rバンドのフルアルバム。自らのルーツを回帰する意欲的な一枚。全国発売中。
【お知らせ】
2017年8月10日より配布開始のJUNGLE LIFE 237号に、私のインタビュー記事が掲載されます。ぜひご一読ください。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第31回
前回、真空管マイクについて取り上げたところ予想以上の反響をいただきました。
今回も引き続きおすすめのチューブマイクをご紹介します。
SE Electonic Z5600 A-Ⅱ
一見、単一指向性のように見えますが、専用の電源ユニットで無指向性・双指向性に切り替え可能というユニークな製品です。
専用ケーブルは8ピン、かなりしっかりした作りで高級感があります。
専用ケーブル(8ピン)
肝心の音質はワイドレンジで、ウオーム&ブライトと言う言葉がピッタリ。どんな素材ににも対応出来る実力あるマイクです。実勢価格は8~9万円台でありながら、20万円台の上位モデルと比較しても全く遜色ありません。まず1本目に購入するチューブマイクとして、AKG P820と並んでお勧めしたい製品です。
大学生バンドのセルフREC~ミスチル風バラード~
3サビのVo.が予想以上に良くほぼ一発OKだったので、2サビを飛ばし、歌詞やニュアンスに共通項の多い1サビにチャレンジ。
ドラムやベースのリズムが少々粗く、ピッチやニュアンスは良いのだがリズムに乗り切れない。
リズムに乗れた、と思うとピッチが納得いかない。3テイク録ってとりあえずOK。次は2サビ、リズムが良いがピッチが惜しい。2テイク目でOK。ピッチが少々怪しいのはオートチューンで修正する。
2Bに進むが、Bメロはメロディー跳躍が多くピッチがとりづらく、16分音符のシンコペーションもあるのでリズムも難しい。3テイク録って前半のみパンチイン。ピッチも2か所直してOK。
2Aは一発OK。その流れで1Aへ。Aメロは今までとリズムパターンが違うので3テイク録って、ほぼ満足いく出来に。ピッチは少々修正する。
これで6曲分の歌録りがすべて終了した。
次はギターの残りか、コーラス入れの予定だ。
【今月のちょいレア】 YAMAHA CRW-F1
現在はディスコンになっているPlexterと並び称される、PC用CDライターの名機。通常のPC内臓ドライブや外付けドライブでは成し得ない、音の解像度、密度感が体感できる逸品である。
【今月のMV】 HINOMARI 「ABSTRACT」
既成のオルタナティブロックを新たに組み替えた、ニューエイジロックバンドの最新リード曲。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
Kaleidoscope 「 時空旅行 」
バークリー音大卒のマルチインストゥルメンタリスト松井秋彦と、ミュンヘン国立音大卒のボーカリスト前田祐希によるクロスオーバージャズアルバム。嶋村一徳(Dr.)岡田次郎(Ba.)による鉄壁のリズム隊も聴きどころである。2017年7月全国発売。
RiNGO TONE 「 MUSIC 」
バンド名からも連想できるように、世界中のビートルズフォロワーの影響が根幹にあり、加えて現代のブリットポップを中心にあらゆるポップスフィールドのエッセンスが縦横無尽に感じ取れる、ハイセンスな作品。スプリット作品も期待大。
stink bugs 「 MAVERICK 」
一聴して、カナダのモダンへヴィネス系や北欧のニューメタル系フレーバーが随所に感じられる、ネオラウド系のマキシシングル。西洋人寄りの声質も相まって、どこから聴いても洋楽。楽曲のバリエーションも豊富で飽きが来ない。
Jam en drop 「 Singing in the rain 」
ボン・ジョビやレベッカといった80‘sポップスとハードロックがベースにある、女性Vo,パワーポップバンドのシングル。Saxの、的を得ながら時に意表を突くアプローチがとにかく面白く、一聴の価値あり。
Sunny Sound Leaf 「 明日はきっとイイ日になるさ 」
このバンドの楽曲を聴いていると、ギターロックの範疇がどんどん広くなるような錯覚に陥る。従来のポップフィールドの隅々まで研究しているだけでなく、自らの表現のツボがわかっているからであろう。オリジナリティーが炸裂する内容の濃い作品。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第30回
前回の「5万円以下の、使えるコンデンサーマイク」に引き続き、今回は「10万円以下の、実用的な真空管(チューブ)マイク」を取り上げます。
真空管とは「真空状態のガラスや金属の管の中に電極を取り付けたもの」で、小さい電気信号を大きく増幅させることが出来ます。バンドマンにとって一番なじみ深い真空管と言えば、MarshallのJVMシリーズやFender Twin Reverbシリーズといった真空管式のギターアンプでしょう。
プロオーディオには真空管を採用したコンデンサーマイクが多々存在しますが、高価、かつ扱いに神経を使うという点で導入に至らない方も多いと思います。今回ご紹介するのは、真空管式の中では比較的ロープライス(10万円以下)なチューブマイクです。
【AKG SolidTube(生産完了品)】
