ジャパニーズロック界の強者であり、曲者でもある3人、ROLLY(G./Vo.)、佐藤研二(Ba./Vo.)、高橋ロジャー和久(Dr./Vo.)によるロック・トリオ“The MANJI”が5/26(金)、Shibuya duo MUSIC EXCHANGEにて久々となるワンマンライヴ“〜MANJIのロックファイヤー〜”を行なった。以下、同日のライブレポートを掲載する。
そのオープニングを飾ったのは1stアルバム『卍』の1曲目でもある「ロックンロール中学生」。古き良き時代のロックのオマージュを下地に、やりたい放題にロックする、しかもかなり屈折させて…という、ある意味このバンドの真髄と言えるサウンドが初っ端から炸裂! もちろん佐藤は白い手袋を左手に着用してベースをブリブリに鳴らしているし、ロジャーはドライでクールなビートを叩き出し、ROLLYは所謂“顔で弾く”情感たっぷりのギターを鳴らしている。
「卍 Part2」「サボテン」といったディープなナンバーでは、ヴォーカルに負けないくらい、それぞれの楽器が歌っているし、サウンドの起伏だったり、展開の移り変わりも半端ない。序盤にして、もはやステージは彼らの独壇場となっていた。
中盤に差し掛かると、7/5にリリースを控えている8年ぶりのアルバム『TRIPLED』から「すごくThe MANJIらしい、怪奇でおかしなナンバーを2曲続けて聴いていただきます」(ROLLY)と、「MANJI パワー MANJI ドリンコ」「来るのでっす」を披露。曲名のタイトルコールだけで笑いが起こるが、いざ演奏が始まれば、強靭なバンドグルーヴが客席を飲み込み、蠢くような各パートのフレーズがオーディエンスを深く酔わせる。
演奏後、ROLLYが「こんな変な曲をやっているバンドは他にいない」と言っていたが、「全然変じゃないよ。みんな2小節目から歌ってたもん」と佐藤。どちらの言葉にも納得だ。怪奇でおかしなナンバーだが、難解であってもポップでキャッチー、そこが“The MANJIらしい”ところなのである。
そして、ライブは今宵のスペシャルへ! Quincy Jonesのカバー「Ironside」でプレミアムスーパーゲストとして、すかんちのキーボディストのドクター田中をステージに招き入れる…が、彼が手にしているのは、なんとエレキギター。三つ巴のバンドグルーブにギターで切り込んでいく。これには後ほどROLLYも「てっきりキーボードを持って現れると思っていたのですが、ギターを持ってリハーサルに現れまして、我々をびっくりさせました」と語っていた。
その後のMCでもマイペースぶりを発揮するドクター。ロジャーも今回のリハーサルで初めて会ったという彼に対して、「軽くカルチャーショックを受けてます」と話すほど、強烈なインパクトを放つ。それでこそドクター田中、健在である。そんなドクターとニューアルバム『TRIPLED』からメロディックな「恋の奇跡」を披露すると、ROLLYとギターバトルを繰り広げた「歯ぎしりが止まらない」、さらにドクターがヴォーカルを務めるすかんちのナンバー「恋人はアンドロイド」で中盤戦を大いに盛り上げた。
終盤戦のスタートはニューアルバム『TRIPLED』よりロジャーがヴォーカルを務める「フィフティーショルダー」から。リフもののロックサウンドに乗せて、“五十肩が痛い”と叫ぶように歌う痛快なナンバーに観客も笑顔でノリノリに。続けて、同アルバムから佐藤ヴォーカルのファンクチューン「Let’s get FUNKY」でコール&レスポンスを繰り広げ、さらに同アルバムのリード曲「地獄の極楽」のツェッペリンばりのヘヴィでタイトなグルーブがフロアーの床を揺らすと、ブレイクに合わせての“MANJI”コールからのR&Rナンバー「I Love Me」で本編を締め括った。
