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音×AiRの魅力、面白カッコいい。“NOW ON AiR リリース記念ワンマン〜届け!あなたの街までハートフルレボリューション〜”ライブレポート

2017年3月17日(金)に梅田Shangri-Laで、音×AiRの“NOW ON AiR リリース記念ワンマン〜届け!あなたの街までハートフルレボリューション〜”が開催された。その“アツく面白かった”ワンマンライブについて、ライブレポートを掲載する。

■ライブレポート

3月17日3連休前の金曜日。梅田シャングリラに続々と人が集まってくるその理由は、音×AiRのワンマンライブがあるからだ。
扉を開くと目に留まったのは大きな音×AiRのバックドロップ。今日のワンマンへの意気込みと気合いが完全に具現化されたインパクトのあるものだった。
ステージには右方向にドラムがあり、左方向にベース、真ん中後方にギターがセッティングされている。
よく見慣れたこのセッティングが、今日は特別な輝きを放っているように見えた。
ステージの様子を確かめているわずかな間に、最初はまだまばらだった観客が、立錐の余地なく会場を埋めていた。

至極の時間を楽しみにするかのように笑みを顔にうかべ、音×AiRの演奏を今や遅しと心待ちにしているファンを見渡してみると、老若男女問わず幅広い層から支持を受けていることがわかる。
ライブ直前の会場にはBGMと観客の話声が静かに広がる。目でも耳でも掴めない部分では、ドキドキワクワクとただならぬ期待の音が聞こえるようだった。

その期待の音が現実となったのは、会場が暗転し「ピンポンパンポーン! 本日は“NOW ON AiR リリース記念ワンマン〜届け!あなたの街までハートフルレボリューション〜”にご来場頂き誠にありがとうございます!」という彼ら独自のアナウンスが流れ出したのがきっかけだ。
続いて、ライブでの“お願い”がアナウンスされる。
それは私の“興味”を根こそぎ持って行く内容だった。
その1。公演のMCはコント形式で行うので、心の準備をして欲しいと言うのだ。“夢のワンマンライブに向かって日々成長して行く3人のバンドマン”という設定らしい。
その2。劇中にVo.楓が「次で最後の曲です」と言うセリフがありますが、コント内のセリフではなく本当に“最後の曲”になるらしい。
その3。「めちゃくちゃしっかり準備をしてきているので、皆さんの温かいアンコールが欲しい」らしい。
どんなお願いやねん(笑)と、思わずツッコンんでしまったのは、私だけではないハズ。
会場はクスクスと笑いだし、もう既に音×AiRワールドへのゲートをくぐっているのだと確信した。

SEが流れ出すと観客は待ってましたと言わんばかりに手拍子をする。
そして赤青黄緑とド派手なスーツを身にまとって音×AiRの4人が登場する。
大歓声の中、我らここにありと始まったのは「波乗りトコナッツ」。
「ダントツ☆YOU」、「オトコボンバー」と冒頭3曲たたみ掛けた。
勝手に体が動く。あれこれ考えるのがもったいないぐらい楽し過ぎる楽曲、ノリノリなのは当たり前、ノセない訳がないと表現した方が正しいだろう。
Dr.竜之介の痛快な叩きっぷり。目や顔、ドラムプレイで使わない部分は全てパフォーマンスに回す。
Ba.MASAYAは派手なアクションやプレイングをするも、しっかりボトムをキープする力がある。
G.ショウくんもサポートギターだというのを感じさせない。このリズム隊だけでも圧巻だったが、楓はその中でも絶対に“押し負けしなく”最前線でライブを引っ張って行く。
ステージを最大限まで使う彼らのステージングを見て、楽しくならない人はいないだろうと強く感じた。

3曲が終わったらすぐにジングルが流れコントに突入する。
コント内容は“今演奏していた3曲はすべてスタジオ内での練習だった”という設定だ。
次の練習は何するか? という流れで楓が「Love Me Do」と答え、彼らの爽快ポップスの振り付けをすることに。
音を流しひとしきり練習をした後、いざ演奏でみんなでやってみることになると、ドラムは遅く始まりグチャグチャに…。やり直すと、今度はギターが邪悪に、そして仕上げにMASAYAが同期音源をクラブ風に…。
全員がオイシイ、ボケ〜ツッコミ〜ボケ〜ツッコミという掛け合いで、観客は彼らの作り出すコントに爆笑した。
「こんなこともあろうかと、もう1曲用意してきてるねん」と楓が振り付けを披露したのは4曲目「Poppoco」。
コントで振り付けの練習から自然に曲に入り、観客も“長いコント”の一部としてダンスを楽しんだだろう。
明らかに序盤3曲よりもフロアから手は高く、声は大きく上がっていた。

