アーティストと言われる事にはとても抵抗がある。私はそんな崇高なやつではないからだ。
休日は寝るか食べるか飲んでるかしかしていないし、本をたくさん読むわけでも、映画をたくさん見るわけでもない。音楽だって、気の向いた時にしか聴かない。それなのにどうしてか歌を歌っている。
他人に嫌われないように、なるべく当たり障りのないような生き方で、と思ってきた私が、今はこうして、バイトをしながら夢を追いかけている。自分でもよくわからない。でも、歌を歌っている時だけは、私本当はこんなやつなんですよ、と、手放しで自分を見せられる気がするのだ。
私は誰かに憧れられるような類の人間ではない。音楽の知識も全然ない。だけど、そんなただの26歳が作った歌だからこそ、届けられるものがあると思うのだ。
このアルバムは、そんなどこにでもいる私の短い自叙伝であり、あの子の、あいつの話でもある。是非一度聴いてみて欲しい。多分そこに、君に良く似た人がいる。
関取 花