回路設計やパーツがしっかりしており、非常にふくよかな音がします。
残念ながら生産は完了してしまいましたが、現行品ではP820がこの製品の流れを継承しています。
SolidTubeの他にも【Lauten Audio LA-320】【SE Electronics Z5600Ⅱ】【RODE K2】などがおすすめです。6/9発売のサウンドデザイナー2017年7月号(P52)に、真空管アンプについての記事を書かせていただきました、そちらも是非ご一読ください。
【大学生バンドのセルフREC:前回までのおさらい】
↑
以上の作業まで終了し、今回は2サビ後半をパンチインした流れで3サビから。アルペジオフレーズが少しずつ違うので、コピペせず通して録り、2テイク目でOK。
この勢いに乗ってDメロ録りへ。16小節通して録り、ついでにアウトロ8小節も続けてみたら意外に良い出来だ。最後のリタルダンドのみ録り直してOK。
いよいよ課題の「頭のイントロA」録りに再チャレンジ。先程の勢いのまま録り進める。前半のリズムとピッチがうまくいかずパンチインしてみたが芳しくない。さすがに集中力が切れたのかもしれない。休憩をはさみ、テイクを重ねなんとか納得のいくものになった。
ここまででこの曲のバッキングギターが全部終了。
歌のセッティングにチェンジ。
使用するマイクはAKG SolidTube(チューブマイク) と Aston Origin(コンデンサーマイク)
この2本は、ファットな歌声を録ることを狙って選択した。
まずは通して歌って様子を見て、パートごとに録り直していく。順序に従わずいきなりDメロからのチャレンジだ。ピッチ直し不要なクオリティーをキープ出来た。
続いて3サビ。つまづいたのは歌詞の間違いくらいで、3テイク目を少々ピッチ直しすれば問題ないとの判断。次は1サビ録りだ。
【今月のちょいレア】YAMAHA RS7000
2002年発売。同社MOTIFクラスのサウンドエンジンとA7000クラスのサンプラー、QY700を超えるシーケンスにアナログシンセの操作性が濃密に溶け合う、ハードウエアの最高峰。
【今月のMV】 Lisle 「DANCER IN THE RAIN」
Vo.AEの深みのあるハスキーな歌声と、G.YUKKEのエモーショナルでテクニカルなギターが辛辣に絡む珠玉の一曲。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
HINOMARI 「 NOFEELINGS 」
約2年をかけて制作された大作。レディオヘッドをはじめとする世界中のオルタナティブロックを
研究しつくし、独自路線の確立に成功した。西日本の大規模音楽フェス「南WHEEL」にも
出場経験あり。2017年7月全国発売。
極悪いちご団 「 股旅暮らし 」
比類なき時代劇江戸前ロックを追求し、3年半の歳月をかけて完成。ファンク、R&Rをここ
まで亜流に変化させる才能には脱帽するしかない。2017年6月全国発売。
The Mash 「 今夜も深夜二時 」
陽気なR&Rと陰りのあるアングラ系ロックとの突発的な融合が心地よい。聞けば聞くほど、
彼らの深い精神性がにじみ出てくるような一枚だ。
いこち 「 造花狂咲 」
オーストラリアツアーも敢行した、ニューハーフVo.ちかこ率いるネオロカビリー&昭和歌謡バン
ドの2nd。国内音楽業界の常識を覆すパワーがひしひしと伝わってくる。全国発売中。
SheSpider 「 Whose This Dream? 」
90年代ブリットポップを彷彿とさせる、いまどきのパワーポップ。洋楽好きにはたまらない楽曲
群が立ち並ぶ。日本人離れした歌声にも注目だ。
CHAPTER H[aus]エンジニア 樫村治延の
セルフRECはプロRECを越えられるか? 第29回
最近「5万円以下で」「ボーカル、ピアノ、アコギなどに使えるコンデンサーマイク」を教えて欲しいという質問が多いので、2点ご紹介します。
【SE Electronics : SE2200aⅡc】
音の密度が濃く、ナチュラルでフラット、かつジェントルなファットさも兼ね備えています。またマルチパターンなので、コーラス録り・ドラム録りなどのアンビエントマイクとしての使用にも最適です。
【Aston : Origin】
2016年秋、遂に日本への本格上陸を果たした英国ブランドAstonのコンデンサーマイク。レンジが広く音の芯がしっかりしており、加えてきらびやかさもあり、大抵のVo.録りにハマると思います。単一指向性ですが、使用目的がはっきりしていれば充分。
マルチパターンが必要ならば、同ブランドの「Spirit」もおすすめです。こちらはトランスも搭載しており、より特徴のある音がします。
上記2本に共通しているのは「実勢3万円台」でありながら、低価格のコンデンサーマイクにありがちな「中高音域がシャリシャリして低音域が薄い」といったチープさが全くなく、上位ランクのマイクと比べても遜色なく、逆に勝っている点もあるというところです。
他にも【TASCAM : TM-280】【Lauten Audio : LA-220FET】【Lauten : LA-320VACUUM TUBE(チューブマイク)】【LEWITT : LCT240】などのマイクもおすすめです。