次のコントはMCについて。
いいライブには“いいMC”が付き物。
だから楓のMC中に泣けて、グッと来るような、“アツい”BGMが欲しいとのことだ。
いいイントロが流れる。
が、バシャーンバシャーン!! と竜之介は“アツい”をはき違えたチャイナシンバルを叩きまくる(笑)。
「ちがうちがう!」と楓が竜之介にツッコみ熱を冷ますが、また竜之介の間違った“アツい”が再発。
あげくの果てには、チャイナシンバルを没収。ステージのセンターまでシンバルを持って行かれる。
それから私が“いいMC”をする楓に目と気を取られていると、観客から笑い声が…。
竜之介が長い棒を持っている。それも2メートル程ある長い棒だ。
その棒で遠くにあるシンバルをバシャーンバシャーン!!! どんだけ叩きたいのか(笑)。
そして、なぜチャイナシンバルにこだわったのか(笑)。
これでもかと楓はシンバルをMASAYAに預ける。
これで一安心、“いいMC”をする楓。
バシャーンバシャーン!!!!

いやMASAYA叩いてるやん!! しかも叩き方めっちゃダサイやん!!
ツッコんでしまうのは仕方ない(笑)。

「いい加減にしろよ!! 力合わせてテッペン目指すんやろ!? 何度でも立ち上がっていかなあかんのやろ!! それが僕らのネバギバソウルやろ!!」
と楓の言葉から始まった5曲目「ネバギバソウル」。
タイトルの通りガンガンアツくなっていくメロディー。リズム隊のアンサンブル、ギターソロ、全てが楽曲に愛のある彼等らしい演奏に「うおー!!」と声が上がり自然と手拍子が始まる。どんどん観客の頭の上を拳がスペースを埋めて行く。
余韻を与えず6曲目の「あの頃のままで」へ。
何故か懐かしく感じる楽曲に、突き進む勇気を込めた歌詞が乗り、会場を見渡すともう観客のテンションが下がることがないことを確信した。

ジングルが鳴り、シーンが変わる。
ベッドから目覚めた竜之介はスタジオに完全に遅刻したことを理解する。
急いで仕度をして、ふと「ネバギバソウル」の時に楓の言葉を聞いて“頑張ろうと思ったのにな”と思う。「ねえ神様いるならお願いどうにかしてよ!!」
…と短いコントの後で始まった7曲目「ドジっ娘モーニング」。
大きなフリップを使って歌う彼らを見て、観客も私も思わず歌ってしまっていた。音×AiRワールド恐るべし。
続いて8曲目「叱ってサディスティック」。
今までとは少しカラーの違うクールな雰囲気だが、全てのセクションに絶妙にノリを理解しているスパイスが散りばめられていた。
「元気のこっていますかー!?」という楓の投げかけに、まだまだと応えるように「イエーイ」と会場に声が飛ぶ。
その後すぐ「今日は可愛い子がたくさんいますね。シャングリラにいる皆を褒めちぎりまっせー!!」
と始まった9曲目「乙女ビンビン」。
近くにいた女の子たちの「きたきた!」と喜ぶ様子が見受けられた。
一切観客の興味を反らさない彼らのステージに感動した。

大きな拍手の中、またもやジングルが流れる。
楓の大きなため息から始まり、「どうした?」と聞く竜之介に対し「ラブ」とだけ答える。
「もしかして恋したん?」聞かれると「そう…!! 泣けてきた」
「なんで泣いてんの?」と聞くと、ふんだんに間を使い「なぜなぜって、僕が聞きたいくらいさ!!」とミュージカル風。
「なにこいつ」という竜之介のツッコミの言葉もよくわかる(笑)。
「でも今スタジオ中やから」と慰める竜之介に対し「でもでもでもでも会いたい!」
竜之介も「でもでもでもでも会いたいって…なんかの歌詞みたい…!? 純愛バイセコー!!」

