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『変態村』から10年…「ベルギー闇の3部作」第2弾『地獄愛』が7/1より全国順次公開決定

PH_JIGOKUAI 2006年の劇場公開時に豚の咆哮とともに全世界に鈍い衝撃を与えたベルギーの闇映画『変態村』のファブリス・ドゥ・ヴェルツ監督の最新作、『地獄愛』が7/1(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開となることが決定した。
 本作は、“オースティン・ファンタスティック映画祭 2014”にて最優秀作品賞・最優秀監督賞・最優秀主演男優賞・最優秀主演女優賞の4冠を果たし、ベルギーのアカデミー賞といわれる“マグリット映画賞 2016”では最優秀撮影賞ほか3部門を受賞した、狂気のラブストーリー映画である。他にも数々の賞にノミネートされるなど、本国のみならず外国でも高く評価されている作品だ。
 監督を務めたのは、カンヌをはじめヨーロッパ全土を震撼させたサイコ・キラー映画『変態村』(2006)でデビューを飾ったファブリス・ドゥ・ヴェルツ。監督はそのデビュー作にも出演したローラン・リュカを主演に、ベルギーのアルデンヌ地方を舞台とした狂気の愛を描く3部作を撮影することを予定している。
 その1作目が『変態村』、そして2作目が最新作『地獄愛』である。監督初の長編作品から10年経って撮影された本作は、人間が必ず心の奥に抱いている狂気的な部分を、男女2人が激しく愛し合う様によって表している。監督が「どのようにすれば観客とキャラクターが共鳴するかを考えた。その答えが狂気の愛だった」と語るように、もし自分たちがモラルから解き放たれたらどうなるかを観客に想像させることで、本作をただのホラーではない、共感を促す愛と嫉妬のラブストーリーに仕上げている。
 本作は、1940年代に約20人の女性を殺害、後に電気椅子で処刑された実在の殺人鬼カップル、マーサ・ベックとレイモンド・フェルナンデスの事件を基に作られた。フランソワ・トリュフォーが絶賛した『ハネムーン・キラーズ』(1970)を筆頭にこのカップルをモデルとした映画作品の中でも、本作は容赦なくリアルな描写によって観客の心を掴み、そして最後は2人の狂気的な愛と一緒に堕ちていきたくなるような不思議な感覚に陥らせる、他にはない新感覚ラブストーリーとなっている。
 約10年ぶりに日本に襲来する『変態村』の衝撃、『地獄愛』。決して日本では作られない、どうにもならない異常性にぜひ注目して頂きたい。
 
 
■作品情報
『地獄愛』(原題:Alleluia)
監督:ファブリス・ドゥ・ヴェルツ
出演:ロラ・ドゥエニャス、ローラン・リュカ、エレーナ・ノゲラ
配給・宣伝:アンプラグド
提供:キングレコード
2014年 / ベルギー=フランス合作 / 93分 / 5.1ch / カラー / 2.35:1
© Panique / Radar Films / Savage Film / Versus Production / One Eyed - 2014 R15+
 
■『地獄愛』ストーリー
シングルマザーのグロリアは、出会い系サイトを通じてミシェルという男に出会う。ミシェルは寂しい女性を夢中にさせ、女性の性的欲求を満たすことで生計を立てる結婚詐欺師であった。グロリアはミシェルに出会った途端、深い恋に落ち、ミシェルが結婚詐欺師だと知ってもその恋は冷めることはなく、娘を放棄するほどミシェルを付け回し、二度と自分から離れないように強要する。最初はそんなグロリアを恐れていたミシェルも、いつしかその異常な愛を心地よく感じ、兄弟と偽り共に結婚詐欺をする道を選ぶ。しかしそんな2人の歪んだ愛は、やがて未亡人を次々と殺す狂気へと変わっていくーーー。
 
 
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