以上、敢えて超定番ではないが、ロープライスで優秀なマイクをご紹介しました。好みや感覚の違いはあると思いますが、どれも実力のある名機種です。展示してある楽器店もあると思いますので、興味のある方は是非チェックしてみてください。
仮想大学生バンドのセルフREC
【コールドプレイ風:♩=103ミディアムテンポ】の録音ギターアンプはモディファイしてあるJAZZ CHORUS
同じくモディファイしてあるレスポールは、通常のハムバッカーに加えシングルコイルのピックアップも搭載しているので、かなり広い幅で音作りが出来る。
エフェクトはJAZZ CHORUSのコーラスを薄くかけ、リバーブなどはMIXの時に後がけする予定。
マイクはSHURE:SM57、BETA52、BETA91(バウンダリーコンデンサーマイク)とTASCAM:TM50DBを使用。
マイクプリはMANLEY DUAL MONOとMillennia HV-3C。2ch×2の4ch分使える。
4本のマイク全てをほぼオンマイクでセッティングしているが、どうしてもBETA91とTM50DBの2ch分が逆相になるので、これらをフェイズスイッチが付いているMANLEYに接続。
これで、フルレンジでハイパーなクリーンギターの音色がいつでも録れる。
録り始めてみると、クリーンギターのアルペジオにごまかしが利かず粗が目立つ。ミディアムテンポは予想以上に難しい。このままではクリーンギターの録りだけで、全ての時間を費やしてしまいそうだ。
1番をクリアしてしまえば、後はコピー&ペーストで編集出来そうな部分が多いことに気づき、残り時間や状況に応じてコピペに頼ることも念頭に入れて進めることにした。
ミディアムテンポで今までの曲と比べてごまかしがきかない分、地道に8~16小節単位ずつコツコツと録っていくことにした。
イントロAのアルペジオフレーズのリズムが悪く、テイクを重ね、5テイク録ったところで一旦終了、後ほど録り直すことにした。
イントロBは、ドラムやベースが入っている分イントロAより進みが早く、5回録った中の最後2テイクのいいところ取りしてOKをだした。
その後、波に乗って1Bを一発OK。
1サビは1回目で前半はOK、後半だけパンチイン。
間奏~2サビは、録り終わったイントロB~1サビ最後をコピーペーストした。2サビ後半だけリズム隊とかみ合わないのでパンチイン。
残りはDメロ、3サビ、アウトロ、録り直し予定のイントロAだ。
【今月のちょいレア】CAD : TSM411
ギター、スネア、タムなどが、マイキング次第で絶妙に録れる名マイク。
【今月のMV】 cruyff in the bedroom 「HATE ME」
ネットニュースでも話題の、シューゲイザーの重鎮クライフインザベッドルームが放つキラーチューン。ギターポップ、ネオアコ風のメロディーに轟音ギターが鮮やかに絡む。
https://www.youtube.com/watch?v=6dtVtpPBVD0
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーター
Whirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
Nikiie 「 TRANSFER 」
大型フェスへの出演や数々のタイアップも記憶に新しい、Nikiie約3年ぶりのミニアルバム。
従来のヴァネッサ・カールトン系J-POPから、Bjork系オルタナポップに見事に「トランファー」した意欲作。2017年5月全国発売。
新村けんぞう 「 LET THE FUN BEGIN ! 」前作よりも音楽的・音響的にブラッシュアップされたド直球J-POP系歌詞を、「洋楽風に聴かせてしまう」センスに注目。90年代の質感が、逆にこれからの時代にマッチングしそうな気配を十二分に感じる。
TEEN‘S CIRCUIT Vol.2選りすぐりの現役高校生バンド6組によるコンピレーションアルバム。ティーンズとしては上位レベル、ギターロックを中心にバリエーション豊かな内容に仕上がっている。2017年5月全国発売。
未咲「 恋春日和 」シンガーソングライター未咲のマキシシングル。ライブでの人気曲「牛乳」も含まれている。独自のアルペジオスタイルと、中高音域の歌声とのマッチングにオリジナリティーを感じる。一聴して覚えやすい曲調も魅力的。
カイザーストロングバーツ 「 風を掴む 」従来のR&Rをさらに昇華させ、音楽的にもプロモーション的にも新局面が見え始めている彼らのマキシシングル。ガレージ、オルタナ要素が増えながらも、よりメロディアスになってきている点に注目してほしい。
【NEWS】当スタジオでレコーディングされた楽曲が、月刊SOUND DESIGNER 2017年6月号(2017/5/9発売)の特集記事用の課題曲・題材曲として取り上げられました!
Coo 「渋谷にて」→「SD‘sアレンジコンテスト」課題曲
Coo Twitter → https://twitter.com/Coo_official
DATCH DADDY 「スターレット」→「歌がうまく聴こえるボーカルトラック編集術」題材曲
DATCH DADDY Twitter → https://twitter.com/DUTCHDADDY_ROCK
コンテストや特集記事の詳細はサウンドデザイナー2017年6月号をご覧ください!
