1960年代末にデビューし、2010年1月に亡くなるまで、日本の音楽シーンにおいて数少ない、真の“アンダーグラウンド”を貫いたアーティストの伝説的なライブを記録したライブ盤。今のメジャーとインディーズ、というシステム的な二元論ではなく、独特の美意識としての“アンダーグラウンド”。それは“時代に合わせて呼吸をするつもりはない”という彼女の言葉に端的に表されている。この80年代初頭、彼女は音楽的実験を多岐に渡って広げており、このライブでもロックやジャズだけでなく、現代音楽的な即興音楽すらも含めた表現がステージでも展開されていたことが確認できる。残念ながら当時は一部の熱狂的なファン以外にはなかなか届かなかった彼女の作品を、2012年の今、改めて聴くことはとても意味のあることではないだろうか。特に観客との一種異様な高揚感はまさに伝説の名にふさわしい。
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