新メンバーを迎え、今年5月に復活を遂げ更なる道を歩き出したSel'm。ニューシングル『brave』には4曲を収録。全編攻めの姿勢ながら、楽曲のなかで“静”と“動”を巧みに使い分け、見事に介在させている。表題曲「brave」はビートの効いた疾走感あふれる激情ナンバー。地の底へと響き渡るような、空の果てまでも突き抜けるような音の塊に心が奮い立たされる。直訳で「破片」という意味を持つ「フラグメント」は、ダークでヘビーな仕上がり。全編英詞の変速チューン「鬼哭啾啾」。彼らの今後のライヴでも、起爆剤となりそうな1曲。「MADIA」は走り抜けるギターとデジタルサウンドの融合が小気味いい。日本語と英語が絡み合う絶妙な歌詞が印象的。
今作は4曲とも異なったアプローチながら、バンドとしてのバランス、それぞれの役割を前面に押し出している。Sel'mの“Rock”魂を感じるに相応しい1枚。少なからず、感じることのある日常での矛盾や憤りを吹き飛ばしてくれるに違いない。