今回ご紹介するアーティストは「NIKIIE(ニキー)」です。2010年メジャーデビュー、デビュー曲「春夏秋冬」は総合パワープレイ獲得数77局を記録し、自らもラジオDJとして多くのレギュラー番組を担当。雑誌連載や大型フェスへの出演、テレビ番組とのタイアップ(主なものにテレビ朝日系ドラマ「科捜研の女」エンディング:日本テレビ系深夜アニメ「LUPIN THE THIRD峰不二子という女」エンディング:フジテレビ系月9ドラマ「突然ですが明日結婚します」挿入歌など)も数多く、常に話題に事欠きません。
そんな彼女が従来の路線から新たな局面へと進化をとげた新作を、当スタジオでレコーディングしました。タイトルは「TRANSFER」、2017年5月頃発売予定です。
<仮想大学生バンドのセルフREC4回目>
今回は【コールドプレイ風:♩=103ミディアムテンポ】と【BPM=126→151→126:オルタナロック】の2曲を最後まで終わらせ、時間後半で最難関曲【ミスチル風バラードの歌入れ】にチャレンジしたいと考えている。
使用するギターアンプは、モディファイしてあるJAZZ CHORUS。通常よりもかなりワイドレンジな音が出る。電源ケーブルにはオヤイデのTSUNAMIを使用。
ギターはレスポール、こちらもモディファイ済み。
マイクはSHURE SM57、BETA52とTASCAMのTM-500B。
TASCAM TM-500Bは、SM57とBETA52の中間的レンジが一番特徴的であるので使うことにした。
上記3本に加え、SHUREのバウンダリー・コンデンサーマイクBETA91をチョイス。
コンデンサーの繊細さと、リボンマイクのような音粒がしっかり録れるマイクだ。
JAZZ CHORUSのようなトランジスタのアンプでマイクを1~2本立てて録ると、中高音域はしっかり録れるが低音部がスッキリしすぎることが多い。なので、今回もフルレンジで録音することを目標に、合計4本のマイクで挑む。
クリーンギターを録るのであれば、アンプシミュレーターを使用した方がリアルになることもあるのだが、空気感とアナログの分厚さが欲しいのでいつものようにマイク複数本を使用した。
ただ一点、注意しなければならないのは位相の問題。前回のVo.マイク2本録りも含め、マイクを複数本立てると音像の濁りやブレが生じることがある。これは、マイク同士の距離のずれから生じるタイミングのピントズレである。
例えば音量のバランスだが「2本のマイクの一方の音量を上げると、もう一方は引っ込んでしまう」のは正にこの「タイミングのピントズレ」であり、一般的にこの現象を「逆相」と呼んでいる。
(反対語は正相)
マイクを2本→3本→4本と追加しても音が普通に増えて太くなればOKだが、そううまくいかない場合が多い。
回避方法として「逆相になっているマイクチャンネルの、マイクプリアンプやチャンネルストリップに付いているPHASEスイッチを反転させる」と正相になるケースが多い。マイクの本数分の音量や音像が増え、ピントも合い、音も太くシャキッとする。
今回のセルフRECではMANLEY DUALMONOとMillennia HV-3Cをレンタルして使用。
2台とも高級マイクプリアンプ(2ch×2台=4ch分)として名高く評判も良い。
MANLEYにはPHASEスイッチがあるが、Millenniaにはない。そこで逆相になり得るチャンネルをMANLEYにつなぎ、正相でいけそうなチャンネルはMillenniaにつないで、それらのアウトプットをTASCAMのインターフェイスに。試し録りしてみると、目の前で鳴っているかのような立体感がある、ワイドでリッチなクリーンGuitarの音が再現されていた。これで本番録りもうまくいきそうだ。
【今月のMV】 Coo 「SYUKYO」
従来のスタイリッシュでソリッドな流れに意表をついたパロディー要素が加わり、彼らの新しい局面が堪能できる。
https://www.youtube.com/watch?v=k8h2mBOozAM
【今月のちょいレア】 TAKA 電源ケーブル
数あるパワーケーブルの中でも最高峰の電源ケーブル、と言っても過言でない逸品。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!
cruyff in the bedroom 「 HATE ME 」
ジャパニーズ・キング・オブ・シューゲイザー、とも称される彼らの通算6枚目のフルアルバム。Yahooや音楽Natalieなどのネットニュースでも取り上げられ注目度も高い。今作は全曲英詞 で歌われており原点回帰の意味もあるが、洋楽の領域により深く到達している秀作と言えよう。 2017年5月全国発売。
Slow Peak Life 「 a routine life , down home music 」
仙台在住。シティーポップをさらに進化させたネオ・フューチャーポップとも評される、ごきげんなアッパーチューンが立ち並ぶマスターピース。FRONTIER BACKYARDやAla、ホテルニュートーキョーなどが好きな人におすすめ。全国発売中。
メンバー全員が音大卒、エリートキーボードトリオバンドのミニアルバム。洋楽ポップスが基軸にあり、その上に各自が持つ柔軟な作編曲能力を発揮させ、千変万化する曲調が楽しめる。バリーホワイト、ベンフォールズ5、ビリージョエル等が好きな人には特に聴いてほしい。
少しフォーキーなエモロックの決定盤。全体的に歌の熱量が高く、歌詞の世界観も相まって心地よい化学反応が随所に起きている作品。決して派手ではないが、演奏の雰囲気も実に味がある。
