戸惑った。明確な世界観とぶれる事のない芯の強さ。この曲たちを作り、歌っている人物が若干21歳になったばかりの女の子だという事。不純物を取り除いた水をゆっくり凍らせると“透明”な氷が出来るというが、この作品はまさにそのように作られたんだろうなと思う。
そもそも世の中の情報やスピードとは関係のない次元で歌っているから曲が聴き手を選ぶ事もなく、誰の心にも引っ掛かってくる。
“便利なはずの千里眼で余計なものまでが見え始めた”女の子が、“涙浮かんでも流しはしない 僕のキャラバン 勇気を見せよう”と決意表明している。迷いのない曲がいつだっていろんな矛盾を吹っ飛ばしてくれるように、『異常透明』もいろんなところでいろんな矛盾を吹っ飛ばすんだろうな。
そんな作品の制作に関われた事を誇らしく思っているのです。アルバムのアートワーク監修やサウンドプロデュースに名を連ねる方達がとんでもない並びなんだけどあえてそこは触れないでおきます。