平成が終わる前に「平成最後の」というワードがゲッソリと鮮度を無くしてしまった2018年初夏。世間の心は速度を上げ、遂に時計を追い越してしまったらしい。苦しい。
新メンバー荒金祐太朗を加えた我々は、時間や他の声に流されない自分達のアルバムを意識して制作した。そして狙い通り、鼓膜破壊必至、15年キャリアとは思えないドライブ感満点のフィルイン(tr1.Don't trust U20)から始まる今作は内包する熱量は今まで以上に、自らの音楽性の手の届く限りを暴れまわる正に縦横無尽なロックアルバムとなった。MV曲にもなっている、骨太なリフにシンガロングするサビが印象的な(tr2.サーチライト)や、POPSの皮を被ったソウル絶望ソング(tr3.アディー・ハディー)を始めとした様々なエッセンスが散りばめられた楽曲達は最後の一音まで疾走感を貫き続け、最終トラック、現在のビレッジマンズストアのバンド像を体現したアンセムソング(tr10.正しい夜明け)が流れ終わっても気付いた時にはまた鼓膜破壊フィルインをリピート再生してしまう程の気持ち良さを備えている。その罠に嵌り、わたしは暫くこのアルバムしか聴いていません。どうしてくれる
(Vo.水野ギイ)