自身のプロデュースによるニューアルバム『鰻』が約一年半振りに完成。デビュー以降、通算7枚目のアルバムとなる今作は、スティールパン、ホーンセクションが奏でる贅沢なバンドサウンドに、ジャズやラテン、フォーク調など多彩なアレンジが加わり、1枚を通して中山うりのコロコロと変わる表情を眺めているような楽しさがある。
事務所から独立して初のセルフプロデュース作となった前作『ホロホロ』よりも、さらに自由に、ポップに、自分が行きたい道を突き進む彼女の姿が歌詞から浮かんで来る。
「秘密の基地はみつからなかった 他でもないここがそうさ」大きなメッセージはないけど、何でもない当たり前の日常が実は素晴らしいものだと、自然に真顔でさらりと「本当のこと」を歌ってくれる数少ないアーティスト。ちなみに、タイトルの『鰻』に特に意味はなく、日本を象徴するような食べ物だっていうことと、好物の1つなんだそう。