最近のバンドってギターの歪が足りないと思っている。ビッグマフ踏んでフィードバックとノイズにまみれているアンダーグラウンドな音楽が足りない。
そんな中、文字通りのオルタナティブな志向性を持ったバンドをようやく見つけた。ヤバイ。三軒茶屋の汚いライブハウスで初めて聴いた音は衝撃的だった。「二日酔いでもないのになんだこのギラギラした音は」と。汗が吹き出てくる背中の気持ち悪さなんか最高だった。
ノイズまみれの轟音が羽虫のように空間を埋め尽くし、破れたポスターをビリビリと揺らす図太い低音、脳天に杭を打たれているように突き抜けてくるハードヒットのドラム。そして、曲間で洩れてくるオーディエンスの声にならない声。このステージの音をそのままパッケージしたかのような本作は先にCDを聴こうがライブに足を運ぼうがどちらでもかまわない。どちらにしろヤバイのだ。筆者はたった3人でこんな音を出せるバンドを他に知らない。