ブッチャーズ待望の新作です。常に語られてきた「〜に影響を与えた!」「〜からの絶大なリスペクト!」云々でなく、純粋にこの新作を是非味わって頂きたい。凶暴な音像から何故か滲み出る懐かしさと優しさ、そして際立つ瑞々しさで構築される無類のロックンロール。
本作は別次元に踏み出した前作『NO ALBUM 無題』の更に彼方に広がる未開の荒野へと進んでいます。その創出される音楽に言葉が追いつかないが故の抽象的表現紹介の多いバンドですが、広島カープ最後の優勝よりも前から存在するという途方もない年月を経てなお保たれる未知の創造への活力、長いものに巻かれてしまう追従者にはあり得ない、開拓者の勇気と覚悟、そして懐の深さに胸を打たれること必至です。
また今までのブッチャーズにはないサウンドプロダクションにも是非ご注目を。なお、このCDには全10曲約51分間の音とともに、約28,517の文字が詰まっております。