今月のおすすめリリース
ヒップホップとジャズーーそれぞれのフィールドで異彩を放つMC・志人とフリージャズピアニスト・スガダイロー。なんて、“異彩を放つ”とか“孤高”とか、なんだか近寄り難い言葉で形容されがちな両者のコラボレーションは、めちゃくちゃポップ。NHKの子供番組かなんかで歌われてもおかしくない楽曲もあるし、実際に子供たちの合唱が(ワンフレーズだが)挿入されていたりする。他方で、暴力的だったりシリアスだったりアバンギャルドだったり、アルバム1枚を通してときにゆったり、ときに目まぐるしく“物語”(←ここ重要)は展開していく。
志人の鬼気迫るフロウに合わせスガダイローが掌や肘で鍵盤をごりごり弾き倒すさまは濁流とか雪崩とかそういった人が抗いようのない脅威を連想させる。かと思えば凪いだ湖面に波紋が広がるみたいな緊張感にぞくぞくしたり。でも、そういういろんなイメージを伴う音がすっと耳に入ってくる。そういう意味でポップ!
どれだけ言葉を並べても表現できない異能を持つ脅威の新人、おおたえみり。
19歳という若さと美しい容姿。だが、彼女の魅力はそんな外見だけではない。アーティストとして他に類を見ない超絶なピアノを弾き、毒入りの無垢な歌の世界観は、誰もが言葉に出来ないほどの素晴らしい芸術だ。
そんな彼女が8/1にDVD+CDの2枚組でリリースという、異例の作品形態でデビューを果たす。DVDはスタジオ一発録りの弾き語りライブ5曲と、ドキュメント映像。CDにはリードトラックである「集合体」を収録。
映像の監督は、数々のMusic Video / CMを手がける奇才、牧鉄馬氏。CD音源のプロデュースは、島田昌典氏。
心と体で奏でる音楽の素晴らしさがこの作品には詰まっている。ぜひ一度、チェックしてみてください m(_ _)m
男よりもイケメンで男前なAKIRAは『KERA』の表紙も度々飾る人気モデル。
そんなAKIRAをボーカルに据えたDISACODEが、待望の1stアルバム『龍の髭を蟻が狙う』をリリース。
“ロック×和”が心地よく融合し、ハードでありながらどこか切なく懐かしい。
そして、キャッチーなメロディとAKIRAのハスキーボイスは、一度聴くと耳から離れない。気付くと、口ずさんでいる私がいたり…。
さらに、同時封入には「椿」のMV。存分にイケメン女子っぷりを堪能できる。
正に眼福、耳福。
今年5月に1stミニアルバムをリリースしたばかりのBRAIN D HEROZが、早くも2ndミニアルバムをリリース! 今回のアルバムのタイトルになっている『DORK THE FAMILY』の“DORK”というのは“バカ、まぬけ”という意味の俗語。BRAIN D HEROZもパンクバカ的なとこはあるんですが、彼らのことを好きでいてくれる愛すべき“BDHバカなファン”も、みーんな家族(仲間)的に“仲良うしてこうゃないか”(なぜか関西弁)という気持ちのタイトルです。
収録曲はライブで人気の定番曲プラス新曲で構成。問題作と呼ばれている“ねずみキャラで有名なテーマパーク”を揶揄した楽曲もライブバージョンで収録。まさに“ドークをくらわば皿まで”って感じで、BRAIN D HEROZバカになるなら、ライブだけではなく、この皿(CD)も必ず聴いてくださいね。このレコ発ツアーは、8/12からスタート。スケジュールは ホームページでチェックよろしく!! 1曲目のPVもYouTubeにあるので見てくださ~~い。
七尾旅人がニューアルバム『リトルメロディ』を8/8にリリース。2010年にリリースされたアルバム『billion voices』から約2年ぶりとなる今作。震災後に福島を訪れたことによって生まれた「圏内の歌」、福島の沿岸部で出会った少女の記憶から作られたという「Memory Lane」、Dorianと共に編曲したロマンティックなナンバー「サーカスナイト」など全16曲が収録。また、ツイッター上で募ったリクエストから1日で制作し、配信されたミュージカル・ナンバーがアルバム・ヴァージョンとして四家卯大のストリングスをフィーチャーし再録。さらに、盟友U-zhaan、ジャズ界の生きる伝説である鈴木勲らが参加した「アブラカダブラ」なども収められてます。
21世紀のスタンダードと成り得る大名曲がズラリと目白押し。天才少年、アンファンテリブルと呼ばれた10代のデビューから14年、一度もテンションを落とすことなく優れた作品を生み出し続けて来た七尾旅人から、とうとう極めつけの傑作が届きました。
