D.I.Y.Lonely Circus Girl、Neat's。昨年1/28に1stアルバム『Wonders』でデビュー。USインディに影響を受けたオルタナ・ポップでシーンに登場。今作は戸高賢史(ART-SCHOOL)らを迎えたバンド・サウンドと独り深夜に編み上げたベッドルーム・ミュージックが織りなすファンタジー。
“微睡んだムーンライト 大切が落ちてゆく”
この言葉からアルバムは幕をあけます。気づかない間にもどんどん時間は過ぎていって、大切なものは毎晩心の中に落ちていってると思います。その全部は拾えないけど。
だから眠る前の微睡む時間には、それを見失うまいと、なかなか寝付けません。
日々ひとりで音楽活動をしていると、社会との折り合いと創造の楽しみのバランスがわからなくなって、悲しくなるときがあります。でも、そこからちょっと目線を変えたアイデアと工夫で、窮屈な世の中はいくらでも楽しく生きられるんだよと教えてくれたチャーリーチャップリン(映画「モダンタイムス」)からのメッセージや、人間の自由な可能性について忘れちゃいけないな! と思う事。私にとっても備忘録のような作品です。
バンドのメンバーとスタジオに入って録音した曲には、アナログのテープを通してみました。柔らかい音で、オレンジ色の暖炉の前でレコードを聴いているような感触にしたかったんです。それにプラス、耳を覆うように鳴るシューゲイザーの音色。大雨の音を部屋で聴いているような、あの感じです。ヘッドフォンでもその景色が伝わるといいなぁ。
ごうごうと地の底で鳴るバンドに、赤い靴を履いた少女がひょうひょうと口笛を吹いているイメージを想像してみてください。相反するものがあくまでもポップに溶け合うのか実験してみたかったんです。
そしてひとりで部屋で録音したデモの歌をそのまま使ったらすごくよかったりして(!)、調子に乗ってそのままマイクを髪の毛にこすりつけたり床に落としたり、息を吹きかけたりしてビートを組んでみたり、ひとりでサーカスするみたいにして作った曲たちもあります。
いつも偶然の中に可能性がたくさん落ちているんです。
私:ねぇチャップリン、歯車が壊れたよ。今までのシステムじゃもう通用しないみたい。
チャーリーチャップリン:想像して創造せよ。人間は自由。人生は一瞬。
Neat’s