アンコールに応えての1曲目は「ハンティーフラッシャー」。ロック愛に満ちたサウンドであり、3人の熱量の高いプレイが観客を焚き付け、再び会場に熱気を充満させる。オーラスはドクターも呼び込み、ニューアルバムのタイトルチューンでありながらも、未収録曲という「TRIPLED」(予約特典CDに収録!)で大団円。ROLLY曰く“New Wave Of British Heavy Metalまる出しのモーターヘッド風”というHR/HM的な高速ナンバーに、言うまでもなく客席では拳が突き上がり、歓声も沸き、The MANJIの久々のワンマン公演は大盛況のうちに幕を下ろした。
レコーディングが終わったばかりというニューアルバム『TRIPLED』から、未収録を入れると7曲を披露した本公演。新曲からはバンドの充実ぶりが分かるのは当然、何よりも50オーバーの3人が少年のごとくロックを心底楽しんでいることが伝わってきた。そんなアルバムのリリースが楽しみになったし、その後に控えている全国ツアーが今から待ち遠しくて仕方ない。
TEXT:土内 昇 / LIVE PHOTO:Mao Yamamoto
■セットリスト
01. ロックンロール中学生
02. スーパーテクニシャン
03. 卍 Part2
04. サボテン
05. 奇妙な隣人
06. MANJI パワー MANJI ドリンコ
07. 来るのでっす
08. Ironside(Quincy Jones カバー)
09. 恋の奇跡
10. 歯ぎしりが止まらない
11. 恋人はアンドロイド
12. フィフティーショルダー
13. Let’s get FUNKY
14. 難聴
15. 地獄の極楽
16. I Love Me
<ENCORE>
17.ハンティーフラッシャー
18. TRIPLED
■リリース情報
New Album
『TRIPLED』
キングレコード
KICS-3499
¥3,000+税
2017/7/5 Release
■ライブ情報
“The MANJI 8年振りの3rd Album 『TRIPLED』 Release Tour
〜空前の興奮!月に吠える!地獄の極楽ヤロー共! 8年も待ったこの新たなる感激!〜”
2017/8/03(木) 松阪M'AXA w/monk no sakebi!
2017/8/04(金) 神戸VARIT. w/八十八ヶ所巡礼
2017/8/05(土) 京都MOJO ※対バンあり
2017/8/11(金) 千葉LOOK w/和嶋愼治(人間椅子) <弾語り>
2017/8/12(土) 甲府KAZOO HALL w/和嶋愼治(人間椅子) <弾語り>
2017/8/13(日) 水戸LIGHT HOUSE w/和嶋愼治(人間椅子) <弾語り>
2017/8/17(木) 高崎Club FLEEZ ※ワンマン
2017/8/18(金) 新潟GOLDEN PIGS BLACK STAGE ※ワンマン
2017/8/19(土) 金沢GOLD CREEK ※ワンマン
2017/8/20(日) 長野the Venue ※ワンマン
2017/8/22(火) 横浜F.A.D ※対バンあり
2017/8/25(金) 熊本B.9 V2 ※ワンマン
2017/8/26(土) 博多DRUM SON ※ワンマン
2017/8/27(日) 鹿児島SR HALL w/TISSUE
2017/8/30(水) 吉祥寺ROCK JOINT GB w/Zun-Doco Machine(水戸華之介+内田雄一郎)
2017/9/03(日) 静岡Sunash w/ザ・キャプテンズ
2017/9/09(土) 仙台enn 2nd w/キノコホテル
2017/9/14(木) 広島CAVE-BE ※ワンマン
2017/9/15(金) 岡山Desperado ※ワンマン
2017/9/23(土) 札幌COLONY ※ワンマン
2017/9/27(水) 渋谷CLUB QUATTRO ※ワンマン
2017/9/29(金) 心斎橋JANUS ※ワンマン
2017/9/30(土) 名古屋TOKUZO ※ワンマン
■WEB
・ROLLY Official Site
・Kenji Sato Official Site
・Kazuhisa“Roger”Takahashi Official Site
・Sony Music Artists HP