と始まった10曲目「純愛バイセコー」の明るいイントロから、テンションがぶち上がる観客。でもでもでもでも会いたいとサビに入った時に“ベタな振りやったんやな〜!”と思ったのは私だけだろうか(笑)。
フロアの手がこんなに勝手に上がれば、ステージの上からの景色はさぞかし気持ちがいいだろう。
「いけるかー!?」と煽り、レスポンスが来るとすぐ11曲目「抱きしめたいハグトゥナイ」へ。
4つ打ちのダンスビートは、フロアにヨコユレの波を作った。
「抱きしめたい」のコール&レスポンスでは、竜之介もやってみたいとのことで、やってみることに。
途中「広瀬すず、広末涼子、抱きしめたい」「楓、抱きしめたくない。竜之介、抱きしめたい!!」「ありがとーう」と異常な盛り上がりをみせた。
「楓、抱きしめたくない」は何故コールもレスポンスも一番大声だったのか(笑)。
ちなみに竜之介は満足したらしい。

ジングルがなると「ハグトゥナーイ!」と抱きつこうとして、ビンタをされグロッキーになる楓が。
「楓、元気出せよ。練習しようや。」と声が聞こえる。
「そうや、僕にはこのバンドメンバーがいるやないか。いつだってこいつらが心の傷を癒してくれる。言うなればこいつらが“僕のバンソウコなんや〜!”」
と彦摩呂風に始まる12曲目「バンソウコ」。
このワンマン初めてのバラードだった。夕暮れを匂わし少し気温がさがる様子が表れるロマンティックな伴奏とメロディー。観客もうっとりな様子だった。
「いいよっ!」と観客の中から声が飛んでいた。
一度クールダウンした空気を真逆に裏返したのは、13曲目「ホームグラウンド」。
徐々にダンスビートに変化して行くこの曲は、バラードの後にぴったりだった。大サビでは観客は手拍子を止めない。

ジングルは…流れずに、あれから3年今日は俺たちのワンマンライブ。
「キャー竜ちゃ〜ん!!」と歓声のような音声。
「ありがとう!」とウィンク、投げキッス。「何してんねん!!!」と楓のツッコミ。
竜ちゃ〜んが「お前もやってみろよ?」と“ひと笑い”取った後、楓の「次で最後の曲です。」と冒頭アナウンスの“お願い”その2。
その後は観客に「夢はありますか?」と問いかける。そして…

「僕ら音×AiRにとっての夢とはこのワンマンを成功させることが夢でした。
そしてまた1つ夢ができました。僕ら音×AiRは日本中を笑顔にしたいです。それが僕らの夢です。
その夢に向かって突っ走って行くんでどうかこれからも付いてきて下さい。どうもありがとうございました」
と、聞いたことがないぐらい真っすぐで真面目な“夢”を言い残し、最後の曲「Catch Your Dream」に入った。

もう終わるのかとラストの曲が楽しみな反面、寂しさがこみあげてくる。
完全に会場全てが音×AiRワールドに染まっていた。
彼らの人間らしさ全開で表現されたこの曲は、ライブ本編のラストを飾るのにぴったりだった。
初めから終わりまで歓声が聞こえた。

そして冒頭アナウンス3つめの“お願い”の応えて、温かいアンコール。
彼らが再登場すると、「まってましたー!」や「もっと見たいよー!」とオーディエンスの大きな声が響く。
そしてメンバーから、「これからもコントだけと言わず、もっと皆を笑顔にできるようなことをやっていきたいと思っていますのでよろしくお願い致します」と最後の挨拶と、メンバー紹介をしてオールラストソング、「なんちゃってヒーロー」が始まる。
最後まですべてを絞り出す彼らに負けじと観客も応える。
拳が一度も降ろされることなく盛り上がった。

最後の最後までエネルギーが切れない、会場全てが1つになる瞬間を見ることができたのは今後に残る財産になった。
盛大な拍手の中、“NOW ON AiR リリース記念ワンマン 〜届け!あなたの街までハートフルレボリューション〜”は幕を閉じた。

ライブが終わった後で物販に連なる観客の顔は、今日のライブを存分に楽しんだという喜びに満ちあふれていた。
そして写真撮影に長い列ができる。
楽しい、楽しい、楽しすぎる夜はまだ終わらない。

ありがとう、音×AiR。
愛のあるステージと音楽のもつ力をし再認識させられたこの日。
私は3月17日の今日、大阪で一番、“面白くカッコいい”ライブを観た。

TEXT/PHOTO:Tetsuya Fukushima.

 

 

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