cruyff in the bedroom 「 HATE ME 初回特典 / 全11曲収録リミックスアルバム」先程紹介したフルアルバムの初回特典として企画されたリミックスアルバム。
中村雄一(ZEPPET STORE)、オリマコト(Francis,ex THE COLLECTORS) などの豪華なリミキサー陣によって、独自のアイディアを丹念に注いで制作されている。これからリミックスを始める人には是非チェックしてほしい。
国内シューゲイザーバンドの大御所「cruyff in the bedroom」4年半ぶり6枚目のアルバムが、来たる5月発売になります。今作は私が全曲Mix、マスタリングを担当しました。
1998年結成、国内のみならず海外のシューゲイザーフェスにも出演が予定されており、彼らのトリビュートアルバムにはリンゴ・デススターやGoing Undergroundなどの有名アーティストも参加するなど、話題には事欠かないバンドです。洋楽マニアだけでなく、邦楽ロック好きの方も是非彼らの世界観に触れてみてください。
cruyff in the bedroom ホームページ
http://www.onlyfeedback.net/cruyff/index.html
【架空大学生バンドのセルフREC】
ついにメインVo.録音も残り2曲。【BPM=103:コールドプレイ風ミディアムテンポ】の曲にとりかかる。まだバッキングG.は入っていないが、アンプシミュレーターでリズム隊と一緒にとった仮G.があるので、そちらをモニターしながらVo.録り。
とりあえず全部通して一回目のVo.録り。先程までのテンポチェンジの多い曲に慣れてしまったせいか、リズムが走る。ピッチ以前の問題である。数テイク録り続けるが、マニアックなメロディーラインのせいもあってか、ピッチもリズムも安定しない。なかなか合格ラインまで達しないので、「Aメロだけ」「Bメロだけ」と部分に分けて録ろうということになった。まず1サビを数回録り、気になる箇所をAutoTuneで直し、2サビに。スタジオを借りている残り時間が1時間を切る中、2サビを数テイク録り、ピッチ、リズムともに悪くない感じのテイクが録れたところで2Bへ。
1テイク目からかなり良い感じ。1か所だけピッチを直して2Aへ。歌詞を間違えてしまい、その箇所のみパンチインで修正してOK。いよいよ最難関の1A。ギター、キーボードといったコード楽器が一切入っておらず、ドラム、ベース、歌のみである。そこで、2A部分の仮ギター(トレモロのかかった白玉)を暫定的に1Aにコピーし、歌の手助けとすることにした。たったそれだけの工夫で、歌いにくかった1Aが雰囲気のある良いテイクになった。
ようやくすべての部分のVo.が録れたので、全体を通してチェック。ピッチ修正したいところは10数か所あるが、自宅作業で直せるレベルのものばかりなので問題なしとの結論に。
今回は、楽曲の構成通りではなく部分部分で録っていったにもかかわらず、結果通して歌っているように聴こえる出来になりメンバー全員テンションが上がった。
今回のRECはここまで。次回はバッキングギター録りである。
【今月のPV】 砂漠、爆発 sabaku∞bakuhatsu 「 purnima 」
1990年代と2010年代のトランス、サイケロックを融合させた必殺の1曲。海外のバンドとの交流も多いトランスロックバンドである。
【今月のちょいレア】 Terry’s Optical Comp2
ガレージブランドTOC-02/A.K.I brothers が放つ極上のナチュラルコンプ。無理やりなコンプ感や音やせが一切ない。ベース、ギターだけでなくキーボードやアコギ、エレクトリックシタールなどにも幅広く使える優れモノだ。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
Coo 「 TOY BOX YOUTH 」
ぞくぞくとするタイム感、キメの歯切れよさ、バンドサウンドとベストマッチする声質と歌詞。
どこをどうとっても、現メンバーでの最高傑作といえるミニアルバムに仕上がったのではないだろうか。
ギターロック好きにはマストな1枚。2017年3月発売。
AKI 「 ただ、海を眺めて 」
自らのバンド「ヒヨリノアメ」と並行してリリースされた、シンガーソングライターAKIの2ndアルバム。
アコギのフレーズに独特の工夫が見受けられ、そこに彼の世界観がたっぷりと入った歌が乗り、ワン&オンリーな音楽空間が出来上がる。
今後の活躍に注目しよう。
monopolli 「 滄溟(そうめい)、君に有れ 」
トレンディーなギターロックを限りなく追及している平均年齢17歳のロックバンドのマキシシングル。
とにかく目の付け所が良く、アンダーグラウンドをオーバーグラウンドにも変換させてしまう才能に脱帽。
サーキットイベントへの出演も決定、波に乗っていきそうなバンド。
ゴッサム団長 「 How To Make Love 」
ロカビリーと80‘sJ-POPが結合した、ニュータイプR&Rバンドのマキシシングル。
少々いかついキャラ、甘い声質、ソリッドなスラップ音は相変わらず健在で、世代を問わず安定した人気を博している。
団長の、ウッドベースを演奏している時と、鍵盤を演奏している時のひの雰囲気が表裏一体といった感じで非常にナイス。
tokage 「 BEAT! BEAT! BEAT! 」
メンバーのほとんどがメジャー経験者からなる、ギターポップバンドのミニアルバム。
豊かな経験値を縦横無尽に繰り広げる楽曲バリエーションには敬服する。
