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YRD Leo、活動6年目の新たな始まりを感じさせる、自身最大規模のワンマンライブが終幕。

総ストリーミング再生数が1億5000万回を突破するなど、Z世代を中心に熱い支持を集めているアーティスト、YRD LeoがワンマンライブをUMEDA CLUB QUATTROで開催した。地元大阪で、自身最大キャパとなる今回のライブはバンドとDJセットの2部構成で繰り広げられた。
 
第一部はYRD Leoがひとりで歌うDJセットで展開。白い蝶をモチーフにした独創的なアニメーションのオープニング映像に続いて、一曲目で歌ったのは自身の出発点ともいえる『Model』。「大阪いけますか?」「俺よりみんなのほうが緊張してるで」「みんなと一緒にこの時間を作っていきたい」とやさしく声をかけて距離を縮めてゆく。曲が進行するにつれて観客の手が次々と上がり、ステージに呼応するように熱気が高まっていった。
 
「今日は俺の数少ない友達も来てるから」と友達に向けた書かれた『手紙』では温かい雰囲気となり拍手喝采に。続く2曲、『Angel』と『Over』では男女それぞれの対になる切ない恋の別れを描き、エモーショナルに歌い上げる。
 
また、この日のMCでは「YRD Leoとしてどうあるべきか考えていたら、本当の自分がわからなくなった」と、自身の胸中を率直に口にする場面が端々で見られた。昨年のライブ後にファンと話す時間があり、「めっちゃ温かい声をかけてくれた。(自分自身を)着飾らなくていいんやと (実感した)」。悩んでいた自分を「救ってくれたのはみんな」と感謝を伝えて心の支えとなった『Two』を歌った。
 
演出面では明るいライトは控えめにして、ステージバックに曲のイメージに合わせた映像を投射し、陰影に富んだ空間に浸らせる。特に『Remember.』では桃色のライトの中で、花びらが舞い散るような映像が抒情感あふれる楽曲にとてもマッチしていた。
 
そして、第一部のラストに歌った曲は4月2日に配信された最新シングル『Prologue』。これまで5年間活動する上で楽しいことだけではなく、失うものもあった…と吐露しつつ、自分の歌を聴いてくれる「みんなが救ってくれた」と再び感謝の思いを伝える。さらに、「もっと自分のことを知ってもらおうと思って、初めて自分のことを歌にした。みんな、これからもついてきてくれますか?」と、新たな決意が込められた同曲を真摯に届けた。
 
転換時にはバンドとのリハーサル風景が映し出されて、第二部は3ピース(ギター/ベース/ドラム)のバンドを従えて登場。
 
『Tokyo』からバンドの音圧に負けない力強い歌声を会場全体に響かせる。「まわりは気にせず、俺は俺らしく」という気持ちを体現する『My Way』ではパワフルなドラムに突き動かされるようなボーカルで観客を引き込んでゆく。途中のMCで、「バンドマンしたかったんよ~。夢が叶いました!」と漏らしていたのも納得だ。フロアからも歓声が飛んでいた。
 
終盤、亡き友に捧げられた『Lily』を歌う前に、「携帯のライトで照らしてもらっていいですか?」と呼びかけると、みんなが一斉にスマホを掲げてYRD Leoのほうに光を当てる。ステージバックには波ような映像が投射されて没入感がある光景に…。その後、自身の名前に由来する『Young Rich Drama』は「俺の中でこれからも俺を代表する曲」と宣言。リリカルなピアノのフレーズを同期させたバンドサウンドに乗せてメロディアスなフロウを高らかに響き渡らせた。
 
そして、「アンコールは用意してない。これで終わるけど、俺の中では始まりやと思ってるから。一緒に歌ってくれる?」そう声をかけてラストに歌ったのは自身の代表曲の1つである『Bye』。誰もが生きていく中で経験する様々な別れ。その辛さや痛みを昇華して、前進して行こうとする意思が伝わってきて、フロアからも大きな喝采が湧き上がっていた。

タイトルに“プロローグ=序章”と掲げられていた通り、活動6年目を迎えて新たな始まりを告げた一夜。意欲に満ちたパフォーマンスを見せてさらなる飛躍を予感させるステージだった。

文/エイミー野中

【ライブ情報】
『YRD Leo ONEMAN LIVE “Prologue” with BAND & DJ SET』
日時:2025年4月6日(日) OPEN 16:30 / START 17:30
会場:UMEDA CLUB QUATTRO
料金:チケット ¥ 5,000 (1ドリンク代別途)
オープニングアクト:Hayato Yoshida
 
セットリストのプレイリスト公開中:https://yrdleo.lnk.to/Prologuesetlist

【YRD Leo プロフィール】
1999年4月20日生まれの25歳。大阪府出身。
 
切なさと優しさを持ち合わせた唯一無二の歌声とメロディセンスで魅了する
ヒップホップ・アーティスト。
 
2020年「Model」で本格的に音楽活動をスタート。コンスタントにデジタルリリースを続け、
2021年9月にリリースした「Bye」がSNSで拡散され、リリースから1年足らずでストリーミング
1000万再生を突破しスマッシュヒット。
 
楽曲を通じてエモーショナル&センチメンタルな感情をさらけ出し、
切ない恋を描く歌詞と歌声に共感する若者が急増中。
Z世代で最も注目を集めているアーティストの1人。
 

                               

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