ライブ会場と一部店舗限定販売。ツアーを続けてきたということもあり、爆発力のある演奏と言葉の一つ一つに確かな説得力を感じさせるボーカルには思わず引き込まれる瞬間がいくつもある。
ラストを飾る「ガールフレンド」の様に、叙情的なメロディーでしっかり聴かせるナンバーも。こういったテンポを抑えた楽曲も、すんなりとバンドの持ち味として提示できるあたりに、今後の更なる進化を感じたり。
決して前衛的なバンドではないかもしれない。普遍的なメロディと、歌うべきテーマを実直に歌い上げる。そんな“まっすぐ”でい続ける事は、この息が詰まる日常において時に諦めがちだ。それでもこのバンドだけは変わらず前を向いて走り続けて欲しいし、きっとそうあっていてくれるはずだ。エモーショナルな一面と歌心、そしていい意味でのこの男らしさは、Idlewildの諸作をも彷彿とさせる。
夜のストレンジャーズ、約2年半振りのニューアルバム発売です。ベーシストに南マキ子を迎え、新生夜ストとして昨年より再始動させ、新体制での初音源となるこの作品ですが、全13曲、問答無用の傑作に仕上がっております。ルーツミュージックをベースとした歌心溢れる音楽性は健在ですが、従来の夜ストよりストレートな魅力が満載です。
収録曲「ブギウギカントリーボーイ」はテレビ朝日系「ワールドプロレスリング」ファイティングミュージックとして9月まで毎週番組のエンディングでON AIRされており、新日本プロレスファンにもマストで必聴モノのアイテムとなっております。
そして何よりタイトル曲の「ホームタウンボーイ」、これを聴いて涙しない方はほぼいらっしゃらないのではないか、と思える位の名曲です。夜スト三浦氏のストーリーテラーぶりが遺憾無く発揮された全ての日本国民が聴くべき珠玉の名曲。
忘れもしない2011年12月24日…まさにクリスマスイブ…僕は22時過ぎの新宿発の下り電車にのりこんだ…。あいつらは何を考えているのだろう…そう、ALL OFFのレコーディングプリプロ初日。この世間のハッピーなムードに喧嘩を売るようなスケジュールの中、アルバムのレコーディングは始まった。
ストイックに曲を作っては直す。周りのスタッフの意見にも耳を傾け、このチームで最高の作品を作り出すんだという張りつめた空気の数か月間。完成した作品には苦悩と、成長、野心、希望、すべての感情が封じ込められたと思う。OBLIVION DUSTのRIKIJIという、メンバーにとって唯一無二のミュージシャンの息吹も吹き込まれた渾身の作品となった。ALL OFFのメンバーに天才はいない。ただこのメンバーの組み合わせは、やっぱり奇跡でしょう…。
日本テレビ“イブニングプレス donna”のテーマソングとしてO.Aされています「紫陽花通り」。
まず一度聴いてもらえれば、モリモトナオユキの持つ世界観が伝わるのではないでしょうか。
そして、気になったら二度三度と繰り返し聴いてみて下さい。
自然と肩の力が抜け、自然体・素の自分になっているはずです。
時間に追われる、何かに追われる、そんな日常から少しだけエスケープ。
カップリング曲である「グリマー」、「未完成」もそれぞれ違った色と温度があり、このCDに“色”、“深み”を加えている。
“音楽家”モリモトナオユキが紡ぎ出す“音の世界”をご堪能ください。
名古屋で月一自主企画イベントを続けている黒いチェリーという楽団が、初めてのシングルを発売しました。デジタル全盛のこの時代に逆行し、あえてアナログ7インチレコードのみの販売です。
このレコードには演奏と歌を同時に一発でダビング一切なしで録音し、コンプもほとんど掛けず、生の臨場感・奥行きを大切にし、レギュラー・マトリックス4チャンネルステレオ方式で収録されています。現在ディスクユニオンさんとライブ会場や海外のレコード店で購入できますが、ライブに来られた、再生装置を持っていない多くの若い方にもご購入頂いております。意味の無いコンテンツや情報が氾濫する昨今、本物を体験することが貴重な財産です。
CDを出せば何でも売れていた時代は過ぎましたが、グラフの山の頂点以前に数字が戻っただけです。その頃はどんな時代だったか思い出してください。それを知らない世代の方は調べてみてください。本来あるべき姿があります。