ボーカルSAKIの存在感も秀逸。全国発売中。
このところ「マイクケーブルのおすすめは何ですか」という質問をプロ・アマ問わずいろいろな方からされるので、当スタジオで使用しているマイクケーブルの一部をご紹介します。
【Evidence Audio】
最低音から超高音まで、フラットなケーブル。
録音素材を選ばないリッチな質感を提供してくれる「最高レベルのマイクケーブルの1つ」と言っても過言ではない逸品です。
【Whirlwind】
楽器用シールドの知名度もなかなかのメーカーで、このマイクケーブルも中音域が少々派手でアメリカンな質感が楽しめる。
意外にロープライスなのも魅力的です。
今回の作業はVo.録りを3時間で。運よくNeumann U87AiとSE Electronic GeminiⅡの2本、TUBE TECH MP2A(2chマイクプリアンプ)といった高級機材を借りることが出来た。
マイクケーブルは KLOTZ M5とM2を使用。(写真はM2)
まさに「セルフRECがプロREC水準に迫れそうな」機材を使い、残り3曲にチャレンジする。
【テンポチェンジ有レディオヘッド風オルタナロック】
AメロはBPM=126で淡々と→BメロはBPM=151にテンポチェンジ。音数も多く雰囲気もガラッと変わる。Aメロ①から録りはじめ、1stテイクを聴いてみると「ピッチ、リズム共に問題ないが面白味がない」と感じてしまう。ブース照明を落とし、Vo.が自分の世界観に入りこめる雰囲気を作り2テイク目へ。OKは3テイク目で出た。
続いてAメロ②へ。流れは良いのだがピッチ、リズムが甘い。テイクを重ね、3回目で自然に力を抜いたテイクが録れてAメロ録り終了。
休憩後、Bメロ録り。テンポも変わり、Aメロとは真逆の「エモっぽさ」が要求されるので、先程までのAメロの雰囲気からの切り替えに苦戦する。エモっぽさが出てきてもピッチとリズムが崩れ、テイクを重ねる。5テイク目でOK。
ピッチ修正をその場で行い、加えてダブリングも入れようということになりマイクから約1m離れて1曲通しで録った。
コーラスは後日にまわすことにして、次の曲【コールドプレイ風ミディアムテンポ】に移る。少しカオティックなこの曲、果たして録り切れるのだろうか。スタジオの残り時間は2時間弱である。
【今月のMV】 Omoinotake 「Hip It Up」
シティーポップの雄「Omoinotake」が放つ最強のキラーチューン。日本テレビ系金曜深夜の音楽番組「バズリズム」でも取り上げられた。
【今月のちょいレア】TUBE TECH MP2A
ハイエンド2chマイクプリアンプ。あらゆるマイクレベルの音素材を、高級感のあるラインレベルにまで引き上げる百戦錬磨な一台。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
中華圏最大級野外フェス『Spring Scream2016』に出演、セミ・ヘッドライナーに大抜擢された最新型ロックンロールブルースバンドのフルアルバム。今作はグローリー・ヒルのキーボーディスト
mitch sugihara氏もゲスト参加し、R&Rを現代風に昇華させている。2017年3月全国発売。
ポストロック、シューゲイザーを通過したギターロックバンドのフルアルバム。 全国流通、全国ツア-をこなしてきた彼らの、10年目の区切りとなる記念碑的な作品。キャッチ―さとマニアックさが程よいバランスで混在しているところがおもしろい。
80’sネオアコ、アノラックが90‘sシューゲイザーやアブストラクトを纏い、2000年代ブルックリン勢やUKオルタナ色の加味された秀逸なミニアルバム。フランスのMusea Recordsレーベルから2017年1月ヨーロッパ中心に発売された。まさに「逆輸入盤」である。
80’s~90’sのニューウエーブやポストパンク色が漂う、女性Vo.R&Rバンドのシングル。ローリングストーンズ、ランナウエイズ、パティ―スミス、少年ナイフ、ゼルダ、Hole、SEAGULL SCREAMING KISS HER KISS HERあたりが好きな人にぜひ聴いていただきたい。
JASON國分& THE SOUL KITCHEN 「魂の宴」
ローリングストーンズ、ARBをベースに国内外のルーツミュージックを幅広く取り入れ、世代を問わない魅力的な一枚に仕上がったR&R、R&Bバンドのミニアルバム。ジェイソン國分氏のワン&オンリーなVo.が存在感やオリジナリティーを更にマッシュアップさせている。
明けましておめでとうございます。この連載も3年目に突入、今年は内容をよりパワーアップさせていきたいと考えています。
先日、同業の友人が栃木県宇都宮市で経営する音楽スタジオ「BEAT CLUB STUDIO」を訪ねました。
スタジオ代表兼レコーディングエンジニアである横須賀さんは非常にキャパシティーの広い方で、ポップス、ロックはもちろんの事、ジャズ、クロスオーバー、ブルース、EDM、ワールドミュージック、エスニックなどあらゆるジャンルに対応されています。
またレコーディングスタジオのみならず、リハーサルスタジオ、ライブホール、自社レーベル、PAなど幅広い業務展開もされており、CRT栃木放送の番組制作もこのスタジオで行っているとのこと。彼のスタジオで制作される番組の一つ「我ら音楽仲間たち」には、我がスタジオチャプターハウスとも縁の深いバンドやグループにも出演のお声掛けをいただき、S.H.Eをはじめ数グループが出演させていただきました。横須賀さん、パーソナリティーの斎藤どらみさん、その節は大変お世話になりました!
