札幌在住の3ピース・バンド。接尾語の“ab”が示す通りabstract=抽象的で曖昧な世界がトラック、リリックに浮遊している。シンプルに美しいメロディ、声、内に向かったリリック、空間を飛び交うサウンド・スケープが3人の“absolute”な音世界をすでに確立している。
今作は制作開始当初から自分達を今まで以上に色濃く反映した作品を作りたいと考えていました。今回、インディーズに久しぶりに戻ったのですが、振り返ってみると、自分達が考えるメジャーというフィールドに対してこうしなきゃいけないとか、こうしたほうがいいとか意識しすぎて勝手に幅を狭めたところがあったのかなと思います。レコード会社の方も「ポップにしてほしい」なんか一言も言ってないんですけどね(笑)。
レコーディングは、「アンドロメダ」という曲から始まりました。この曲でスリーピーにしか作れない音があると再確認できたことで良い再スタートができ、“宇宙”とか“無重力”みたいなアルバム・テーマを決定づけることもできました。
一昨年の春から去年の秋までのレコーディングを通して、単なる宇宙から“脳内宇宙”へとイメージが変化していき、タイトルを『neuron』(ニューロン)としました。アンドロメダ星雲の写真と脳の神経細胞(ニューロン)の写真が酷似しているのをみて、人間の中にも宇宙がある=人間そのものが宇宙だ、というロマン的意味合いです。音に関しては、G.山内いわく「今回は“揺らぎ”にこだわった」とのことです。よくわかりません(笑)。
もう一つ大きかったのはDr.津波の脱退です。バンドの存続も含め話し合いその間一旦制作もストップしました。そこからもう一度このバンドでどういう作品にしたいか、どういう音を鳴らしたいかを見つめ直す時間ができたし語る事ができました。
今回は特に最後のアルバムくらいの気持ちで取り組みました。歳も歳だし(笑)。それらを乗り越えてバンドとしての進化を遂げられた作品になったと思います。
Vo./G.成山 剛