最初の1時間でマイクとギターアンプ(バッキング用)のセッティング、音決めを終わらせ、ヘッドフォンの返しバランスをチェックし、【4つ打ちダンスロック:BPM=170:同期3パート有:F-Dm7-Gm7-C7sus4】を録り始めた。バッキングギターを3テイク連続で録ってみたところ、普通のコードをかき鳴らす歪み系のバッキングは問題ないのだが、曲構成A部分のクランチ気味のアルペジオ演奏が粗い。(1回目A、2回目A共に。)
その部分のアルペジオ音色のみクリーン寄りにして、パンチインしてみるが、回数を重ねてもなかなか良い演奏にならない。数回弾いたうちの使えそうな部分を編集し、一本化してとりあえずOKとした。
休憩後は【アジカン風ギターロック:BPM=158:Dm7-G7】を録ることにした。
バッキングの音色は、先程の一曲目とほぼ同じ音作りで録ってみる。メインボーカルと中高音域が少々バッティングするので、ギターアンプ(MESA)のプレゼンスを多少削るとドンピシャにハマった。2テイク録ってOKとなり、3曲目の【4/4拍子-5/4拍子:ポストロック風:BPM=183:C-GonB-Am7-G7sus4】のバッキングを録ることになり、アンプをマーシャルJCM2000に変更。
マイクはBETA52、ゼンハイザー609、DPA4091、マイクケーブルはEvidenceAudio、マーシャル用電源ケーブルはオヤイデ ブラックマンバ、スピーカーケーブルはエレクトロハーモニクス、シールドはモンスター プロシリーズ。ギターはテレキャス。
1テイク録ってみて、歪みのイメージがかなり近いので低音のつまみを回し、低音成分を少し増やした状態で本番録り。(同期無しなのでラインは録らない)一発OKとなり、3曲分のバッキングギターを録り終えた。残り時間の3時間弱は、4曲目以降のVo.録音に費やすこととなった。
【今月のちょいレア】 Audix CX111
従来のコンデンサーマイクの繊細さに、ワイルドさが追加された守備範囲の広い一本。解像度の高い質感にUreiのコンプがさりげなくかかったような、パンチのある音が特徴的。Audix初期の名マイク。
【今月のMV】 Cuicks 「honey bee,green time」
ジャングルライフ+ジョイサウンドのコラボ企画「うたスキポスト」にも入っている、Cuicks1stアルバムのリード曲。フリッパーズギターの2nd、3rdとコーネリアス1stに通じる、2010年代の渋谷系ど真ん中な1曲。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
Omoinotake 「so far」
InterFMでシアターブルックの佐藤タイジとセッション、FM802をはじめ各地のFM局や日本テレビ系「バズリズム」にてPOWER PLAYに決定、ROJACKで最終選考まで選出など、話題に事欠かない彼ら。豪華なゲスト陣を含め、カラフルなシティーポップを奏でる1stフルアルバム。まさに今が旬である。2017年1月全国発売。
Junky Funk 「Jack in the BOX」
アメリカ バークリー音大卒のマルチインストルメンタリスト、松井秋彦率いるプログレッシブ・コンテンポラリーJAZZの決定盤。音川英二、嶋村一徳、立川智也といった国内一流ミュージシャンを従え、前例のないフューチャーJAZZを構築。ジャズライフをはじめ多数の有名メディアにも取り上げられている。全国発売中。
アスカゼ「喜怒哀楽を武器にして」
東京と福島在住のメンバーで成り立っているPOPロック系バンドのマキシシングル。一度聴いたら頭に残る、王道のメロディーラインと、歌詞・声質が特徴だ。路上ライブなどでも足を止めてしまう求心力のある、楽曲構成力も良い。
アンダースリープ 「ブルーコンパス」
アルペジオのギターフレーズと、疾走感のあるリズム隊が印象的なギターロックバンドのE.P。楽曲と声質の相性が抜群に良く、歌詞も耳に残る。定番J-ROCKが好きな人におすすめ。
Qualtet of Death 「Heavy Metal Strategy」
全世界20ヵ国同時発売のラウド系コンピレーションに参加経験もある、北欧系シンフォニックメタルバンドの1stシングル。既に発売になっている2ndよりも、ブラジルを中心とした南米メタル要素が色濃く出ているのがユニーク。Vo.KOZAWA氏のハイトーンも健在。
先だって告知させていただいた「音楽プロデュースセミナー」、おかげさまで無事終了いたしました。
今回講師としてお招きした(株)クリエイティブマンプロダクション宣伝部長の平山善成氏からは、SUMMER SONICやパンクスプリング、electroxなど大型フェス制作サイドの貴重なお話を伺うことが出来ました。私もコメンテーターとしてかなり際どい質問もぶつけさせていただきましたが、非常に濃い内容の充実した二時間となりました。ご参加くださった皆様、ありがとうございました。
エレキギターをアンプに通した音を、マイクで録音すると「目の前で鳴っているギターの音(特に歪み系)」と「マイクで録音した音」とのギャップに面くらった経験がある方もいらっしゃることでしょう。これはギターに限らず全てのパートにあり得ます。こういった事象についてギターで説明すると、まず「アンプを大音量で鳴らすため、数メートル離れて演奏する」ことで「アンプスピーカーから直接出る音」と「数メートル離れて聞く音」で違ってきます。それとマイクで拾う音はピンポイントであるため、本当の意味で楽器の音全てを拾うのは無理に近いのです。マイクの音域特性も関係しています。
プロ、アマ問わずセルフRECの悩みとして「マイク1~2本、2本の場合はオンマイクとオフマイクなど工夫して録音してみても、中低音域が薄くなりがちで納得いかない結果になる」という話を良く耳にします。レコスタなどでは、アンプを別ブースに入れて「敢えてアンプの音を聴かずに」マイクで拾う音だけを頼りに調整することもあります。しかしセルフRECではこのようなやり方はなかなか現実的ではありません。
スペースに限りのあるセルフRECでよりよい音を録る作戦の一つとして「マイク3本をオンマイクで録る」やり方があります。例えばSHURE Beta52を低音用、DPA4091を中低音~中音用、SHURE SM57を中音~高音用と、フルレンジで低音から高音まで「EQを使わずに」録ってみるということです。マイクプリアンプも、出来ればNeveやNeveのレプリカ系(Vintech AudioやBrentavrillなど)、Manley、Tubetech、Millenia、Amekクラスの物を3ch分は用意したいところです。パッチ系も含むシールド類、電源ケーブルも高級かつ曲のイメージに合う音質になるものを使用してください。(人に借りてでも、と力説しておきます!)
なおかつチューナーは間に挟まず、アンプのチューナーアウトから繋ぐことで音質の劣化を防げます。
たまにしか使わないエフェクターは基本的に外しておき、使うときに別トラックで録った方がイメージ通りになったりもします。(わざとチープな音を狙う場合は別)
そして一番重要なこととして「アンプ、ギター、エフェクター」の状態に注意する。意外と盲点になり得るのですが、状態の良いもので録らなければ意味がありません。プロミュージシャンは高い演奏力はもちろん、アンプや楽器類、エフェクターも改造したりしていますので録り音そのものが素晴らしく、ボリュームとパンニングだけで良い感じになってしまうものも少なくありません。
大学生バンドセルフRECの状況に戻りましょう。今回録る曲は同期が3パートあるので、ギターの録りの際アンプから録ることに加えラインパートも録ると、MIXのとき同期とギターが混ざりやすくなります。
つまりギターの一音色につき「マイクトラック3本分、3トラック」「ライン1トラック」の計4トラックを使用することになり、またEQは使用しない方がMIXの時ツブシが利きます。
これらの事を踏まえて、最初に録るバッキングパートはアンプから直の音で行こうということになった。アンプのMESA本体電源ケーブルは初期のAETを使用、シールドはエリクサ。電源を入れ、時間をおいてからスタンバイスイッチを入れ音作り開始。一発目の出音がアメリカンでファットな分離の良い音で、全員テンションが上がった。
仮に録ってみて、生音と録りのギャップをチェック。完全に一致はしないが、かなり目の前の出音に近い。アンプのつまみ、各トラックのブレンドをいじり理想に近づいていく。
キューボックスのモニターバランスも調整し、なかなか良い感じになってきた。
【今月のちょいレア】DPA4091
見た目を良い意味で裏切る、無指向性のコンデンサーマイク。
洋楽ラウド系の「歪んでいても完全に輪郭が潰れにくい、
ハイファイな音」が録りやすい。アコギ録音にもぴったり。
【今月のMV】 YU-DAI 「オーダーストップのないレストラン」
90’sUSAのHipHopをベースに、メロウなメロディーが堪能できる一曲。
【樫村 治延(かしむら はるのぶ)】
STUDIO CHAPTER H[aus](スタジオチャプターハウス)代表・レコーディングエンジニア・サウンドクリエーターWhirlpool Records/brittford主宰。専門学校非常勤講師、音楽雑誌ライターとしても活動。
全国流通レベルのレコーディング、ミックス、マスタリング、楽曲制作を年間平均250曲以上手掛ける。
スタジオについての詳細は http://www.chapter-trax.com/ をご覧ください。
当スタジオで一貫して制作されたアーティスト作品の一部をご紹介します。
エンジニアといたしましては、webや動画ではなく是非「CDで」音質をチェックしてほしい!!!
Cuicks 「WARP」
2015年6月号SOUNDDESIGNER、2017年1月号SOUND&RECORDING MAGAZINEにも取り上げられた、ネオアコベースのアブストラクト・ポップミュージックの決定盤。ファンタジーワールドに引き込まれるような世界観は、コーネリアスの名盤「ファンタズマ」を彷彿とさせる。
2016年12月全国発売。
CANDELASTAR 「BLUESTELLA」
Disclosure、Yeah Yeah Yeahs、ROYKOSOPP、CUT///COPY、The Naked And Famousあたりをイメージさせるエレクトロユニットのミニアルバム。NewOrderのようなチープさも踏襲している。FUJIROCK系が好きな人に特におすすめしたい一枚。
鵲 「水槽」
90’sを通過したJロックに、キーボードを前面フィーチャーした上モノがとにかくゴージャスなロックバンドのシングル。ソフトV系風のVo.スタイルがほんのり漂い、2010年代邦楽ロックの新たなスタンダードをアピールするような意欲作。
少年タイチ 「サスライ」
日本のアンダーグラウンド系フォークパンクと初期のニューヨークパンクの精神性が、自然に結実した「少年タイチ」の満を持しての自信作。独特な世界観を持つ歌詞と声質がインパクト大である。
Same As Before 「衝動的Speaker」
例えるなら「ONE OK ROCKを独自に解釈、咀嚼して新たに生み出された」とでも言うべきスピード感全開のマキシシングル。立川在住ながら海外展開も視野に入れた、グローバル志向な彼らの動きに注目したい。全国発売中。